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ディーゼルエンジンの寿命/耐久性は走行距離や年数だとどれくらい?

ディーゼルエンジンは自動車用エンジンの一種類ですが、一般的にガソリンエンジンよりディーゼルエンジンのほうが耐久性が高いと言われています。

そこで今回はディーゼルエンジンの寿命についてご説明します。

そもそもディーゼルエンジンとは何かというところから知りたい方は、まずは以下の記事からご参照ください。

エンジンディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!

ディーゼルエンジンの寿命

エンジン

エンジンの寿命とひとくちで行ってもさまざまな指標があり、エンジン1基の使用限界から使われている部品自体の寿命までさまざまなものがあります。

ですが一般的には自動車メーカーで設計される時に設定される耐久年数や耐久走行距離が決められており、これが一つの指標となります。

エンジンの保証期間

自動車の部品すべてには開発時に耐久年数と走行距離が決められていますが、これは各自動車メーカーが設定している車の保証期間を元に決められています。

国内メーカーの大半は車の主要部品の耐久性を最長でも走行距離100,000kmもしくは5年以内としており、この期間内を保証期間としているメーカーが多いです。

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一般保証では60,000kmもしくは3年となっていますが、延長保証で上記の数字となっています。

この期間内であればエンジンなども無償修理の対象であり、多くのエンジン部品はこの耐久期間を狙って設計されている部品が多いです。

また輸入車の場合は多少保証期間が違い、3年走行距離無制限の保証であったり、延長を入れて5年走行無制限の保証だったりと、メーカーごとに差があります。ですが一般的には国内メーカーより保証年数が短い傾向にあります。

この保証期間の考え方が基本的な車の耐久性や寿命であり、この走行距離や年数以内であれば故障する確率は低いと言えます。ですがエンジンの部品によってはこれ以上の耐久性を持つものもあります。

エンジン部品ごとの耐久性

ディーゼルエンジン部品は一括して前述の保証距離や年数で保証はされていますが、エンジンの消耗品や油脂類などはその対象外となっています。

またエンジンの本体系部品の耐久性は一般的に保証距離以上のものが確保されており、中核部品ほど寿命は長くなります。

ほかにも定期交換部品というカテゴリーがあり、これは個別に交換距離が設定されます。

ディーゼルエンジンの消耗品

消耗品としてあげられているエンジン部品には以下のようなものがあり、これはディーゼルエンジンでも同じです。

消耗品部品名称
エンジン消耗品エアクリーナーエレメント
オイルフィルター
フューエルフィルター
Vベルト
スパークプラグ
油脂類エンジンオイル
冷却水

これらの部品や油脂類はディーゼルエンジンを稼働させると消耗していくもので、エンジンオイルなどはその最たるものです。

ディーゼルエンジンではエンジンオイルは5,000kmもしくは半年ごとに交換が推奨されており、保証距離のもっと手前で交換していくものです。

オイル交換(クリーン)ディーゼルのエンジンオイル交換ガイド!頻度や費用など全て解説!

エンジン消耗品に挙げられている部品もある距離で交換が必要な部品であり、30,000kmごとや80,000kmごとなど、部品ごとに耐久距離が決められています。

これらの部品はエンジン本体の寿命とは別の考え方となっており、定期点検時などに部品の劣化が進んでいたらいたら適宜交換する部品です。

ディーゼルエンジンの定期交換部品

メンテナンス

定期交換部品もある走行距離や年数を経過した後に交換しなければならない部品ですが、定期交換部品は一般的に100,000km以上で交換するように設計されており、保証期間を越えたあたりで交換が必要となる場合が多いです。

最新のディーゼルエンジンの場合には定期交換部品に次のような部品があり、ディーゼルエンジンを長く使い続けるためには交換が必要な部品たちです。次の表にその一例をまとめました。

