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フリードの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?

ホンダのちょうどいいサイズ感が売りの小型ミニバンのフリードは、いざという時は人も荷物もたっぷり積めることが魅力の車です。

そこまで大き過ぎないボディとは言え、ミニバンボディのフリードに搭載されるエンジンは小排気量ということで、満足する加速性能があるのか気になるところ。

そこでフリード、フリードハイブリッドそれぞれの加速性能について徹底的に解説していきたいと思います。

フリードの加速性能

ホンダ フリード

加速性能を単純に比較する上で分かりやすい指標が0-100km/h加速タイムと言う、停車状態からアクセル全開で100km/h出るまでにかかる時間です。

このタイムを元にフリードの加速性能を深掘りしていきましょう。

フリードとフリードハイブリッドの違い

フリードにはガソリンモデルとハイブリッドモデルの2つのパワートレインがラインナップされています。

フリードは1.5Lの直噴エンジンにトランスミッションは無段変速のCVTを採用しています。(直噴エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)

クラウン エンジン システム直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?!

フリードハイブリッドは1.5Lのエンジンにi-DCDと呼ばれるハイブリッドシステムと、トランスミッションには7速ATを採用しています。

またそれぞれの車両重量は以下の通りです。

ハイブリッドモデル
  • FF…1400〜1430kg
  • 4WD…1480〜1490kg
ガソリンモデル
  • FF…1340〜1360kg
  • 4WD…1410〜1420kg

同等グレードで比較するとハイブリッドモデルの方が6〜70kg重く、同じモデルの中ではFFと4WDで6〜80kgの違いがあることが分かります。

ここでは、それぞれのFFモデルでの0-100km/h加速性能を見ていきます。

また、それぞれのモデルのエンジン・モーターの出力は以下の通りです。

モデルエンジン馬力エンジントルクモーター馬力モータートルク
ガソリン131PS15.8kgf・m
ハイブリッド110PS13.7kgf・m29.5PS16.3kgf・m

※ハイブリッドのシステム全体での出力… 137PS / 17.3kgf・m

フリードの0-100km/h加速タイム

フリードのボディに1.5Lエンジンは非力な気もしますが、果たして0-100km/h加速タイムはどれくらいなのでしょうか。

フリードの基準車の0-100km/h加速タイム

サンプル数がかなり少ないので参考タイムとなりますが、のちほど紹介する動画では「10.0秒」というタイムが出ています。

よって、フリードの0-100km/h加速タイムはおよそ10秒前後が妥当なところでしょう。

フリードハイブリッドの0-100km/h加速タイム

一方でフリード ハイブリッドの0-100km/h加速タイムは同じ動画内では「9.2秒」です。

フリード ハイブリッドもサンプル数が少ないので、実際のタイムは多少前後するでしょう。

フリードはガソリンモデルの方が速い

各モデルの0-100km/h加速タイムを簡単に紹介しましたが、ハイブリッドモデルの方が加速タイムは上でした。

ではなぜ、「フリードはガソリンモデルの方が速い?」とあえて物申すのか。

実はフリードの試乗レビューでは、ハイブリッドモデルよりもガソリンモデルの方が加速力が良いという声が多いのです。

しかも実際に開発者が「社内測定による0-100km/h加速タイムは、ガソリンモデルの方がコンマ数秒速い」という旨の話をしていました。

ガソリンモデルの方が速い理由

一般的にはエンジンの出力に加えてモーターのアシストがある分、燃費も加速性能もハイブリッドモデルの方が上であると考えられていますが、フリードに関しては例外と言えます。(燃費の詳細は以下の記事をご参照ください。)

ホンダ フリードフリードの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!

