日本が誇るスポーツカー「GT-R」…車好き男子なら一度は憧れますよね。
今や現行モデルは国内屈指の高級車となり、「お金持ちが乗る車」というイメージが定着しています。
そこで気になるのが、「GT-Rのオーナーになるには、いくら稼げばいいんだ?」ってこと。
インターネットで検索をかけてみると、「年収」というキーワードが候補に挙がるので、やはりみなさん興味がある様子。
というわけで今回は、GT-Rの維持費を徹底的に算出したうえで、年収いくらなら維持できるのか、考察してみました。
日産GT-Rのオーナーの年収
国産車のなかでもトップクラスの価格で有名なGT-R。オーナーの収入は一体どれくらいなのでしょうか?
Twitterで気になる投稿をいくつか見つけたので、ご覧ください。
日産の想定するターゲット
@tokine_s GT-R(R35)2007年式は日産が想定してる顧客の年収ラインが800万円以上だったらしいよw
— のーすうっど (@Nrtwd) 2013年6月25日
「スカイライン GT-R」から独立し、日産「GT-R」として販売が始まったのが2007年のことです。
スカイラインネームとしての最終モデル「R34型」は新車価格が5~600万円ほどでしたが、新しく生まれ変わったGT-Rは770万円~と大幅に値上げ。「ハイパフォーマンスマシン」から「スーパースポーツ」へと転換します。
この大きな路線変更によって、ターゲットも以前より高所得層に設定。こちらの投稿にあるように、顧客の年収ラインは800万円を目安にしていたようですね。
GT-R、2015年モデルでどれだけ変わったのやら・・・買う人いるの?
出た当初は770万でも今や1000万・・・お高くなりましたねぇhttp://t.co/PNA99BkSOu— John (@JohnmaxT) 2014年11月25日
翌2008年には861万円~に価格を上げ、その後も改良にともなって値上げを重ねます。そして、2018年にはベースグレード「ピュアエディション」で1,023万円~と、国産トップクラスの高額車になりました。
(ちなみに国内高級車のレクサスの価格は、以下の記事で紹介しています。こちらとも比較してみてください。)
一番高いのはこれだ!レクサスを価格が高い順に紹介!おそらく初期型の価格は試験的なもので、そこから段階的に価格を上げていく販売計画だったのでしょう。つまり、元から1,000万円台での販売を構想されていたのです。
現に、今や世界のプレミアムカー市場でも脚光を浴びる存在となり、そのパフォーマンスの高さは名だたるスーパーカーたちと比較されるほど。日本だけでなく、世界中のセレブに愛されるモデルへと成長しました。
やはり高所得のオーナーが多い!?
目指せ年収1000万円
そして、GT-R R35 2017を買って維持したいからでもある。(。-∀-)ニヒ♪ pic.twitter.com/0IdRwEpVq4— NAKAHARA T LiSAっ子&南巫推し (@3jsbfighters5) 2017年3月9日
日本を代表するスーパースポーツとして、確固たる地位を獲得したGT-R。
3,000万円を超えるスーパーカーにも引けをとらないパフォーマンスレベルなので、スペックで見ると、実はかなりコスパが高いんです。
それゆえに同価格帯の高級車と比較すると、維持には高額な費用が必要となります。
こういった事情から、オーナーは1,000万円を超える年収をもつ人が大半を占めているのが現状です。世間的にも「GT-R=年収1,000万超え」というイメージが定着していますよね。
日産GT-Rのオーナーになるには年収はいくら必要か?
それでは、実際にはどれくらいの年収があれば、GT-Rオーナーになれるのでしょうか?
維持にかかる費用などを細かく算出して、最低限必要な金額を見積もってみましょう。
車体の支払い総額
まずは車体そのものの価格をご覧ください。
グレード | 価格 |
GT-R Pure edition | 10,230,840円 |
GT-R Premium edition | 11,705,040円 |
GT-R Black edition | 11,869,200円 |
GT-R Track edition engineered by nismo | 13,699,800円 |
GT-R NISMO | 18,700,200円 |
2018年現在、限定モデルを除けばこの5つのグレードが用意されています。
ベースグレードの「ピュアエディション」をはじめ、上級グレードの2種は1,000万円強という価格。これでも十分高額ですが、ニスモがチューニングした最上級モデルはなんと1,800万円です。
オプションを整えれば2,000万円にも迫る勢いですね。現行モデルとしては、国内で3番目に高額な車です。
ちなみに、「ピュアエディション」をオプションをつけずに購入する場合、諸費用はこのようになります。
項目 | 金額 |
自動車取得税 | 255,700円 |
自動車重量税 | 49,200円 |
自賠責保険 | 36,780円 |
自動車税 (7月登録の場合) | 44,300円 |
リサイクル費用 | 10,470円 |
登録諸費用 (参考価格、消費税込) | 49,299円 |
諸費用の合計額 | 445,749円 |
正しいやり方で値引き交渉をすれば、GT-Rでも上記の表の価格よりも安い価格で購入できますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!車検にかかる費用
先ほど触れたように、GT-Rはメンテナンスにも非常に気を遣う車です。そのため、購入前はメンテナンスに関する内容の承諾書へ署名する必要があります。
気になる内容についてですが、簡単にまとめるとこんな感じです。
- 普通の車と違うので、甚大な維持費がかかる
- 整備は必ず専門サービスを受けること
- オイルやブレーキなどの消耗品は、必ず純正部品を使用すること
- 適切な整備をしていない場合は補償が適用されない
ようするに、”維持にまつわるトラブル”を防ぐためのものですね。
高いときは車検に100万円かかる!?
