日本で人気の車種といえば間違いなくミニバンで、特に背の高いトールサイズミニバンが大人気です。
また近年日本市場ではディーゼル車が復活してきているのですが、ミニバンでディーゼルエンジン車というのはあるのでしょうか。
今回は日本で購入できるディーゼルエンジン車のミニバンをご紹介します。
ディーゼルエンジンのミニバンの車種一覧
ディーゼルエンジンの乗用車は欧州では大人気の車種ですが、日本ではかつて排気ガス規制の問題から一度なくなりました。
ですが現在新型のクリーンディーゼルエンジンが登場し、日本でもディーゼルエンジン車が復活したことでここ10年でじわじわと増え、国産車と輸入車を合わせると71車種ものクリーンディーゼル車が購入できるようになっています。
クリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!その中でミニバンに属する車種は次のような車種があります。
国産車種のディーゼルエンジンミニバン
日本市場ではミニバンという名前が一般的ですが、世界的にはMPV(Multi Purpose Vehicle)と呼ばれており、多人数乗りの多目的乗用車のことを指します。
多人数乗りの定義には多少解釈に幅がありますが、一般的には6人以上が乗れることが必要で、7人乗りや8人乗りの車種が多いですね。
さてミニバンは日本の主要メーカーからは何車種も登場しており、トヨタ、ホンダ、日産などの大規模メーカーで開発される車種と、そこから中堅メーカーにOEMで供給される車種を合わせれば、およそ10車種〜20車種に登ります。
ですがその中でクリーンディーゼルエンジンを搭載した車種というのはわずか1車種のみで、非常に限られています。
その車種は三菱自動車が製造している「デリカD:5」で、2013年にモデルに追加される形で登場しました。
メーカー | 車種 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格帯 |
三菱 | デリカD:5 | 13.6km/L | 109kW(148PS)/ 3,500rpm | 360N・m(36.7kgf・m)/ 1500-2750rpm | 3,934,000円〜 3,419,000円 |
デリカD:5はミニバンとしては少し変わった車種で、7人〜8人乗りが可能なミニバンとSUVの要素を組み合わせた車です。
もともとデリカはキャンプなどオフロードで使える車というのが特徴で、デリカD:5もその特徴を受け継いでいます。
比較的大径のタイヤサイズと最低地上高の高さがSUV並で、ミニバンとしてだけではなくSUVとしての魅力も併せ持っているのです。
オフロードではディーゼルエンジンの持つ低速トルクの高さが大きなアドバンテージであり、悪路走破性を確保するためには重要です。
そのためデリカD:5には登場時からディーゼルエンジンの登場が待ち望まれており、途中から追加された形です。
なおデリカD:5については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デリカD:5の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デリカD:5の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!海外車種のディーゼルエンジンミニバン
海外でもMPVは何車種もありますが日本とは少々扱いが違い、日本で多く見かけるトールタイプのミニバンはとても少ないです。
そのかわり背の低いタイプのMPVのほうが一般的で、セダンやステーションワゴン系の車種の発展型が多いです。
その中で現在日本で購入できる輸入車のミニバン系車種は以下の3車種です。なおこのランキングは燃費差で並べてあります。
ランキング | メーカー | 車種 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格帯 |
1 | フォルクス ワーゲン | トゥーラン | 18.5km/L | 110kW(150ps)/ 5,000-6,000rpm | 250N・m(25.5kgf・m)/ 1,500-3,500rpm | 3,699,000円〜 4,079,000円 |
2 | シトロエン | GRAND C4 PICCASSO BlueHDi | 18.0km/L | 110kW(150ps)/ 4,000rpm | 240N・m(24.5kgf・m)/ 1,400-3,500rpm | 3,800,000円〜 4,735,000円 |
3 | メルセデス・ ベンツ | Vクラス | 15.3km/L | 120kW(163ps)/ 3,800rpm | 380N・m(38.7kgf・m)/ 1,400-2,400rpm | 5,500,000円〜 8,460,000円 |
このなかでゴルフトゥーランとシトロエン GRAND C4 PICCASSOは、それぞれフォルクスワーゲン ゴルフとシトロエン C4のデザインを受け継いだMPVとなっており、車体を延長して7人〜8人乗りにした車種となります。
最後のメルセデス・ベンツ Vクラスのみ背の高いトールサイズミニバンとなっており、日本のミニバンに一番近いのはVクラスです。
