今や世界中でトレンドとなっている「SUV」。
ラグジュアリSUVであったり、コンパクトSUVであったり、様々なモデルが登場しておりますが、最近注目されているのが、3列シートを備えた「大型SUV」なんですよ。
国産メーカーとしては、2017年にマツダから登場した「CX-8」などがこれに該当します。
実用性については「ミニバンにとって代わる」とも噂されますが、アクティブなモデルですから、走行性能も気になるところ。
そこで今回は、マツダのフルサイズSUV「CX-8」について、加速性能にスポットを当てて解説していきたいと思います。
CX-8の加速性能
3列シートを備えた大容量が魅力的なCX-8。CX-5よりも一回り大きなボディながら、その加速性能は「マツダでも随一」と評判です。アテンザなどの上級セダンには劣りますが、大柄なボディからは想像できないほど軽快なんですよ。
こちらに諸元表を用意したので、スペックを参考にしながら加速性能について解説していきたいと思います。
項目 | 諸元 | ||
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ターボ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ |
排気量 | 2,188cc | 2,488cc | 2,488cc |
最高出力 | 190PS/4,500rpm | 230PS/4,250rpm | 190PS/4,000rpm |
最大トルク | 45.9kgf・m/2,000rpm | 42.8kgf・m/2,000rpm | 25.7kgf・m/4,000rpm |
車両重量 | 1,900kg | 1,880kg | 1,720kg |
PWR | 10kg/PS | 8.17kg/PS | 9.05kg/PS |
TWR | 41.40kg/kgf・m | 43.93kg/kgf・m | 66.93kg/kgf・m |
0-100km/h | 9秒 | 7.5秒 | 10秒 |
※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!補足させていただくと、「エンジン種類~車重」の項目は公式カタログから引用し、「PWR・TWR」は平均重量から算出しました。「0-100km/h加速」のタイムは、オーナーさんの口コミを元にしています。
0-100km/h加速タイムをチェック
まずは、0-100km/h加速のタイムをチェックしてみましょう。
3種類のエンジンが設定されるCX-8ですが、0-100km/h加速はディーゼルが「9秒」、ガソリンターボは「7.5秒」、ガソリンは「10秒」といわれています。タイム的には、乗用車として「中の上」といったところでしょうか。
こちらにトヨタ車の主要車種のタイムを一覧にしてみたので、参考にしてみてください。
車種 | 0-100km/h加速タイム |
86 | 7.3秒 |
クラウン(ターボ) | 7.5秒 |
アルファード 3.5L | 7.5秒 |
カローラフィールダー | 9.0秒 |
プリウス | 9.5秒 |
ヴォクシー | 11秒 |
なお上記の表にある車種の加速性能については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クラウンの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?アルファード/ヴェルファイアの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?プリウスの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?エンジンの性能をチェック
続いて、エンジンの性能に目を通してみたいと思います。ディーゼルユニットとガソリンユニットに分けて、それぞれの特性に触れてみましょう。
低速トルクの大きい「SKYACTIV-D」
マツダの専売特許とも呼べるクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」は、燃費性能の高さと、低速から効いていくる強大なトルクが特徴的です。
CX-8に搭載される「SKYACTIV-D 2.2」は、燃費・静粛性・環境性能が高いレベルで実現した「急速多段燃焼」という技術を採用しています。
加えて、速度域に応じて大小2つのターボを使い分ける、いわゆる「2ステージターボ」を搭載することで、出力・トルクが従来のモデルより大幅に向上。その数値は、「190PS、45.9kgf・m」という強大さです。
これにより、2L強とは思えない、伸びやかで力強い走りを可能にしました。
なおSKYACTIV-Dについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
