ポルシェと言えば世界的に有名なスポーツカーブランドです。
特徴的なクラシカルなデザインをまとい、大排気量の水平対向エンジンを後ろに積み、圧倒的なパワーを4輪に伝え駆け抜けていくさまは圧巻です。
ポルシェという名前は誰もが聞いたことはあると思いますが、ポルシェはどこの国の車なのでしょうか。
ポルシェ誕生の歴史と特徴を解説していきます。
ポルシェはどこの国の車か
ポルシェ911や高級SUVのカイエンなど、スポーツカーと特徴的なデザインで他を圧倒するポルシェですが、実は自動車を作るメーカーではなくデザイン事務所として最初は開設しており、あの有名なドイツの車も実はポルシェのデザインだったのです。
さて、ポルシェはどこの国から始まったのでしょうか。
車のデザイン事務所としてスタート
ポルシェは1930年に西ドイツのシュトゥットガルトでドイツ人のフェルナンドポルシェ氏によって設立されました。
ただし当時はまだデザイン事務所であり車の製造などはしておらず、一般的な自動車や軍事者などの設計をしていました。
実はかの有名なフォルクスワーゲンタイプ1、通称ビートルを設計したのはこのポルシェ氏だったのです。
よくよく比べてみると丸みを帯びたボディラインやクラシカルなヘッドライトは911とデザイン的にも似ていますし、リアエンジン・リアドライブの設計も現在のポルシェに通じるものがあります。
ポルシェ初の自動車発表
それから時が経ち1948年、息子のフェリー・ポルシェによってポルシェ初の自社製造の自動車である356の製造販売が始まりました。これを期にポルシェは自動車メーカーとして始まったのです。
しかしその後も引き続き設計などの仕事も続けており、メルセデス(ベンツ)やアウディなどの車の最終セッティングやチューニングなどを引き続き行っていました。(ベンツ、アウディの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ベンツはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!アウディはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!それはなんとポルシェの総売上の1割を占めており、実は自車の製造販売以上に他メーカーの仕事ばかりしていると言えるような状況でした。
ポルシェの販路拡大
それまで2ドアクーペというスポーツカーの展開ばかりだったポルシェですが、スポーツカーの需要が下がってくるとさすがのポルシェも販売台数が減ってしまい経営が厳しくなってきます。
そこでカンフル剤として低価格のコンバーチブルモデルであるボクスターを導入します。
その後も主力の911を全面改良するなどし販売体制を整えていましたが、2×2のクーペモデルという限られた市場での販売に限界を感じ、さらなる販路を拡大するために、同じドイツメーカーのフォルクスワーゲンと共同開発で市場人気の強いSUVのタイプの車を開発しました。(フォルクスワーゲンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
フォルクスワーゲンはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!それがポルシェ初のSUV、カイエンでした。スポーツカーらしいデザインと性能を持つカイエンは、またたく間に販売台数を増やしポルシェの販売土台を確固たるものにしました。
この成功を期に5ドアハッチバックのパナメーラや小型SUVのマカンを発表しており、現在ではポルシェの販売台数のほとんどをカイエンとマカンで占めている状況にまでになりました。
ポルシェはスポーツカー専業ブランドから、強みを活かした高級車ブランドへと変わっていったのです。
現在のポルシェはフォルクスワーゲンの子会社
こうしてスポーツカーを開発しながら一般受けする車も製造するメーカーになったポルシェですが、実はカイエンを共同開発したフォルクスワーゲンに買収されていたのです。
当初はフォルクスワーゲンの株式を取得し、買収を試みていたポルシェですが途中で資金繰りが厳しくなり断念。逆にフォルクスワーゲン側がポルシェの株式を100%取得し子会社化されてしまいました。
現在はフォルクスワーゲンのラグジュアリースポーツカー部門というような形で販売されています。
なおフォルクスワーゲングループについては、以下の記事で詳しくまとめています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォルクスワーゲンの傘下ブランド・会社の一覧!ポルシェやランボルギーニも?日本での展開
日本国内では現在ポルシェは、ポルシェ社が100%出資しているポルシェジャパンによって輸入販売が行われています。
実はその他にもスバルがポルシェの正規ディーラーをし販売していたり、近年はヤナセもポルシェの正規ディーラーに手を挙げているのです。
国内でのラインナップはボクスターやケイマンなどの数百万円のモデルから911カレラの1千万円超のモデルまであり、そのオシャレで特徴的なデザインや走行性能などから非常に人気があり、著名人も多く乗っています。
最近ではお笑い芸人であるバナナマンの日村さんが、ある番組内の企画でポルシェのカイエンが憧れであると公表し、さらにそのまま購入したりと芸能界でのポルシェの人気もうかがい知ることができます。
なおポルシェの魅力については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ポルシェの魅力とは?5つの良さをわかりやすく解説!ポルシェのドイツでの扱い
設計会社から自社での製造販売するメーカーに成長し、スポーツカーといえばポルシェというぐらいにまでブランド力を高めたポルシェですが、本国ドイツではどのように見られているのでしょうか。
ここではポルシェのドイツでの展開について解説していきます。
高級スポーツカーブランド
ドイツではフォルクスワーゲンやオペルいった自動車メーカーが、いわゆる大衆車として一般的に扱われており、ポルシェは日本と同じくドイツでも高級車として捉えられています。
やはり、日本国内でも高級車として認識されているポルシェは、本国でもしっかり高級車として認知されているのですね。
そして実は本国であるドイツで車を購入するよりも、なぜか日本で購入するほうが若干安くなるような価格設定になっています。
ただし、日本に入ってきている車のほうがオプションなどの装着が多いため、日本で販売されている仕様と合わせることでという条件は付きます。
扱いが意外と雑
ドイツでは車は非常に高い税金をかけられており、なかなか車を買い換えることはありません。
