ホンダ ステップワゴンはミドルサイズミニバンで、大人気のミニバン市場においてホンダが唯一持つトールミニバンでもあります。
ミニバンといえば人も荷物もたくさん乗るのがよい点ですが、ステップワゴンは荷物の多いキャンプの場面で使い勝手はよいのでしょうか?
今回はホンダ ステップワゴンがキャンプに向いているかどうかをご説明します。
ステップワゴンがキャンプに向いている点
ステップワゴンはミニバンの人気が今ほど高くない1996年に登場した車種で、現行型で5代目となる息の長い車種です。
はじめて登場したときから背の高さを活用した車室の広さを売りにしており、キャンプをはじめとしたアウトドアでも定評があり、現行ステップワゴンもしっかりキャンプに活用できる車といえるでしょう。
それではステップワゴンのどういったところがキャンプに向いているかをご説明していきましょう。
低床で荷物が載せやすい
ステップワゴンの他のミニバンにはない特徴のひとつに、ホンダのコア技術である低床・低重心設計があります。
この低床設計がキャンプ用品を積み込む際にとても便利で、荷室の床面が低いので重い荷物を高い位置まで持ち上げなくてよいのです。
どのぐらい床面が低いかというのを次の表で比較してみましょう。比較対象は同じミドルサイズのトールミニバンであるトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイアの兄弟車と、日産 セレナで比べます。
車種 | 高さ |
ステップワゴン | 445mm |
ノア/ヴォクシー エスクァイア | 500mm |
セレナ | 520mm |
※ちなみにノア/ヴォクシーもキャンプに最適な車です。詳細は以下の記事をご参照ください。
トヨタ ヴォクシー/ノアがキャンプに最適な理由4つこうして比較してみるとステップワゴンの荷室の床面は圧倒的に低く、競合車と比べても50mm~70mmもの差があります。
これだけの違いがあると荷物を載せるときの楽さには大きな差があり、ステップワゴンはとても荷物を載せやすい車ということがわかります。
このメリットは男性でもうれしいものですが、それ以上に女性にとってうれしい特徴といえ、大きく重たい荷物の多いキャンプに女性だけでいくときなどもステップワゴンは高い威力を発揮してくれるでしょう。
3列シートが床下収納で荷室が広い
ステップワゴンは荷室の大きさも特徴のひとつで、特に現行型では3列目シートが床下に格納できることからほかのミニバンより広々としています。
最近のトールサイズミニバンの主流は3列目シートを左右にはねあげるタイプの物が多く、格納はしやすいものの荷室の横幅を圧迫してしまうデメリットがありました。
しかしステップワゴンでは低床の特徴を活かして床面下にシートを格納できるスペースをもうけることで、3列目シート格納で荷室を圧迫しないようにしてあります。
これはやはり低床設計をしているホンダならではのものであり、他社のミニバンではなかなか真似できない点です。
その特徴もあってステップワゴンの荷室はかなり広く、こちらもトヨタのミニバンと比較してみますが、大型ミニバンのアルファードに匹敵する大きさがあります。(アルファードは以下の記事で解説していますが、キャンプに最適な車です。)
アルファード(ヴェルファイア)がキャンプに最適な理由7つ車のサイズはアルファードのほうが大きいので、いかにステップワゴンが荷室をしっかり確保しているかがわかります。
部位 | ステップワゴン | ノア/ヴォクシー/ エスクァイア | アルファード/ ヴェルファイア | |
荷室幅 | 985mm | 985mm | 920mm | |
荷室高さ | 1,245mm | 1,240mm | 1,150mm | |
荷室長さ | 3列目シートあり | 460mm | 420mm | 240mm |
2列目シート最後端 | 1,180mm | 900mm | 1,250mm | |
2列目シート最前端 | 1,760mm | 1,710mm | 1,780mm |
ステップワゴンの荷室の広さはLサイズミニバンのアルファードより全体的に広く、特に荷室の高さがしっかりあるのは低床化のおかげでしょう。
また2列目シートを前にスライドしていけば1.7mもの長い荷室が出現し、長いテントやパラソル、タープなどをしまうのにぴったりです。
近年は車が大きいから荷室が大きいという関係はなくなってきており、設計の上手なステップワゴンがその証明です。
当然キャンプ用品をたくさん載せていく車としてステップワゴンはぴったりで、トールサイズミニバンの中では1、2を争う便利さではないでしょうか。
ちなみにステップワゴンは荷室が広く低床設計のため、ある程度の大きさまでならバイクのトランポとしても使えます。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ステップワゴンがトランポに最適な理由4つ!使い心地まで解説!テールゲートが室内から開けられて便利
現行のステップワゴンの特徴のひとつに「わくわくゲート」というものがあり、キャンプのような場面ではなかなか便利な装備です。
わくわくゲートは簡単に言えばテールゲートが横開きでも開くようになっている装備であり、テールゲートの左半分が横に開きます。
