日産リーフはモーターだけで走る100%電気自動車で、日産自動車が世界に先駆けて送り出した量産型EVです。
EVというと静粛性や環境性能ばかりが話題になりますが、リーフって車としてはどのぐらいの速さなのかってあまりご存じありませんよね。
今回は日産リーフの速度についてご説明しましょう。
リーフの最高速度
まず速度と聞いて一番気になるのは、リーフの最高速度がどのぐらいか、ということですよね。
リーフの速度リミッター
最高速度といっても日本の道では一般道で60km/hぐらいまで、高速道路でも100km/hが制限速度なので、せいぜいそこまで出れば必要十分な性能となります。
しかし大抵は車の最高速度はもう少し出るように設計されており、日本車の場合は160km/hや180km/hでリミッターがかかるようになっている車が多いです。
リーフにも速度リミッターが設けられており、最高速度は140km/hで制限がかかります。
実際には惰性などで150km/hぐらいまで出ることもありますが、普通のガソリン車よりも控えめに設定されているのは確かです。
ちなみにプリウスの最高速度は180km/hで制限がかかっています。詳細は以下の記事をご参照ください。
実は速い!?プリウスの最高速度など速度について徹底解説!リーフの実力は本当にそんなもの?
電気自動車はパワートレインが非常に単純で、モーター1基と固定減速比のミッションからなっています。
リーフのモーター出力は110kwとなっていますが、これも抑えてある数値であり、リミッターをなくせば電気の続く限りもっと出力をあげることが可能です。
ガソリン車ではエンジンの最高回転数とトランスミッションの減速比で最高速度が決まりますが、電気自動車ではただモーターの回転数をあげればよいだけなので、最高速度は思いのままセッティングできます。(ガソリンエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ガソリンエンジンのメリット3つとデメリット5つ!仕組みと将来性の特徴を解説!しかしそれをすると真っ先にバッテリーの減りが激しくなり電気自動車のネックである航続距離に影響しますので、そちらとのバランスを考えて出力と最高速度を決めてあるというわけです。
実際旧型リーフをベースとしたレーシングカーである「リーフNISMO RC」では、量産車と同じモーター、バッテリーを使いながら、最高出力と最高速度をアップさせています。
リーフの最高速度が140km/hと聞くと「ガソリン車より非力だな」と感じるかもしれませんが、実はリーフのポテンシャルとしてはもっと速度を出すことができ、リミッターはあえて140km/hに抑えてあるのです。
どのみち日本の道では100km/h、一部区間で制限速度を引き上げると言われているところでも110km/hまでしか使えないので、航続距離を考えて140km/hの最高速度でOKということにしているのでしょう。
もしリーフの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!リーフの0-100km/h加速
電気自動車の評判のひとつに加速の良さがあり、ガソリン車を凌駕するとも言われていますが、リーフの加速は実際にはどうなのでしょうか?
加速度を比較する時によく使われる0-100km/h加速を例にあげてみてみましょう。
リーフの加速タイム
0-100km/h加速は車がストップした状態から一気に加速して、速度が100km/hに達するまでの時間を図るものです。
この条件でのリーフのタイムは旧モデルで11.5秒となって、次の表で示すようにあまり高タイムというわけではありません。
なお2017年10月に登場した新型リーフでは、0-100km/hが15%改善したとアナウンスされているので、タイムは9秒後半~10秒台と予想されます。
車種 | 0-100km/h 加速タイム | |
電気自動車 | 旧型リーフ | 11.5秒 |
新型リーフ | 9秒後半 ~10秒台 | |
テスラ モデルS | 5.4秒 | |
プラグイン ハイブリッド | トヨタ プリウス PHEV | 11.4秒 |
三菱アウトランダー PHEV | 11.0秒 | |
BMW i3 | 7.2秒 | |
ハイブリッドカー | レクサス CT200h | 9.7秒 |
トヨタプリウス | 11.4秒 |
こうしてタイムだけ見てみるとリーフの加速が遅く見えるのですが、これも前述したリーフの最高速度と一緒で加速度が制限されている結果なのです。
リーフ以外の加速については、他の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもぜひご覧ください。
プリウスの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?アクアの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?リーフの加速の実力
リーフなどの電気自動車は走り出しの加速は本当に速く、大トルクを低速から引き出せるモーターの特性がいかされている点です。
リーフの走り出しは速い
