2007年1月の販売開始から実に10年、幾度かのマイナーチェンジを経ながら進化を続けるデリカD:5。
ちなみに車名の”D:5”は、デリカの通算5代目という意味で名付けられました。
このクルマの最大の特徴は、ミニバン・タイプの車なのに悪路も気にせず走れる、SUVとしての要素も持ち合わせるという事に尽きるでしょう。
国産メーカーでは唯一無比の存在として、アウトドア・フリークから絶大な人気を誇っています。
では、その人気の最大の要因である“走破性”についての特徴を、いくつかご紹介します。
デリカD:5は“AWC”システムで雪道も対応可能
まず「そもそもAWCとは何ぞや?」というところから簡単に説明しましょう。
AWCとは、「オール・ホイール・コントロール(All Wheel Control)」の略で、4輪全ての動力配分をコントロールするシステムです。
アクセルの踏み込み量・タイヤのスリップをコンピューターが検知し、最も適切な動力配分に自動制御する仕組みになっています。
例えば急坂を登る時など、アクセルの踏み込み量が多い時は、全輪の動力配分が100%になります。
逆に未舗装路や濡れた路面・雪道などのタイヤが滑りやすい状況だと、伝達動力を抑えてくれます。
私も昔はスノボをやってまして、冬場はよくスキー場に行ってました。
当時(20年ほど昔)雪の坂道を登る時、4WD車でもホイルスピン(タイヤ空転)して、運転にけっこう神経使ったものです。その当時にデリカD:5があったら運転も楽チンだったのに…と思います。
なおデリカD:5の雪道性能は以下の記事でも解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
デリカD:5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!デリカD:5はASCのおかげで急激な挙動変化にも安心
現代の日本国内では、未舗装路はほとんどありませんが、「トンネル抜けたら雨で路面が濡れていたor凍結していた」なんてことは、ちょいちょいあると思います。特に凍結路は、かなり危険です。
そんな急激な路面変化にも対応できるのがASC(Active Stability Control)です。
いきなりASCと言われても、「何のことやら??」と思いますので、簡単に説明したいと思います。
ASCは主に2つの機能を持っていますので、それぞれ個々に説明しましょう。
スタビリティ・コントロール機能
先程のような急激な路面変化により、車が横滑りしたとします。その時に4輪ブレーキとアクセル操作を自動的に行い、クルマをコントロールしやすい状態にしてくれます。
特にブレーキは4輪それぞれの効き目まで調整し、車輪がロックするのを防いでくれるので、いざという時はとても頼りになるシステムです。
トラクション・コントロール機能
こちらの機能は、主に発進時に役立つものになります。雪道などの悪路での発進時、どうしてもホイルスピンしてなかなか前に進まない事がありますよね。
そんな時にアクセルとトランスミッションを最適な状態に合わせてくれるのが、この機能になります。雪道でスタックした時に、その効果を最大限に体感できるでしょう。
デリカD:5は、パジェロのような悪路での走破性の良さ+ミニバンとして多人数が乗車できる車として、非常に使い勝手の良い、優れたクルマであると言えるでしょう。
ですので、たとえばキャンプなんかにはデリカD:5は最適な車といえます。オフロードでキャンプも簡単にできますよ。(詳細は以下の記事をご参照ください。)
デリカD:5がキャンプに最適な理由8つ私も過去、発進時にホイルスピンで進めなくなったり、カーブ途中で突然凍結路になり、危うく対向車に衝突しそうになった経験があります。
きっとデリカD:5なら、そんなアクシデントも難なく回避できるでしょう。
もしデリカD:5の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!デリカD:5の走行に関するデメリット
7~8人がユッタリと乗車でき、車高が高いので前方の見通しも良いデリカD:5なのですが、そのメリットが逆に“デメリット”にもなっています。
では、その“デメリット”をご紹介します。
車体のデカさが仇に?小回りが効かない!
家族揃ってのお出かけや、大勢の仲間とのお出かけには非常に便利なデリカD:5。しかし、全長4,730mm 全幅1,795mmというビッグサイズなこのクルマ…
「ちょっと子供のお迎えに」「ちょっとコンビニに行ってくる」などの時のような「チョイ乗り」には少し不向きな車です。
車が一家に1台、デリカD:5だけの場合、この“車体の大きさ”が気になります。特に入り組んだ住宅地の狭い道路では、対向車とすれ違うのもヒヤヒヤしますよね。
近所に限らず、遠出をした旅先で道を間違えた時など、Uターンするのも大変です。まあ、そのデカさがメリットでもありますので、この辺は割り切るしかないでしょうね。
クリーンディーゼル・エンジンでも13km/L。燃費はイマイチ?
