トヨタ ヴィッツはトヨタを代表するコンパクトカーで、スポーティなデザインと扱いやすいサイズ感が魅力です。
今回はヴィッツのラゲッジスペースについてご紹介します。
ヴィッツの荷室・トランクの容量・寸法
この投稿をInstagramで見る
トヨタ ヴィッツは長らくコンパクトカーのスタンダード車種という位置づけの車で、全長の短さや軽量さで幅広い世代で扱いやすい車種として人気でした。
ヴィッツにはガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルがあり、コストパフォーマンスに優れながら燃費性能も高いグレードも存在しています。
ヴィッツは現在後継車種であるヤリスにフルモデルチェンジされたことでラインナップからは無くなっていますが、現在でもヴィッツを街中で見かけることは多いでしょう。
ではまずヴィッツの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | ヴィッツ | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 3,945mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | FF:1,500mm 4WD:1,530mm | |
室内長 | 1,920mm | |
室内幅 | 1,390mm | |
室内高 | 1,240mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 745mm(セカンドシート展開時) 865mm(セカンドシート展開時&アジャスタブルデッキボード取り外し時) |
幅 | 1,000mm(セカンドシート展開時) | |
奥行き | 625mm(セカンドシート展開時) 1,420mm(セカンドシート収納時) | |
ラゲッジ容量 | 278L(セカンドシート展開時) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約900mm |
ヴィッツは車のサイズとしてはスタンダードなサイズ感のコンパクトハッチバックカーで、全長4,000mmと全幅1,695mmの5ナンバーサイズで運転しやすいサイズです。
また全高は1,500mm前後と昨今のコンパクトカーにしては低いので、車内スペースがそこそこになる代わりに重量の軽さや燃費性能の良さでメリットがあります。
ヴィッツの車内スペースは以外にも奥行きが広く取られており、室内幅や室内高もこのクラスにしては広く確保されているので居住性は悪くありません。
ヴィッツのラゲッジスペースは2列シートのセカンドシートから後ろのスペースとなり、ハッチバックカーなので高さのあるスペースにはなっています。
その標準ラゲッジスペースは奥行きが625mmとこのクラスのコンパクトカーでは標準的で、左右の幅も標準的なので同クラスのスタンダードである300L弱の容量は確保されています。
以外にラゲッジスペースの上下サイズが大きめにはなっていますがその他のサイズが控えめなので、上下に積み上げるような積み方が便利なスペースです。
ではそんなヴィッツのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
ヴィッツの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
この投稿をInstagramで見る
ヴィッツのラゲッジスペースは実用性に優れており、他用途に対応するものではありませんがコンパクトカーとしては十分でしょう。
普段使いには十分な標準ラゲッジスペース
ヴィッツのラゲッジスペースはコンパクトカーの標準的なサイズで、普段使いの実用性は十分です。
ヴィッツクラスのコンパクトカーは各自動車メーカーの売れ筋モデルとなる車種で、ボディサイズのコンパクトさと車内スペースの確保のバランスが難しい車です。
ヴィッツもそうですが乗員の居住スペースは広めに確保されており、それに対してラゲッジスペースは普段使いで十分なサイズとなっています。
ヴィッツの標準ラゲッジスペースの奥行きや容量を見ても普段の買物の荷物ぐらいであれば十分に積み込めるスペースはあり、通常は不便さはそこまで感じないでしょう。
またヴィッツのラゲッジスペースの横幅がそこそこあることで横方向にSサイズのスーツケースなら4つぐらいは積み込めます。
中型のスーツケースだと数を減らして横倒しにすれば載る場合もありますし、ゴルフバッグなども小さなサイズであれば横積みで搭載できるでしょう。
大きなサイズの荷物だと標準ラゲッジスペースにはなかなか積み込むのは厳しめのサイズ感ではありますが、このあたりは後述するシートアレンジで対応する形となるでしょう。
ヴィッツのラゲッジスペースは決して広々としているサイズ感ではありますが、多くのシーンを占める普段使いでは十分なサイズでもあります。
シートアレンジで大幅に広がるラゲッジ全長
ヴィッツのラゲッジスペースはシートアレンジによって大幅にサイズを増加させることができ、大きなゴルフバッグなどを載せるのであればこのモードが必要です。
ヴィッツの標準ラゲッジスペースはセカンドシートの背もたれからテールゲートまでのスペースになるのですが、このセカンドシートの背もたれは前側に倒すことの出来る構造となっており、シートアレンジでセカンドシートのスペースをラゲッジスペースに活用できます。