スカイアクティブD(クリーンディーゼル)とは?欠点2つ!不具合や故障が多く耐久性に難あり?!2種類のガソリンエンジン「SKYACTIV-G」
2017年の登場時点では、ディーゼルモデルのみが用意されていたCX-8ですが、2018年の末、2種のガソリンモデルが新たに追加されました。販売台数の伸びを見ると、このラインナップ拡張は成功だったといえますね。
排気量2.5LのNA、そしてターボの2種類ということですが、加速性能という点に関しては、やはりターボモデルのほうがマスト。これは、さきほどの0-100km/h加速からも見て取れますね。
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!このガソリンターボですが、ディーゼルモデルと同じく、速度域に応じて排気経路を切り替える「可変バルブ機構」が組み込まれ、さらに徹底的にエンジンへ最適化が施されているんです。
低速から高速まで力強いトルクを発揮し、それでいてNAエンジンのような滑らかな応答性を実現しました。
そのトルク性能は、ディーゼルにも劣らない「42.8kgf・m」という数値。NAモデルは「25.7kgf・m」ですから、ターボが搭載されるだけでこんなに性能差が生まれるのです。
ボディの軽量性をチェック
CX-8の車体重量は、平均して1,800kg強といったところです。
もっとも重いディーゼルモデルだと、1,900kgにも迫り、SUVとしてもヘビー級の部類。ところが、強大なパワーをもつCX-8は、この重量を感じさせないほどの軽快な走りをするとして、一部で話題になっているのです。
これを示す指標として、「PWR(パワーウェイトレシオ)」「TWR(トルクウェイトレシオ)」というものがあります。
簡単にいうと、出力・トルクに対するボディ重量のことで、「数字が小さいほど軽量」と考えることができ、同時に加速性能の高さを表します。
加速性能に関しては、とくにTWRの数値が低いほど優秀な傾向にありますね。
ガソリンモデルは「66.93kg/kgf・m」と標準的なスペックですが、ディーゼルモデルは「41.40kg/kgf・m」、ターボモデルは「43.93kg/kgf・m」と、かなりのものです。
さきほどのトヨタ車の一覧より、PWR・TWRの数値もまとめてみたのでご覧ください。
車種 | PWR | TWR |
86 | 6.15[kg/PS] | 58.9[kg/kgf・m] |
クラウン(ターボ) | 7.06[kg/PS] | 48.1[kg/kgf・m] |
アルファード (3.5L) | 7.14[kg/PS] | 58.4[kg/kgf・m] |
カローラフィールダー | 8.29[kg/PS] | 66.3[kg/kgf・m] |
プリウス | 13.98[kg/PS] | 94.5[kg/kgf・m] |
ヴォクシー | 10.33[kg/PS] | 79.7[kg/kgf・m] |
もしCX-8を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!CX-8の実際の加速感
数字だけではいまいちピンと来ないと思うので、TwitterやYouTubeも参考にしてみましょう。オーナーさんの投稿をいくつかピックアップしてみたので、実際の加速感をご覧ください。
Twitterで加速感をチェック
CX-3ちゃんの定期点検中に年次改良入ったCX-8試乗したけどいいね👍
マツダで1番デカい車のはずなのに車の大きさの割に思った通りに曲がるし加速がやびゃあ(✌՞ةڼ✌) pic.twitter.com/OYdtIaOW6c— へたれぇ@癖が強め (@Sept19_ssc) 2018年12月22日
こちらの方は、愛車の定期点検でディーラーを訪れたときにCX-8を試乗したようですね。
その際の感想として「加速がやばい」とコメントしています。フルサイズSUVでありながら、操縦性と加速性能の高さに驚きを隠しきれていないご様子。
そーいえば、CX-8の2.5ガソリンはプロアクティブでした。
街乗りでは充分な加速感です😁
あと静粛性抜群です。これで完全にミニバンにとって変わるクルマになりましたねー。
ディーゼルだけだとユーザー選びますが、ガソリン追加は大きい。このクルマもすごく魅力的です。
— UU (@WCLBlogAuthor) 2018年12月8日
こちらの投稿者さんが乗ったのは2.5L ガソリンモデルの「プロアクティブ」。CX-8としては加速性能の低いモデルですが、それでも大柄ボディを思わせない走行性能なんですよね。
実用性が高いうえに室内も静かで快適、それでいて街乗りでは十分な加速性能ということで、7人乗りSUVとしてはかなりおすすめなモデルといえるでしょう。
CX-8試乗してきましたけど
自分にはもう最高の一言でした。
・ディーゼルらしくない静粛性
・重さを感じさせない加速力
・室内の質感の高さ
・先進機能の数々
・軽油で燃費が良いコスパの良さ
書き出したらキリがない!
