「BMWの車をなんとなく買おうと思ってるけど、国産車となにが違うの?」
「そもそもBMWってどこの国の車?」
海外の高級車として有名な、BMW。 日本の街中でも走っているのをよく見かけますよね。
そんなBMWは、どこの国の車なんでしょうか? また、国産車との違いはどんなところでしょうか?
BMWを生み出したメーカーの成り立ちから、わかりやすく解説します。
BMWの生産国はドイツ
まず成り立ちから解説します。BMWは、ドイツの車です。
1916年、ドイツ人のグスタフ・オットーが「BFW社」という航空機エンジンメーカーを設立しました。
次の年には社名をBMWに変更し、新人エンジニアのマックス・フリッツが考えたロゴマークが商標登録されました。このロゴは現在でも使用されています。(社名の意味の詳細は以下の記事をご参照ください。)
BMWとは何?何の略か正式名称から意味まで解説します!第一次世界大戦にドイツが敗北したため、メインの収入源だった軍用航空機エンジンの製造が禁止されてしまい、BMWはモーターサイクルメーカーに路線変更。
独自開発したオートバイの「BMW R32」は好調な売れ行きで、この成功をきっかけに自動車メーカーを目指したBMWは、イギリスの大衆車のライセンス生産(他社の設計した自動車を許可料をはらって生産すること)から自動車製造業を始めました。
表で見るとわかりやすいので、下の表を見てください。
1916年 | グスタフ・オットーが 「バイエリッシェ・フルークツォイク・ヴェルケ社(BFW社)」 を設立 |
1917年 | 社名をBFWからBMWに変更し ロゴマークを商標登録 |
1919年 | ドイツの敗戦によって 軍用航空機エンジンの製造が禁止される |
1922年 | バイエルン航空機製造会社と合併して モーターサイクルメーカーになる |
1923年 | オートバイ「BMW R32」を生産・販売開始 |
1926年 | グスタフ・オットーが死去 |
1928年 | イギリスの大衆車「オースチン・セブン」の ライセンス生産で自動車製造業スタート 車名は「BMW 3/15 PS」 |
ライセンス生産した車も好評で、いよいよオリジナルモデルの開発に手をつけ、BMW 303を生産・販売しましたが販売台数はあまり伸びず。
その後第二次世界大戦が勃発しドイツが再び敗戦。戦時中に航空機やロケットの製造をしていたBMWは3年間の操業停止を強制されます。
3年の間に自社工場が破壊されてしまったので、操業停止期間が終わってもすぐに元通りの自動車生産ができる状態ではありませんでした。
まずはライセンス生産から始めようとしましたが、取り引き相手がおらず、オリジナルの大型車を開発したものの、これもなかなか売れません。
ついには倒産寸前に追い込まれて、ライバルのダイムラー・ベンツ社の傘下に入ることまで視野に入れました。(ベンツの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ベンツはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!流れは下の表のとおりです。
1933年 | 自動車メーカーになってからのBMW初の オリジナルモデル自動車「BMW 303」を生産 |
1945年 | ドイツの敗戦によって3年間の操業停止を強制される |
1948年 | 操業再開 ライセンス生産から始めようとしたが 取り引き相手がいなく オリジナルモデルの大型車を開発することに |
1959年 | 経営難でダイムラー・ベンツ社の傘下に入りそうになるが クヴァント兄弟が大量投資し踏みとどまる |
1967年 | BMWブランドの車を日本に輸出開始 |
1981年 | ビー・エム・ダブリュー株式会社を日本に設立 |
1994年 | イギリスのローバー・グループを買収 |
2000年 | ローバー・グループを MINI、ライレー、トライアンフだけ残し売却 |
2003年 | ロールス・ロイスの製造販売を開始 |
実業家のクヴァント兄弟が30%以上の株式を取得したことで、BMWはなんとか経営を持ち直し、順調に規模を拡大。
日本にも1967年から輸出が始まり、1981年になるとそれまで日本での輸入販売を行っていたバルコム・トレーディング社を買収し、BMW子会社による輸入販売体制を作り上げました。
その後傘下にあったローバー・グループ内のブランドをMINI・ライレー・トライアンフだけのこし、ランドローバーをアメリカのフォードに、他すべてをイギリスのフェニックス・コンソーシアムに売却。(MINI、ランドローバーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ミニクーパーはどこの国の車?イギリスなのかドイツなのか詳しく解説!レンジローバーはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!さらに2003年には高級車ブランド、ロールス・ロイスの製造販売権を取得して、現在に至ります。
長く乗るには手がかかる!BMWと国産車との3つの違い
それでは、BMWの車と国産車との違いについて解説していきます。
単純にBMWの良さ、魅力を知りたい場合は、下記のページをご覧ください。
BMWの魅力とは?4つの良さをわかりやすく解説!新車購入時のメーカー保証を最大6年8ヶ月まで延長できる
国産車を新車で購入した場合につくメーカー保証は3年(走行距離60,000km)が基本で、追加料金をはらうと5年(走行距離100,000km)まで延長できます。
ですが、BMWの新車につくメーカー保証は3年(走行距離無制限)が基本で、追加料金をはらえば最大6年8ヶ月まで延長できるんです。
6年8ヶ月まで延長するには、まず2年延長プランに申し込んでメーカー保証を新車登録から5年目まで伸ばします。
2年延長プラン申し込みにかかる追加料金の金額は、下の表のとおりです。
項目 | 1年延長 | 2年延長 |
申し込み時期 | 新車登録から3ヶ月以内 | 新車登録から3ヶ月以内 |
