インプレッサはCセグメントと呼ばれる欧州で最も競争の激しいボディサイズのカテゴリーに属した車です。
扱いやすいサイズ感は全世界で需要があり、このカテゴリーにメーカーの顔となる車がラインナップされていることも少なくありません。
そんなCセグメントの国産車代表格でもあるインプレッサは、3ナンバーのものもあれば5ナンバーのものも存在します。
何でナンバーの種類が違うのか?年式でナンバーは変わるのか? インプレッサは3ナンバーと5ナンバーで具体的に何が違うのか?
ここではインプレッサのナンバーに対する疑問について分かりやすく解説していきます。
インプレッサは3ナンバー、5ナンバーのどちらも存在する
タイトルにもあるこの疑問の答えは冒頭でも触れましたが、どっちということはなくどちらもあるというのが正解です。
そこで分かりやすく、歴代モデルも含めてインプレッサのナンバー(登録車種区分)の違いをそれぞれ解説していきましょう。
初代は全て5ナンバー(一部除く)
1992〜2000年に販売された初代は基本的に全て5ナンバーです。
ただしエンジン排気量が2.2Lになり、車幅が1,770mmと大幅にワイド化された22Bと呼ばれる限定車のみ、3ナンバーとなります。
2代目は3ナンバーと5ナンバーが混在
2000〜2007年に販売された2代目はナンバー区分が混在しているので最もややこしい世代です。
簡単にまとめると以下の通りです。
- スポーツワゴン…5ナンバー
- 1.5Lエンジンのセダン…5ナンバー
- 2Lエンジンのセダン…3ナンバー
ナンバー区分に違いがある理由はのちほど詳しく解説します。
3代目〜現行モデル(5代目)は全て3ナンバー
2007年以降に販売されたインプレッサは、XV等の派生車種も含めて全てが3ナンバーです。
これらは車幅が5ナンバー枠を超えたことによって3ナンバーになりました。
ちなみに、スポーツモデルのWRX STIには2.5Lエンジンを搭載したモデルも存在します。
またWRXとXVは4代目でインプレッサから独立した別車種となりました。(WRXの詳細は以下の記事をご参照ください。)
スバルWRXとはどんな車か?読み方から9つの特徴まで解説!インプレッサの3ナンバーと5ナンバーの違い
各世代でナンバー区分が異なることが分かったところで、インプレッサの3ナンバーと5ナンバーの違いをさらに詳しく掘り下げていきましょう。
初代が全て5ナンバーの理由
初代が誕生した1990年代は、3ナンバーの車というと高級車というイメージが強い時代でした。
これには理由があり、1989年以降に排気量の大きさのみで自動車税の税額が変わる以前は、3ナンバーか5ナンバーかという違いだけで税額がかなり大きく変わったためです。
そのためそれまでの一般大衆車はそのほとんどが5ナンバー枠に収まるボディサイズが一般的で、税額区分の変わった直後の90年代に入ってからもその流れが続いていました。
一般大衆車であるインプレッサは、当時の時代背景からもわざわざ3ナンバーになるほどの排気量アップをする必要もなければ、ボディサイズも大きくする必要がなかったので5ナンバー枠に収まる形となったのです。
また、一部3ナンバーが存在するのは先述した通りです。ちなみに5ナンバーボディの車幅は1,690mmです。
2代目にナンバーの違いがある理由
2代目インプレッサの2Lエンジンを搭載したセダンは、WRCと呼ばれるモータースポーツの世界で活躍したモデルが属するグレードです。
初代からの進化過程として、2Lエンジンを載せたセダンボディはWRXを筆頭に、スポーツ走行での安定性を考慮してターボ・NAモデル関係なくワイドトレッド化されました。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ワイドトレッド化されることで、車幅が5ナンバー枠の1,700mmを超えることになり、それぞれの車幅の違いは以下の通りです。
- 5ナンバー…1,695mm
- 3ナンバー…1,740mm
ちなみに車幅の違いは室内の広さには関係ありません。
3代目以降が全て3ナンバーになった理由
国内ではスバルやマツダのような規模の小さいメーカーが生き残るには、国内市場だけでなく海外市場の需要拡大が重要な鍵になってきます。(メーカーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
