フリードといえば、普段使いにちょうどいいサイズ感が人気ですよね。
コンパクトミニバンということで、幅広い層に支持さるモデルです。
いっぽうで、FFのイメージが強いせいか「雪道では走れないんじゃないか?」と思われることが多いようです。
というわけで今回は、フリードの雪道走行について、公式諸元などを参考にしながら解説していきたいと思います。
ライバル車やTwitterの口コミも参考にしてみたので、ぜひご覧ください。
フリードの雪道走行性能
結論としては「日常レベルの雪道なら、丁寧に運転すれば走れるモデル」といえます。あまりハードな雪道は警戒が必要ですが、丁寧な運転を心がければ、ほとんどの雪道なら対応できるでしょう。
具体的な解説については後に回すとして、まずは世間の評価を見ていきたいと思います。フリードに対する感想をTwitterからいくつかピックアップしてみました。
フリードもなかなかに雪道の走りは悪くない
— おにめさん (@onime_oct29) 2013年2月25日
こちらは実際に雪道で乗ってみた方の感想ですね。運転してみた感想として、「なかなかに悪くない」のだそうです。
フリードはFFのイメージが強いせいか、雪道に弱い印象を持つ方が多いです。しかし、実際に乗ってみると案外走れるんですよ。確かに2WDだと発進でスリップしやすいですが、ハイブリッドを選択すれば問題ありません。
新型フリード、新車1ヶ月点検の予約完了。雪道4WDで走行するも、平均燃費18~20くらい。雪道じゃなければもう少しいくかな?
— すてぃっち (@bell55710) 2016年11月8日
新車購入してから雪道に臨んだようですね。投稿内容から、特段問題なく運転できたことがうかがえますね。
雪道では安全面が一番の懸念点ですが、著しく燃費が落ちるのも地味に痛いんですよね…。その点、フリードのハイブリッドモデルなら、実燃費で18~20km/Lくらいいくということで、かなり優秀な燃費性能を発揮します。
フリードの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!さっきフリードで上り坂の雪道走ってきたけど途中でローギアに入れたら凸凹雪道でもガンガン走れた( ´∀`)#新型フリード#4WD #大雪
— @トッティ金沢 (@ABC_418) 2018年2月6日
雪が降った上り坂でも、凹凸の路面でも、問題なく走れたとのこと。さすがに坂道ではローギアに入れて走ったようですが、ガンガン走れたみたいですね。
なおフリードの口コミ・評判は以下の記事でもまとめているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フリードの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!フリードの雪道走行性能の理由
雪道での走行性能を評価するには、いくつかのパートについて考えるとわかりやすいです。そこで今回は、公称性能を参考にして「走行性能」「コーナリング性能」「ブレーキ性能」の3項目について解説したいと思います。
まずは、フリードの諸元をご覧ください。
項目 | 1.5L ガソリン | 1.5L ハイブリッド |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,496cc | 1,496cc |
最高出力 | 131PS/6,600rpm | エンジン:110PS/6,000rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | 15.8kgf・m/4,600rpm | エンジン:13.7kgf・m/5,000rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,340-1,420g | 1,400-1,480kg |
全長×全幅×全高 | 4,265×1,695×1,735mm | 4,295×1,695×1,710mm |
最低地上高 | 135mm/150mm | 135mm/150mm |
駆動方式 | FF/4WD | FF/4WD |
※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!雪道における走行性能
まず気になるのは「雪の上を進むことができるのか?」ということ。
路面が凍結しているときは発進が困難ですし、轍(わだち)が酷いときは足をとられてしまいます。積雪が多いときは、雪に埋もれて動けなくなることだって…。ただ走るだけでも、雪道にはさまざまな障害があるのです…。
雪道でも安全に走れる車とは、どんな能力が求められるのでしょうか? チェックポイントとして、以下3点を挙げてみました。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効です。フリードの4WDシステムは、各種センサーで走行状態を検知し、状況に応じて4WD走行に切り替えるため、登坂やカーブ、雪道などでも安心感を高めます。
次に見るのは「最低地上高」です。一般的には150mm以上が、雪道でも楽に走れる目安だといわれています。フリードはFFが135mm、4WDなら150mmという地上高を確保。走破性を求めるなら、4WD一択ですね。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。モーターによって低速域からトルクを発揮できるので、雪の上でもバッチリです。
ただし、スタック(雪にハマること)したとき、モーターが駆動しないケースがあるので、雪から抜け出すのに骨が折れるかも…。念のため、「牽引ロープ」「スコップ」「スタックラダー」といったアイテムを準備しておきましょう。
まとめると、準備しておけば安心して雪道を走れるモデルといえますね。
なお加速という意味での走行性能については以下の記事で紹介しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フリードの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?雪道におけるコーナリング性能
雪道では「コーナリング性能」も大切です。
北海道の峠道なんかでは、路肩に突っ込んでいる事故現場をたびたび目にしますよね。1箇所のコーナーで、軽自動車が4、5台横転している状況も珍しくありません…。
フリードは安定して曲がれる車なのでしょうか?この2点を評価してみましょう。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、車体がコーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。コンパクトカーと大型SUVとでは、重量がぜんぜん違いますよね?
