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ハスラーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!

雪道の運転は大変。神経を張り巡らせて運転しないと滑って危険だし、運転し終わるとドッと疲れがでてきます。

雪国秋田在住で、冬場は雪道30kmを毎日通勤しなければならない私としては、雪道に強いと触れ込みのスズキ ハスラーはとても気になっていました。

なんでも、かつてスズキが販売していた軽SUVであるスズキ keiの復活を、根強いファンが鈴木会長に直訴して誕生したのがハスラーという車だそうです。

でも、実際のところスズキ ハスラーは雪道に強い車なのでしょうか。

ただ車高が高くて、良いタイヤを履いていれば走れるほど雪道は甘くありません。

氷のように冷酷にドライバーを裏切り、融雪剤のように塩辛い環境が本場の雪道です。

スズキ ハスラーが、本当に雪道に強い軽自動車なのかを徹底分析しました。

スズキ ハスラーの雪上性能メカニズム分析

雪上のハスラー

スズキ ハスラーは、ワゴンとSUVをクロスオーバーさせた軽自動車。

快適な室内環境ながら高い雪道の走破性を誇るといわれるだけあって、雪道の走行性能はかなり高いです。

スズキ ハスラーの雪道に対抗するメカニズムを個々に分析し、その理由を説明していきます。

異例の165/60R15の大径タイヤ

165/60R15というタイヤは、主にコンパクトカークラスに採用されるタイヤサイズ。

SUVとしての性能と存在感を与えるために、軽自動車としては異例の大サイズが与えられています。

ベースとなるスズキ ワゴンRのタイヤサイズが155/65R14(外径557mm)であるのに対して、ハスラーは165/60R15(外径582mm)を装備することで、25mm外形が大きくなっています。

タイヤが大きいほど最低地上高が高くなるため、雪深い場所でも車の下回りが雪に引っかかって動けなくなる心配は少なくなります。

高い車高は錆の原因となる融雪剤の車への付着を緩和する役目も果たします。

その上げ幅はわずかとはいえ、長いスパンで考えると、その数センチの差が決定的になります。

また、SUVらしい大径タイヤを収めるためにホイールハウス内は広めのスペースを確保してる点もポイントです。

雪の中を走行すると、タイヤによって巻き上げられた雪がホイールハウス内に溜まります。

悪条件が重なると溜まった雪が凍りついてしまい、サスペンションやタイヤの動きが規制され、滑りやすくなったり、ステアリングが切れにくくなるなどの危険な状態へと陥ってしまいます。

大径タイヤが与えられ、ホイールハウス内が広めに造られているハスラーは、そういった雪による二次的な影響を受けることなく、安心して走行することができる車です。

軽自動車初グリップコントロールシステム

「グリップ」とはタイヤが路面に食いつく力。それをコントロールするのがハスラーに採用される「グリップコントロール」という制御機能です。

滑りやすい路面でタイヤの空転を防ぎ、雪道などの滑りやすい路面での発進やコーナリング時に大きな威力を発揮します。

車には左右輪をつなぐデファレンシャルギアがあることで、左右の回転差を吸収しスムースなコーナリングをすることができます。

しかし、滑りやすい路面では逆にこの機能が仇となって、上手く発進ができないのです。

スタックした車をよく見てみると、片側が盛大に空回りしているのに、反対側のタイヤはまったく回転していないことがわかります。

これはデファレンシャルギアのもつ、負荷の少ない方へ駆動力を分配するという性質がこのように働いてしまうのです。

これを解消するためには、空回りしている方のタイヤの回転を止めてやると、反対側のタイヤに駆動力が伝わり車は動き出しやすくなります。

ハスラーの搭載されるグリップコントロールというシステムは、空回りを検知すると空回りしているタイヤにだけにブレーキをかけることで駆動力を無駄なく使うための装備であり、雪道でのトラクション性能確保に大きく貢献します。

ただし、グリップコントロールが機能するのは30km/h以下まで。それ以上の速度ではブレーキとエンジンパワーをコントロールして姿勢を制御する「ESP(横滑り防止機能)」が動作してタイヤのグリップと姿勢を自動的に保ってくれます。

MEMO

グリップコントロールは雪道だけでなく、他のオフロードでも性能を発揮します。

ハスラーのオフロード性能については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもぜひご覧ください。

走るハスラーハスラーの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!

