ホンダ オデッセイはホンダ最上級のミニバンで、スポーティなデザインと内装の豪華さが売りのミニバンです。
室内は広く8人乗りも可能なオデッセイですが、ミニバンの本領発揮のできるキャンプでは使い勝手はどうなのでしょうか。
今回はオデッセイがキャンプに向いているかどうかについてご説明します。
オデッセイはキャンプに向いているのか
オデッセイは長らくホンダのラインナップでは中型ミニバンの位置付けで、背の低いステーションワゴン風の車でした。
しかし現行型になる際にそれまでホンダ最高級ミニバンだったエリシオンと車種が統合され、車のサイズが大きくなりよりトールサイズミニバンに近い車となりました。
現行オデッセイはそれまでより車が大きくなったので荷室も広がっており、荷物の多いキャンプでもより便利に使えるようになっています。
とはいえ次の表の通りトールサイズミニバンに対して荷室は幾分狭く、オデッセイも必要なキャンプ用品をしっかり載せられるとはいえ余裕は少ないです。
サイズ項目 | オデッセイ | ノア/ヴォクシー/ エスクァイア | アルファード/ ヴェルファイア | |
荷室幅 | 1,000mm | 985mm | 920mm | |
荷室高さ | 1,020mm | 1,240mm | 1,150mm | |
荷室長さ | 3列目シートあり | 380mm | 420mm | 240mm |
2列目シート最後端 | 800mm | 900mm | 1,250mm | |
2列目シート最前端 | 1,560mm | 1,710mm | 1,780mm |
※ちなみにアルファードもノア/ヴォクシーもキャンプに最適な車です。
アルファード(ヴェルファイア)がキャンプに最適な理由7つトヨタ ヴォクシー/ノアがキャンプに最適な理由4つ荷室寸法はトールサイズミニバンには及びませんが、基本的に2列目まで使用してあとは荷室にするのでそこまで大きな奥行きの差はないでしょう。
また荷室高さは少ないものの荷室幅で多少勝っているので、キャンプ用品のサイズと積み方を工夫すれば大丈夫でしょう。
ではまずはオデッセイがキャンプに向いている点をご説明しましょう。
長距離でも頼もしい低燃費
オデッセイにはミニバンにも普及の進むハイブリッドの設定がありますが、オデッセイのハイブリッドはなんと現行のミニバン系のなかではトップの燃費を誇っています。
キャンプでは遠出することも多いので、燃費のよさは経済性に直結します。オデッセイハイブリッドの燃費がよいのには理由があり、ホンダ最新のハイブリッドシステムである「i-MMD」のお陰です。
i-MMDはこれまで主流だったエンジンをアシストするタイプのハイブリッドと違い、モーター走行を積極的にとりいれたEV(電気自動車)に近いものとなっています。
走行モードのほとんどはモーターのみのEV走行で、エンジンはバッテリーの発電を主としており、非常に高効率で燃費がよいのです。
ミニバン系でハイブリッドのある車種を比較してみてもオデッセイは頭ひとつ抜けており、その燃費のよさは本物です。
項目名 | オデッセイ ハイブリッド | トヨタ アルファード ハイブリッド | トヨタ ヴォクシー ハイブリッド | 日産 セレナ ハイブリッド |
カタログ 燃費 | 24.4km/L~ 26.0km/L | 18.4km/L~ 19.4km/L | 23.8km/L | 16.6km/L~ 17.2km/L |
実燃費 | 15.39km/L | 11.45km/L | 15.17km/L | 11.20km/L |
トールサイズミニバンでハイブリッドがある車種は表の通りですが、この中でもオデッセイハイブリッドのカタログ燃費はトップであり、実燃費でも同じくトップです。
このカタログ燃費の値はひとつ下のグレードであるコンパクトミニバンやステーションワゴン系のハイブリッドカーにも迫っており、大型ミニバンとしては素晴らしい燃費といえるでしょう。
とくに競合車である大型ミニバンのアルファードハイブリッドとの差は大きく、実燃費で5km/Lも違うと100km走行すると数百円も差が出ますので、積もり積もればかなりの燃料代の差があります。(アルファードの燃費の詳細は以下の記事をご参照ください。)
アルファードの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!キャンプで頻繁に遠出する人には、オデッセイハイブリッドは強い味方となってくれるでしょう。
荷物を載せやすい低床ミニバン
オデッセイの特徴のひとつにホンダ得意の低床・低重心設計があり、荷室の床面が低いので荷物の載せ下ろしが楽です。
キャンプ用品は大きいものや重たいものがけっこうあり、積み込む際にはなかなか重労働となります。
またキャンプ用品だけでなく地味に重たいものが食料品や飲料類で、とくに飲み水を積み込むのが大変です。
オデッセイの荷室の床面は地上から525mmの位置にありますが、他社のトールサイズミニバンの場合は600mmを越えていることがほとんどで、100mmもの開きがあります。
重たいものを持ち上げる時や積み降ろしの時に100mmも違うとかなりの負担軽減になるので、独自の設計をしているホンダならではのメリットといえるでしょう。(ホンダの特徴の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ホンダ車の決定的な特徴8つ!魅力から欠点まですべて解説します!男性にとってもこれは楽ですが、とくに女性にはかなりありがたい特徴で、女性だけでキャンプに行く場合に威力を発揮してくれます。
またキャンプに直接関係はありませんが、座席の床面も低いので乗り降りがしやすいのもよいポイントですね。
低重心で山道も安定
前述した低床・低重心の設計はなにも荷物の積み降ろしが楽になるだけではなく、山道での走行安定性が上がるメリットももっています。
ミニバンでキャンプにいくときに山道を走ると、その背の高さから来る重心の高さで車が左右に振られることがほとんどです。