セカンドシートの前後スペースはコンパクトカーにしては広めのサイズになっており、ここをラゲッジスペースとして使うことでラゲッジスペースの奥行きは625mmから1,420mmと大幅に増加します。
容量については詳しく公表されていませんが、奥行きが倍以上になっているため容量も500L弱は十分にあるでしょう。
これだけのラゲッジスペースの奥行きがあればフルサイズのゴルフバッグやスーツケースなどでも十分に積み込むことが可能となり、セカンドシートを左右とも倒せますので乗車人数を2名まで減らせばかなりの積載性を発揮できます。
またベビーカーや車いすなどの背の高いものは折りたたみ式であれば横倒しにして積み込むことができ、大きな荷物が伴うシーンにはシートアレンジで対応する形となるでしょう。
加えてヴィッツのセカンドシートのシートアレンジは6:4分割式のレイアウトになっているため、シートアレンジを左右どちらかだけに留めれば乗車人数を3名〜4名確保した上で前後に長い荷物を積み込めます。
シートアレンジを利用すればヴィッツのコンパクトなボディでも多くのシーンに対応でき、うまく使い分ければ旅行などにも活用できるでしょう。
アジャスタブルデッキボードの利便性の高さ
ヴィッツのラゲッジスペースには専用装備の「アジャスタブルデッキボード」が装着でき、これをうまく使い分けることで色々なシーンに対応できます。
アジャスタブルデッキボードはヴィッツの標準ラゲッジスペースの床面に当たる場所に装着されるもので、一見するとフラットなフロアに見えますが、実際には取り外したり位置の変更などが可能な装備となっています。
全グレードには装備されていませんがアジャスタブルデッキボードがある方が利便性が高く、まずフロアの位置が高めになっているのでシートアレンジ時にフラットなラゲッジスペースを作ることができます。
またアジャスタブルデッキボードの下には後述するアンダーラゲッジが設けられているので、荷物を収める際にも色々な使い方が出来ます。
そのほかアジャスタブルデッキボードは装着位置を上段、下段と分けることができ、標準的な位置が上段ですがアジャスタブルデッキボードを取り外して下段位置にするとアンダーラゲッジ部分の深さを利用できます。
上段と下段の高さの差はおおよそ120mmほどもあり、アジャスタブルデッキボードを下段にすればそれだけ標準ラゲッジスペースの高さ方向の広さが拡大します。
このスペースで多くの荷物を積み上げるようにして積み込んでも良いですし、背の高い植木のような荷物もデッキボードが上段のときより積み込みやすくなります。
もともとのラゲッジスペースの高さはそこまで広くないのでデッキボードを下段にしても積み込める量に限界はありますが、高さ方向が少し足りないようなシーンでは活用すると良いでしょう。
そこそこの深さがあるアンダーラゲッジ
ヴィッツのアジャスタブルデッキボードの下には結構なサイズのアンダーラゲッジがあり、うまく使い分けることで便利な場所となっています。
アンダーラゲッジはいわゆる深底の床下収納で、アジャスタブルデッキボードの下に広がるスペースがこれに充てられます。
アジャスタブルデッキボードが上段のときにデッキボードを跳ね上げることでアクセスでき、普段使わないものや工具類などを収めるスペースとして利用できます。
ヴィッツのアンダーラゲッジは一部だけ深底になっているわけではなくほぼ標準ラゲッジスペースのサイズとなっているので、横幅も大きく結構なサイズのものまで収めておけます。アンダーラゲッジの深さは100mm程度ありますので、横倒しにして積み込めば結構便利です。
またアンダーラゲッジには靴などの汚れて困るものを収めておくのもよく、アンダーラゲッジ自体は多少汚れるもののメインの標準ラゲッジスペースには影響が少ないです。
アジャスタブルデッキボードがあれば普段荷物を積み込むのはデッキボードの上となりますので、ある程度アンダーラゲッジはラフな使い方をしても良いでしょう。
なおアジャスタブルデッキボード未装着車ではアンダーラゲッジにはならずそのまま底がラゲッジスペースのフロアとなりますので、この仕様では汚れには多少気をつけないといけないでしょう。
ヴィッツの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ヴィッツのラゲッジスペースは多少不便な点もいくつかありますのでご紹介します。
ラゲッジフロアの高さがあり深さもあるため不便さがある
まずヴィッツのラゲッジスペースで少し使いづらいのはラゲッジスペースの高さで、大きなデメリットではないものの不便さは感じます。
これはアジャスタブルデッキボードを装着したグレードでの話ですが、アジャスタブルデッキボードを上段位置にしている際にはデッキボード上面が地面からおおよそ600mm〜700mmの位置にあります。
ヴィッツで荷物をラゲッジスペースに積み込むときにはそこまで持ち上げないとならず、積み込みのしやすい車種では500mm程度まで低い位置にあるのでそれに比べると手間がかかります。
これにはヴィッツのデザイン的な面が優先されたためでもあり、ボリュームのあるリアバンパーがあることでリアバンパーの上面よりもラゲッジスペースのフロアが多少深い位置にあったりします。