GT-Rの高い性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要。それもかなり高精度な整備技術が求められます。
そのため「GT-R認定テクニカルスタッフ(T/S)」が常駐する、「NHPC(日産ハイパフォーマンスセンター)」または「GT-R特約サービス工場」でしか正式なサービスを受けることができません。
交換パーツや使用機器など、とにかく何から何まで指定されたものが使われるので、必然的にメンテナンスは高額になります。ときには100万円に達するという噂も…?
ところが、実際にかかる費用は消耗具合によって変動するものの、おおむね数十万円で済むようです。「毎回100万円かかる」という噂が蔓延していますが、さすがに毎回ではありません。
それも実際に費用がかかるのは購入から4年目以降となっています。GT-Rは新車購入から
- 2,000km
- 12ヶ月
- 24ヶ月
- 36ヶ月
の特別点検が無償提供されるんですよ。
価格について、何が原因でこれほど変動するのか気になりますよね? 具体的な金額について、頻度の高い整備項目3点を例に解説しましょう。
タイヤ交換
消耗品としてまず挙げられるタイヤですが、GT-Rはタイヤも普通ではありません。ちなみに前後のタイヤサイズは前輪が255/40ZRF20、後輪は285/35ZRF20です。
サイズ自体も希少ですが、専用設計の特殊なタイヤを使用していることもあって、その価格は4本新品で35万円となっております。
しかも、寿命は1万5千~2万kmといわれており、年間1万km走行するなら車検1回で交換となります…。もちろんタイヤ・ホイールともに専用品しか認められていません。
※一般的な走行距離の寿命については以下の記事をご参照ください。
中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!GT-Rは「ランフラットタイヤ(RFT)」という、0空気圧の状態でも80km/hで走行できる高耐久タイヤを装着しています。仮に異物を踏んでパンクしても、安全圏まで自走できるように設計されているんですね。
さらにタイヤには通常の空気ではなく、窒素のみを充填するこだわりぶり。さすがハイパフォーマンスカーといったところです。
ただし認定されているタイヤにはいくつか選択肢があるので、安価なものを入手できれば、4本で25万円程度に抑えることも可能。
ブレーキ関連
消耗に気を遣う部分として、ブレーキ関連も大切なチェック項目です。
ブレーキパッドの交換費用は13万円、ブレーキディスクは38万円となっております。タイヤと同様、選択肢はいくつかあるようですが、ブレーキは一通り交換して50万円とみておきましょう。
これらは原則として4輪セットの交換となります。サーキット走行がなく、著しく摩耗している状態に限って、前輪だけ交換することもあるようですね。
GT-Rのブレーキは、スポーツ走行を念頭に置いた専用設計パーツなので、亀裂や荒れ具合が厳密に管理され、交換タイミングが定められています。
オイル系統
オイル系統は「車にとっての血液」ともいえる要素ですよね。交換代金は比較的安価ながら、実は一番重要な点検項目だったりします。
オイル種類 | オイル名称 | 交換費用 |
エンジン | Mobil 1(0W-40) | 3万円 |
トランスミッション | ミッションオイルR35スペシャル | 7万円 |
デファレンシャル | デファレンシャルオイルR35 COMPETITION type 2189E | 2万円 |
ブレーキ | ブレーキフルードR35スペシャルⅡ | 2万円 |
重要なオイルはこの4点で、一式交換すると15万円かかります。
エンジンオイルは、最低でも15,000kmで交換するようにメーカーから推奨されています。使用するのは、0-40Wという高い極性の「100%化学合成オイル」です。
工賃込みで3万円ほどかかりますが、念のため車検ごとに交換したほうがいいでしょう。ちなみに、サービス期間中は「半年」「1年」「2年」「3年」の計4回無償で交換してくれます。
ミッション・デフ・ブレーキのオイル交換に関しては、詳細な価格が公表されていなかったので、オーナーの体験談から引用しました。使用するのはすべてGT-R専用のオイルということで、一般的な車にくらべて割高です。
GT-Rは国内外問わず、市販車トップクラスの動力性能を有しています。(加速性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
日産GT-Rの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ゆえにトランスミッションやディファレンシャルにかかる負担も甚大。
添加剤はもちろん、他のオイルを充填してしまうと「油膜の保持」「放熱効果」「潤滑作用」を確保できず、ギアやベアリングを破損しかねません。
6万kmが交換のタイミングといわれていますが、気になるようなら車検で毎回交換してもいいでしょう。
その他維持費
車を維持するためには、ガソリン代や保険料も考慮しなくてはなりません。1年あたりにかかる費用を計算してみたので、ご覧ください。
ガソリン
年間の走行距離を1万km、ハイオクの価格を150円と仮定して、燃費を計算してみましょう。
GT-Rの燃費はカタログ値で8.8km/Lと公称されていますが、オーナーの意見を平均すると、実燃費は6km/L程度かと思われます。
(10,000/6.0)× 150 ≒ 245,000(円)
ざっくり計算してみると、年間のガソリン代は24万円となりました。多めに見積もっているので、実際にはもう少し安く済むと思います。
任意保険料
任意保険の金額は、対象となる車の「保険料率」で決まります。GT-Rの料率クラスは「車両:8」「対人:4」「対物:3」「傷害:4」です。
車格が高いものの事故率はそれほど高くないため、思っていたよりも低いですよね?