もちろん普通のテールゲートと同じ上開きも可能で、上開きと横開きの2種類の開け方をフレキシブルに使い分けられます。
普段の生活でも重たいテールゲートを開け閉めしなくてよいというメリットがありますが、それは当然キャンプのような荷物の上げ降ろし回数が多い状況でも威力を発揮します。
またテールゲートは子供では閉めるのが大変ですが、横開きになるのなら問題なく開け閉めができます。
またこのわくわくゲートは車の中からも開けることができ、普通のテールゲートではできない開け方が可能です。
荷物をたくさん積み降ろししていると、車内からテールゲートを開けたい場面もあるのですが、普通の車ではいちいち外に出なければならないところをわくわくゲートはそのまま開けられるメリットがあります。
わくわくゲートのような横開きのテールゲートは最近の車では見なくなった装備なので、ステップワゴンで復活したこの装備をキャンプでフル活用してみましょう。
ハイブリッドなら100V大容量電源が使える
ステップワゴンにはハイブリッド仕様がありますが、このモデルではハイブリッドで使用する大容量バッテリーを使った100Vの大容量コンセントを使うことができます。
最近の車、とくにミニバンを中心に100Vのコンセントは普及が進んでいますが、たいていは100V 100W程度の容量の小さなものであり、あまり大きな電化製品は使えません。
しかしハイブリッドであれば100V1500Wまでの大容量コンセントが使え、ドライヤーのような電気をたくさん使う電化製品も使えるようになります。
キャンプで電化製品を使うことについては賛否両論あるのですが、少なくともドライヤーやポットなどの道具はキャンプに持っていってもとても便利なものです。
とくに女性はキャンプであってもドライヤーの存在はありがたいと思いますので、これからは電気製品も活用したキャンプが広がっていくでしょう。
ただひとつ欠点としては、現行ステップワゴンのハイブリッドはステップワゴン スパーダにしか設定がありません。
スパーダはステップワゴンの外観デザインを一部変更した車で、車としての使い勝手は普通のステップワゴンとかわらないのですが、現状売れ行きはスパーダのほうが良いのでスパーダのてこ入れにハイブリッドが追加された形です。
ステップワゴンのハイブリッドは後述するように燃費もよく、また加速も素晴らしいので全車に設定してほしいものです。加速性能の詳細は以下の記事をご参照ください。
ステップワゴンの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?スパーダ ハイブリッドは燃費が最高
前述したステップワゴン スパーダ ハイブリッドは非常に燃費のよいシステムを搭載しており、現行のトールサイズミニバンのなかで最高の燃費を誇ります。
キャンプはだいたい長距離の移動が必要ですので、燃費の良さはとてもありがたい点です。
ミニバンでハイブリッドモデルがある車はわりと多く、トヨタも日産でも設定があります。
しかしステップワゴンのハイブリッドの燃費はそれらの車を抑えてトップであり、頭ひとつ飛び抜けています。
スペックおよびカタログ燃費は次の表の通りですが、競合車と比べてみてもスペックで劣る点はありません。
項目 | ステップワゴン スパーダ ハイブリッド | トヨタ ヴォクシー ハイブリッド | 日産 セレナ |
エンジン | LFA型2.0L 直4 DOHC VTEC+モーター | 2ZR-FXE型1.8L 直4 DOHC+モーター (ハイブリッド車) | MR20DD 2.0L 直4 DOHC+モーター |
最高出力 | エンジン 107kW[145PS]/ 6,200rpm モーター 135kW[182PS]/ 5,000-6,000rpm | 2ZR-FXE型 エンジン | エンジン 110kW[150PS]/ 6,000rpm モーター 1.9kW[2.6PS] |
最大 トルク | エンジン 175N・m [17.8kgf・m]/ 4,000rpm モーター 315N・m [32.1kgf・m]/ 0-2,000rpm | エンジン 142N・m [14.5kgf・m]/ 4,000rpm モーター 207N・m [21.1kgf・m] | エンジン 200N・m [20.4kgf・m]/ 4400rpm モーター 48N・m [4.9kgf・m] |
カタログ 燃費 | 25.0km/L | 23.8km/L | FF:15.4km/L~ 16.0km/L 4WD:13.6km/L |
※燃費の詳細は以下の記事で解説しているので、こちらもあわせてご参照ください。
ステップワゴンの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!なぜこれほど燃費に差があるのかというと、ステップワゴンのハイブリッドシステムはモーターでの走行をメインとしたプラグインハイブリッド車のようなシステムで、エンジンは主に発電を担当しています。
緊急時にはエンジンでも駆動しますが普段はモーターだけの駆動なので燃費がよくなり、さらに静かなのもメリットです。
現状では前述したようにスパーダにしかハイブリッドがないので、ノーマルのステップワゴンのデザインが好きな人は活用できませんが、スパーダでキャンプ用に車を買うのであれば少々価格は高くなりますがハイブリッドがおすすめです。
