アルテッツァとレクサスIS、パッと見では、ほとんど違いがなく、よくわからないですよね。
実は、外観上の違いはエンブレムだけなのです。
「えっ⁉︎それだけ⁇」と思うかもしれませんが、事実です。ただしこの違いは、外観上に限っての話です。
外から見ただけでは分からない部分にも、違いがあります。内装・エンジン・ミッションなど…。
この記事では、それらも含め、細かい部分まで徹底的に掘り下げて、両車の違いについて、詳しくご紹介します。
レクサスのエンブレムがあっても本物とは限らない
アルテッツァと IS 、外観上はほとんど見分けがつきません。違いといえば、メーカーロゴのエンブレムぐらいです。
じゃあ、エンブレムさえ変えてしまえば IS になるのかというと、そうではありません。詳しい違いは後に説明するとして、まずは生い立ちからご説明します。
ライバルは BMW・メルセデス!欧州・北米でのトヨタ・ブランドの向上を目指して
1999年(平成11年)、欧州で既に販売展開していたレクサスですが、ブランド高級化を目的としていた事もあり、LS 600等の大型セダンに力を注いでいました。(現在のLSの詳細は以下の記事をご参照ください。)
レクサスLSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!そのため欧州で最も需要の高い、ミドルクラス・セダンがありませんでした。
高級ミドルクラス・セダンは BMWとメルセデスのみという状況を打破すべく、投入されたのが IS200・IS300 です。
サイズ的にも価格的にもお手頃なので、欧州での販売は大成功。この成功の勢いで、北米市場にも展開される事となります。
そもそも、アルテッツァと IS 、どちらが先に販売されたのか
アルテッツァが国内デビューしたのは1998年(平成10年)、ISはその翌年の1999年(平成11年)に、欧州レクサスで販売が開始されました。
ですので、アルテッツァの方が1年先に販売されていたことになります。
冒頭でお話しした通りアルテッツァが新車販売されていた当時、レクサス・ブランドのクルマは海外でのみ販売されていました。
当然、当時のIS200・IS300 は、国内のトヨタ系列の販売店では購入できません。(現在のISの詳細は以下の記事をご参照ください。)
レクサスISの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!アルテッツァの方が先に販売開始されていたのにもかかわらず、わざわざ同じクルマを逆輸入してまで購入しようという方は、そうはいないはずです。
いたとしても、ごく少数の超レアな存在のクルマです。しかし、実際にはよく見かけられ、それほど珍しくはありませんでした。
それはなぜなんでしょう?その謎を解き明かしていきましょう。
エンブレムのみ “レクサス” のアルテッツァが急増
アルテッツァのオーナーが、海外でレクサス IS として販売されているのを知るや否や、挙ってレクサス・エンブレムを装着し始めました。
レクサスといえば、高級車の代名詞です。この理由から、自分のアルテッツァを高級車に見せようとする「エンブレム・チューン」が急増したわけです。
この「エンブレム・チューン」は、アルテッツァに限らず、セルシオも非常に多く見かけました。
他の国産メーカーでは、ホンダの “アキュラ” 、日産の “インフィニティ” など、多くの国産車の間で流行となったのです。
当時はこのエンブレム・チューン、海外仕様がある国産車がほとんどでしたが、現在は、海外仕様の有無は関係無くやっている方が多く見受けられます(笑)。
なおほかのエンブレムチューンの事例は以下の記事でも紹介しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイエースはレクサス仕様がある?エンブレムがレクサスなのはなぜ?レクサスのエンブレムのアリストは偽物?左ハンドルだと本物?極めて稀に、本物の IS も存在する
極少数ですが、たま~に本物の IS を見かけることもあります。
当時は国内にレクサス販売店は存在しないので、IS は逆輸入車になります。
このクルマのオーナーは、どうしても本物のレクサスに乗りたいという方でしょう。
同じレクサスでも、セルシオの海外版 “LS” の方が遭遇率が高いです。これは、国内での両車の車格の違いが影響しています。
セルシオ=トヨタの最高級車
アルテッツァ=廉価なスポーティセダン
…と、キャラが全く異なりますので、オーナーの好みの差が如実に表れた結果になります。
これからISでもアルテッツァでも車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!本物のレクサス IS とアルテッツァの違い
外観上は全くと言っていいほど同じ両車ですが、エンブレム以外に違いはあるのでしょうか?
「じゃあエンブレム・チューンすれば、全く同じクルマになるの?」という疑問を感じていると思われますので、アルテッツァと IS の違いについてご紹介しましょう。
レクサス IS は、内装の質感が高い
レクサスといえば「高級ブランド」が売りですので、当然、“レクサス” ブランドにラインアップされている IS も例外ではありません。
スポーツ志向の強いアルテッツァの内装は、黒系統の色使いがメインで、いかにもスポーティなイメージに仕上がっています。
国内での販売ターゲットは「20~30代のスポーツカー好きな男性」ですので、ある意味セダンらしからぬ内装と言えます。
事実、セダンとしては異例な程、マニュアルミッション(6速MT)車が売れたクルマでもあります。
モータースポーツでも活躍し、現在でもスポーツカー好きに人気があるクルマです。
一方、 IS はベージュを基調とした、モダンで落ち着いたイメージの内装に仕上がっています。海外での販売ターゲットは富裕層~中流以上の、経済的に余裕のある方々になります。(現在のISの内装の詳細は以下の記事をご参照ください。)
【画像/写真】レクサスISの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!アルテッツァとは違い完全にラグジュアリー路線のため、オートマチック(AT)車のみの設定になります。
しかし、後にアルテッツァにも、IS と同等の内装を施した最上級グレードの “L エディション” が追加されます。
ISには6速MT車が存在しない
先程も少しお話ししましたが、マニュアルミッション(6速MT)車は、アルテッツァにしか設定がありません。
IS はラグジュアリー路線なので、「必要無し!」と、割り切っていたのが理由です。
レクサスにおいてエントリーモデルに位置付けされていた為、無駄な製造コストを掛けたくなかったのも事情でしょう。
これは室内を覗いてみれば、すぐに判別できます。
レクサス ISは直列6気筒エンジンのみ
アルテッツァは直列4気筒 2,000cc(3S-GE型)エンジンと、直列6気筒 2,000cc(1G-FE型)の設定があり、主に売れたのは4気筒モデルの方でした。
理由としては、スポーツカー好きに人気のあるクルマですので、唯一マニュアルミッション(6速MT)設定のある4気筒グレード RS200 に人気が集中したからです。
後に AS200(6気筒エンジン)にも 6速MT が設定されますが、こちらはあまり売れませんでした。エンジンがスポーツ走行に向かないのが理由です。
対して IS の方は、直列6気筒 2,000cc(1G-FE型)と直列6気筒 3,000cc(2JZ-GE型)の設定になり、4気筒エンジンは存在しません。
ですのでレクサス・エンブレムでも4気筒エンジン(3S-GE型)ですと、中身はアルテッツァだと判別できるのです。
レクサス IS は、左ハンドルしか存在しない
何度も言いますが、当時のレクサスは、海外で販売されている高級志向のトヨタ車です。ですので、当然ながら左ハンドル車しか存在しません。
レクサス・エンブレムのアルテッツァを見かけたら、運転席が左右どちらに有るかを確認すれば、簡単に判別可能です。
この方法が最も簡単、かつ大きな違いになります。
以上の予備知識を持っていいれば、アルテッツァか IS かの区別が完璧にできるので、実際に街で見かけたら、実践してみて下さい。案外、楽しいと思いますよ(笑)。
レクサスISについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レクサスISの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!レクサスISの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!