大容量バッテリーを搭載し、急速充電にも対応したプリウスPHV。
キーンルックを使用した先進感を感じさせるエクステリアと異常なまでの燃費の良さは、もはや日本を代表する車と言っても過言ではないでしょう。
そんなプリウスPHVですがカタログ燃費と実燃費の差が大きかったり燃費が伸び悩む人もいます。
では実際燃費性能はどうなのか解説していきます。
プリウスPHVの燃費・実燃費
まずはプリウスPHVのカタログ燃費と実燃費の違いを解説していきます。
ハイブリッドカーは一般的にカタログ燃費と実燃費の乖離が大きく、燃費達成率は6割程度と言われています。さて実燃費はどうでしょうか。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 37.2km/L |
街乗り燃費 | 24~28km/L |
高速燃費 | 25~30km/L |
プリウスPHVの燃費達成率は街乗りでも高速でもカタログ値の7割以上を記録しています。
一般的にカタログ値の6割程だと言われているなか、プリウスPHVはそれを大きく超えていますので優秀な燃費達成率と言えるでしょう。
電力消費率
プリウスPHVは充電して電力のみで走ることも可能です。そちらの消費電力はメーカー公表値では10.54km/kWhとなっています。ユーザーの実電費は8~10km/kWhあたりを推移しています。
電費は燃費以上に気温や走行環境によって大きく左右されます。しかしカタログ値に限りなく近い数値が出ていることは非常に優秀です。
プリウスPHVの燃費の口コミ
プリウスPHVの燃費性能についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッターからプリウスPHVユーザーの実際の声を紹介していきます。
現在、燃費リッターあたり24.0キロ\^0^/#プリウスPHV #GR #GRスポーツ pic.twitter.com/KtqP2lC3Dz
— (カン・ω・ゾー) (@kanzokanzo) 2018年11月11日
プリウスPHVの燃費が24km/Lとのことです。平均的な数値ですがどれだけ乱暴な運転をしても20km/Lを切らないと言われているので、これぐらいの数値は常に期待しても良いでしょう。
プリウスPHV納車してからの給油回数が50回になった。約一年半かかった。今のところ平均燃費は43.05km/l月平均3000km走ってるけど給油回数がたったの2回。過走行だからこの回数だけど本当街乗りオンリーの人だと年数回しか入れなくてガソリン腐らせるってのは本当なんだろうと思う。電気走行率は現在72%
— 鹿児島の”masa” (@masa_0sumi) 2018年9月6日
なんと平均燃費が43km/Lで、50回給油するのに1年半もかかるくらい燃費が良いようです。この方の言う通りここまで燃料の消費がないと本格的に燃料の劣化が心配になりますね。
『博多往復500kmぐらいのドライブが1回でもあると燃費は確実に悪くなる』トヨタ=プリウスPHV52型。納車から7回目の給油。TRIP2115.6km=AVG70.0km/L。ODO12828km=AVG70.0km/L。外気温33度AC使用。給油=31.8L。満タン法による実燃費=66.5km/L。ドライバーの知力を試してくる乗り物それがプリウス。 pic.twitter.com/KrJNObmRv0
— タケルナ (@takeluna_jp) 2018年10月1日
満タン法で計算すると66.5km/Lという驚異的な数値を出しています。長距離走行をするとEV走行の時間が減るので燃費に不利になるとのことですが、十分すぎる燃費です。
なおプリウスPHVの口コミ・評判については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
プリウスPHVの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!プリウスPHVの歴代の燃費・実燃費
燃料の劣化が心配になるほど燃費の良いプリウスPHVですが、歴代のプリウスPHVはどうだったのでしょうか。ここでは歴代の燃費をご紹介します。
初代プリウスPHVの燃費・実燃費
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今から約6年前に鳴り物入りで登場した初代プリウスPHV。カタログ燃費はJC08モード燃費で31.6km/Lでした。
ただユーザー燃費はその人の使い方や走行距離によって大きく変わってしまいます。ですのであまり参考にならないかもしれません。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 31.6km/L |
街乗り燃費 | 24~27km/L |
高速燃費 | 20~26km/L |