定期交換部品部品名交換費用
排気触媒関係DPF(Diesel Particurate Filter)150,000円程度
燃料系高圧燃料ポンプ100,000円程度
燃料インジェクター100,000円程度
ゴム部品ゴムホース類一本数千円
ゴムパッキン一個数千円
補機類エアコンコンプレッサー50,000円程度
オルタネーター50,000円程度
バキュームポンプ50,000円程度
ウォーターポンプ20,000円程度

これらの部品は一応100,000kmが耐久距離として設計されている部品であり、100,000kmを越えたディーゼルエンジンではいつ故障してもおかしくないということです。

ですがその距離より前でもエンジンの使い方や環境要件によっては故障することもあり、その際は適宜交換が必要です。

定期交換部品は上記のように交換費用が高価な部品が多く、これらがまとめて故障したりすればかなりの出費を強いられるものとなります。

そのため走行距離100,000kmを越えたエンジンというのは定期交換部品の故障リスクが出てくるので、このタイミングをエンジンの寿命と考える場合もあります。

ですがエンジンの最も重要な本体系部品はさらに長い距離で設計されているので、エンジンとしての寿命はもう少し先になります。

エンジン本体系の寿命

ディーゼルエンジン本体系とはエンジンの

  • シリンダーブロック
  • ピストン
  • コンロッド
  • クランクシャフト

などの主要部分のことを指し、エンジンの最も中核部分の部品のことです。

これらの部品はディーゼルエンジンの内部で発生する

  • 燃料の燃焼エネルギー
  • ピストンの往復運動
  • クランクシャフトの回転運動

など激しい状況にさらされている部品であり、エンジン部品の中で最も負荷のかかる部分です。

ポイント

そのため本体系部品はエンジン部品の中で最も頑丈で耐久性を求められており、その設計上の耐久性は走行距離で150,000km〜200,000kmぐらいです。

そのため走行距離100,000kmに達してもエンジンの本体部分はまだまだ使える状態にあり、ディーゼルエンジンの本来の寿命とは本体系が破損した時のことになります。

ただしピストンやコンロッドなどの運動系部品は故障したら交換することは可能であり、そう考えるとエンジン寿命というのはシリンダーブロックやシリンダーヘッドなど、エンジン本体系の大型の鋳物部品が壊れた時となるでしょう。

シリンダーブロックやシリンダーヘッドなどの鋳物部品は耐久限界を超えると少しずつヒビなどの問題点が増えてくるもので、そういった状態になって初めてエンジンの本当の寿命が来たと言えます。

これもエンジンの使い方で大きく状況は変わりますが、一つの目安は150,000kmぐらいと考えると良いでしょう。

MEMO

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ディーゼルエンジンの寿命/耐久性の理由

ディーゼルエンジンの部品が上記のような寿命や耐久性が決められているのは工業製品としては当然のことで、保証とコストのバランスを取った結果と言えます。

消費者の観点からはエンジンのような重要な部品には絶対壊れてほしくないと思うわけですが、工業製品である以上無限の耐久性を与えることはできません。

工業製品の設計時にはどこまでの期間や使用限度まで保証するかをあらかじめ決めて、それに応じた部品設計を行っています。

MEMO

昔は各自動車メーカーごとにさまざまな保証距離や保証年数があったのですが、市場の競争とともにほぼ同程度の保証内容となって現在に至ります。

この考え方はディーゼルエンジンでもガソリンエンジンでも基本的には変わりませんが、それぞれのエンジンに独特な部品の交換やメンテナンスについては差もあります。

ですが国産メーカーだけに絞れば、各メーカーのエンジン保証内容自体にはそこまで差がないのです。

もし保証距離や保証年数をもっと高くしようとすれば、その分ディーゼルエンジン部品の剛性や強度、耐久性を増さなくてはならず、その反動は各部品のコスト増加に反映されてしまいます。

そうなると車自体の価格を高くしてしまうので、保証は手厚くても値段が高くて売れなくなり競争力が低下します。

そのため自動的にバランスが取れる形で、現在の保証内容に落ち着いてきたわけです。

なおディーゼルエンジン車の車自体の価格については、以下の記事で紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

MINI 3DOORクリーンディーゼル搭載車一覧とおすすめ車種まとめ!SUVからミニバンまで全て紹介!

