ホンダ アコードツアラーはホンダのステーションワゴンで、大型のボディに使い勝手の良い大きなラゲッジルームのある車です。
今回はそんなアコードツアラーのデザインについて見ていきましょう。
アコードツアラーのデザイン
ホンダ アコードツアラーはホンダの高級セダンであるアコードをベースとしたステーションワゴンモデルで、2008年〜2013年まで販売された車です。
アコードはホンダが昔からラインナップしているセダン系の車種で、国内及び海外ではホンダ車では上級のラインナップとなる車種です。
近年はアコードの大型化が進んで北米市場向けの車になっているのですが、国内市場でも根強い人気がありラインナップはされています。
アコードツアラーはこのセダンタイプであるアコードの8代目をベースとしてステーションワゴン化した車種となっており、海外市場がメインではありますが国内でも販売されました。
アコードツアラーはアコードのデザインコンセプトやエンジンなどのコンポーネントの多くを流用する形で開発されていますが、ボディがトランクのあるセダンではなくハッチバックタイプのステーションワゴンになっています。
ステーションワゴン化することでセダンでは積み込めなかった大きな荷物も載せられるようになり、使い勝手が向上しています。
アコードツアラーは8代目アコードのモデル期間と同じ期間販売された派生車種であり、9代目アコードが登場した2013年には廃止されています。
ではそんなアコードツアラーのデザインを見ていきましょう。
アコードツアラーのエクステリア
最初にアコードツアラーのエクステリアデザインを見ていきますが、特に特徴的なのはフロントマスクです。
アコードツアラーのフロントマスクは全体的に見て柔らかさを感じるものとなっているのですが、このフロントマスクはベースとなったアコードと同種のものです。
ヘッドライト自体はシャープなデザインではあるのですが、フロントバンパーやグリル、ボンネットなどが丸みを帯びた形状になっていますので、全体的に見ると多少丸い印象を受けます。
またグリル部分にはメッキパーツが装着されており高級感を演出しており、アコードの持つ高級感も受け継いでいることがわかります。
フロントマスクのデザインがほぼ同一なためフロントから見るとセダンかアコードツアラーかは一見するとわからないほどであり、ボディ形状が判断基準になります。
アコードツアラーのリアはハッチバック化で大きくデザインがアコードから変わっており、横長の大きなリアコンビランプが目立つものとなっています。
テールゲートなどのデザインは比較的シンプルではありますが、リアタイヤ付近からわずかに丸みを帯びたパネルデザインになっていることでフロントデザインとの共通性があります。
またリアバンパーの下部にはバンパーガードのようなデザインも加えられており、アウトドアなどにも使われるステーションワゴンらしいアクセントになっています。
またアコードセダンとの違いとしてはルーフの上に装備されたルーフレールがあり、このレールにはオプション装備などでキャリアを取り付けることでルーフ上にボードなどの大きな荷物を載せることができます。
このルーフレールはSUVなどにもよく装着される装備なのですが、アコードツアラーにも装着することでデザイン的にアウトドア的なイメージがついています。
アコードツアラーインテリアデザイン
アコードツアラーのインテリアデザインは高級感を感じる質感の高いものとなっています。
まずアコードツアラーのインパネ部分ですが、インテリアデザインは2008年当時のデザインコンセプトであるため、現在の最新の車から比べると大人しいイメージがあります。
カーナビの画面は小さめなことと合わせてその下にあるエアコン、オーディオなどのコントロールボタンなどが大きな位置を占めており、メカニカルな印象を与えています。
パネル構成などは比較的シンプルですが、各所に大きめのメッキパーツを配することで質感の高さが演出されています。
またアコードツアラーは前輪駆動の車種ですが運転席と助手席の間は完全に区切られたようなシフトレバー配置をしており、後輪駆動式の大型セダンのような印象です。
シート類などのインテリアのデザインはアコードのセダンに合わせたものとなっており、全体的に引き締まったデザインとなっています。
インテリアカラーとしてはブラック基調のものが基本となりますが、スポーツ性を高めた「TYPE-S」では赤色のパターンやステッチが入ったスポーティなデザインのインテリアも選択できます。