軽自動車初ヒルディセントコントロール

ヒルディセントコントロールとは、急な下り坂でも自動でブレーキをかけることで約7km/hの速度を一定に保つ機能です。

本格的なSUVではほぼ搭載されているヒルディセントコントロールも、軽自動車ではハスラーが初採用となります。

アイスバーンの急な下り坂は、ベテランドライバーでも運転に気を使う場所。

重力によってフロント側に荷重が移り、軽くなったリアタイヤは非常に不安定です。少しでもバランスを崩してリアタイヤが滑りだしたら、スピンは必至。

そのまま重力にしたがって後ろ向きで坂道を下る恐怖感はジェットコースターの比ではありません。

ハスラーに搭載されるヒルディセントコントロールは、その不安を解消してくれる優れた装備です。

スズキ ハスラーの4WD

雪道の最大の武器は4WD。SUVの性格が与えられるハスラーは4WDが主力モデルです。

2WDではタイヤが滑って空回りするアイスバーンや柔らかい雪の上でも、4WDなら悪条件をものともせずに進んで行けます。

ハスラーに設定される4WDシステムは、いわゆる生活四駆とよばれる「ビスカスカップリング式4WD」。

ビスカスカップリング式4WDは、クラッチ板とシリコンオイルが封入された構造で、回転差が起こるとシリコンオイルが熱膨張して動力を伝える仕組みになっており、通常時は2WDとして走行することで燃費の悪化を防ぎ、フロントがスリップし始めると後輪に動力を伝えて4WDとして機能するのです。

そのため、2WDモデルと4WDモデルのJC08モード燃費を比べても、その差はわずか1.6km/L。かつての常時直結の4WDと比べると燃費の悪化は最小限に抑えられています。

雪道でのトラクション性能としては、スバルのシンメトリカルAWDや、アウディのクアトロシステムのような特別な優位性のある4WDではありませんが、それでも4WDと2WDでは大違い。

雪道でも発進時のホイールスピンを気にする必要がなく、高い直進安定性を発揮します。

また、後輪も駆動するからといって、コーナリング中にアクセルを踏み込んでも唐突にリアタイヤが滑り出すということはありません。

スズキ ハスラーに搭載される4WDは、適度な強さの駆動力がコーナリング時にも安定感をもたらす実用的な4WDシステムです。さらに、ビスカスカップリングによる4WDは乾いた路面でも有効に働きます。

国産の前輪駆動のコンパクトカーの多くは、直進時でも終始リアまわりがフラフラし、不安定感がつきまといますが、ビスカスカップリング4WDの適度な駆動力がそれを解消。

輸入車や高級車のようなビシッとした落ち着きある走行フィーリングとなり、長距離運転の疲労感の低減にも効果があります。

ハスラーの長距離運転の性能については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

走るハスラーハスラーで長距離ドライブは疲れる?長距離移動の快適さについて解説!

スズキ ハスラーの乗り心地

スズキ ハスラー
スズキ ハスラーの特に4WDモデルは、乗り心地が悪いと多くの方が評価されています。

ハスラー4WDのリアアクスルは、リアデフとドライブシャフトが一体のケースに収められた堅牢なリジットアクスルが採用され、重厚な乗り味と高い耐久性を誇りますが、乗り心地に関してはその重さがネックになっているのです。

2WDモデルに比べ4WDモデルは約50kgほど車重が増えますが、そのほとんどがリアのリジットアクスルの重量が占めます。

また、軽自動車としては大きなタイヤ・ホイールも足回りの重量増となってしまいます。

リアの足回りが重いとサスペンションの動きが悪くなるため、リアシートの乗員は常に路面からの突き上げ感にさらされることとなり、ハスラーのリアシートは「乗り心地が悪い」と評されるのです。

また、アクスルの横方向の動きを規制するためのラテラルロッドを備える3リンク式リジットアクスルは、サスペンションがストロークするとアクスル全体が横方向に移動します。

おまけに、SUVならではの長めのサスペンションストロークと、しなやかさを重視したダンパーのセッティングがそれを助長し、リアサスペンションが動く度に車内には横揺れが発生してしまうのです。

これが、ハスラーは乗り心地が悪いといわれる原因です。

MEMO

もしハスラーの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。

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スズキ ハスラーの2つの欠点

軽ワゴンとSUVのクロスオーバーモデルのハスラーは、マイルドハイブリッドにより省燃費でありながら、雪道においてもバランスの取れた走りをみせます。

しかし、ハスラーには2つの大きな欠点があります。それは、乗り心地の悪さと、特殊サイズの大径タイヤの価格です。

2WDモデルを選択すれば、乗り心地はある程度改善されますが、4WDの雪道の絶対的な走破性は犠牲にはしたくありません。

高価な特殊サイズのタイヤによるランニングコストの増加は、コストパフォーマンスの高い軽自動車のメリットを打ち消してしまいます。

それらを解決するための方法として提案するのは「ホイールのインチダウン」です。

純正装着タイヤの165/60R15を、165/65R14か165/70R14のホイールインチダウンしたタイヤを装着することで、扁平率を上げて乗り心地を改善するとともに、タイヤの価格を抑えることができます。

タイヤの扁平率を上げると、要するにホイールの金属部分が減り、タイヤのゴムの厚さが増えるために足回りの軽量化と突き上げ感の低減に貢献します。

さらに、165/65R14と165/70R14のタイヤサイズは、一般的なコンパクトカーで多く採用されるサイズのため、普及価格で安く販売され、ランニングコストを下げることができるのです。

さらに予算が許すのであれば、サスペンションダンパーの交換をおすすめします。

リアダンパーをやや固めのダンパーに交換することで、リジットアクスルサスペンションがゆっくり動くようになり、横揺れもゆっくりとした動きへと変わることで乗り心地は改善する傾向にあります。

なおハスラーの欠点については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご参考にしてみてください。

ハスラーハスラーの決定的な5つの欠点!弱点を徹底的に洗い出します!