重心が高ければ車は大きくロールするので、山道のワインディングロードではミニバンの乗り心地は悪くなります。
しかしオデッセイでは設計段階でしっかりと重心を低くできており、山道でのロールは少なく抑えられています。
大きなミニバンにもかかわらず運転してみるとその恩恵を実感でき、快適なドライブが楽しめるでしょう。
ハイブリッドなら100V電源も使える
前述したハイブリッドにはもうひとつキャンプで便利な装備があり、なんと大容量の100Vコンセントを使用できるのです。
最近はミニバンを中心に100Vコンセントが装着できる車種が増えてきましたが、そもそも車のバッテリーは12Vと電圧の低い物なので100Vに変換して使っています。
しかしバッテリー自体の容量は少なく、さらに変圧もしているので使用できる容量は少なく、せいぜい携帯の充電ぐらいが限界です。
しかしハイブリッド車は駆動用の大型バッテリーがあるので、それを活用して100V 1500Wもの大容量コンセントが活用できます。
これにより大抵の家電製品は使えるようになり、ホットプレートや湯沸し器、またはレクリエーションに使えるさまざまな電気製品を活用できるのです。
キャンプで電気製品を使うことに抵抗のある人もいるでしょうが、普通のキャンプとはまたひと味違った面白さがあります。
ドライヤーも使えるので女性にはとてもありがたい装備ですね。
もしオデッセイの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方も合わせて覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!キャンプに向いていない点
オデッセイは概ねキャンプに使いやすい装備の揃っているミニバンですが、デメリットを挙げるとすれば車中泊がうまくできない点です。
オデッセイにはいろいろなシートアレンジがありますが、どれを使っても車中泊ができるフルフラットな空間を作ることができないので、車中泊が難しくなっています。
2列目3列目を折り畳んだ状態ではフラットな空間は1.5mほどしか確保できず寝るには短いですし、それより増やそうとすると折り畳んだ2列目シートによりかなり斜めになってしまいます。
また2列目、3列目を後ろに倒した場合でもフラットにもならないので、座席を使って寝る場所を作ることもできません。
もしオデッセイで車中泊をするならば、専用の車中泊用のボードなどを装着してなんとかフルフラットな空間を作らなければならないので、事前の準備がけっこう大がかりです。
しかしそこまでしても車室の天井高さはあまり高くないので、寝台にはあまりゆとりがとれず快適性は下がってしまいます。
最近キャンプの一形態として人気が出てきた車中泊ですが、オデッセイではやめておいたほうがよいでしょう。
フルフラットにできる車は例えばフリードなどです。フリードはコンパクトミニバンではありますが、フルフラットにして快適な車中泊ができます。詳細は以下の記事をご参照ください。
ホンダ フリードがキャンプに最適な理由3つ!収納力が最強!オデッセイの評判
オデッセイをキャンプで活用した人がTwitterにその評判を投稿しておられます。
今回はその中から3件ご紹介しましょう。
オデッセイ1台で自転車も積める
うちは4人家族でキャンプ行って自転車積めるくらいの積載でオデッセイです笑笑 pic.twitter.com/DY7qh5rgR7
— 長島淳二【material】ケアルマーニ (@material4405593) 2017年8月17日
この方は4人家族でオデッセイ1台でキャンプに行かれていますが、キャンプ用品をしっかり積み込めるだけでなく自転車まで積めるとは驚きです。
写真を見るとキャンプ用品は必要最低限度の物のようですが、それにしても自転車まで持っていけるとは想像以上に荷室が大きいことの証明です。
自転車の分を荷物に変えればかなり大きな物も持っていけそうですね。
低床ミニバンでもキャンプ場は安心
良く整備されたキャンプ場だと、区画の駐車スペースまで、舗装してあるし、オデッセイでも、安心ですよ~
— とよしん (@toyoshin3488) 2017年10月14日
低床ミニバンの泣き所のひとつは車高の低さによるオフロード性の低さです。
ミニバンなのでオフロードに対応できないのはしかたないのですが、その中でも低床設計だと障害物を乗り越えるときなどに不利になります。
しかしミニバンで行けるような普通のキャンプ場なら舗装されていて安心ですし、草原ぐらいのフィールドなら低床でも問題なく走れます。
ちなみにオフロードも対応できてキャンプにも最適な車は、例えばデリカD:5です。デリカD:5はミニバンでありながら走破性は最強で、荷物もたくさん積めます。詳細は以下の記事をご参照ください。
デリカD:5がキャンプに最適な理由8つもっと積みたいならルーフレール
オデッセイrb3にキャリアとワイドロングラックをつけました
積載性アップしたのでキャンプが快適になります pic.twitter.com/3haPB9zfVv— DAIKI (@imgentlemaan) 2017年8月6日
オデッセイはそのままでもけっこうな積載量がありますが、それ以上の積載量がほしいならルーフレールの設置を考えてみましょう。
この方は社外のルーフレールとルーフキャリアを設置されていますが、これがあればテントなどの長い荷物は屋根の上に載せて、車内はより快適に使えます。
またオデッセイは背の高さが比較的低いスポーティなデザインなので、デザイン的にもルーフレールは馴染みやすいのがよいですね。
これからオデッセイを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
オデッセイのガソリンの種類はハイオク?レギュラー仕様?どっちなのか解説!【画像】オデッセイはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!