しかし、雪道のコーナーでは単純に「重ければ有利」とはいえません。摩擦が極端に少ないため、コーナリングフォースがグリップを超えやすいんです。簡単にいえば、重いほどスリップしやすいということ。
「重心の高さ」もポイントで、コーナーにおいては低いほど有利です。重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが効かず、横転しやすくなりますからね。背が高くて足が弱いスペース系の軽自動車は、峠のコーナーは要注意ですよ。
フリードは乗用車として標準的なボディ重量なので、コーナーでも大きな心配はありません。ただし、コンパクトミニバンということで背が高いので、スピードの出し過ぎには要注意です。
雪道におけるブレーキ性能
雪道でもっとも怖いのは、「ブレーキを踏んでも止まれないこと」です。周りに車がいなければいいですが、大きな道路でやってしまったら一大事ですよ…。
ブレーキシステムの制動力や、タイヤの性能も重要ではありますが、他にもこんなものが関連しています。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
イメージとしては重い車のほうが止まりにくい気がしますよね?たしかに重い物を静止させるには、大きなエネルギーを必要とします。
しかし、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるんです。重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力だったりしますしね。つまり、車重はブレーキの制動距離に対して、大きく影響していないということ。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。コーナリングの話と同じ理屈で、雪の上では推進力がグリップを超えやすいんです。
少し長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。車格が異なるケースでは一概にいえませんが、少なくとも、似たようなモデルなら「軽量性=ブレーキ性能」と考えて間違いないでしょう。
さきほど触れたようにフリードは標準的な重さなので、ブレーキでも大きな心配はありません。
前もって減速することを心がければ、雪国の本格的な雪道でもちゃんと止まれますよ。注意点としては、国産タイヤの上級モデルを履くことですかね。
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フリードの雪道走行性能を他の車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較するとどうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのはトヨタ「シエンタ」、スズキ「ソリオ」、日産「ノート e-POWER」の3台です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみにフリードは、ガソリンモデルが188~285万円、ハイブリッドモデルが227~274万円に設定されています。
トヨタ シエンタ
まずはじめに比較するのは、トヨタの人気コンパクトミニバン「シエンタ」です。デザインを一新した現行モデルは、ガラッと印象が変わりましたよね。フリードとは一番のライバル車種といえるでしょう。
価格帯もフリードに近く、218~253万円に設定されています。雪道性能はどちらが優れているのでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:74PS/4,800rpm モーター:61PS |
最大トルク | エンジン:11.3kgf・m/3,600-4,400rpm モーター:17.2kgf・m |
車重 | 1,380kg |
全長×全幅×全高 | 4,260×1,695×1,675mm |
最低地上高 | 145mm |
駆動方式 | FF |
シエンタはハイブリッドモデルが人気ですが、ラインナップはFFのみとなっています。駆動方式で見ると、同じハイブリッドでもフリードのほうが一歩リードですね。
車重とトルク性能はわずかにシエンタの方が優れており、最低地上高は両車ほとんど同じくらいです。
したがって雪道走行を想定すると、4WDが設定されている分、フリードのほうが若干有利といえるでしょう。ほとんど似たような性能なので、インテリアなどで決めてみてもいいかもしれません。
なおシエンタについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
シエンタの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!シエンタは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!スズキ ソリオ
コンパクトカーに定評のあるスズキからは、「ソリオ」がファミリー向けモデルの代表格といえます。小柄ではありますが、フリードとはイメージも近いですし、走行性能についてぜひ比較してみたいところです。
ちなみに販売価格は145~217万円に設定されており、このクラスでは廉価なモデルですね。さっそく諸元から性能を読み取ってみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,242cc |
最高出力 | エンジン:91PS/6,000rpm モーター:13.6PS |
最大トルク | エンジン:12.0kgf・m/4,400rpm モーター:3.1kgf・m |
車重 | 930-970kg |
全長×全幅×全高 | 3,710×1,625×1,745mm |
最低地上高 | 140mm |
駆動方式 | FF/4WD |
フリードと比較すると一回り小柄ですが、その分ソリオは、ボディの軽量性で優位に立ちます。ただし、フリードのほうが重心が背が低く、加えて最低地上高は高いので、ボディ構造としてはフリードに分があります。
さらにエンジン性能に大きな差があるため、総合的に考えるとフリードのほうが雪道には向いているモデルといえますね。
日産 ノート e-POWER
最後に比較するのは、e-POWERでお馴染みの日産「ノート」です。このモデルもフリードに近いキャラクターをもち、ライバル車のひとつといえます。
価格帯はフリードよりも低い142~267万円に設定されており、普及率でいえばノートのほうが多いですが、走行性能についてはどうでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,198cc |
最高出力 | エンジン:79PS/5,400rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | エンジン:10.5kgf・m/3,600-5,200rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,190-1,310kg |
全長×全幅×全高 | 4,100×1,695×1,520mm |
最低地上高 | 130mm/135mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※直列3気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!ノートはボディこそ小柄なものの、エンジン性能においてはフリードと同等のスペックをもっています。100~200kg軽量な分、ノートのほうが走行性能は高いんですよね。
車高が高いのでフリードのほうが運転自体は楽ですが、ブレーキの効きは軽量なノートに分があります。走破性か軽快さか、好みが別れるところでしょう。
なおノートについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
日産ノート(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産ノート(e-power)の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!フリードは雪道走行する車としては買いか?
というわけで、フリードの雪道走行についての解説は以上になります。
このジャンル自体、そこまで雪道に強いわけではありませんが、フリードなら日常程度の雪なら問題なく走ることができるでしょう。利便性なども考慮すると、冬に乗る車としてはアリだと思いますよ。
なおフリードについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フリードの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!フリードとシエンタの違いは?比較しどっちがいいか徹底分析!