以前リーフに試乗したときにその走り出しの鋭さには驚いたもので、当時乗っていた日産スカイラインのターボ車よりも速く感じたほどです。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!その加速は3リッターガソリン車並みとも言われており、リーフは走り出しは間違いなく素晴らしい加速です。
しかしそのあとの加速については車の制御によるところが多く、加速によってバッテリーの消費が激しい電気自動車はあえて加速を抑えているので、0-100km/hなどの比較となるとリーフのタイムは低くなるのが当然なのです。
こちらもリーフNISMO RCのタイムが参考になりますが、車自体が量産車より軽量化されていることもあり0-100km/hタイムは6.85秒となっています。
ポテンシャルとしては確実に速い
リーフの性能的にはこのクラスの加速ができるポテンシャルはありますが、量産車では航続距離との兼ね合いで加速度が低く設定されているのがわかるでしょう。
電気自動車はまだまだ航続距離とコストのバランスをとることが難しく、リーフクラスの車でその2点を優先すると最高速度や加速といった性能面は低く設定せざるを得ません。
もし航続距離を気にしなければもっと素晴らしい性能は発揮できるでしょう。
リーフの加速性能については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
リーフの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!リーフのさまざまな条件下での速度
リーフの最高速度はリミッターで制限されていますが、実用上はもっと低い速度での走行が基本となります。
特に平均速度と電費には密接な関係があり、平均速度が高ければその分航続距離がへってしまいます。
そんなリーフでいろいろなところを走った体験談がTwitterに投稿されていますので、いくつかご紹介しましょう。
90km/h巡航だと電費はイマイチ
ローカルな高速道路でせいぜい90キロぐらいしか出さなかったけど、暖房と山道で電費はイマイチ
普通の100キロ超ペースの高速道路は未体験ゾーン…#日産リーフ #いい日産の日 …は過ぎてた(^^;; pic.twitter.com/nwo5dytbPO— leaf_zero0@リーフ30kWh (@leaf_zero0) 2017年11月23日
この方が高速道路で90km/hで巡航した結果をアップされていますが、バッテリーを8割方消費して160km走行なので、リーフのスペック的にはたしかに電費は今一つです。
山道走行と暖房で余計に電力を使ったことも影響しており、ガソリン車に比べてそういったものの影響が大きいのが電気自動車です。
100km/h巡航ならもう少し電費が悪くなるでしょうし、高速道路では控えめの速度にするのが良さそうです。
速さのバランスはリーフが良い?
因みにサーキットでEVを集めてスピード競争させたら最も速かったのはリーフで、テスラはすぐに熱ダレして速度を維持できなかった。
この方のツイートにあるテスラは電気自動車専門のメーカーで、リーフよりパワフル+航続距離が長くその分コストの高い車です。
前述した表にあるようにテスラの0-100km/h加速はリーフの倍ぐらい速いのですが、その分モーターの発熱が多く距離が長いとそのパフォーマンスを維持できません。
そうすると速度を下げる制御が入って遅くなるのですが、リーフは加速と発熱のバランスが良いのかサーキット走行は早かったのでしょう。(たぶん総合タイムでですが)
ちなみにテスラは加速やデザイン性は素晴らしいのですが、故障などの品質については疑問視されている声もありますね。詳しくは以下の記事でご覧ください。
テスラは故障が多い?壊れやすいのか故障率はいかに?!実はバックも速いんです
リーフさんバックギア無くて、モーターが物理的に逆回転するんだが最高速度幾つだろう。13km/hでビビリリミッタが作動したんでそれ以上は検証できない。
— なるさん (@narusyo) 2016年12月22日
この方はリーフのバック時の速度が気になっているそうですが、さすがに自分ではそんなチャレンジできませんよね。
ところが当の日産がこのチャレンジをすでにやっていて、バック走行での世界最速タイムを記録してギネスにまで認定されています。
このときの平均速度は55mph(=88.5km/h)だったということですから、リーフはバックでもかなりの速度が出せるのです
なおこの方がおっしゃっているようにリーフはバック時にはモーターの逆転で後退しているので理論上前進と同じ速度がでるのですが、実際にはバック用にもスピードリミッターがあって安全な速度しかでないようになっています。
ギネス車はこのリミッターをカットした状態で走ったようで、リーフの面白い実力をしっかり発揮したというわけです。
これからリーフを買おうと思っている方は、この記事とともに以下の記事もぜひご覧ください。購入の参考になりますよ。
リーフの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!【実験】リーフ40kWhのフル充電の走行距離は236km!実際の航続距離が短いか測定してみた【冬編】