Twitterから分析 ハスラーでの雪道走行での評価は?

ハスラーの雪道の走破性はどれほどのものなのか評価するために、実際に雪道を走った人の感想をTwitterから引用して解説したいと思います。

やはり降雪地域で人気が高いスズキ ハスラー。

車高の高い4WDであるうえに、ABSは四輪独立制御のEBDを搭載。

軽自動車ながらにスタビリティコントロールを備える点は、雪道の走行では非常に心強いです。

予防安全装備のスズキ・セーフティーによる自動ブレーキは吹雪やアイスバーンでは正常に動作しないようですが、万が一に備えた保険としては十分に機能を果たしてくれます。

雪道でのトラクション、登坂性能など、実用面での不備はないようです。

普通の軽自動車ではできればしたくない100kmもの雪道走行をこなせるほどに、4WDの安定性は絶対的です。

雨まじりの湿った雪は、スタッドレスタイヤの溝から排雪しにくいため、非常に滑りやすい厄介な雪質です。

とくに軽自動車のような軽量の車は、ごく低速域からハイドロプレーン現象のようにタイヤの接地感がなくなってしまうのですが、濡れた雪の高速道路を高い安定性を保ったまま走行する動画のハスラーは、一切乱れる様子がありません。

スズキ ハスラーの雪道性能をほかの車と比較

スズキ ハスラーが雪道に強い車であるのは間違いありません。

では雪道の走破性に優れる、同価格帯のライバル車と比較するとどうでしょうか。その違いを検証していきます。

スズキ ジムニー

スズキ ジムニー

軽自動車でもっとも高い雪道走行性能を誇るのはスズキのジムニー。

軽自動車ながら本格的なクロスカントリー仕様の構造を備えるスズキ ジムニーは、雪道はもちろん、あらゆる状況で高い走行性能を発揮します。

しかし、SUV風に仕立てられた軽ワゴンであるハスラーと、本格的なオフロード走行を前提としたジムニーでは性格そのものが違うため、悪路の運転そのものを楽しみたい方はジムニーを、悪路の末のアクティビティを楽しみたいならハスラーを選ぶといいでしょう。

ジムニーの雪道性能については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。興味のある方はこちらもぜひご覧ください。

スズキ ジムニージムニーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!

ダイハツ キャスト アクティバ

ダイハツ キャスト アクティバ

ハスラーよりも1年あまり遅れた2015年に登場したキャストアクティバは、ハスラーと同じくSUVの性格を与えられた軽自動車。

標準のキャストよりも30mm高められた車高と、同じくブレーキ制御のグリップサポート制御とダウンヒルアシストコントロールを備え、その基本構造はスズキ ハスラーとまったく一緒。

雪上性能もほぼ互角の性能であり、スズキ ハスラーのライバル車として引き合いに出されますが、ハイブリッドシステムなどは搭載されないために燃費性能ではハスラーが上回ります。

背高なハスラーより、やや低いルーフと精悍なボディデザインを備えるダイハ ツキャストアクティバは、スポーティなルックスを望む方におすすめします。

結局スズキ ハスラーは雪道に強い? 弱い?

ハスラーの高い雪道の走破性は、コストパフォーマンスに優れる既存の技術を組み合わせ、各部のバランスを整えることで実現しています。

ローコストでハイパフォーマンスを実現したスズキ ハスラーは、日常のレジャーで想定されるあらゆる状況をカバーするSUVとして、高い汎用性と利便性を備えています。

ハスラーの「遊べる軽」というキャッチコピーは伊達ではなく、安心して悪路を走れる高い走行性能と広い室内スペースを活用して、夏冬問わずレジャーで大活躍することは間違いありません。

なにより、スズキ ハスラーを、あのトヨタがキャストアクティバで真似するくらいなのですから、その開発コンセプトと基本設計の良さは折り紙つき。

実際にスズキ ハスラーの売れ行きは好調であり、特にハスラーの4WDモデルは雪道走行を前提とした軽自動車として類まれな完成度を誇っています。

「軽自動車は雪道に弱い」という常識をくつがえすスズキ ハスラーは、雪道を乗りたいと考えている方にはもちろん、どんな人にもおすすめできる優れた車です。

これからハスラーを買おうと思っている方は、こちらの記事もぜひ一緒にご覧ください。購入の参考になりますよ。

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