プリウスPHVは先代はHV版プリウスにコンセントが付いただけという程度の印象でした。
そのため燃費も大きく伸びませんでしたが、今回のモデルチェンジによって専用のモーターやバッテリー容量の増強などEVらしさが強くなり確実に進化してきています。
プリウスPHVの燃費の理由
プリウスPHVは非常に優れた燃費性能をしています。これらはどういった技術から達成されているのでしょうか。解説していきます
空気抵抗の少ないボディ形状
プリウスPHVは天井が低く、圧迫感のあるほどの車内空間です。それほどまでに走行中の空気抵抗を極限まで減らすためにボディは考えられています。
スポーツカー並みに低い全高や風の巻き上げを防ぐボディパネルやアンダーカバー、そしてアルミホイールにも空気を受け流せるようにあえてカバーを付けている徹底ぶりです。
これにより空気抵抗の強さを表すCd値が0.25という驚異的な数値になっています。有名な日産GT-RのCd値が0.27なので、プリウスPHVがいかに低いかがわかると思います。
高効率化されたパワートレイン
プリウスPHVのパワートレインはHV版プリウスと同じハイブリッド構造をしており、それだけでも燃費は良いですがさらにバッテリー容量を増やしEVモードで走行できる距離を大幅に増やしました。
プリウスのEVモードとは?使い方から速度まで徹底解剖します!パワートレインは効率的な燃焼を実現するミラーサイクルエンジンやクールドEGR構造で効率の良い燃焼を。
そしてモーターやトランスアクセルの改良により小型軽量化し、効率をあげたパワートレインは最大熱効率40%を実現しています。普通のガソリンエンジンが30%程度しか活用できていないことを考えると非常に効率的ですね。
家庭で充電できる大容量バッテリー
プリウスPHVには一度の充電で60kmも走行が可能なバッテリーが搭載されています。これは一般的な車通勤であればほとんど燃料が必要ないくらいの走行距離です。
ハイブリッドシステムで効率の良い走りをする以前に、全く燃料を使わずに走ろうとするプリウスPHV。いかに燃費性能に貪欲に挑み続けているかがわかります。
なおPHVの燃費については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
PHEV/PHVの燃費/実燃費は悪い?電気代も含めて計算して比較!暖機に優れたグリルシャッター
エンジンは冷えた状態では燃焼効率も低く、本来の性能を発揮できません。でも走行すればグリルからは風が入ってくるのでエンジンの暖機の妨げになってしまいます。
そこで走行状況に合わせてグリルにシャッターをすることで風が遮断され、エンジンが温まりやすくなります。
これによりオーバークールな状態をすばやく回避できるので燃焼効率も良くなります。
プリウスPHVの燃費改善・向上方法
もともと燃費の良いプリウスPHVですが、もっと燃費を良くする方法はないでしょうか。ここではプリウスPHVの燃費を向上する方法をご紹介します。
毎日充電する
プリウスPHVの燃費を向上させる一番簡単な方法は、めんどくさがらず毎日充電することです。そうすれば一度の充電で60kmほど走れるので、車で通勤している人でもほとんどガソリンの消耗はないでしょう。
たまに遠出をするかエンジン走行をさせて、ガソリンを入れ替えて劣化を防ぐことも大事です。
なおPHVの充電については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
PHEV/PHVの充電方法!料金は無料?充電時間や場所/スポットの詳細も解説!ペダル操作をマスターする
プリウスPHVのメーターには回生ブレーキとモーター出力具合がわかるハイブリッドインジケーターがあります。まずはこれを見ながら無駄のないブレーキやアクセルの踏み具合を学習しましょう。
回生ブレーキの量を測るチャージエリアやモーター走行範囲のエコエリアなど、体感でどれくらいの範囲であれば踏み込んでもはみ出ないのか覚えれば、自然な低燃費走行は目の前です。
出だしはモーターで走らせる
プリウスPHVに限らず車は走り出しが一番エネルギーを使います。ハイブリッドシステムはその一番燃焼効率の悪い部分をモーターで走らせることができるのが特徴です。
できるだけハイブリッドエコエリア内でアクセル操作をして走り出し、そこからはしっかりアクセルを踏んで加速させます。これを意識するだけで燃料消費の無駄を抑えることができます。
回生ブレーキをつかう
プリウスPHVのブレーキには速度を電気に変える回生ブレーキとブレーキパッドで減速する通常のブレーキの2つがあります。
ハイブリッドシステムは減速時のエネルギーを電気に変え、再び走行に使うことで効率的に走ることのできるシステムです。
強めのブレーキをするとブレーキパッドでの減速になってしまいますので、チャージエリア内でのブレーキ操作を心がけできるだけ回収しましょう。
