「リーフを買おうと思ってるんだけど、走行距離はどれくらい走れる?」
「日産のサイトを見ると『航続距離400km』なんて書いてあるけど、ほんとにそんなに走れるの?」
日産の電気自動車、リーフ。
電気だけでどれぐらい走れるのか、気になりますよね。
そこで、1泊2日モニター試乗キャンペーンに応募して、本当に400km走れるのかどうか実験してみました。
フル充電(満充電/充電満タン)の状態からどこまで走れるのか、実験の模様を解説します。
リーフ(Gグレード)の走行距離/航続距離の公式数値は400km
リーフのフル充電での走行距離(航続距離)は、日産の公式発表では400km。旧型の初代リーフは280kmだったので、大きく伸びましたね。
ブレーキを踏んだときにタイヤの回転で発電し、その電気をバッテリーに充電する「回生協調ブレーキ」によって、エネルギーを効率よく使用してこの走行距離を実現しているんだとか。
400kmというと、多少燃費の悪いガソリンエンジン車のガソリン満タン状態と同じぐらいの走行距離ですね。
今回リーフの1泊2日モニター試乗をすることになったので、ほんとに400km走れるのかどうか実験してみます。ちなみにグレードはGです。
リーフ(Gグレード)の実際の走行距離/航続距離を測定
それではさっそく実験開始! せっかくなのでただの実験ではなく、リーフでの旅を満喫したいと思います。
神奈川県藤沢市→横浜・中華街(23km)
スタート時の状態。充電は100%。真ん中に表示されているのは残りの航続距離で、満充電にも関わらず、400kmではなく246kmと表示されてますね。
開始早々だいぶ短いような気がしますが、表示されているとおりになるかはまだわかりません。
ちなみにリセットはしていないので、過去に試乗したひとの走行方法を基にして計算された航続距離です。
出発地点は神奈川県藤沢市。最初の目的地は横浜・中華街です。
加速が速いので、乗り心地はすごく良いですね。
一般道でさっそくプロパイロット(自動運転)を試そうとしましたが、停車状態からは作動しないらしく、信号が赤から青に変わった時点で先行車がはるか遠くに行ってしまいました。
事前に調べておいたコインパーキングがカーナビの示す場所にない、というアクシデントがあったものの、なんとか無事に中華街のパワースポット、関帝廟に到着。
ここは三国志で有名な、関羽という武将を商売の神様として祀った神社です。
この旅が無事に終わりますように。
風水的に最高だといわれているパワースポットにお参りしたことで、気分は上々。ここからは少しだけ中華料理の食べ歩きです。
写真は中華街で有名な、江戸清のブタまんを買ったところ。中身がぎっしり詰まっていて、ジューシーでした。
おなじく有名な、王府井の小龍包。すごく熱そうに見えたし、店内にもそういう注意書きがありましたが、覚悟していたほど熱くなく、食べやすい。
中華街で初めて北京ダックの食べ歩きを始めたという、中華街大飯店では北京ダックをいただきます。
「ダック」の部分が鶏皮のような食感で、しっかり味がついていて美味しかった。
もしリーフを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!横浜・中華街→箱根神社(90km)
お腹がふくれたところで、次の目的地へ向かいましょう。ここまで23km走行してきて、バッテリー残量は91%。
次の目的地は中華街から90km離れた箱根神社です。それでは再出発。
高速道路を乗り継いで、西へ西へと向かいます。リーフはとにかく加速が速いので、高速走行がとても気持ちいいですね。
なお加速性能については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
リーフの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?一般道では失敗したプロパイロットも、高速道路ではしっかり活躍してくれました。
有料道路のターンパイク箱根では、上り坂を13kmほど上りましたが、入り口時点では残り157kmだった航続距離がどんどん減っていき、有料区間を出るころには残り104kmになってしまいました。
上り走行はかなりの電力を消費するようですね。この辺りはとくに寒いので、フロントガラスがくもってしまい、くもり止めのエアコンをつけていたことも航続距離を減らした原因かもしれません。
ターンパイク箱根を抜けると、箱根神社はすぐそこ。
箱根神社にはすぐ近くに無料の駐車場があるので、中華街のときのようなアクシデントは起きずに到着できました。
湖のほとりを歩いて神社に向かうと、大きな鳥居と神秘的な木々が出迎えてくれます。
ここも神奈川の有名なパワースポット。実際、私も仕事のことで悩んでいた時期にお参りして、勇気をもらったことがありました。
そのときに引いたおみくじに書いてあったことは、「一時の不運にあわて騒ぎ思い迷ってはいけません。うまくいくのは間違いないから、本業をよく守って静かに時が来るのを待ちなさい」。
おかげで今は、充実したライター生活を送っています。
ここでは願い事ではなく、そのときのお礼を伝えてお参り完了。
九頭の龍の口から出ている水は龍神水といって、飲むととても縁起がいいとのこと。巫女さんから買ったペットボトルに詰めて、持って帰ります。
長距離運転で少し疲れが出てきたので、身体を伸ばして次の目的地に向かいましょう。
箱根神社→厚木PA(57km)
ここまでトータル113km走行してきて、バッテリー残量は44%。
さっきの上り坂で、予定よりも電力をうんと減らしてしまいましたね。カーナビに次の目的地を入力すると、↓こんな表示が。
この旅の目的としては満充電から何km走れるか確認することなので、とりあえず行けるところまで行ってから充電スポットを探すことにします。
それでは再出発。
この先に待っているのは、さがみ湖プレジャーフォレスト。関東最大のイルミネーション施設です。
さがみ湖に向かう道は、さっき上ったぶんだけ下り坂が延々続きます。
この下り走行が電力をほとんど使用しないようで、目的地までの距離はどんどん縮まっているにも関わらず、航続距離がまったく減りません。