「年齢」「ノンフリート等級」「プラン内容(走行距離・車両保険)など、契約内容によって変動します。オーナーの口コミによると10~20万円程度が多いようです。
「26~30歳」「ゴールド免許」「10等級以上」なら年間10万円強で済むでしょう。
税金
最後に1年あたりにかかる税金ですが、金額は以下をご覧ください。
税金 | 税額 |
自動車税 | 66,500円 |
重量税 | 16,400円(1年分) |
自賠責保険 | 13,920円(12か月分) |
合計金額は10万円と考えておくといいでしょう。
年収のラインはいくら?
ピュアエディションを購入すると仮定しても、車体を手に入れるのに1,070万円、年間の維持費に50万円、さらに2年ごとの車検に50~100万円の金額が必要です。
一般的には、”車体価格が年収の1.5倍だと適正”とされているので、年収700万円を確保できれば、維持には困らないでしょう。
メーカーもこのくらいの年収を想定しているはずです。
ちなみに高級車の代表格であるBMWやベンツを買うのに必要な年収は、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照いただき比較してみてください。
BMWのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!購入には年収制限が?ベンツオーナーになるには年収はどれだけ必要?もし〇〇万円の年収でGT-Rを購入したら?
最後に、「年収○○万円で購入した場合どうなるか?」を考察してみたいと思います。
年収300万円
年収が300万円だと、維持していくのはかなり厳しいでしょう。購入には審査がありませんから、買えないことはないですが…。
しかしその後、生活を犠牲にして、GT-Rに十数年身を捧げることになります。さすがに現実的ではありませんよね?
どうしても購入したい場合は、初期型モデルを中古で購入するといいでしょう。2007年モデルのベースグレードなら6~700万円で手に入れることも可能ですよ。
中古車の基本的な買い方のポイントは以下の記事でまとめているので、中古を買うとしたらこちらもあわせて参考にしてみてください。
初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!年収500万円
日本人の平均的な収入ラインですね。この収入でGT-Rが維持できたら…夢がありますよね。
しかし現実的に考えると、年収500万円でも維持していくのは骨が折れそう…。
仮に購入したら、自由に使えるお金が一気に激減し、貯金も厳しくなるでしょう。安定した人生設計を考えると、手が出しにくいですよね。
どうしても欲しい場合は、「残価設定型クレジット」いわゆる「残クレ」などを利用するといいかもしれません。
残価設定型クレジットの詳細を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
車を残価設定ローン(クレジット)で購入とリースの決定的な4つの違い!年収700万円
前述のとおり、現実的に考えると年収700万円がGT-Rの購入ラインでしょう。無理せずに「車とライフスタイルの維持」を両立できそうです。
ただし、これはあくまでも”下限ライン”でしかないので、人によっては維持に困るかもしれません。たとえ年収が同じでも、「家庭の有無」など、自由に使える金額は人それぞれ違いますからね…。
単に年収だけで考えるのではなく、「自由に使えるお金」がどれだけあるか見直す必要があります。
年収1000万円
冒頭で年収1,000万円の話がでていましたが、このくらいの収入があれば安心してGT-Rを維持できそうですね。
GT-Rは普段使いというよりも、「趣味の車」として乗るケースが多いことです。そうなると、他に所持してる車の維持や、駐車場スペースの確保なども考える必要があります。(複数所持の維持費の詳細は以下の記事をご参照ください。)
車の二台持ちの維持費を大公開!年収は550万円くらいあれば余裕です!これまでの内容をまとめると、GT-Rはやはり「お金持ちが乗る車」という認識で間違いありませんね。余裕をもって維持するなら、年収1,000万円前後は欲しいところ。
とはいえ、他のすべてを犠牲にする「愛」があれば、不可能というわけではありません。個人的には、それくらい車に愛を注げる人は素敵だと思います。
「車への愛」と「現実的な問題」のバランスをよく吟味したいところですね。
GT-Rについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
日産GT-Rの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?日産GT-Rは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!