これらの操作によって今まで燃費が伸びなかった人もかなり燃費が伸びます。
もしプリウスPHVを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!プリウスPHVの燃費を他の車と比較
プリウスPHVは燃費に特化した車でなかなかライバルと言える車はいません。
ここではトヨタのHV版プリウス、三菱のアウトランダーPHV、ホンダのクラリティPHVと比較していきます。
トヨタ プリウス
プリウスはプリウスPHVのベースとなった車で、超高効率なパワートレインを搭載したハイブリッドカーです。実はこの二台が一番比較されています。
カタログ数値は37.2km/Lとハイブリッドらしい非常に高い数値です。実燃費も街乗りでは24~28km/L、高速燃費でも25~30km/Lと驚異的な燃費性能です。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 37.2km/L |
街乗り燃費 | 24~28km/L |
高速燃費 | 25~30km/L |
燃費性能はほぼ互角でした。しかしPHVのほうはEV走行できる距離が圧倒的に長く、燃料の消費は圧倒的に少なくなります。しかしその分価格は高くなっていますし充電という手間もかかります。
極限の燃費性能を求めるならばプリウスPHVがおすすめですし、使い勝手や価格を考えるとHV版プリウスのほうがおすすめです。
なおプリウスについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
プリウスの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!プリウスの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!三菱 アウトランダーPHV
アウトランダーPHVは唯一のSUVのPHVです。前後に走行用のモーターを備えており、細かい制御を行うので悪路走破性も抜群のアウトドアはPHVです。
カタログ値は18.6km/Lとちょっと低めな数値です。実燃費はその重量もあり、街乗りでは12~15km/L、高速では15~17km/Lとなっています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 18.6km/L |
街乗り燃費 | 12~15km/L |
高速燃費 | 15~17km/L |
燃費性能は圧倒的にプリウスPHVの勝利です。ただ燃費以外でアウトランダーPHVは4WDモデルで走破性も高くラゲッジスペースなど使い勝手などを考えると便利です。
とはいえ燃費性能が違いすぎるのでここはプリウスPHVの圧勝です。
なおアウトランダーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
三菱アウトランダーがキャンプに最適な理由4つアウトランダーは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!ホンダ クラリティ
クラリティはホンダが販売するセダンタイプのハイブリッドカーです。プリウスPHVより価格は高いですがハイブリッドとしての性能は良いと、評価は高いです。
カタログ燃費はWLTCモード燃費で24.2km/LとプリウスPHVにくらべて低めの数値です。実燃費は街乗りで22~24km/L、高速燃費で25~27km/LとプリウスPHVから1割ほど低い数値です。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 24.2km/L |
街乗り燃費 | 22~24km/L |
高速燃費 | 25~27km/L |
突如登場したクラリティPHVですが、プリウスPHVの燃費性能には一歩及ばない性能でした。
しかし走行性能はとてもよいので、走りで選ぶならクラリティ、燃費で選ぶならプリウスPHVといった選択になるでしょう。
プリウスPHVは燃料の劣化が不安
プリウスPHVは充電して走ることのできるハイブリッドカーで、走り方によってはHV版プリウスの燃費を凌駕する燃費性能をしています。
それはまさにガソリンの劣化が気になるレベルで燃料を使いません。12ヶ月に最低20Lのガソリンの補給をトヨタが注意書きを入れるほどなので、燃料の消費を極限まで抑えたい人には、プリウスPHVはおすすめです。
なおプリウスPHVについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
トヨタプリウスPHVの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!プリウスPHVの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!