ディーゼルエンジンの寿命を伸ばす方法

オイル交換

ディーゼルエンジンの設計上の寿命は走行距離や走行年数で決められているのですが、実際にはユーザーの使い方やメンテナンスのやり方で寿命が伸びたり縮んだりします。

次はディーゼルエンジンの寿命を伸ばす方法をご説明します。

エンジンオイルメンテナンスの重要性

まずディーゼルエンジンの寿命を伸ばすために最も重要なのが、エンジンオイルのメンテナンスを適切に行うことです。

MEMO

エンジンオイルはエンジン内部に循環するオイルで、その役割はシリンダー周りの潤滑、冷却、密閉、ゴミの除去など、さまざまな役割を担っています。

また近年のディーゼルエンジンにはターボチャージャーが欠かせないのですが、ターボチャージャーの回転軸の潤滑や冷却にもエンジンオイルが使われており、そのためエンジンオイルの劣化は結構早くなります。

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ディーゼルエンジンのエンジンオイルメンテナンスはおおよそ「5,000kmごともしくは半年ごと」とされており、ディーゼルエンジンの寿命を伸ばすのであればこの推奨インターバルをしっかり守ることです。

劣化したエンジンオイルは粘度が高くなったり性能が劣化しており、ディーゼルエンジンの正常な動きを阻害するものとなってしまいます。

また冷却性能の劣化で焼き付きなども起こりやすくなり、古いエンジンオイルでは部品の破損につながることもあるのです。

ポイント

ディーゼルエンジンの場合はガソリンエンジンよりもエンジンオイルの劣化が早く、推奨距離を越えた運転は推奨しません。

むしろもっと短い距離で交換しても良いぐらいで、一回数千円程度の費用ですのでエンジンの寿命を伸ばすためであれば3,000kmごとに交換するほうが良いです。

またエンジンオイルの交換2回ごとにエンジンオイルフィルターの交換も必要で、こちらも適切に行いましょう。

なおディーゼルエンジンのエンジンオイル交換については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

オイル交換(クリーン)ディーゼルのエンジンオイル交換ガイド!頻度や費用など全て解説!

DPFへの煤溜まりを減らす

近年のディーゼルエンジンであるクリーンディーゼルエンジンには、ディーゼルエンジンが発生させるPM(粒状黒鉛)と呼ばれる煤を捕集するための触媒が付いています。

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このDPFは定期交換部品にも上げられるものですが、ディーゼルエンジンの中で非常に重要な部品ですのでDPFに優しい運転をすることもディーゼルエンジンの寿命を伸ばすことに繋がります。

昔のディーゼルエンジンは黒い排気ガスを吐くのが普通なエンジンで、その黒い排気ガスには非常に細かな煤が大量に混ざっていました。

煤は肺がんの原因ともなる有害物質であり、現在では排出が厳しく規制されているため、DPFによる捕集と処理が欠かせません。

ポイント

DPFは煤を一度フィルターで濾し取って、それをDPF内で再燃焼させることで無害化しています。

ディーゼルエンジンから発生する煤の量は決して一定ではなく、エンジン負荷の低い状態が続くと煤の発生は多くなります。その後エンジン負荷が高い状態となればDPFの処理が始まってDPF内の煤は減少します。

しかし負荷の低い状態が続けば続くほど煤のみが溜まる結果となり、DPFの性能低下や破損等を招いてしまい、結果的にディーゼルエンジンの寿命を縮めることとなるのです。

これを防ぐにはクリーンディーゼルエンジンに適した走り方を心がける必要があり、1回走行するごとに30分は走行するようにすると良いです。

その際もできるだけストップアンドゴーの少ない状況が良く、DPFの処理を早め早めに実施できる状況を作り出すことです。

なおディーゼルエンジンの煤の問題については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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フューエルフィルターの適切な交換

