ホンダ ステップワゴンはホンダの中型ミニバンで、車内の広さが特徴の車です。
今回はそんなステップワゴンでの車中泊についてご説明していきます。
ステップワゴンの車中泊が快適な理由
ホンダ ステップワゴンはホンダの売れ筋ミニバンで、車高の高いトールサイズミニバンとなっています。
ステップワゴンは車のサイズが中型の扱いやすいサイズとなっており、狭い道でも扱いやすく広い車内のサイズ感が特徴となっています。
ステップワゴンは3列シートで多人数乗りが可能な車となっていますが、基本モデルは8人乗りで2列目シートがベンチシート式のものとなります。
その他に7人乗りモデルがありますが、こちらは2列目シートが左右分割式のキャプテンシートとなっています。
近年ステップワゴンのようなミニバンの利用方法の一つとして車中泊が注目されており、車中泊は旅行の際に車の車内で一晩を過ごす方法です。
ホテルや旅館に宿泊したりキャンプをしたりせずに済むので費用を抑えがちにできるのが大きなメリットですが、その他に車の中で寝るという体験も面白さの一つとなっています。
車中泊は現在では旅行の一形態として受け入れられており、車の車内で快適に寝れるかどうかを注目されるようになってきています。
ステップワゴンで車中泊が快適に過ごせるかを見るためにまずは車のサイズ感をご紹介します。
スペック | ステップワゴン | |
価格 | 2,920,500円〜3,349,500円 | |
乗車定員 | 7名〜8名 | |
全長 | ステップワゴン:4,690mm ステップワゴンスパーダ:4,760mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | 1,840mm〜1,855mm | |
室内長 | 3,220mm | |
室内幅 | 1,500mm | |
室内高 | 1,405mm〜1,425mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 1,270mm |
幅 | 1,000mm | |
奥行き | ・490mm(3列シート使用時) ・1,180mm(3列シート収納時) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,400mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,400mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,400mm |
幅 | 7人乗り:約530mm✕2 8人乗り:約1,200mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
3列目寸法 | 高さ | 約1,400mm |
幅 | 約1,170mm | |
奥行き | 約800mm |
ステップワゴンは車の外観サイズが5ナンバー車サイズとなっており、その全幅が規格ギリギリの1,695mmとなっているのが大きな特徴です。
このサイズ感から日本の住宅街でも扱いやすいサイズとなっていますが、一方で全長は4,700mm前後とそれなりに大きめです。
また車高が1,850mm前後と高くなっているので室内の広さの高さ方向を広げることができ、車内が広々としているのが特徴です。
そんな車内サイズは室内長が3,220mmと非常に長いものとなっており、中型車サイズとしては破格の室内長を持っています。
また室内高は1,400mmと広々としていますが、室内幅だけは外観の全幅がある程度規制されているので程々のものとなっています。
ラゲッジスペースに関してはその奥行きは3列目シートを使っているとそこまで大きくないのですが、3列目シートを収納するなどのシートアレンジを駆使することでいろいろな状況に対応できるようになっています。
このようなサイズ感を持つステップワゴンですが、その車内の広さで車中泊にはなかなか向いている車となっています。
そんなステップワゴンの車中泊に向いている点をご紹介しましょう。
車内のシートをフルフラットにできる
まずステップワゴンの車内が車中泊に向いている点として、シートアレンジでフルフラットにできることがあります。
ステップワゴンは3列シートを持つ車ですが、そのシートはシートアレンジでさまざまな形態にすることができていろいろなモードがあります。
その中のひとつにフルフラットモードがあるのですが、これは2列目シートと3列目シートの背もたれを後ろに倒すことでフルフラットな空間が作り出せます。
このフルフラットモードが車中泊の際の寝台となるのですが、ステップワゴンは車内が広いのでかなりゆとりを持ったフルフラットモードとなっています。