アコードツアラーの車内は後席のスペースが見た目的に前席と結構近いのですが、これもセダンであるアコードをベースとしたためで近年の車と比べると居住性は少し狭めです。
しかしその分後席の後ろにあるラゲッジスペースの前後サイズは広く確保されており、大きなボディを活かした積載性は十分です。
アコードツアラーのボディカラー
アコードツアラーのボディカラーには次のようなものが設定されており、派生車種ということでベースであるアコードよりも少ない設定になっています。
アコードツアラー | ホワイトオーキッドパール |
アラバスターシルバー | |
グラファイトラスターメタリック | |
クリスタルパールブラック | |
コバルトブルーパール |
アコードツアラーのボディカラーは上記の5つが設定されており、一般的な車種が8〜10種類ぐらいボディカラーが設定されていることを考えると少なめです。
ボディカラーはホワイト、ブラック、シルバー系のカラーが定番カラーとよく呼ばれていますが、アコードツアラーのボディカラーもこれは揃っています。
ホワイトオーキッドパールやアラバスターシルバー、グラファイトラスターメタリックなどはいわゆるメタリックカラーで、光り輝く光沢が特徴です。またクリスタルパールブラックもメタリックカラーの一つであり、質感は高いものです。
唯一アコードツアラーのボディカラーの中で特徴があるのはコバルトブルーパールというブルー系のカラーで、明るめの原色系はこの1色だけです。
ベースであるアコードにはワインレッド系のボディカラーもあるのですが、アコードツアラーはスポーティなイメージもあるのでブルー系はよく似合います。
アコードツアラーは人気か?
アコードツアラーという車は大型のステーションワゴンとしていかにも使い勝手の良さそうな車になっているのですが、その人気については高くありません。
アコードツアラーが発売された2008年ごろにはこの車を除いてもステーションワゴンは何車種か各社から販売されていたのですが、国内の需要としてステーションワゴンはかなり下火になっていました。
2000年以前はステーションワゴンはファミリーカーとして人気の高い車種でしたが、近年は大型、中型のミニバンやSUVなどの人気に押されており、積載性や乗車定員の数でステーションワゴンが中途半端な存在となっています。
ステーションワゴンのメリットとはセダン系の車のスタイルにワゴンの大きなラゲッジスペースが同時に活用できるという点でしたが、セダン系の車種もミニバンなどに押されていたことでステーションワゴンも一緒にメリットがあまり感じられない車種となったのです。
その結果アコードツアラーのベースとなったアコードにしても国内での販売台数はモデル期間の5年で15,000台程度に留まっており、アコードツアラーはこれ以下の販売台数となりました。
販売台数の結果だけ見ると人気車種とは言えず、国内では不人気車種と言っても良い結果です。もともとアコードやアコードツアラーの主な市場は海外であり、国内では車のサイズが大きいこともあって限定的な販売にとどまりました。
そういった結果もあり、その後アコードは9代目、10代目とモデルをフルモデルチェンジしてきていますが、アコードツアラーのようなステーションワゴンモデルはアコードツアラーで国内販売は終了となっています。
アコードツアラーの評判
アコードツアラーのデザインについてはTwitterにもいろいろな評判が投稿されており、その中からいくつかご紹介しましょう。
アコードツアラーのデザインすごく好きなんだよね
一時期これに乗って旅に出たいと思ってた— ゆきやの (@working458) June 24, 2021
こちらの方はアコードツアラーが販売終了して何年も経過しているのに、そのデザインについては高い評価をされています。
アコードツアラーはそのスタイルからロングドライブにピッタリの車で、海外などでもそういったニーズには評価の高い車となっています。
EU向けの質感高い国産のEセグメントワゴンとして数多くの評論家達が評価した
アコードツアラー。
昔は不人気だったが、今となれば時代の先駆けしたデザインであり
そういう車になったと言えるかもしれません。 pic.twitter.com/GPwuMyoCpF— TOMOKUN (@hondanotomokun) June 11, 2021
こちらの方もアコードツアラーのデザインについてはかなりの評価をされており、ヨーロッパ譲りの質感の高いデザインは間違いなくアコードツアラーの魅力です。