そのためヴィッツに荷物を載せるときにはリアバンパーを多少乗り越えながら荷物を積み込む感じになるので、重量物の積み込みにはどうしても手間がかかります。
加えてヴィッツはテールゲート自体の開口部も少し狭めであり、リアのボディデザインやテールランプの形状から横方向で開口部が多少狭くなっています。
ですのでヴィッツのラゲッジスペースの横幅ギリギリのものを積み込む際などには少し不便であり、積み込み方を工夫して斜めに収めるなどしなければならないでしょう。
デッキボードなしだと大きな段差のあるシートアレンジ
ヴィッツの仕様ではアジャスタブルデッキボードを装着したグレードと未装着のグレードがありますが、未装着グレードでは不便さが多くなっています。
アジャスタブルデッキボードはヴィッツの下位グレードでは装着されておらず、一部はオプション装備扱いとなります。
アジャスタブルデッキボードがないと標準ラゲッジスペースの底面がアンダーラゲッジの底面になり、かなり深底のラゲッジスペースになります。
高さ方向に大きなものは積み込める一方で前述した荷物の積み下ろしの際の段差がより大きくなることで、重量物の積み込みがより不便になっています。
またアジャスタブルデッキボードがない状態でセカンドシートを倒すと、セカンドシートとラゲッジスペースの間に大きな段差があります。
この段差はセカンドシートの背もたれ分の厚みであり、アジャスタブルデッキボードがあれば底上げしてフラットになっているので段差が生まれない部分となっています。
ここに段差があるとせっかくシートアレンジをしても前後に荷物を移動させるときに邪魔になってしまい、重量物の積み込みに大きな不便を感じるでしょう。
長い荷物であればある程度気にすることなく積み込めますが、基本的にはアジャスタブルデッキボードが装着されている方が利便性が大きく高まるでしょう。
汚れには弱いカーペットフロア
ヴィッツのラゲッジスペースは全体的にフロアがカーペット生地で覆われており、汚れに対しては弱いです。
ヴィッツのラゲッジスペースはアジャスタブルデッキボードの上面やシートアレンジ後のセカンドシート上面、アンダーラゲッジ内部などがしっかりカーペット生地で覆われており、他の車内部分とデザイン的な統一感が感じられます。
またカーペット生地は荷物を載せるときにある程度のクッションになるので、荷物、車内ともにキズが付きづらくなる点もメリットです。
加えてカーペット生地であれば上面を滑らせるのにも適しており、特にアジャスタブルデッキボード装着時のシートアレンジ後にフルフラットなラゲッジスペースが作れるので重量物をスライドさせて積み込む際に便利です。
ですがカーペット生地はどうしても泥汚れや水で濡れてしまうことに弱く、一度汚れると掃除がしにくいものとなります。
カーペット生地に泥汚れや濡れた物を積み込むとカーペットにシミが残ることがあり、アジャスタブルデッキボード以外は取り外しが出来ないので簡単に掃除するのもできません。
こういった用途のためにアンダーラゲッジが防水素材になっている車種もあるのですが、ヴィッツの場合にはアンダーラゲッジ部分もカーペット生地になるのでシーンによっては不便さもあるでしょう。
ヴィッツの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ヴィッツのラゲッジスペースについてはtwitterでも色々な投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
オイラの愛車です。
2年前、初回の車検切れを迎えたばっかで、車検整備込みで新車の半額以下、しかも3年で3400kmしか走っておらず、しかも修復歴なしの目玉商品だったので即買いでした。
Vitzですが1300cc、ちょいラゲッジ狭いけどなんの問題もねーです👍 pic.twitter.com/NuMNBpTKB2
— べん (@benbebenn) March 22, 2020
こちらの方は中古車としてヴィッツを購入されたようなのですが、状態がよく気に入っていらっしゃるようです。
ラゲッジスペースの狭さは感じられるようですが実用上の不便さはそこまでないようですね。
車椅子積載してドラッグストア行ってきた…ヴィッツのラゲッジに載らないからリアシートに積んだわけで…休憩
— 真✞屍鬼(ねこぶそう) (@00shiki00_00) November 7, 2018
こちらの方はヴィッツに車椅子を積み込んで移動する必要のある方ですが、買物に行くのに車いすを積み込むのにもシートアレンジが必要で大変さがあるようです。
ヴィッツの標準ラゲッジスペースではいくら折りたたんでも車いすの搭載は厳しい場合があり、頻繁に積み込むのであればセカンドシートは収納したままにして乗車人数を減らした状態にしておくほうが、いちいちシートアレンジをしなくて良いかもしれませんね。
総評
トヨタ ヴィッツはコンパクトハッチバックカーのスタンダードモデルで、扱いやすいサイズ感とコストパフォーマンスの高さでエントリーモデルとしては十分な性能です。
ラゲッジスペースに関しては小さな車なので広々としたスペースはありませんが、普段使いには十分なサイズは確保されています。
広いラゲッジスペースが必要なシーンには対応できない場合もあるものの、コンパクトカーとしては必要十分なサイズ感といえるでしょう。