フルフラットモードに関しては8人乗りモデルと7人乗りモデルのどちらでも可能ですが、車中泊に関しては8人乗りモデルのほうが便利です。
7人乗りモデルの問題については後ほどご説明しますが、8人乗りモデルの2列目シートは比較的フラットなベンチシートなので車中泊に向いています。
車中泊にはなにより寝るスペースがフラットで斜めになっていないことが重要であり、ステップワゴンはシートアレンジのみでこれが可能なのが大きなメリットとなります。
足を伸ばして寝られるスペースがある
ステップワゴンの車中泊のスペースは2列目シートと3列目シートのスペースを使いますが、このスペースのサイズは車中泊には十分なスペースとなっています。
ステップワゴンは室内長が3,220mmと非常に広々としていますが、その中の2列目シートと3列目シートおよびラゲッジスペースの空間を使って車中泊をすることになります。
その前後の長さは約2,300mmぐらいあり、普通の身長の大人はもちろん身長の高い人でも十分に足を伸ばして寝るだけのスペースがあり、車中泊にかなり適していると言えます。
車中泊には何よりこの寝台の前後のスペースが必要であり、小さな車では足を曲げないと寝れないことなどもあって安眠出来ない場合があります。
その点ステップワゴンの車内であればしっかり快適に寝れるスペースとなっているので、車の中といっても不便なことはないでしょう。
またこのときにはフロントシートをスライドする必要がないので前席もしっかり利用することができ、後述するように荷物置き場としても使えます。
横幅が広めで3人ぐらいまでなら寝られる
ステップワゴンはミニバンとしては横幅がそこそこの大きさの車となっていますが、車内の広さもそこそこはありますので最大で3人ぐらいまでなら寝ることができるでしょう。
ステップワゴンの室内幅は1,500mmとなっていますが、車中泊の際にはこのスペースをほぼすべて寝台として利用できます。
このスペースを2人で利用するのであればかなり広々とした横幅の寝台となりますが、一人あたり500mm程度として考えればなんとか3人でも寝ることは可能です。
多少横の人と身体が触れたり手が触れたりするかもしれませんが、それもまた車中泊らしくて面白いものです。
2人での良好であれば快適な車中泊になりますが、3人旅行でも車中泊ができるのは大きなメリットです。
友達3人での旅行や、子供さんを入れた家族3人での良好で車中泊を過ごせるので、キャンプ気分で楽しい車中泊となるでしょう。
これもスクエアボディで車内を最大化しているステップワゴンのようなミニバンの特徴です。
室内高も高く広々としている
ステップワゴンは車高が高いハイトワゴン系のミニバンですが、室内高も高く車中泊にも便利です。
室内高が高いと車中泊の際に寝台から天井までの距離も広くなり、ステップワゴンぐらいの室内高があれば窮屈に感じることはないでしょう。
また寝ているときにも寝返りをうったり身体を起こしたときなどにもぶつかることがなく、快適に一晩を過ごすことができます。
車高が低い車などでは横になれるだけのスペースしか無いのですが、ステップワゴンぐらいの広さならいろいろな楽しみ方ができます。
ステップワゴンのサイズ感であれば寝るだけでなく寝台の上で体を起こしていろいろなことをすることができ、例えば娯楽やゲームをして楽しんだり、車内で飲食したりとキャンプのような使い方がしっかりできます。
車中泊ができるだけでなく車内でいろいろな楽しみ方ができるのがミニバンでの車中泊の良い点であり、ステップワゴンの大きなメリットとなります。
荷物を置く所が多く車内の使い勝手が良い
ステップワゴンは車中泊をするスペース以外にも車内スペースは広くなっており、様々な荷物をそこにおいて置けます。
車内が狭目の車だと車中泊のスペースを確保するのが精一杯で荷物を置いておくことができないのですが、車中泊は旅行のときに使うので意外と荷物はたくさん持っている場合が多いです。
そういった場合空いている前席やダッシュボードの上に置くことになるのですが、それでもスペースは小さめであまり沢山の荷物を置いておくことが出来ない場合も多いです。
しかしステップワゴンのサイズ感であれば車中泊のスペースをしっかり確保した上で前席もフルに活用できるので、このスペースを荷室として活用すればかなりの量の荷物を載せて置けます。
また寝台の上でも身長に対してその長さがかなり長いので、頭の上や足の下なども荷物を載せておけるスペースとなります。
さらに寝台の下に当たるシート下もスペースがありますので、車中泊をするときでもかなりの荷室スペースがあるのが使い勝手が良いのです。
メーカー純正アクセサリーの車中泊用アイテムがある
ステップワゴンにはミニバンとして便利な様々なオプション装備があるのですが、その中に車中泊でも活用できるアイテムがいくつもあります。