デリカD:5は、クリーンディーゼルとガソリン2種類(2L・2.4L)の、計3種類のエンジンがあります。
2Lは2WD専用、4WDのみディーゼルとガソリン(2.4L)を選べます。それぞれのカタログ燃費(JC08モード)は、以下の通りです。
- 2Lガソリン…13km/L
- 2.4Lガソリン…10km/L
- ディーゼル…13km/L
※ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いの詳細は、以下の記事をご参照ください。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!ハイブリッド車はもとより、他社のクリーンディーゼル車と比べて、かなり燃費が悪いです。これは車両重量の重さが約1.9tという、ヘビー級の重さが要因でしょう。
クリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!ただし、クリーンディーゼル車は、エコカー減税は最高クラスになりますので、税金面ではかなり優遇されます。
私の個人的な感想ですが、小回りが効かないデメリットよりも、燃費が悪い方が痛いですね。
休日専用ならば大した影響は無いでしょうが、通勤車には向かないクルマですね。
その反面、休日にレジャー、特にアウトドアを楽しむには最高のクルマだと思います。
なおデリカD:5の燃費については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
デリカD:5の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!デリカD:5の走破性をライバル車と比較
冒頭にも書いてますが、デリカD:5は「ミニバンSUV」という特殊な存在のクルマなので、“国産車では唯一無二”の存在である事は間違いありません。
ですので、デリカD:5に魅力を感じているという事は、その独自の存在そのものが好きなのではないでしょうか?
全く同ジャンルのライバル車は存在しませんが、「ミニバン」「SUV」とジャンルを分けて考えれば、それぞれライバルは存在します。
以下、デリカD:5のライバルとして比較検討されそうな車を挙げてみましょう。
トヨタ エスティマ
価格的には同等なのですが、やはり一般舗装道路走行のみを前提に造られたクルマですので、悪路の走破性は皆無に等しいですね。
同じく日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンなんかも同様です。(セレナ、ステップワゴンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
セレナ(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ステップワゴンの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ミニバンとしての使い勝手は、これらのクルマの方がデリカD:5に比べて快適装備が充実しています。
一般道走行の快適性のみを重視するのであれば、わざわざデリカD:5は選ばないでしょう。
トヨタ ランドクルーザー
価格的には高価になりますが、7人乗りのSUVといえば、やはりこのクルマを連想しますよね。悪路…というより、道なき道を走るクルマであるといえるでしょう。
近年のモデルはラグジュアリー色が強くなり、オフロード車としてのイメージは希薄になりましたが、悪路の走破性はデリカD:5と比較しても、かなり優れています。
しかし、価格が200~300万円程デリカD:5より高価になるので、クロカン競技でもやらない限りは、そこまでの走破性は必要ないでしょう。
ランドクルーザーの走破性の詳細は以下の記事で解説しています。こちらもあわせてご参照ください。
ランクルの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!デリカD:5の走破性に関するオーナーの本音・生の声
カタログやメーカーHP、自動車評論家の評価などは、やはり良い点ばかりをクローズアップしがちです。
近頃はSNSを利用する方が増え、愛車の写真や、実際のオーナーだからこそ分かる実用性や、長所・短所を大勢の方が投稿しています。
45度の傾斜を登る体験走行
この方は、プロ・ドライバーの運転による体験走行の感想になります。
三菱の45°体験会行ってきました。デリカD5の底力と楽しさを実感できました。ドライバーはあの増岡浩さん。雲上人の助手席に乗れて感動しました。私のような一般人にとても詳しくデリカの操作法を教えてくださったり。なんていい人だと思い、つい握手をお願いしました。
#デリカD5 pic.twitter.com/K5XLKNk2Ko— なを (@nawo596) 2017年11月4日
その傾斜を登る動画です
先程とは違う方ですが、実際の映像がご覧になれます。
あの〜先生、小指が…#先生 #オネエ疑惑#三菱 #デリカD5 pic.twitter.com/ybuGXoro6d
— かわもと かずあき (@mottyan0215) 2017年10月2日
どこでも走れる
雪中キャンプに行かれるようです。このクルマなら雪道も怖くないですね!
デリカD5での初キャンプをば♪
どこでも走れるタフなやつ!(((*≧艸≦)
野営ってきまーす( ̄^ ̄)ゞ#デリカD5#雪中キャンプ#冬キャンプ#デリカでキャンプ楽しみッス pic.twitter.com/nYUKFiASk3— やーちゅーぶ (@yahtube114) 2017年2月11日
なおデリカの雪道走行の性能については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
デリカD:5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!雪が降るのが楽しみ
よほど雪道の走りが良いのか、雪を待ちわびているようです(笑)。
気が付けばこんな季節…
タイヤ交換でもするかぁ~(^3^)/
雪降るの楽しみだぁ~✨#タイヤ交換 #デリカd5 #スタッドレス pic.twitter.com/vtGQ1FHWsc— ブッシュマン (@p_n_bushman) 2017年11月5日
走破性、特に悪路に関しては、文句なしに素晴らしいクルマである事がお分かり頂けたでしょう。
デリカD:5は、アウトドア派でクルマ好きな方のハートをガッシリ鷲掴みしているクルマと言えるでしょう。
なおデリカD:5の口コミ・評判は以下の記事でもまとめています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デリカD:5の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デリカD:5はアウトドア好きなら迷わず“買い”なクルマ
冬になれば、仲間や家族と雪山へ!夏になれば山へキャンプに!とにかくアウトドア・ライフを満喫したいのであれば、絶対に買うべきクルマでしょう。
雪道も4WD+ASCで安心してドライブでき、急坂を登るのも得意。万が一、田舎道で道に迷い、未舗装路や急坂に遭遇しても全く心配いりません。
大げさかもしれませんが、私は、「デリカD:5に走れない道は日本には存在しない!」と思っています。ぜひデリカD:5を駆って(買って)、アウトドア&カーライフを楽しんで下さい。
これからデリカD:5を買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
デリカD:5は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!デリカD:5がトランポにも使える理由2つ!使い心地まで解説!