そのため故障の少ないであろうある程度の高級な車を購入し、メンテナンスや修理をしながら長く使い続けている人が多いのです。(ポルシェのメンテナンスの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ポルシェにはどんなメンテナンスが必要?費用はこんなにかかります!そのためポルシェのような高級な車でもルーフキャリアをつけて荷物を運んだりと、一般大衆者の車のような使い方をします。
我々の感覚からすると非常にもったいないような気がしてしまいますがそこはドイツ人の方々の国民性なのかもしれません。
もしポルシェを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ポルシェと国産車との違い
さて、本国ドイツでも高級スポーツカーブランドとして認識されており、本国のドイツ人の方々でもなかなか手の出ないポルシェですが、日本車とはどういったところが違うのでしょうか。
ここでは国産車との違いを解説していきます。
ポルシェと同価格帯の日本車は
たとえばポルシェのエントリーモデルであるケイマンや小型SUVモデルのマカンは約680万円からあります。
この価格は国産車で言えばトヨタのクラウンや日産のフーガなど、国産大衆メーカーのフラッグシップモデルの最上級グレードが購入できる値段になります。
さらに主力モデルである911カレラの価格帯は1,200万円から3,600万円であり、国産車でいえば日産GT-Rからレクサスで以前販売されていたLFAなどといった国産スーパーカーが購入できる価格です。(価格の詳細は以下の記事をご参照ください。)
日産GT-Rのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!一番高いのはこれだ!レクサスを価格が高い順に紹介!価格帯を見るだけでもポルシェが高級車だということは十分におわかりいただけると思います。
なおポルシェの価格については以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで興味がある方はこちらもご参照ください。
ポルシェのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!デザインの歴史が違う
ポルシェは自動車を製造する前は、さまざまな車の設計やデザイン、セッティングを手がけるデザイナーズ事務所でした。
ですから優れた設計やデザインを持っていなければ他の自動車メーカーや国から仕事の依頼が来ることはありません。
例えば2003年に発売されたカイエンはそれまでポルシェになかったSUVスタイルの車でしたが、そのSUVらしい車高の高さや走破性をもたせつつ、ポルシェらしい走りの良さを入れることでブランドアイデンティティを見せ、さらにひと目でポルシェの車だと思わせるデザインをしています。
これは目的に適した最適な車の設計であったり、フォルクスワーゲンのビートルに代表されるようにいつまでも世界に愛されるデザインを作り出したポルシェのデザインの力の高さや歴史を物語っています。
設計が違う
これは他の自動車先進国の車と比較したときにも言えることですが、国産車と比べると大きく違うポイントの一つが走行性能です。
国産車は日本国内のような道路で走る分には十分な性能を持っていますが、ポルシェが走る舞台は全世界の道路です。
そこには国内の高速道路のような時速100kmの道路だけでなく速度無制限道路のアウトバーンもあります。
そこでは勢いのある加速が必要であったり、時速200kmで走っていたと思っていたら障害物などで一気に減速しなくてはならない場合もあります。
スポーツカーと言われるからにはそんな条件下でも問題なく走りきれる車で、なおかつ運転手が運転していて楽しいと感じられるような車でないといけません。そのためには余裕のあるエンジンパワーや制動性能などを含む安全性が必要です。
ポルシェはそういった走行ができるようにしっかり作り込まれているためとても気持ちよく走ることができます。
ただ速度域の低い日本の日常道路では、国産車に比べポルシェは足回りが硬く感じて乗り心地が悪く感じることが多いでしょう。
ちなみにポルシェは設計がしっかりしていて、輸入車には珍しく故障率がかなり低い車です。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ポルシェは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!ブランド力が違う
国産の高級車であれば確かに日本の道路ではポルシェよりも乗り心地が良い場面が多いと思います。しかしそれでも多くの著名人や成功者はポルシェに乗る人が多いのも事実です。
それは上記に上げたとおりブランドとしての歴史やデザイン、そして走行性能の高さがすでにブランドとして確立されており、日本国内でもあこがれの対象となっているからです。
国産車ではトヨタのコロナや日産ブルーバードなど、メーカーのために一時代を気づいたはずの車たちが、なぜか名前や特色といったブランドが消されていってしまう風潮があります。
しかし今でも空冷エンジンを積んだポルシェ911が100万円以上の価格で取引されているのも、古くからのポルシェのブランド力に魅了されている人達がいる証拠でしょう。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
空冷エンジンの魅力4つ!水冷エンジンとは違いが大きい?!現在走っているポルシェに乗る人達もその古くからのブランド力やそれに続く最新のデザインに魅了されている人たちが多くいるからです。
自分たちの歴史やブランドを大事にしているというのも国産車との違いと言えるでしょう。
ポルシェはドイツのスポーツカーブランドの最高峰
ポルシェはずっとスポーツカーを作り続けてきたブランドです。
現在ではカイエンやパナメーラのような乗りやすい車というものも展開されていますが、それだけに依存することなくアイコンであるボクスターやケイマンなどの乗りやすいスポーツカーや、歴史ある911を大事に販売し続けています。
ドイツスポーツカーの最高峰を感じたいのならば迷いなくポルシェに乗るべきでしょう。
なおポルシェについては以下の記事でも詳しく解説しています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ポルシェの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!カイエンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!