追加料金 (1,2,3,4シリーズ、 X1,X3,X4, Z4,M135i, M235i,M240i) | 51,100円 | 119,800円 |
追加料金 (5シリーズ) | 77,000円 | 178,000円 |
追加料金 (6,7シリーズ、 X5,X6,Mモデル) | 118,000円 | 269,000円 |
新車登録から5年経つと2回目の車検があるので、車検満了の3ヶ月前から車検満了までの間に「再延長プラン」に申し込めば、6年8ヶ月までメーカー保証を延長できます。
再延長プランには以下の加入条件・走行距離条件・保証限度額条件があります。
- 加入時に走行距離が80,000km未満であること
- 2回目の車検をBMW正規ディーラーで受けること
- 走行距離100,000kmを超えると保証期間内でも保証終了
- 新車登録から4年目以降にかかった保証修理代が、車両本体価格の80%を超えないこと
5年までは走行距離無制限で保証が受けられますが、再延長プランに申し込む時点で走行距離が80,000kmを超えていると加入できないので、注意してください。
また再延長プランの加入料金は車種と走行距離によって変化します。正確な金額は、加入期間が近づいたときにディーラーで問い合わせましょう。
なお車購入時に正しいやり方で値引き交渉をすれば数十万円は安くなるので、メーカー保証も余裕を持って申し込めますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!中古車に最大4年のディーラー保証がつけられる
BMWの認定中古車(ディーラー保証付きの中古車のこと)にはランク付けがあり、以下の3つに分かれています。
- BMW プレミアムセレクション(経過年数が5年未満で走行距離60,000km未満)
- BMW APPROVED CAR(経過年数が8年未満で走行距離100,000km未満)
- BMW USED CAR(上記以外の認定中古車)
どれを購入してもディーラー保証がついてくるんですが、保証の期間に大きな差があります。
下の表を見てください。
種類 | 保証期間 | 保証の走行距離制限 |
BMWプレミアム セレクション | 2年 (+2年まで延長可能) | なし |
BMW APPROVED CAR | 1年 | なし |
BMW USED CAR | 6ヶ月 | 5,000km以内 |
国産の中古車をトヨタやホンダのディーラーで購入した場合、ディーラー保証は基本的に1年、追加料金をはらって最大3年までです。
ですが、BMWプレミアムセレクションを購入した場合、無料で2年、追加料金をはらうと最大4年までディーラー保証がつけられます。
逆にBMW USED CARは、保証期間が国産車のディーラー保証より短く、走行距離制限があるうえに延長もできません。
BMW APPROVED CARは走行距離制限こそないものの、保証期間は1年固定です。
BMWプレミアムセレクションの保証期間延長にかかる、追加料金の金額は下の表のとおりです。
種類 | 1年延長 | 2年延長 |
追加料金 (1,3,4シリーズ、 X1,X3Z4,M135i) | 経過年数3年以内なら 59,650円 経過年数3年以上なら 74,050円 | 経過年数3年以内なら 142,970円 経過年数3年以上なら 162,510円 |
追加料金 (5シリーズ) | 経過年数3年以内なら 84,340円 経過年数3年以上なら 106,970円 | 経過年数3年以内なら 203,650円 経過年数3年以上なら 234,510円 |
追加料金 (6,7シリーズ、 X5,X6,Mモデル) | 経過年数3年以内なら 134,740円 経過年数3年以上なら 166,620円 | 経過年数3年以内なら 358,970円 経過年数3年以上なら 399,080円 |
※経過年数4年以上だと2年延長はできず、1年延長のみになります。
BMWの延長保証は車種によっての金額の差がかなり大きく、2年延長の場合いちばん安い車種と高い車種で200,000円以上の差がついています。
トヨタディーラーで経過年数3年以内の中古車に3年間の保証をつけると、車種によりますがだいたい10,000円前後でつけられるので、国産車にくらべて金額がかなり高めなのも大きな違いです。(トヨタの特徴については以下の記事で詳しく解説しています。)
トヨタ車の決定的な特徴8つ!魅力から欠点まですべて解説します!部品の寿命が短く、国産車より頻繁に交換しないと故障の原因になる
BMWの部品は国産車にくらべて寿命が短いです。1台の車に長く乗り続けるためには、国産車よりも頻繁に部品交換しなければいけません。
たとえばオイルフィルターの交換時期は国産車では走行距離20,000km程度ですが、BMWは10,000km程度です。
ひとつひとつの部品の値段自体は国産の高級車とそう変わりません。ただ、交換する頻度が多いために、「BMWは維持費が高い」というイメージにつながっています。
また、国産車と同じ感覚で、2年に1度の車検にしか出さないで長期間ほったらかしにしていると、部品の劣化から故障が出ることも多いです。(故障率の詳細は以下の記事をご参照ください。)
BMWは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!このことから「BMWは壊れやすい」というイメージもついていますが、頻繁にメンテナンスして劣化した部品を交換していれば、走行距離300,000kmでも乗り続けられるのがBMWの車です。(メンテナンスの詳細は以下の記事をご参照ください。)
BMWにはどんなメンテナンスが必要?費用はこんなにかかります!ここまで書いてきましたが、保証期間中は消耗部品以外の純正部品は無償修理してくれるので、購入後の維持費を抑えたければ長期保証を利用しましょう。
車検でいっぺんに直そうとして何十万円もかかってしまわないように、この記事で読んだ知識を利用していただければ幸いです。