「キャンピングカーに興味があるんだけど、種類がいっぱいありすぎてよくわからない…」
「最新のキャンピングカーってどんな設備がついてるの？」
車1台で複数の大人が寝泊まりできる、遊びに便利なキャンピングカー。
タイプがいろいろありますが、コスト・広さ・車体の大きさといったように、何を重要視するかによってえらぶ車が変わってきます。
そこで、ジャパンキャンピングカーショー2019で展示されていた、最新モデルのキャンピングカー・RICH（リチ）を紹介します。
内装や設備について写真つきで解説しますので、キャンピングカーえらびの参考にしてください。
なおこの車種については、ジャパンキャンピングカーショー2019で展示されていたのを取材しました。
展示の様子は以下の記事でまとめているので、詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。
ジャパンキャンピングカーショー2019レポート！最新車種イベントで取材してきた！
キャンピングカーの8つのタイプ
まず、キャンピングカーには以下の8つのタイプがあります。
- 「バンコン」
- 「キャブコン」
- 「軽キャンパー」
- 「フルコン」
- 「セミフルコン」
- 「バスコン」
- 「トラキャン」
- 「キャンピングトレーラー」
この記事で紹介するロータスRVセールス社のRICHは、バンコンタイプ（バンコンバージョン）です。
バンコンとは、ワンボックスタイプのバンやワゴン、ミニバンにキャンパー架装をした車のことです。車体が比較的小さめのキャンピングカーなので、高さ制限のある駐車場にも入ることができ、街中でも乗りやすいというメリットがあります。
キャンピングカーをキャンプ専用ではなく、普段用の車としてもつかいたい場合はバンコンタイプがオススメです。
また、小さいだけに就寝人数が少なめなので、少人数でキャンプに行きたい場合に適しています。
なおバンコンタイプのキャンピングカーは以下の記事でも紹介しているので、こちらもあわせてご参照していただき比較してみてください。
シエンタのキャンピングカー内装や値段【バンコン】MR Vibes（エムアールバイブス）セレナのキャンピングカー内装や値段【バンコン】セレナP-SVRICH（メーカー：ロータスRVセールス）の内装写真
ロータスRVセールス社のRICHです。救急車（ハイエース）をベースにしたキャンピングカーで、主要スペックは以下のようになっています。
- 乗車定員：6人
- 就寝定員：大人2人・小人2人
- 全長：5,370mm
- 全幅：1,950mm
- 全高：2,600mm
- ベース車：救急車（ハイエース）
- 排気量：2,700cc
- 燃料：ガソリン
- 最高出力：151ps
- 駆動方式：2WD FR
- ミッション6AT
- 燃費：7km/l～8km/l
※ベース車のハイエースの詳細は以下の記事をご参照ください。
ハイエースの試乗レビュー・感想！乗り心地はいかに？！乗車定員は6人ですが、就寝定員は大人2人・子ども2人だけです。6人でキャンプに行ってしまうと2人は車内で寝られなくなってしまうので、注意してください。
タイプとしてはバンコンですが、その大きさはキャブコン並み。高さ制限のある駐車場には入れないところもあるでしょう。
キャンピングカーらしいルックスで、街中を走っていたら間違いなく注目を浴びますね。
それではさっそく内装を見てみましょう。
入り口から入ってすぐの、ダイネットテーブル席。テーブルをはさんでソファーが向き合って設置されています。
余裕を持ってすわるなら大人3人まで、ぎゅうぎゅう詰めでもいいなら大人4人なんとかすわれるかな？というぐらいの広さです。子どもが2人以上混じっていれば、4人でもある程度快適にすわれるでしょう。
このダイネットテーブル席は、展開させれば長さ1,510mm×幅1,370mmのベッドになります。長さが短いので、ここは子ども2人用のベッドですね。
ダイネットテーブル席には窓がついていて、外の景色を見ながら食事ができます。網戸がついているので、窓を開けても虫が入ってきません。
網戸だけではなく、ブラインドもついており、外から見られたくないときは景色をシャットアウトできます。写真は下半分だけ閉めた状態です。
キャンピングカーは見た目が特殊なだけに、街中で目立ちます。つねに注目を浴びつづけているとだんだん嫌気が差してきますが、そんな視線をシャットアウトできるのは、すごくいい機能だと思いますね。
それと、RICHの窓はすべてアクリル2重窓。ガラスよりも値段が高いですが、断熱性が高く、結露がつきにくいのが特徴です。
せっかく高い金額を出してキャンピングカーを買うなら、こういう買ってから気づくような細かいところまで気を使っているもののほうが良いですよね。
ダイネットテーブル席の上の、ダイキン製家庭用エアコン。
ふつうは夏の車中泊では、家庭用エアコンをつけっぱなしにしていないと暑くて寝られませんが、バッテリー切れのリスクを考えると、一晩中つけているわけにはいきません。
その点、RICHには自家発電システムがつけられるので、家庭用エアコンをフルに利用でき、快適な車中泊ができるでしょう。
なおキャンピングカーのエアコンの必要性については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
キャンピングカーのエアコン・クーラーは必要か考察！夏はないと無理？！
ダイネットテーブル席の横の、テレビです。この写真では外側を向いていますが、向きを調節すればダイネットテーブル席にすわってみんなで見られます。
なおキャンピングカーでのテレビについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
キャンピングカーでテレビを見る方法！アンテナ取り付けはどうする？
テレビの下には、冷蔵庫。すわったまま中身が取り出せる位置にあって、便利ですね。
ダイネットテーブル席の天井についている、リヤエアコンの吹き出し口です。
ダイネットテーブル席から見た、車内の全体の様子。右手にキッチンがあり、キッチンの向かい側にはトイレ、奥にはベッドがあります。
キッチンのガス台とシンクです。
なおキャンピングカーのキッチン・シンクの必要性については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
キャンピングカーのキッチン・シンクはなしでいい？必要性を考察！
使わないときは、このようにフタをしておけば邪魔になりません。
ガス台の下の、AC100Vコンセント。
コンセントの下には、電子オーブンレンジがついています。電子レンジを装備したキャンピングカーは多いですが、オーブン機能までついているのはめずらしいですね。
「車内でパンも焼けるんですよ」とメーカーの営業マンが教えてくれました。本当に旅先でパンを焼いてみんなで食べることを想像すると。すごく楽しそうですよね。
電子オーブンレンジの下は。ガスボンベの設置場所です。
電子オーブンレンジの右横には、給水タンクの設置スペース。
給水タンクの容量は19Lなので、1回の給水で連続して水が使えるのは2分弱です。
なお水回りの仕組みについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
キャンピングカーは風呂・シャワー付き？水の補給の仕組みまで解説！
キッチンの天井付近の、収納スペース。
キッチンの正面、トイレの出入り口ドアです。
RICHのトイレは、水洗ではなく「ラップポン式」。水の代わりに高分子ポリマーを使って水分を固め、使用後に自動でラップしてポンと袋詰めしてくれます。
キャンピングカーのトイレはふつう、使用後に汚水タンクの処理をしなきゃいけないのが大変ですが、ラップポン式のトイレはそんな手順は不要です。
臭いもしないし燃えるごみにそのまま出せるので、車内が汚れません。本当にすごい装備ですね、これは。
なお普通のキャンピングカーのトイレについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
キャンピングカーのトイレの処理・掃除の仕組み！トイレ付きがいいのか解説！
トイレルーム天井の、照明です。
居住スペースをバックドア側から見た様子。車両後方にベッドがあり、ベッドの下は収納スペースになっています。
収納スペースは車外からも車内からもアクセス可能で、入り口が広いので出し入れが楽そう。ベッドマットをどければ、自転車を積むことも可能です。
ベッドの寸法は、長さ1,800mm×幅1,300mmのセミダブルサイズ。
残念ながら実際に寝てみることはできませんでしたが、大人2人でもなんとか寝られそうな広さです。
長さが少し短いので、身長の高い男性だと身体を伸ばして寝ることはできません。
ベッドスペースについている小窓。こちらも断熱性の高いアクリル2重窓です。
ベッドスペース天井付近の、収納スペース。
おなじくベッドスペース天井付近の、収納スペースです。
車内から見た、ベッドの下の収納スペース。
車外から見た、ベッドの下の収納スペースです。照明がついているので、夜の車内でも取り出したい荷物を探しやすそうですね。
ベッドの下にも給水タンクがついています。容量はキッチンの下のものとおなじく、19L。
排水タンクは車体の下についていて、車内が汚れない嬉しい仕様になっています。実際はそこまで汚い水じゃなくても、使用済みの水が車内にあるのはなんとなく気分が悪いですもんね。
ベッド側から見た車内の全体の様子。ベッドスペースにはカーテンがついていて、寝るときは居住スペースとの間に仕切りができます。
天井のマックスファン（換気扇）です。エアコンをつけなくても、これを回せばある程度は暑さをしのげますよ。
車内の電源のメインスイッチ。入り口の天井付近についています。
壁についているパイオニア製のスピーカー。入り口の天井付近と、家庭用エアコンの横にそれぞれついています。
もしRICHを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。たった1分で車を60万円値引きできる裏技！安く購入する秘密のテクニックとは？！RICHの価格と標準装備・オプション
RICHの車両本体価格は、税込みで6,348,240円です。4WD仕様をえらぶと、6,678,720円と少し高くなります。バンコンの価格としてはかなり高いほうですね。
標準装備として以下のものが架装されています。
- フロントオートエアコン
- リアエアコン
- 内部トリム生地張り
- 大人2人フロアベッド（拡張マット付き）
- 4人掛け対面シート＆ベッド（3rdシート3点式シートベルト付き）
- 40L冷蔵庫（エントランス左/上開き）
- 出窓アクリル2重窓（網戸・ブラインド付き）
- サブバッテリー（自動制御式走行充電装置付き）
- 外部電源&室内コンセント
- 2口ガスコンロ付きシンク
- マックスファン（ホワイト）（スモークは3,240円アップ）
- 清排水タンク19L（ポリタンク）
- 低消費電力型ルームエアコン（100V A/C）取り付け