#CX-8 pic.twitter.com/uUVo8kgLg4— マツダCX8乗り! (@88CX88) 2017年12月10日
こちらの男性が試乗したのはディーゼルモデル。ディーゼルといえば、独特の音や揺れが、人によっては気になるポイントですから、ある意味「乗る人を選ぶモデル」でした。
しかし、CX-8ではこれが改善され、ディーゼルとは思えない静粛性に。
質感の高さや燃費のよさ、そして低速から効いてくるパワフルな加速感は、まさに最高の一言です。
なおCX-8の口コミ・評判については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
CX-8の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!You Tubeで加速感をチェック
こちらの動画によると、0-100km/h加速のタイムは、メーター計測で「8.19秒」、GPS計測で「8.83秒」という結果になっています。このサイズでこんこ加速タイムは、かなり優秀といえるでしょう。
こちらの動画で使われているのは海外仕様の「CX-9」。載せているエンジンは2.5Lガソリンターボと共通ですから、加速性能はほとんど同じようなものです。
タイムは「7.69秒」となっていますね。AWDの2.5Lターボモデルだと、SUVでもトップクラスの性能ということですね。
CX-8の加速性能を他の車と比較
加速感についてご覧いただいたところで、続きましてライバルと呼ばれる国産車と、その実力を比較してみたいと思います。
今回比較してみるのは国産SUVの大型モデル、三菱「パジェロ」、日産「エクストレイル」、トヨタ「ランドクルーザー」です。
三菱 パジェロ
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ |
排気量 | 3,200cc |
最高出力 | 190PS/3,500rpm |
最大トルク | 45.0kgf・m/2,000rpm |
車両重量 | 2,290kg |
PWR | 12.05kg/PS |
TWR | 50.89kg/kgf・m |
0-100km/h | 10.6秒 |
まず比較してみるのは、三菱の人気SUVである「パジェロ」。かつて一世を風靡した本格派のクロカンモデルです。
加速タイムは「10.6秒」ということで、直線のフル加速はCX-8のほうが速いです。これは車重の重さに要因があります。
出力・トルクはCX-8と同等の性能ですが、パジェロのほうが300kg以上ボディが重いのですからね。
なおパジェロについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
パジェロは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!パジェロは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!日産 エクストレイル
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,997cc |
最高出力 | エンジン:147PS/6,000rpm モーター:41PS |
最大トルク | エンジン:21.1kgf・m/4,400rpm モーター:16.3kgf・m |
車両重量 | 1,640kg |
PWR | 11.15kg/PS |
TWR | 78.09kg/kgf・m |
0-100km/h | 8.3秒 |
続いて比較するのは、日産の人気SUVである「エクストレイル」。排気量は2.0Lと、CX-8よりも小さいモデルですが、加速性能はどうでしょうか。
まず0-100km/hですが、タイムは「8.3秒」ということで、CX-8といい勝負ですね。
ハイブリッドはガソリン車と単純比較が難しいですが、パワーでいうならCX-8のほうが圧倒的に上手。ただし、車重はエクストレイルが200kgほど軽いので、大きな性能差はありません。
ちなみに、エクストレイルのPWR・TWRはエンジン性能だけで割り出しているので、モーターを含めたユニット全体で算出すると、もっと優れた数値になります。
そのため、加速性能はほとんど同じくらいでしょう。2.5Lターボがわずかに上手というところです。
なおエクストレイルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
エクストレイルの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?エクストレイルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!トヨタ ランドクルーザー
項目 | 諸元 |
種類 | V型8気筒DOHC |
排気量 | 4,608cc |
最高出力 | 318PS/5,600rpm |
最大トルク | 46.9kgf・m/3,400rpm |
車両重量 | 2,690kg |
PWR | 8.46kg/PS |
TWR | 57.36kg/kgf・m |
0-100km/h | 8秒 |
最後に比較するのは、トヨタの人気フルサイズSUV「ランドクルーザー」。「陸の王者」ともいわれる本格クロスカントリーモデルです。
ランクルの0-100km/hは、2.5tを超える車重で「8秒」というタイムを計測しています。
最高出力318PS、最大トルク46.9kgf・mという国産車トップクラスのパワーを誇るため、ボディの重さを感じさせません。
しかし、走破性はともかく、加速性能ならCX-8も負けてはいないです。2.5L NAモデルはやや劣りますが、ほかの2モデルはPWR・TWRで勝っていますからね。加速タイムなら2.5Lターボモデルのほうが上回っているくらいです。
なおランクルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ランクルの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!ランドクルーザーは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!CX-8はフルサイズSUVとしてピカイチの加速性能
というわけで、CX-8の加速性能についての解説は以上になります。
ヨーロッパへの意識が高いマツダらしく、質感と環境性能が高いCX-8ですが、走行性能もなかなかのもの。
加速性能も含むトータル性能が高いので、価格を考えれば、かなりおすすめのモデルといえるでしょう。
なおCX-8については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
CX-8の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!CX-8の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!