大人1人分の車両重量差によるところが大きな理由かもしれませんが、同じ1.5Lエンジンでありながら、違うエンジンである点も見逃せません。

ハイブリッドモデルが搭載するエンジン

ハイブリッドモデルは従来型のエンジンであるポート噴射式のエンジンを採用しています。

燃焼が行われるシリンダーの手前で燃料を噴射し、燃料と空気が混ざった状態の混合気がシリンダーに吸入されるので、燃焼効率が優れているのが特徴です。

ガソリンモデルが搭載するエンジン

一方でガソリンモデルが搭載するのは直噴タイプのエンジンです。(直噴エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)

クラウン エンジン システム直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?!

シリンダー内に直接燃料を噴射することで、少ない燃料での燃焼が可能な為、低燃費に貢献します。

さらに、噴射した燃料が気化熱を吸収しシリンダー内温度を下げることで充鎮効率が向上します。

これによりエンジンの出力が向上するので、基本的には同じ排気量の場合、ポート噴射式よりも直噴式の方がエンジンパワーがあることになります。

ハイブリッドモデルのエンジンとモーターを合わせたトータルでの最高出力と、ガソリンモデルの最高出力に大きな違いがないのも注目すべき点です。

やはりその分、エンジンそのものの特性の差と車両重量差がハイブリッドモデルの加速性能にとって不利に働いていることは間違いないでしょう。

MEMO

もしフリードを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。

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フリードの実際の加速感

フリードの加速性能について解説してきましたが、実際にフリードに乗っている人たちは加速性能についてどのような印象を持っているのでしょうか。

Twitterでのツイートから紹介します。また、YouTubeからフリードの加速性能を示す分かりやすい動画も紹介します。

フリードは遅い…という声

本線合流の際や追い越し時など加速したい時に、思うようにスピードが出てくれないと走り辛くストレスにもなりますね。

特に多人数乗車ができるミニバンの場合、シチュエーションによっては、より顕著に加速の遅さを感じてしまうでしょう。

なお上記のツイートにあるステップワゴンの加速性能については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。

ホンダ ステップワゴンステップワゴンの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?

フリードの加速性能に満足しているという意見

一方で、ハイブリッドモデルもガソリンモデルもどちらもよく走るという、先程とは真逆の意見もあります。

両極端な意見があるので客観的にフリードの加速力はどれほどのものなのか考えてみましょう。

なお上記のツイートにあるフィットの加速性能は以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。

ホンダ フィットフィットの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?

フリードに1.5Lの自然吸気エンジンは非力

ちょうどいいサイズのフリードよりも、大きいサイズのミニバンになると車両重量は重くなるものの、その分エンジンの排気量も大きくなりパワーもあります。

例えばステップワゴンであれば以下の2種類のパワートレインがあります。

  • 2.0Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド
  • 1.5L直噴ガソリンエンジン+過給機(ターボ)

※ターボエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

ゴルフ ターボエンジンターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!

一方でフリードと同じ排気量であれば、フィットのようなコンパクトカーが挙げられます。

車両重量も軽く、フリードよりキビキビ走る印象ですね。

そして、ステップワゴンもフィット(1.3Lガソリンモデルは除く)も、パワートレインの異なるいずれのモデルも、0-100km/h加速タイムはフリードより速いタイムを叩き出しています。

小さ過ぎず大き過ぎない絶妙なサイズのフリードは、パワートレインの選択が難しいカテゴリーのひとつです。

ただ、パワーに余裕のあるエンジンを搭載するよりも、時代の流れはダウンサイジングやエコです。(詳細は以下の記事をご参照ください。)