スバル車の決定的な特徴5つ!長所から欠点まですべて解説します!マツダ車の決定的な特徴6つ!魅力から欠点まですべて解説します!インプレッサが属するCセグメントは、VWのゴルフを筆頭にライバル車種がしのぎを削るカテゴリーです。
日本のように3ナンバー、5ナンバーといった制約がない海外メーカーの車は、衝突安全性や走行安定性といった商品力向上のためにボディ(車幅)がワイド化されてきています。
それらライバル車種に商品力で負けないために、インプレッサの3ナンバー化は必須条件だったのです。
3代目の車幅は以下の通りです。
- 通常モデル…1,740mm
- XV…1,770mm
- WRX STI…1,795mm
4代目の車幅は以下の通りです。
- スポーツ/G4…1,740mm
- SPORT HYBRID…1,755mm
5代目の車幅は以下の通りです。
- 1,775mm
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このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!3代目以降のインプレッサの遷移
3代目以降、同じ3ナンバーでもグレード・モデルによって車幅に大きな違いがあることが分かります。
3代目
3代目でXVの車幅が標準モデルより大きい理由は、クロスオーバーモデルらしさを演出したボディ形状が理由で室内の居住空間に差はありません。
※とはいえXVはキャンプにも最適といえるくらい広いです。(詳細は以下の記事をご参照ください。)
スバルXVがキャンプに最適な理由6つWRXは、標準モデルのインプレッサとは別のボディが与えられたことで車幅が大きく、車両型式も別物となりました。
これも標準モデルと居住空間に差はありません。
4代目
4代目のインプレッサは標準モデルのセダン・ハッチバック、新たに追加されたハイブリッドモデルの3タイプを指します。
ハイブリッドモデルは、シャシーの一部にWRXと共通のものを使用していることもり、わずかに車幅が違います。
5代目(現行型)
現行型の5代目は、歴代モデルで最もワイドトレッドとなる1,775mmです。
3〜4代目から大きく変わりましたが、これは5代目のフルモデルチェンジで新世代のプラットホームが採用されたためです。
インプレッサは古い車が5ナンバー、最近の車が3ナンバー
インプレッサの3ナンバーと5ナンバーの違いとして、大きくはインプレッサに限らず国産のCセグメント乗用車の流れは一緒で、5ナンバーはひと昔前の車で3ナンバーは最近の車ということです。
ここまで、インプレッサの場合で3ナンバーか5ナンバーかに関係してくる車幅にのみ詳しく触れてきましたが、2代目までとそれ以降のインプレッサを実際に見比べると、ボディサイズの差は明らかです。
そして、2代目は走りに特化したWRX STIがラインナップされる2Lエンジンを積んだセダンのみが3ナンバー化されました。(走行性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
WRX STIの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?その後は標準モデルでも3ナンバーサイズのボディが与えられ、今ではインプレッサは3ナンバーであることが当たり前となりました。
もともと5ナンバーだった車の3ナンバー化は、狭い道の取り回しや駐車場の広さの関係で5ナンバーサイズにこだわる層からの、批判的な意見が多く聞かれます。
しかし、初代と現行型の車幅の差は85mm=8.5cmで、「たかだかそんなものか」「全然違う!」と人によって感じ方は違うでしょう。
グローバルに求められる衝突安全性能や走行安定性を満たすためにも、2000年代に入って以降3ナンバー化された車は他にも多くあります。
インプレッサも全モデルが3ナンバーになって10年以上が経ちます。
中古車も含めて実際にインプレッサに乗ることになるのであれば、ほとんどの場合は3ナンバーサイズと思っていただいて間違いはないでしょう。
なおインプレッサについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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