最近は車中泊がかなり一般的な車の利用方法となっており、それに合わせてメーカー純正アクセサリーにも車中泊用アイテムが入るようになってきています。
ステップワゴンにも車中泊で重要な遮光用のアイテムとして「カーテンセット」や「プライバシーシェード」というものがあり、これを設置することで車中泊の際に外からの光が入ってこないようになります。
車中泊のときに街灯の光やヘッドライトの光が入ってくるとかなり寝ずらくなるものなので、純正オプションとして車のサイズにピッタリマッチするこれらの装備は非常に便利です。
その他にはステップワゴンの車内の天井部分に吊るすことができる「ルーフネット/ハンモックテーブル」というものがあり、これを設置するとステップワゴンの広い室内高を活かして頭上空間に荷物を置けるようになります。
また車中泊用のマットとして使える「連結マット」という装備もあり、これは寝台の上に生まれるシートの凸凹を吸収してくれるクッションマットとなります。
車中泊にはこういったマットが必須であり、純正品ということでステップワゴンの車内サイズにピッタリマッチするこのマットは便利なアイテムです。
なお連結マットは使わないときには折りたたんで収納することができるので使い勝手も良いのですが、マットの厚みがあまり厚くないのでクッション性としては社外品のマットほどではない場合もあります。
メーカー純正オプションは車の購入後でも購入することができるので、社外品をまず試してみてから比べてみるのも良いでしょう。
ハイブリッドモデルは1,500Wのコンセントが使用できる
ステップワゴンには基本のガソリンエンジンモデルのほかにハイブリッドモデルがあるのですが、ハイブリッドモデルにはアクセサリーとして1,500Wコンセントがありこれが車中泊にも便利です。
ハイブリッドカーは電動モーターで走行アシストをして燃費を向上させるタイプの車ですが、そのシステムを稼働させるための強力なバッテリーが搭載されています。
このバッテリーは走行用以外にも車内のコンセント用の電源として使えるのですが、ステップワゴンには100V 1,500Wの容量を持つコンセントが車内に設置できます。
普通の車では100V 100Wまでのコンセントしか設置出来ないものが多いので、1,500Wというのはかなり大容量です。
これだけの容量があると家庭用電化製品のさまざまな機器が使えるようになり、車中泊のときに車内で趣味の電気製品や調理器具、電灯などが使えるようになっています。
またドライヤーも使える容量なのでキャンプなどではできないような使い方ができるのが大きなメリットです。
ハイブリッドカーのメリットを最大限活用すると、車中泊ならではの過ごし方ができるのでおすすめです。
ステップワゴンで車中泊をする方法
ステップワゴンで車中泊を行うにはいろいろ準備が必要ですが、一度慣れてしまえば操作は簡単です。そんな車中泊のやり方を簡単にご紹介します。
車内をフルフラットモードにする
ステップワゴンの車中泊の第一歩は車内のフルフラット化ですが、これには2列目シートと3列目シートを操作します。
まずシートを操作する前に必要なのがシートのヘッドレストを取り外すことで、取り外したヘッドレストは車中泊の邪魔にならないようにシートの下などに収納しておけばよいでしょう。
その後に2列目シートと3列目シートをそれぞれ適切に前後にスライドさせ、最大限背もたれが倒せるスペースを確保します。
そして背もたれをリクライニングさせる要領で後ろに倒せばステップワゴンのフルフラットモードが完成します。
この操作は初めてやるときにはいろいろ突っかかることがあるのですが、一度行ってしまえば簡単なことがわかるので2度目からは難しくないでしょう。
車中泊をする前に自宅などで一度フルフラットモードを試してみるとよく、その際に車中泊をするスペースがどのぐらいあるかを確認しておくとよいです。
ただフルフラットモードにするとわかるのですが、意外とシートの凸凹が気になると思うので、次にご説明する車中泊アイテムが重要となります。
車中泊アイテムを揃える
車中泊を快適に過ごすためにはいろいろなアイテムが必要で前述でご説明した遮光カーテンや車中泊マットが必要です。
車中泊マットはなによりも車中泊には必須のもので、前述でご紹介した純正アクセサリーの連結マットなどがそれにあたります。
このマットが寝るときに布団代わりとなるのですが、ステップワゴンのフルフラットモードではシートの上面の凹凸をしっかり吸収するにも必要です。
車中泊マットは社外品で厚みやクッション性の違うものがさまざま販売されていますので、一番寝るのに適しているものをしっかり探すと良いでしょう。
その他には前述でご紹介した遮光アイテムが必要で、これも純正アクセサリーで揃えることができます。