ダウンサイジングターボエンジンダウンサイジングターボとは?デメリット/欠点2つとメリット3つ!搭載車種も紹介

よって、フリードはひと回り小さいボディのフィットと同等のパワートレインが与えられたのです。

そうした他の車種との比較で考えるとフリードの加速性能は、決して速くないと言えます。

フリ-ドの加速性能を比較した動画を紹介

ガソリンモデルとハイブリッドモデルの比較動画です。

ハイブリッドモデルの方がモーターの強みを活かした低速域での加速力を感じる動画となっています。

しかし、先ほども触れたようにガソリンモデルの方が速いという声もあるので、どちらが本当に速いのかは慎重に判断する必要がありそうです。

また、ガソリンモデルが搭載するCVTは、熟成を重ねてきたことで以前よりも気持ちの良い加速フィールを味わえるようになりました。

トランスミッションの違いによる加速時のエンジン音の違いから、れぞれのモデルの加速時のフィーリングの違いを一言で表すと以下の通りです。

滑らかな加速感はCVTを搭載したガソリンモデル

ダイレクト感のある加速はデュアルクラッチ式のATを搭載したハイブリッドモデル

このような加速フィールも加速性能を語る上では重要なポイントですね。

フリードの加速性能を他のライバル車種と比較

フリードの1番のライバルと言えば間違いなくトヨタの「シエンタ」です。

それ以外だと2列シート車となりますがフリードと同じく両側スライドドアを備えた、スズキの「ソリオ」や、トヨタグループの兄弟車種「タンク・ルーミー・トール・ジャスティ」もフリードのライバルとなります。

フリードの加速性能にあまり期待できないとなれば、これらライバル車たちの加速性能はどれほどのものなのでしょう。

同じように0-100km/h加速タイムを参考に見ていきましょう。

トヨタ シエンタの0-100km/h加速タイムと加速性能

トヨタ シエンタ

シエンタのパワートレインは以下の通りです。

  • 1.5Lガソリンエンジンモデル
  • 1.5Lガソリンエンジン+モーター (ハイブリッド)

フリードと全く同じですね。

エンジン自体はどちらもフリードの方が出力が上ですが、ハイブリッドモーターはフリードが「29.5PS / 16.3kgf・m」なのに対して、シエンタは「61PS / 17.2kgf・m」です。

一方で、ハイブリッドモデルのシステム全体での最高出力はフリードが「110PS」、シエンタは「100PS」となっています。

両者の持っているパワートレインの実力は、数字上ではフリードが上ですが、果たしてシエンタの0-100km/h加速タイムはどれくらいなのでしょうか。

加速タイムは以下の通りです。

  • ガソリンモデル…10.8〜11.2秒
  • ハイブリッドモデル…11.7〜12.0秒
シエンタもフリードと同じく、ガソリンモデルの方が加速タイムは速い結果となりました。

また、フリードとの出力の差の分、加速タイムはフリードより遅いことが分かります。

加速性能を高める特別な装備等もなく、加速力を重要視した車ではありません。

特にミニバンとして多人数乗車・荷物積載時は、フリード以上にパワー不足に感じるでしょう。

なおシエンタとフリードは以下の記事で比較しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。

シエンタのフロント外観フリードとシエンタの違いは?比較しどっちがいいか徹底分析!

スズキ ソリオの0-100km/h加速タイムと加速性能

スズキ ソリオ

ソリオは5人乗りタイプのトールワゴンで、3列目のシートが搭載されたモデルはないものの、広い室内空間を持っており、その見た目のパッケージングからも間違いなくフリードのライバルです。

そんなソリオは「ハイブリッド」と、モーター機能の付いたオルタネーター(発電機)を用いた「マイルドハイブリッド」、ハイブリッド機能を持たないベースグレードの「ノーマルガソリンエンジン」の3つのパワートレインが用意されています。

いずれも全く同じ1.2Lの自然吸気エンジンを搭載しており、それぞれの0-100km/h加速タイムは以下の通りです。

  • ハイブリッドモデル…11.9秒前後
  • マイルドハイブリッドモデル…11.2秒前後
  • ノーマルガソリンエンジンモデル…8.5〜9.4秒

※マイルドハイブリッドの詳細は以下の記事をご参照ください。

マイルドハイブリッド(MHEV)とは?仕組み/構造は?搭載車の燃費は悪いのか解説!

