スズキ ハスラーは軽のクロスオーバーSUVという新たなジャンルの車で、スタイルのポップさとSUVならではの力強さで非常に人気のあるモデルです。
そんなハスラーですが、長距離のドライブについてはどうなのかって結構気になりますよね。
今回はハスラーが長距離のドライブに適しているかどうかについてご説明しましょう。
ハスラーの長距離ドライブに適した点
一般的に言って軽自動車という車種は長距離ドライブを苦手としている車種。サイズやエンジンパフォーマンス、コストなどに制限の多い車なので日常使いに焦点をあてて設計されています。
ハスラーも軽自動車なのでそこまで長距離ドライブが得意というわけではありませんが、最新の軽自動車なので昔の車とは比較にならないほど性能は上がっています。
そんなハスラーが長距離ドライブに適している点は次の2つです。
軽ならではの燃費の良さ
ハスラーで長距離ドライブをするときの最大のメリットはなんといっても燃費の良さ、経済性の高さでしょう。
ハスラーはスズキの最新技術がつまったエンジンが搭載されており、燃費は軽自動車トップクラスです。
しかも一部のグレードにはハイブリッドの「Sエネチャージ」仕様もあり、さらに低燃費となっています。
Sエネチャージとは?ハイブリッドより評価が高い?搭載車種はこれ!ハスラーのグレード別の燃費は次の通りですが、実燃費を考えてもかなりよい燃費を誇っています。
項目 | A | G | Gターボ | X | Xターボ | ||||||
2WD | 4WD | 2WD | 4WD | 2WD | 4WD | 2WD | 4WD | 2WD | 4WD | ||
エンジン | R06A型 | R06A型 +ハイブリッド | R06A型 インタークーラーターボ +ハイブリッド | R06A型 +ハイブリッド | R06A型 インタークーラーターボ +ハイブリッド | ||||||
燃費(km/L) | 5MT | 24.8 | 24.2 | 26.4 | 25.6 | 設定なし | |||||
CVT | 26.6 | 25.6 | 32.0 | 30.4 | 27.8 | 26.2 | 32.0 | 30.4 | 27.8 | 26.2 |
ハスラーには2WDと4WD、または5MTかCVTで仕様にいくつかの違いがありますが、もっとも燃費のよいのはNAエンジンにハイブリッドの組合わさったGおよびXであり、軽で最高クラスの30km/L超えを達成しています。
また走行性能のよいターボエンジンでも27km/L付近の良燃費で、ハイブリッドの恩恵を最大限受けています。
実燃費では走行条件にもよりますが、普通に走ってもおおよそ20km/L前後の燃費を達成でき、長距離ドライブにはとてもありがたい車です。
なおAグレードについては価格は最廉価ですが、燃費も走行性能も低めなので、よほど価格にこだわらなければGかXグレードがよいでしょう。
なおハスラーの燃費については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
ハスラーの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!軽にしては走りやすいターボエンジン
ハスラーのエンジンラインナップで長距離運転をするのであれば、できればターボエンジンを選ぶとよいでしょう。
ターボエンジンとNAエンジンは排気量は同じでどちらにもハイブリッドが組み合わされていますが、最高出力と最大トルクに差があります。
項目 | R06Aターボエンジン | R06A NAエンジン |
最高出力 | 47kW(64PS) /6,000rpm | 38kW(52PS) /6,500rpm |
最大トルク | 95N・mm (9.7kg・m) /3,000rpm | 63N・mm (6.4kg・m) /4,000rpm |
数値的にはそこまでの差がないように思われるかもしれませんが、実際に乗ってみるとターボエンジンの力強い加速が際立ちます。
とくにトルクの出方が違い、ターボエンジンは低回転から10kg近いトルクが発生するので、加速時にストレスを感じにくいエンジンです。
のちほどNAエンジンについてはご説明しますが、長距離ドライブをする最にはキビキビした加速や高速道路での楽な合流などがあってストレスの少ないターボエンジンが最適です。
ターボエンジンの仕組みや性能については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!ハスラーの長距離ドライブに不向きな点
さてここまでハスラーが長距離ドライブに向いている点をご紹介してきましたが、逆に不向きな点のほうが多く、ハスラーは長距離、とくに高速道路があまり得意ではありません。
これはハスラーだけでなく軽自動車全般に言えることが多いのですが、やはり軽自動車の限界といえる点でしょう。
フラフラする不安定さ
ハスラーで高速道路を走るときに気になる点が走行の不安定さで、とくに横風を受けたりするとそれが際立ちます。
ハスラーの足回りはSUVとはいっても一般道路向けのセッティングとなっており、結構柔らかめになっています。
平坦な高速道路や下道のスピードレンジ下であれば大丈夫なのですが、高速道路でカーブを曲がるときや横風を受けたときなどには、サスペンションが裏目に出て車の挙動が不安定になります。
またタイヤも軽自動車なので細く、これも不安定さに影響しているのです。高速道路で車が不安定だと、それを修正する運転の大変さと、なにより不安を感じることが増えてしまいます。
それが長距離運転ともなると積もり積もってかなりのストレスになるので、運転したあとにどっと疲れがくるでしょう。
ノイズの大きさが気になる
ハスラーでも高速道路走行時のロードノイズは気になるレベルのもので、長距離ドライブともなるとそれだけで疲れがたまってしまうでしょう。
軽自動車のロードノイズは昔から問題とされているものですが、最新の軽自動車はエンジンの振動を減らしたり、吸音材を設定したりなどかなり改善はしています。
しかしそれでも高速道路ではかなり大きな音が聞こえてきてしまい、エンジン音も気になりますが、なにより路面から伝わる音が気になります。
オーディオなどでロードノイズをまぎらわせたら楽という意見もありましたので、長距離ドライブのときには何らかの対策が必要でしょう。