ディーゼルエンジンにはフューエルフィルター(燃料フィルター)が欠かせませんが、フューエルフィルターは燃料のろ過をして水分やゴミなどを分離するためのもので、定期交換が欠かせません。

注意

フューエルフィルターをずっと使い続けるとそのろ過性能が低下してしまい、エンジンに送られる燃料には不純物が多く混ざるようになります。

そうなるとエンジンの安定した燃焼の阻害や、振動、音の増大などによりエンジンに悪影響が発生します。

そのような悪影響が出る前に、フューエルフィルターの交換を行うことがエンジンの寿命を伸ばすことに繋がります。

フューエルフィルターの交換時期はメーカーごとに様々ですが、だいたい20,000km〜30,000kmごとの交換が一般的です。

ガソリンエンジン車にはないメンテナンス項目なので、車検時などに指摘されたらしっかりと交換しておきましょう。

なおディーゼルエンジン車のメンテナンスについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

メンテナンス(クリーン)ディーゼルのメンテナンスのポイント5つ!費用や水抜き、アドブルーまで解説!

ディーゼルエンジンの寿命がきたら

オーバーホール

ディーゼルエンジンはさまざまな部品に寿命がありますが、消耗品や定期交換部品については部品交換さえ行えばまだまだエンジンを使い続けることができます。

本当のディーゼルエンジンの寿命となるとやはりエンジン本体系に問題が出てきたときとなるでしょう。

オーバーホールの実施

エンジン本体系で最初に問題が出てくる箇所としてはピストン周りがあり、ピストンとシリンダーの密閉が不足してしまうことによる圧縮抜けなどが起こってきます。

そうなると急激な燃費の悪化や出力、トルクの低下など性能面での悪影響が表れ、いよいよそのディーゼルエンジンを使い続けるかどうかを判断する時期になったと言えます。

一箇所エンジン本体系に問題が出てくればその後他の箇所にも問題が表れますので、そのまま使い続けるのはリスクが高いです。

ポイント

エンジン本体系の部品に問題が出てきた場合には、エンジンの全分解を伴うオーバーホールが必要な時期ということであり、基本的にはオーバーホールをしてエンジンを使い続けるか、そこまでコストをかけずに廃車にするかを決めなければなりません。

エンジンのオーバーホールには300,000円〜500,000円近くかかる場合が多く、また他の交換部品も合わせれば1,000,000円近くかかる場合も珍しくありません。

オーバーホールさえ一度受ければ、その後100,000km以上はまた耐久性のあるエンジンになりますので、その車とエンジンを長く乗り続けることは可能です。

廃車かエンジン載せ替えか

もしエンジン本体系、それもシリンダーブロックやシリンダーヘッドといった大型の鋳物部品に問題が現れれば、そのエンジンの寿命はそこまでということが言えます。

前述したとおりこれらの大型鋳物部品は耐久性を超えるとひび割れなどのさまざまな問題点が増えてくるので、いつ壊れてもおかしくない状態となります。

ですがシリンダーブロックやシリンダーヘッドはエンジン中枢部ともいえる部品ですので、これらが使えないとなるといよいよエンジンの寿命が尽きたと考えてもよいでしょう。

一応シリンダーブロックやシリンダーヘッドも交換部品がある場合はありますが、その場合はエンジンオーバーホール以上に費用のかかることとなります。

そのような場合、次善の策としては別のエンジンへの載せ替えという手段があり、こちらであれば比較的費用は抑えることが可能です。

同型車で事故などでエンジンのみ残った中古車などがあれば、そちらからエンジンのみを載せ替えることにより車自体を長く乗り続けようとするものです。

中古のエンジンはオーバーホール費用以下で調達できることが多いので、コストは安く抑えることが可能です。

ただし交換したエンジン自体はある程度劣化している状態ですので、そのエンジンがまた同様な問題を抱えてしまうこともあるでしょう。

1台の愛着ある車を乗り続けようと思うのは車好きなら当たり前なので、さまざまな手段を検討してコストとパフォーマンスの最適な方法を取りましょう。

なおディーゼルエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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