ハイブリッド車の加速は速い？遅い？加速比較ランキングとともに解説！

ハイブリッド車は燃費が従来の車より大幅に改善した車種で、日本では現在もかなりの人気がある車種です。

ハイブリッド車はどうしても燃費性能に目が行きがちですが、車としての性能、とくに加速性能についてはどうなのでしょうか。

今回はそんなハイブリッド車の加速性能についてご説明します。

ハイブリッド車の加速性能

ハイブリッド車は従来のガソリン車に電気モーターを組み合わせて燃費を改善させるタイプの車で、エンジンの効率が悪い領域をモーターがカバーすることで燃料消費量を削減します。

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その燃費改善効果は非常に高いものがあり、ガソリンエンジン車のカタログ燃費が最大で20km/L〜25km/Lであるのに対してハイブリッド車は30km/L〜40km/L程度が一般的となってきています。

しかしこの燃費を実現するためには車の加速は穏やかなほうがよく、急激な加速はハイブリッド車のみならず普通の車でも燃費を悪化させる大きな原因となります。

そのため一般的なハイブリッド車は加速が穏やかな車が多く、加速性能自体は低めに設定されているのです。そんなハイブリッド車の燃費と加速の関係をご説明します。

燃費と加速は正反対

車の加速は燃費性能と大きな関係があり、一般的には加速が強くなると車の燃費は悪化する関係にあります。

車の加速は車の速度を増加させる効果がありますが、このとき車のエンジンは回転数を高めてエンジン出力を増加させています。

エンジン出力が高くなれば車のタイヤの回転数も高まり、その結果車は加速するのです。ですがエンジンの出力を高めるということは燃料をより多く燃焼させることになるので、加速というのは燃料消費量を増加させることにも繋がります。

しかしハイブリッド車というのは低燃費性能を追求することを目的とされた車種なので、ハイブリッド車ではできるだけ加速を控えめにして燃費の改善につとめたいのです。

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急激に加速しなければ燃料消費量の増加は最低限に抑えられるので、燃費重視のハイブリッド車ほど加速性能は控えめとなっている場合が多いです。

とはいえハイブリッド車も加速の強弱はコントロールすることができ、周りの道路条件にあわせて強い加速をすることも可能ではありますが、そういった走り方をすれば実燃費は確実に低下します。

車の加速はコンピューター次第

私たちが車を加速させたいと思うときにはアクセルペダルを踏み込む動作をするのですが、「アクセルは踏み込めば踏み込んだだけ加速する」と思っている方も多いのではないでしょうか？

ですが実は現代の車はアクセルペダルとエンジンは直接繋がっておらず、加速の度合いはその間に入っているコンピューターが全てコントロールしているのです。

以前の車のアクセルペダルはエンジンのスロットルと金属のワイヤーで繋がっており、アクセルペダルを踏み込めば直接エンジンの回転数をコントロールすることができました。

ですが車の制御がコンピューターで行われるようになってからはさまざまな部品が電子制御化されており、近年の車はほぼすべてがアクセルも電子制御化されています。

アクセルペダルを踏み込むとその信号が一度コンピューターに送られ、コンピューターが加速度合いを判断してエンジンのスロットルをコントロールしています。

ポイント

ハイブリッド車はこのシステムを非常に積極的に使っている車で、車の走行モードに合わせた加速度合いを自動的にコントロールしています。

ハイブリッド車の走行モードには「ECO」や「NORMAL」「SPORTS」などのモード切替ができる車が多いですが、燃費を重視するECOモードでは加速を控えめにするなどの制御が入っています。

そのためたとえアクセルペダルの踏み込み具合が同じだとしても、加速を重視するSPORTSモードとECOモードでは実際の加速には差が生まれます。

こういったコントロールは普通のエンジン車でも行われていますが、ハイブリッドカーではとくに燃費に特化した設計がされています。

なおECOモードについては以下のアクアの記事で詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

アクアのエコモードとは？仕組みから使い方まで全て解説！

加速性能を重視するハイブリッド車

通常のハイブリッド車は燃費性能を優先して設計されているので加速は控えめになっていますが、ハイブリッド車といってもさまざまなタイプがあり加速性能を重視する車種も存在します。

加速性能を重視するのはスポーツカータイプのハイブリッド車に多く、こういった車種はハイブリッド車に使われる電気モーターの加速性能を有効活用するためにハイブリッドシステムを組み込んでいます。

電気モーターはエンジンと大きく違う特性を持っており、回転数が低いほど高いトルクを発生させます。

トルクが高いと車の加速も強力になり、エンジンとモーターを併用することによって従来の車より高い加速性能を得ることが可能になります。

スポーツカーの魅力には加速性能の高さは不可欠なもので、世界では年々加速性能の高さを競っているほどです。

車の加速性能を表す指標のひとつに「0-100km/h加速」というものがあり、停止状態から100km/hまで何秒かかるかという見方をします。

以前は強力なガソリンエンジンやツインターボエンジンを持つ車がこの性能を競っていましたが、近年はハイブリッド車のスポーツカーも多数トップランキングに入ってきており、ハイブリッド車といっても加速が強力な車種も増えてきています。

これらの車種はあまり燃費を重視してはいませんが、ハイブリッドシステムの効果によって従来のスポーツカーより燃費性能も多少は改善しています。

MEMO

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ハイブリッド車の加速性能比較ランキング

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@belgianspotがシェアした投稿 – 2019年 3月月5日午前3時46分PST