「ギリギリたどりつけるかどうか」だったはずが気づけば5km、10kmと余裕が生まれ、坂を下り切って高速道路に乗るころには、目的地までの距離と航続距離の間に20kmほどの余裕ができていました。うん、これなら行ける。
長距離移動で疲れが出てきたので、厚木PAで小休憩します。
お土産売り場で大好きな東京名菓・ひよ子を発見。
小腹がすいてたので購入しました。
車内でさっそくガブリ! 頭からかじるのが通の食べかたですね。(※リーフの1泊2日試乗では、車内での飲食は自由です。)
厚木PA→さがみ湖プレジャーフォレスト(32km)
ここまでトータル170km走行してきて、バッテリー残量は24%。
高速道路に乗ってしまえばあとは平坦な道なので、航続距離は極端に減ることも増えることもありませんでした。
ただ、なにぶん電気自動車に乗るのが初めてで、目的地であるさがみ湖プレジャーフォレストから20km圏内に充電スポットがあるかどうか、不安がないわけではありません。
目的地まで残り約2kmに迫ったところでドライブモードをエコモードに切り替えて、ほんの少しでも長く走れるように保険をかけておきます。
ドキドキしながら目的地に到着すると、真っ暗な空間のなかに衝撃の看板が。
「本日休園日」。
やってませんでした。綺麗なイルミネーションを見て旅の締めくくりにするはずが、まさかの休園日。
無慈悲に閉鎖された門の前では、私のほかにも知らずに来たひとたちが車を停めてうなだれています。
90kmかけて走ってきてこれはショックが大きいですね。泣くしかない。
もしリーフを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
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ここまでトータル202km走行してきて、バッテリー残量は11%。
そろそろ充電しないとまずいので、カーナビで充電スポットを検索します。
どうやら直線距離で4km程度のところに急速充電ができるスポットがあるようなので、聞いたことのない名前で不安ではあるものの、そこを目的地に設定。
が、案内開始にすると、どうやら大きく回り道をしなければ行けないようで、目的地までの距離が13kmに変わっていました。
少し走ってみたところ住宅街のようなせまい道に入ってしまい、やはり不安なので、直線距離で2番目に近い日産のディーラーに目的地変更。
そのまま住宅街をナビの言うとおりに進んでいくと、住宅街どころかどんどん真っ暗な山のなかへ入っていきます。
進んでも進んでも山、山、山。
地味に減っていく航続距離。そしてここで衝撃の事実。
カーナビ「ここを右方向、その先左方向です。」
カーナビ「ここを左方向です。」
引き返してる…。今来た山道引き返してる。じゃあこんな真っ暗でせまい道走らなくても、住宅街の時点で切り返したかったよ…。
こうしてなんとか充電スポットに到着。
バッテリー残量は6%、航続距離20kmを残して急速充電することができました。
フル充電の状態から旅をスタートして、トータルの走行距離は216km。
残りの20kmを足すと、リーフの満充電からの航続距離は236kmだという実験結果になりました。
リーフ(Gグレード)の走行距離/航続距離の実験結果・まとめ
リーフの走行距離/航続距離は、実験結果としては236km。メーカー発表の400kmという数値とくらべると、59%程度しか走れないことになります。
「詐欺じゃないか」という声も聞こえてきそうですが、ふつうのガソリンエンジン車の燃費だって、カタログ燃費と実燃費にはこれぐらいの差が出るものです。
ただ、ガソリン満タンのガソリンエンジン車だと400km~500kmぐらい走れるのがふつうなので、満充電で236kmというのは、航続距離としては短いですね。
近所の買い物程度で使うぶんにはまったく問題ありませんが、長距離移動を想定しているならリーフは実用的ではありません。
充電スポットは思っていたより多く設置されており、慣れない土地でもたどり着くことができました。
しかし、今回の実験のようにわかりにくい場所にある場合もあるので、バッテリー残量が10%を切る前には最寄りの充電スポットに向かいましょう。
リーフの走行距離・航続距離に関するQ&A
ここからはリーフの走行距離・航続距離について、よくある質問に回答していきます。実際に日産の営業マンに話を聞いてきました。
Q1.走行距離は車の年数が経つと劣化して減っていきますか?
A.もともと100%まで充電できたものが、バッテリーの劣化によって99%までしか充電できなくなってしまうことがあります。スマホのバッテリーとおなじです。
しかし、日産では8年160,000kmまでは保障していますので、急激に下がってしまうものではありません。
Q2.走行距離は夏と冬で違いますか?
A.夏はエアコンを激しく使うので、走行距離は短くなります。冬はエアコンの代わりにシートヒーターやステアリングヒーターを使うことで、消費電力を抑えられるので、夏にくらべて走行距離が長いです。
Q3.走行距離を伸ばす走り方は?
A.エアコンをOFFにして窓を開けたり、シートヒーターやステアリングヒーターを使うことで暖房に使う電力を節約することです。
また、スマホアプリを使って乗る前に車内を冷やしたり暖めたりすることで、乗るときにエアコンを強い風量でつける必要がなくなり、走行距離を伸ばすことができます。
ほかにも、ドライブモードをエコモードにすることでも走行距離は伸びます。
ここまで書いてきましたが、乗り心地自体はすごく良かったので、「236kmも走ることはまずない」という場合はおすすめの車です。
この記事を読んだことで、リーフを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
なおリーフについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
実は速い!?リーフの最高速度など速度について徹底解説!リーフは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!