これらの車種をオススメするのであれば、上記のランキングそのままであり、やはり何よりディーゼルエンジン車の大きな魅力である燃費の良さがその理由です。
また輸入車は一般的に国産車より割高なのですが、上記のランキングはそのまま値段のランキングにもなっており、ゴルフトゥーランは比較的購入しやすい価格であるのもオススメできる点です。
ただ上位の2車種はトールサイズミニバンではないので、日本車のミニバンとは少し使い勝手が悪いという面もあります。
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば、上記の価格よりも大幅に安くディーゼル車を購入できますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ディーゼルエンジンのミニバンが少ない理由
さてディーゼルエンジン車が62車種もある中で、日本で人気のあるミニバンがわずか4車種しか無いというのはそれなりの理由があります。
日本ではハイブリッドが人気
クリーンディーゼル車の大きな特徴は燃費がガソリンエンジン車よりも良いという点にあるのですが、日本では燃費改善にハイブリッド技術のほうが優先されたためにディーゼルエンジン車が少なくなっています。
ディーゼルエンジンはその構造上ガソリンエンジンよりも燃費が良くなる特徴があります。
クリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!ですが日本で多いストップアンドゴーの多い車の走らせ方では、電気モーターを活用したハイブリッドカーのほうが燃費が良くなることが多く、ガソリンエンジン+電気モーターのハイブリッドカーが一般的となりました。
ミニバン系の車種には最初ハイブリッドは少なかったのですが、現在ではハイブリッドがほぼ必須の車種となってきています。
一方欧州ではディーゼルエンジン車のほうが使い方に合うのでハイブリッドカーは少なく、クリーンディーゼル車のミニバン系車種のほうが一般的です。
そんな違いはありますが、コスト面との兼ね合いで日本市場でもクリーンディーゼル車は人気が高くなってきているのも事実で、今後ミニバン系車種でも増えていく可能性はあります。
海外ではミニバンはそこまで人気ではない
前述でも少し触れましたが、海外、とくに欧州市場ではミニバン系の車種はそこまで人気が高くなく、そもそもの車種が少ないという面もあります。
欧州で人気のある車種は
- コンパクトカー
- セダン
- ステーションワゴン
- SUV
などの乗用車で、あまり背が高くなく走行性能が高い車種が求められます。
欧州の道路事情は比較的高速の道路が多く、日本ほどストップアンドゴーも多くないので、背の高い車種はロールなどが大きくなるので人気が少ないのです。
フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランやシトロエン GRAND C4 PICCASSOなどの車種に関してもそこまで人気は高くなく、ディーゼルエンジン車の比率が少ないのです。
またもう一つ欧州ではMPVは商用車としてのイメージが強く、乗用車としての人気が少ないという面もあります。
日本ではトラックこそ商用車というイメージが強いですが、欧州では日本でいうところのトールサイズミニバンのような車種が一般的で、やはりここでもトラックよりも高い走行性能が重視されています。
ですがやはり商用車イメージが強く商用車ベースで作られるMPVも多いので、乗り心地が悪いことも多いのです。
これらの理由からクリーンディーゼル車の本場である欧州市場でミニバンが少ないことが、日本市場でのミニバン系クリーンディーゼル車が少ない理由でもあります。
ディーゼルエンジン車は騒音、振動が大きい
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに対してトルクが高く燃費も良いという特徴を持ちますが、一方で騒音や振動が大きいデメリットも持っており、これは乗用車にとってあまりうれしい点ではありません。
ディーゼルエンジンの稼働時には特徴的なカラカラ音がどうしても発生し、またエンジン振動の高さから乗り心地も多少悪くなります。
これらは遮音材の追加やエンジンマウント部品の強化によって対策ができますが、それにはコスト増加というデメリットも付いて回ります。
(クリーン)ディーゼルエンジンの音の特徴!カラカラ音の原因と低減対策まで全て解説!ミニバンやMPVなどの車種は車が大きくなるのに対してコスト関係は厳しく、一般家庭向けの車種としてはそこまで騒音、振動対策にコストをかけられません。
そこにコストをかけるぐらいならガソリンエンジンにしたほうが有利であり、また燃費を考えるならガソリンエンジンベースのハイブリッドカーのほうがより有利となります。
この点はディーゼルエンジンのミニバンには常につきまとう点ですので、今後車種が増加するかに対しては大きなデメリットです。
ディーゼルエンジンのサイズの大きい車種
さて前述でご説明した通りディーゼルエンジンのミニバンは車種が少なく選択肢が狭いのですが、現在はそれに変わるミニバン以外の車種もいくつか登場しています。
そういった車種を国産車から2車種、輸入車から1車種ご紹介しましょう。