- 下駄箱（収納庫に変更可）
- LED照明（天井&ギャレー&トイレルーム&ベッドルーム）
標準装備の数はそれほど多くないですが、車中泊に最低限必要なベッドだけではなく、キッチンや冷蔵庫といった「キャンプを楽しむための装備」もついていますね。
バンコンにはめずらしい、ルームエアコンがついているのも嬉しいところ。
また、オプションでは以下のものがつけられます。
- ホワイトパールクリスタルシャイン（70,200円）
- LEDヘッドランプ（64,800円）
- パワースライドドア片側（イージークローザー付き）（69,120円）
- ABS&TRC（33,480円）
- リアヒーター（27,000円）
- アクセサリーコンセント（100V）（9,720円）
- 寒冷地仕様（18,360円）
- 電動格納式リモコンドアミラー（ヒーター付き） ※寒冷地仕様選択必須（5,400円）
- リアフォグランプ ※寒冷地仕様選択必須（10,800円）
- リアLSD（ワイド4AT時） ※4WD車のみ（32,400円）
- 電子オーブンレンジ（32,400円）
- エアサスペンションリモートコントローラー（394,200円）
- 強化ショックアブソーバー（99,360円）
- サイクルキャリア2台積み（75,600円）
- 排水タンク19L（吊り下げ式ステンレスタンク）（86,400円） ※1
- 温水器5L（100V）（75,600円）
- 家具調備蓄型トイレ（ラップポン）（237,600円） ※2
- ガソリンFFヒーター（216,000円）
- サイドオーニング3.5m（151,200円）
- VOTRONICバッテリー残量計（86,400円）
- 地デジチューナー（ワンセグ・フルセグ）（54,000円）
- 19インチ液晶TVセット（本体/350Wインバーター）（129,600円）
- 25Aサブバッテリーオートチャージャー（41,040円）
- バックアイカメラ（75,600円）
- ルームミラー型モニター（59,400円）
- オムニビューシステム（アラウンドビュー）（291,600円）
- ドライブレコーダー（オムニビューシステム）（32,400円）
- 高性能CCBツインサブバッテリー（82,080円）
- 200AHリチウムイオンバッテリー&80AHマルチチャージャー（421,200円）
- ソーラーパネル（100W）（108,000円）
- サイン波インバーター取り付け（1,500W・リモコン・チェンジオーバーリレー付き）（151,200円）
- 発電機（EU18i）（室内発電機停止スイッチ付き）（291,600円）
- セル付きEU18i搭載仕様（本体代込み）（室内から発電機の起動/ストップができる）（529,200円）
- ボディーセラミックコーティング（194,400円）
- LITH-POWER ELECTRONIC ASSIST 5.5（キャンパーアシストオリジナル5.5KWリチウム電源システム）（982,800円） ※3
- ダイキン薄型エアコンrisora 標準機から変更（7色のカラー選択が可能）（108,000円） ※4
※1 ※2 先ほど解説した、吊り下げ式の排水タンクやラップポン式のトイレは、オプションです。どちらも車内を清潔に保つうえで大いに役立つ装備なので、女性を乗せる場合はとくに喜ばれるでしょう。
※3 LITH-POWER ELECTRONIC ASSIST 5.5とは、メーカーが独自開発した電機システムです。5.5KWの大容量リチウムイオンバッテリーと発電機連動の急速充電方式によって、バッテリー切れの心配をすることなく、車内の設備をフルに使えます。
※4 標準装備のルームエアコンをダイキン薄型エアコンrisonaに変更すると、最新機能である「うるさら7」がついてきます。
「うるさら7」には、車内を快適にするためのさまざまな機能がついていますが、温度だけでなく湿度もコントロールすることで、従来の冷房よりも体感上の涼しさを大きく上げているのが特徴。
冬の暖房時には外の空気から水分を取り込み、車内が乾燥しすぎないように加湿しながら暖めることが可能です。
総評：名前に負けない高級キャンピングカー
RICHの内装をズバリいえば、「名前に負けない高級キャンピングカー」。
価格が高いだけあって装備が超一流で、とくにすごいと思ったのはラップポン式のトイレですね。キャンピングカーのトイレでいちばんのネックである、汚物タンクの処理をやらなくていいというのは。女性や子どもに限らず男性でも嬉しいところ。
家庭用エアコンも、オプションで変更すれば湿度管理までできてしまう高機能モデルがつけられて、バッテリー切れの心配もない、という至れり尽くせりな内容になっています。
タイプとしてはバンコンですが、キャブコンのように天井が高く、車内を歩いて移動できるのがとても快適でした。
あえて欠点を挙げるとしたら、ベッドの長さがみじかいところでしょうか。身長180cmに近い方は身体を伸ばして寝られないので、注意してください。
ここまで書いてきましたが、ものがしっかりしているだけあって、オプションだけでもかなりの金額になりそうですね。
この記事を読んだことで、RICHを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
なおバンコンタイプのキャンピングカーは以下の記事でも紹介しているので、こちらもあわせてご参照していただき比較してみてください。
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