またその他の方法として自作する人も少なくなく、汎用品の遮光ボードをカットして作ると費用を抑えられるメリットがあります。
その他には掛け布団やクッション、枕など車内で寝るためのアイテムは必要ですが、これは家庭で使っているものでも十分です。
車中泊にはキャンプのようにいろいろなアイテムを組み合わせてカスタマイズできる楽しみもあり、 回数を重ねるごとにいろいろ揃えていくのが面白い点です。
車中泊の注意点
車中泊には寝台となるフルフラットな空間や車中泊用のアイテムを揃えるなど準備が必要ですが、その他に注意点として車内の換気が重要となります。
車中泊では密閉度の高い車の中出一晩を寝ることになるのですが、一晩過ごしてみるとわかるのですが朝起きたときに少し息苦しさを感じたり、汗をかいてしまうことがあります。
これは車内で寝ているときに車内の空気を呼吸で消費して二酸化炭素が増えているからであり、密閉度の高い中で寝るという特殊な状態で起こったことです。
一晩ぐらいであれば健康に問題が起こるほどではないのですが、寝苦しさを感じたりするので車内の換気が必要になります。
一番簡単な換気の方法は窓を少しだけ開けて寝ることですが、これだと防犯的に気になったり外の音が入ってきたりして多少気になるところもあります。
そこで一番良い方法はエアコンを一晩中外気循環モードで動かしておくことで、同時に車内の温度管理もできるので車中泊にはもってこいです。
この際にはバッテリーがあがるのを防ぐためにエンジンはアイドリング状態にしておく必要があり、燃料もしっかり残しておきましょう。
なおアイドリング状態でもし排気管が塞がれると排気ガスの逆流の問題などがあるので、積雪などでふさがってしまう可能性がある場合には窓も少しだけ開けておくと良いでしょう。
ステップワゴンの車中泊に向かない点
ステップワゴンは車内のサイズ感的に車中泊にはピッタリの車ですが、その中で7人乗りモデルは8人乗りモデルに比べると少し車中泊には気になる点があります。
ステップワゴンの7人乗りモデルは2列目シートがキャプテンシート式となっており、左右分割式の独立シートとなっています。
このシートは座り心地やホールド性が高くて8人乗りモデルより豪華な仕様となっているのですが、車中泊用にフルフラットモードにするときには不便な部分も多いです。
左右分割式シートなので左右のシートの間は空間があいていますが、車中泊のときには寝ているときにこの隙間の部分が凹んだりしてかなり気になってしまうので、8人乗りモデルより車中泊マットの選択がより重要となってきます。
またもう一つの問題としてシートの形状があり、8人乗りモデルのベンチシート式に対してキャプテンシートは凹凸が大きくなっており、フルフラットモードにすると結構上下に波打つような形となってしまいます。
これも車中泊マットなどでカバーできる点ではありますが、やはり8人乗りモデルのほうがもともとフラットに近いということで向いています。
7人乗りモデルは普段使いは豪華さがあってとても満足度が高いものではあるのですが、車中泊という特殊なシーンに対しては少し不便な部分が多いのです。
ステップワゴンの車中泊の口コミ・評判
ステップワゴンの車中泊についての評判はtwitterにも投稿されているのですが、その中からいくつかご紹介します。
CX-5に比べてステップワゴンは車中泊しやすいヽ(*´∀`)ノ
ステップワゴンでの車中泊スタイル
助手席と2列目左側シートを一番前に動かして、コールマンのインフレーターマットを敷いて完成。
これで170センチとれます pic.twitter.com/E7MyLGp2ze
— たくまP (@Takuma_Photo) October 25, 2019
こちらの方は少し別のシートアレンジでステップワゴンの車中泊を過ごしておられますが、シートを完全に収納してラゲッジスペースの床面を使っていらっしゃいます。
この状態だと多少前後のスペースが短めになるものの、まさに完全なフルフラットモードになるので寝心地は良いでしょう。
飛行機とか乗ったことないんよね、どこか旅行行く時も、全部車w大抵車中泊なんよね、ステップワゴンに家族5人ギュウギュウ詰めで寝てるwww
— うしいぬ@べゆらー (@usiken_0408) June 21, 2020
こちらの方はなんと家族5人でステップワゴンで車中泊をしてこられたそうで、かなり窮屈だとは思いますが寝ることが可能ということがわかりますね。
身体の小さな子どもさんがいれば5人もの大人数で寝れるようで、車中泊は可能性が広いですね。
総評
ステップワゴンはミニバンとしては中型で扱いやすい車となっているのですが、車内のサイズが広々としており普段使いに非常に便利な車となっています。
その車内のサイズは車中泊にももってこいであり、3人ぐらいまでなら快適に寝ることができるのが大きなメリットといえるでしょう。