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば安い価格で購入できるので、ハイブリッドも手に入りやすくなりますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
ステップワゴンのキャンプに向いていない点
ステップワゴンは車の設計から言っても、また性能から言っても現行のトールサイズミニバンの中でキャンプ向きの車としてはトップクラスです。
しかし一点だけ、車中泊となると少々使い勝手が悪い点があり残念なところもあります。
最近のキャンプではテントの代わりに車のなかで寝る車中泊が流行っており、専用のオートキャンプ場も増えてきています。
大きな荷物になるテントを持っていかなくてよいので楽ですし、前述した100Vコンセントなどを活用するとかなり快適なキャンプになります。
車中泊をするにはシートアレンジでフルフラットな空間ができるのが好ましいのですが、ステップワゴンのシートアレンジで車中泊用にフラットにしようとすると、2列目3列目シートを後ろに倒しても結構凸凹が残ってしまいます。
また長さも1.8m程度確保するのがギリギリで、背の高い人だと窮屈な寝床になってしまうのです。
3列目シートを格納したとしても2列目シートの背面まで1.7mほどしかないのでやはり狭苦しいです。
決して車中泊ができない車ではないのですが、ステップワゴンで車中泊をするのであれば凸凹のあるシートをフルフラットにできるマットの準備が必要不可欠であり、事前の準備をしっかりしておかなければなりません。
完全なフルフラットの車が良いならフリードなどがおすすめです。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ホンダ フリードがキャンプに最適な理由3つ!収納力が最強!ステップワゴンをキャンプで使用した人の評判
ステップワゴンのキャンプでの評判はTwitterにたくさん投稿されており、ステップワゴンがキャンプに向いている車というのがよくわかります。
今回はその中から3件ほどご紹介しましょう。
決め手は荷室の広さ
ステップワゴンは3列目シートが完全に床下に仕舞えちゃうので。アホみたいに積めるぜー。キャンプの時に大活躍してくれそうです(^_^)(そのために買い替えたんだけどね) pic.twitter.com/56V4aNufP5
— やっさん (@ya_su_3) July 3, 2017
こちらのご家族はキャンプのためにステップワゴンに乗り換えされたようですが、理由はやはり荷室の広さです。
ステップワゴンの3列目の床下収納は、最近のミニバンでは見かけなかったので便利で新鮮に映ります。
荷室がすっきりしていての広さが見た目からして違いますね。
荷物ってこんなに少なかった?
ゴールデンウィーク最後の2日はステップワゴンで初キャンプ🏕
前乗っていたレガシィツーリングワゴンでは荷室では足りずにジェットパックに積んでいたけれど、ステップワゴンでは3列目を収納した荷室だけで充分🏕 pic.twitter.com/yEXVeH6XoO— t@ka (@t___k_a) May 7, 2017
この方も3列目シートを格納して荷物を載せていらっしゃいますが、なんだかずいぶんゆとりをもって積んであって拍子抜けしちゃいますね。
ステップワゴンの前はステーションワゴンのレガシィにルーフコンテナを使ってようたく載っていた荷物ですが、ステップワゴンに積み替えるだけでこんなに違いがあるとは驚きです。
ちなみに同じレガシィでもレガシィアウトバックはキャンプに最適な車ですよ。詳細は以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
レガシィアウトバックがキャンプに最適な理由3つステップワゴンは長年の愛車
9年乗った車と本日でお別れすることになった。ホンダのステップワゴン。北海道で長距離のツアーやキャンプや、ずいぶん世話になった。感謝。
— ∫ IIII 飯田雅春 (@iidamasaharu) October 24, 2015
この方はキャンプに活用したステップワゴンを手放されたそうですが、なんと9年もの長い間乗られた愛車だったそうです。
この方のほかにもステップワゴンを長年愛用している人はたくさんいらっしゃって、車に対する感謝のツイートをたくさん見かけました。
キャンプにつれていってくれる特別な車だからここまで愛着があるのでしょうね。
ステップワゴンの口コミ・評判は以下の記事でもまとめているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
ステップワゴンの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!これからステップワゴンを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
ステップワゴンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!ステップワゴンの走りは最高?走行性能を解説しつくします!