マツダ CX-8
CX-8はマツダのクロスオーバーSUVの1車種で、マツダのSUVラインナップでは最大級のクラスとなります。
この車種には3列シート、7人乗りの仕様が追加されており、乗車人数ではミニバンのような使い方が出来ます。
メーカー | 車種 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格帯 |
マツダ | CX-8 | 17.0km/L〜 17.6km/L | 140kW(190PS)/ 4,500rpm | 450N・m(45.9kgf・m)/ 2,000rpm | 3,196,800円〜 4,190,400円 |
マツダは日本メーカーとしてはもっともクリーンディーゼル車の開発に積極的で、ほとんどのラインナップにクリーンディーゼルモデルがあります。
すがマツダはミニバン系の車種を現在廃止してしまっており、その代わりとして登場したのがCX-8なのです。
それまで存在していたマツダ プレマシーの廃止と同時にCX-8の3列シートモデルが追加され、実質的な後継車となっています。
CX-8はマツダのスタイリッシュなデザインをまとった都会派SUVとなっており、デザイン的にミニバンとは大きく違ったカッコいいものとなっています。
エンジンスペックもトルクが非常に高く、街乗りでの使い勝手やSUVとしての悪路走破性の高さも持ち合わせています。
トールミニバンほどの室内空間の広さはありませんが、現在世界的にも人気の高いクロスオーバーSUVでありながら、ミニバン的な使い方もできる多目的車となっているのが人気の元です。
なおCX-8については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
CX-8の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!CX-8の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!三菱 パジェロ
パジェロもSUVの一車種ですがCX-8のようなクロスオーバーSUVではなく、分類としてはクロスカントリーSUV寄りの車種となっています。
そんなパジェロにも3列シート7人乗りの仕様があるので、乗車人数的にミニバン的な使い方ができる車種です。
メーカー | 車種 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格帯 |
三菱 | パジェロ | 10.0km/L〜 10.4km/L | 140kW(190PS)/ 3,500rpm | 441N・m(45.0kgf・m)/ 2,000rpm | 3,751,920円〜 4,930,200円 |
パジェロは三菱が長らくラインナップしている最上級車種であり、CX-8よりも大型の車種です。
クロカンSUVの特徴であるフレーム構造をモノコックと一体化した剛性の高い車体構造が特徴で、クロスオーバーSUVでは難しい悪路でも走破できる性能を持ちます。
ただエンジン的には結構古い仕様のものであり、最大トルクや最高出力は少し控えめです。また燃費はクリーンディーゼル車としては結構悪く、経済性が良いとは言えません。
その分三菱の最上級車種としての乗り心地の良さや内装の豪華さ、静粛性などが高く、価格差の分はCX-8より上級の車種となっています。
なおパジェロについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
パジェロは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!パジェロ(パジェロロング)がキャンプに最適な理由4つプジョー 5008
輸入車でも3列シートを持つ車種はいくつかありますが、その中でおすすめするのはプジョーの最新型クロスオーバーSUVである5008です。
メーカー | 車種 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格帯 |
プジョー | 5008 | 17.3km/L | 133kW(180ps)/ 3,750rpm | 400N・m(40.8kgf・m)/ 2,000rpm | 4,690,000円 |
5008もCX-8と同じくSUVとMPVの融合を目指した車種で、そのデザインは都会派のMPV風のものとなっています。
ですがタイヤは大径のものが採用されてSUVらしくなっていますし、うまく両者の特徴を融合させたものとなっています。
ディーゼルエンジンのスペックは少し控えめで、前述した国産車種には劣りますが、その分燃費は良好です。
また比較的大型の車種にもかかわらず輸入車としては価格が控えめで、購入しやすい車であることも特徴です。
プジョーは日本ではシェアがあまり高くないメーカーですが、ドイツ車やイギリス車にはないフランス車のスタイリッシュなデザインが特徴なので、かっこよいMPVが欲しい人などにもオススメです。
なおプジョーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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