ハイブリッド車の乗用車系の車種は加速性能については決して高いとはいえないのですが、前述したようなスポーツカー系の車種は非常に強力です。

今回は0-100km/h加速のタイムが短い順に5車種ほどご紹介しますが、ハイブリッドシステムを加速性能に振った場合のスペックをぜひご覧ください。

ランキング	メーカー	車種	0-100km/h 加速タイム	エンジンスペック	システム合計出力	エンジン最高出力	システム合計トルク	エンジン最大トルク	モーター最高出力	モーター最大トルク
1	ポルシェ	918 スパイダー	2.4秒	4.6L V型8気筒エンジン	887PS (652kW)/ 8,500rpm	608PS (447 kW)/ 8,700rpm	917N・m- 1,280 N・m	540N・m (55.1kgf・m)/ 6,700rpm	286PS (210 kW)/ 6,500rpm	–
1	フェラーリ	ラ・フェラーリ	2.4秒	6,262cc V12 DOHC	963PS/ 9,250rpm	800PS/ 9,000rpm	900N・m以上	700N・m/ 6,750rpm	163PS	–
3	マクラーレン	P1	2.6秒	M838TQ 3.8L V8 ツインターボ	916PS (737PS+179PS)	737PS/ 7,500rpm	900N・m (720N・m+260N・m)	720N・m (73.4kgf・m)/ 4,000rpm	179PS	260N・m
4	ケーニグセグ	レゲーラ	2.8秒	5.0L V8 DOHC 32バルブツインターボ	1,500PS	820Kw(1,100ps)/ 7,800rpm	2,000N・m以上	1,250N・m	700Hp	900N・m
5	ホンダ	NSX	3.0秒	3,492cc 水冷 V型6気筒DOHC 24バルブツインターボ	427Kw(581PS)	507ps(373Kw)/ 6,500rpm-7,500rpm	646N・m (65.9kgf・m)	56.1kgf・m (550N・m)/ 2,000rpm-6,000rpm	フロント： 27kw(37PS)/ 4,000rpm リア： 35kw(48PS)/ 3,000rpm	フロント： 73N・m(7.4kgf・m)/ 0rpm-2,000rpm リア： 148N・m(15.1kgf・m/ 5,00rpm

トップクラスの加速性能を持つハイブリッド車は、停止状態から100km/hまで加速するのにわずか2秒半しかかかりません。

全て走行性能を追求するために設計された特別な車で、名だたる自動車メーカーが並んでいます。

ポイント

ハイブリッド車トップの加速性能を持つのはドイツの高級車メーカーポルシェ918スパイダーと、フェラーリラ・フェラーリの2車種が同一タイムとなっており、2.4秒という信じられないほどの速さです。

どちらも流線型のボディを持つ正真正銘のスーパーカーで、エンジンとモーターを合計したシステム出力は900馬力前後、最大トルクも900N・m前後と驚異的なスペックを持っています。

またマクラーレンP1もスペック的にはほぼ同等ですが、タイム的にはわずかに下がっています。

4位のケーニグセグレゲーラはハイブリッドスーパーカーの究極系のひとつで、システム合計出力はなんと1,500馬力に達する世界最高峰の車です。

トルクに至っては2,000N・mという規格外のスペックを持ちますが、車重が重たいこともあって0-100km/Lタイムはわずかに下がって2.8秒です。ですがこの車は出力を最大限発揮して400km/hを超える最高速度を出せる車であり、世界最速量販車のひとつです。

MEMO

5位にはなんと日本のホンダ NSXがランクインしており、そのタイムは3.0秒です。トップクラスが桁違いに早いので感覚が麻痺してしまいますが、3.0秒でもかなり加速は早いのです。

ホンダNSXの加速性能を解説！0-100km/h加速タイムはどのくらい？

NSXには前後にモーターが設置されており、それを全て活用したAWDシステムで、強力な加速性能を持ちます。前述の4車に比べればスペックは控えめですが、なにより車重が軽いことがこのタイムを実現させています。

これ以外にも加速性能が素晴らしいハイブリッドスポーツカーはまだまだあり、今後スポーツカーの一つの方向性となっています。

ハイブリッド車の加速性能が良い車種

さてスポーツカーのハイブリッド車が素晴らしい加速性能を持てることは見ていただきましたが、一方で私達が普段乗っているハイブリッド車の加速性能はどんなものなのでしょうか。

いくつか代表的なハイブリッド車を例に上げて、0-100km/h加速タイムを見てみましょう。

メーカー	車種	0-100km/h 加速タイム	エンジンスペック	エンジン最高出力	エンジン最大トルク	モーター最高出力	モーター最大トルク
トヨタ	プリウス	10.6秒	1,797cc 水冷直列4気筒DOHC	73kW(99PS)/ 5,200rpm	142N・m (14.5kgf・m)/ 4,000rpm	60kW(82PS)	207 N・m (21.1kgf・m)
トヨタ	アクア	10秒	1,496cc 水冷直列4気筒DOHC	54kW(74PS)/ 4,800rpm	111N・m (11.3kgf・m)/ 3,600rpm-4,000rpm	45kW(61PS)	169 N・m (17.2kgf・m)
日産	ノート e-power NISMO S	7.5秒	1,198cc 水冷直列4気筒DOHC	58kW(79PS)/ 5,400rpm	103N・m (10.5kgf・m)/ 3,600rpm-5,200rpm	80kW(109PS)/ 3,008rpm-10,000rpm	169 N・m (17.2kgf・m) 254N・m (25.9kgf・m)/ 0rpm-3,008rpm
レクサス	LC500h	4.7秒	3,456cc 水冷 V型6気筒DOHC	220kW(299PS)/ 6,600rpm	356N・m (36.3kgf・m)/ 5,100rpm	132kW(180PS)	300N・m (30.6kgf・m)
日産	スカイラインハイブリッド	4.9秒	3,498cc 水冷 V型6気筒DOHC	225kW(306PS)/ 6,800rpm	350N・m (35.7kgf・m)/ 5,000rpm	50kW(68PS)	290N・m (29.6kgf・m)