しかし販売台数的に見れば不人気と言わざるを得ず、デザインの良さだけでは人気車種とはならないのです。
ホンダ ステップワゴン(RK5
デザインはアコードツアラーの次くらいに好き。小回りめっちゃ利くから運転しやすい+7速パドルシフトで軽く遊ぶくらいなら結構面白い( ՞ةڼ◔)R20Aがゴミ過ぎるのが残念だけど、ゴミ性能と引き換えに頭が結構軽めでミニバンってこと忘れさせてくれるくらいコーナーは楽しい pic.twitter.com/We1lXgLTCZ
— Red ⊿ (@STEPIRE_53) May 20, 2021
こちらの方は同じホンダのミニバンであるステップワゴンのデザインも良いと言われていますが、それよりもアコードツアラーの方のデザインが好きだそうです。
ボディが大型でどうしてもスクエアデザインになるミニバンはデザイン面ではアコードツアラーのようなステーションワゴンより微妙と感じる方は多いのですが、一方で積載性や居住性などの実用面で大きな差があるので現在人気なのはミニバン系の車種となっています。
アコードツアラーの欠点
アコードツアラーは前述のようにそのスタイリッシュなデザインについては高い評価が得られているのですが、一方でそのスタイルこそが国内市場で人気が低くなっている欠点でもあります。
ステーションワゴンは特に欧州では現在でも高い人気を誇る車種で、その人気の元はある程度の積載性がありながら高速走行も有利なことです。
ミニバンなどの車高の高い車は積載性は高いものの走行時の空気抵抗が大きかったりロール性能が悪かったりして、走行性能としてはステーションワゴンには遠く及びません。
欧州ではアウトバーンなどの日本より速度の大きな高速道路が主流で、更に日常的に高速道路が利用されるシーンが多いので、ミニバンよりもステーションワゴンには大きなアドバンテージがあるのです。
しかし日本の道路事情ではそこまで頻繁な高速走行というのは多くなく、むしろ一般道路で速度の遅いシーンでの走行がメインとなっています。
そのためステーションワゴンはミニバンと比較すると車内は狭めでなおかつ積載性も微妙という立場となってしまっており、アコードツアラーの販売台数が国内で振るわなかった大きな理由がここにあります。
これはアコードツアラーだけでなくステーションワゴンというスタイルの車種全般にいえることで、実際ミニバンと比べるとアコードツアラーは乗車定員が少なく天井も低いことから快適性も下がってしまいます。
それでもアコードツアラーのスタイルとしての魅力は十分にあり、ミニバンほどの大きさは必要ない方には現在でも良い車でしょう。
アコードツアラーの値段
アコードツアラーは現在新車としては発売されていないのですが中古車としては購入することが出来るので、最後にその価格を見ていきましょう。
なお中古車価格は大手の中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netで調べました。
アコードツアラー | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
アコードツアラー(初代) | 2,748,000円〜4,122,500円 | カーセンサー | 300,000円〜1,690,000円 |
goo-net | 300,000円〜1,698,000円 |
アコードツアラーの新車販売時の価格は2,700,000円〜4,100,000円程度の価格帯の車種となっており、ベースのアコードが中級〜高級車の価格帯にあるのでアコードツアラーもこのぐらいの価格帯にあります。
この価格帯ではステーションワゴンのほかにSUVやミニバンなども数多くひしめき合っており、積載性や実用性の面でアコードツアラーはコストパフォーマンスでそれらの車種より低めとなっています。
しかしアコードツアラーは販売終了から8年程度が経過したことで中古車価格としてはかなり下がってきており、最も高い中古車でも新車価格の3割程度の値段で手に入れられるお買い得な車となっています。
最も安い中古車などは300,000円とかなり安価なのですが、ここまで価格が下がっている中古車は走行距離が多かったりなにか問題がある場合もあるので注意は必要です。
ですがアコードツアラーのようなスタイリッシュな車をコンパクトカーぐらいの値段で手に入れられるのであれば実用面も含めてコストパフォーマンスは十分であり、故障などの問題をしっかりメンテナンスしていけばまだまだ乗れる車です。