ロードノイズ対策については以下の記事でまとめているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。
車のロードノイズ対策3つ!低減マットやタイヤを駆使しよう!シートの乗り心地の悪さ
ハスラーのシートはわりと平坦な形状になっていて、後席はベンチシートになっています。
一般道路を走るくらいであればシートに不満はないのですが、長距離となるとシートの固さから来る疲れがじわじわと利いてきます。
軽自動車のシートは普段使いを重視していて柔らかめなのですが、これが長距離だとアダになってきます。
柔らかいシートは長時間座っているとおしりや腰が痛くなってきてしまいストレスを感じやすいのですが、ハスラーのシートはまさにこれなのです。
とくに後席はベンチシートでホールド性も悪く、長距離運転ではかなり疲れやすいシートといえるでしょう。
また、とくにターボ車は足回りを固めにセッティングしてあることもあり、乗り心地が悪く余計に疲れを感じる原因になってしまっています。
ハスラーで長距離ドライブをするならこまめに休憩をはさんで、無理に長い距離を走らないほうがドライバーにも同乗者にとっても無難でしょう。
NAエンジンではパフォーマンス不足
ターボエンジンより燃費のよいNAエンジンですが、高速道路では少々非力に感じます。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!前述でまとめたように、そもそも馬力とトルクの面で劣っているNAエンジンですので、加速時や合流時などとっさにパワーがほしい場面では物足りなさを感じます。
また高速道路走行時もエンジン回転数が高めになってしまうので、エンジンノイズも大きくなります。
ハスラーで長距離ドライブを想定しているのであれば、価格は少々あがりますがターボエンジンモデルを選ぶほうがよいでしょう。
NAの売りの燃費も、高速走行ではそこまでターボエンジンとの差がないのです。
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば安い価格で購入できるので、あまり気にせずターボエンジンモデルも購入できます。
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長距離ドライブをした人の評価
ハスラーで長距離ドライブをした人たちの評価がTwitterに投稿されていますので、今回はその中から3つのご意見をまとめてみました。
ハスラーで高速は疲れる
まあアラレちゃん繋がりならハスラーなんだろうけど、実は以前1週間代車として借りて乗り倒したんだけど、どうしても高速道路で長距離走行をするとちょっと不安定で疲れてしまった。足回りをいじればよさげだけど、中古もまだ高値だし、足までやると予算オーバー。なので無難に。 #デリカD2
— blue (@blue7763) 2017年9月24日
この方は普段は普通車に乗っていて一時期だけハスラーに乗っておられたようですが、やはりハスラーは疲れるとおっしゃっていますね。
普通車と比べるとハスラーの高速での不安定さが際立って見えてくるので、疲れ方も違ってくるでしょう。
長距離運転となるとハスラーはあまり便利ではないのです。
ハスラーの長距離燃費はさすがの良さ
今回ハスラーで往復600キロ走破したけどほぼクルコン使ってたから全然疲れなかった。もちろん軽なので90キロ巡航くらいまでが快適だけど、長距離クルーズは淡々と走る方が結果的に早いし、何より燃費がリッター21キロでお財布に優しい。
— すらしゅ🙃 (@velvet_slash) 2017年2月26日
長距離走行で実燃費21km/Lというのはかなり優秀な値で、ハスラーの燃費の良さが発揮されていますね。
この方はクルーズコントロールを使うことで加減速を減らしているのでより燃費に良く、なにより運転での疲れが減るのはありがたいですね。
クルーズコントロールは標準装備ではないので、長距離ドライブを考えるのであれば装着しておくと便利ですね。
ハスラーのシートは腰に来る
ハスラーNAなフレアクロスオーバーだが、走りは良いから本当好き。
ただ、シートは長距離向かないから、片道一時間越える距離から腰に来る。
てか、スズキ車のベンチシート全般的に腰に来る可能性ある。
古いとはいえ、初代ラパンなスピアーノでも腰に来たしな……— 男の娘魔法少女☆あずーる (@bleubreezing) 2015年9月7日
ハスラーのベンチシートは長距離運転ではかなり腰が痛くなるそうで、1時間以上の乗車は結構辛いようですね。
ベンチシートはそもそも長時間座るのには向いておらず、ハスラーが日常使いに焦点をあてて作られているのがわかります。
長距離ドライブをするときには、クッションを用意するなど腰やおしりをすこしでも労らないと厳しそうです。
なおハスラーの口コミ・評判は以下の記事でもまとめています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
ハスラーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ハスラーでの長距離ドライブは経済性は良いが乗り心地は良くない
ハスラーでの長距離ドライブは、燃費が良く経済性はよいものの、ドライバーにも同乗者にも結構辛い旅になりがちです。
ドライバーはロードノイズの大きさや不意に来る車の不安定な挙動で運転に気が抜けませんし、同乗者はハスラーのシートでは長時間座っていると疲れがたまりやすく、腰やおしりが痛くなることがあるでしょう。
ハスラーは決して長距離ドライブに向いている車とはいいがたいですが、それでも長距離を運転する場合には、クッションやオーディオなどすこしでも快適に乗っていられる準備があれば大丈夫です。
またこまめな休憩がなによりも大事で、疲れがたまる前に小休憩をしっかりと取りましょう。
これからハスラーを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
ハスラーの決定的な5つの欠点!弱点を徹底的に洗い出します!ハスラーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!