ハイブリッド・マイルドハイブリッド共に加速性能は高くないようで、1番速いのはモーターのアシストが全くない、素の1.2Lガソリンエンジンを積んだモデルです。

ソリオはいずれのモデルも1t切りの軽さが魅力のひとつで、それぞれのモデルの車両重量は以下の通りです。(FFモデルでの比較)

  • ハイブリッドモデル…990kg
  • マイルドハイブリッドモデル…950kg
  • ノーマルガソリンエンジンモデル…930kg

シエンタやフリード同様に車両重量の差は加速性能に影響を及ぼしてることは間違いないでしょう。

それでも、同じエンジンでここまでタイムに差が出るのはなぜなのか、という議論も多く交わされています。

あくまで推測ですが、燃費を重視してモーターがエンジンをアシストする制御なのであれば、フル加速するような場面ではモーターでのアシストは不要と車両側が判断してしまいます。

そうなるとハイブリッドシステムは、車にとってただの余計な抵抗(負荷)となります。

それで同じエンジンでも、結果的に加速タイムがかなり遅くなってしまう要因となってしまうと考えられます。

タンク・ルーミー・トール・ジャスティの0-100km/h加速タイムと加速性能

トヨタ タンク

これら4車種は兄弟車種として各メーカーで展開されています。

  • トヨタ…タンク、ルーミー
  • ダイハツ…トール
  • スバル…ジャスティ

直接的なライバルはスズキ「ソリオ」となるので、エンジンも1Lの自然吸気エンジンと1Lターボエンジンという非力さの否めないパワートレインとなっています。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)

ゴルフ ターボエンジンターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!レクサス エンジンNAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!

フリードの方が車格やエンジン・ボディサイズ感的にもひと回り大きいかもしれませんが、0-100km/h加速タイムを見てみましょう。

  • 1L自然吸気エンジン…14〜17秒
  • 1Lターボエンジン…約11.5秒

サンプルが少ないので、自然吸気エンジンに関しては参考タイムに大きくバラつきが出てしまいました。

ターボエンジンも実際に計測すると、タイムは前後してくるでしょう。

ただ、それでも両モデルともフリードの加速性能には及びません。やはり車両重量1tオーバーの車に排気量1Lのエンジンでは非力過ぎるので、加速性能自体に期待を持てないことが分かります。

なおタンクについては試乗記事もございますので、性能の詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。

タンクのフロントトヨタ タンクの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!

ライバル車種との比較まとめ

シエンタ、ソリオ、タンク〜ジャスティと比較した0-100km/h加速性能では、ソリオのベースグレードとなる「ノーマルガソリンエンジンモデル」が最も速い結果となりました。

一方で、ハイブリッドモデルではフリードが1番高い加速タイムを出しており、ガソリンモデルも直接的なライバルとなるシエンタと比較して約1秒も速いことから、フリードの加速性能はコンパクトミニバンやトールワゴンのカテゴリーの中では優秀であることが分かります。

しかし、車体が大きくて重たくても加速性能がフリードより優れたミニバンなどは幾らでもあります。

コンパクトカーとミニバンの合いの子のようなフリードは、走行性能だけでなく燃費性能や維持費など全ての分野でちょうどいいを求めるユーザーに支持されている車です。(燃費性能、維持費の詳細は以下の記事をご参照ください。)

ホンダ フリードフリードの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!ホンダ フリードフリードの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!

加速性能を重要視するのではなく、どちらかと言えば燃費性能を優先に考えられたカテゴリーなので、加速性能を幅広い車種の中で比較した際に、ある程度見劣りしてしまうのは仕方ないでしょう。

また、フリードのアクセルの踏み込みに対するレスポンスはガソリンモデルの方が上で、ハイブリッドモデルはワンテンポ遅れて付いてくるような印象があります。

ガソリンモデルとハイブリッドモデルの加速性能の差について、紹介したフリードの0-100km/h加速タイムと、ホンダのメーカーの方や自動車評論家の意見とが真逆になってしまっていることについて触れましたが、こうした点が実際のタイム計測時の誤差として出てきてるのかもしれません。

フリードについては以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

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