PHEVでお馴染みの三菱「アウトランダー」は、ハイブリッドを意識したSUVということで、三菱のなかでも人気なモデルですよね。
充電もできるハイブリッドカーとして、今後ますます注目されることでしょう。
いっぽうで、「ハイブリッドのSUVって、実際ちゃんと走れるの?」というような疑問を抱く人も多い様子。
というわけで今回は、アウトランダーの雪道走行について、公式諸元などを参考にしながら解説していきたいと思います。
ライバル車やTwitterの口コミも参考にしてみたので、ぜひご覧ください。
アウトランダーの雪道走行性能は高い
結論としては「ハードな雪道でも安心して走れるSUV」といえますね。信頼に裏打ちされた4WD性能によって、ほとんどの路面に対応できる秀逸なモデルなのです。
具体的な解説については後に回すとして、まずは世間の評価を見ていきましょう。アウトランダーに対する感想をTwitterからいくつかピックアップしてみました。
アウトランダーなら雪道でも問題ないし…
四駆の三菱だしね…— 仏の永(なが)さん CBR125R 役職:月面探査隊 (@hotoke_nagasan) 2018年5月24日
Twitterで検索してみると、アウトランダーの投稿が多く見受けられます。この投稿数の多さから、信頼度がうかがえますよね。
こちらの投稿はたった一言つぶやいているだけですが、この文面からオーナーさんの安心感が伝わってきます。
さっきコーナーで刺さってる車居たけどノーマルで走るからそうなるんだよ笑
アウトランダーにスタッドレス履かせたら最強なんだけどアホ楽しい🤣
みんなSUV乗れ!
雪で滑ってるエクストレイルも居たけど!笑全然関係ないけどこのエンジェル可愛くね?🤣💕
雪道なら三菱!!!😊 pic.twitter.com/Dec5rPt8RD
— 柴田 響平 (@KyoumikuCB) 2018年1月23日
アウトランダーに国産スタッドレスを履かせたら、ほとんどの雪に対応することができます。それこそ真冬の雪山でもあっさり走れてしまうのです。
こちらの投稿者さんが「最強」と称するのもうなずける性能ですよ。
向こうでの運転中、デリカが一番多かったですが、他にもアウトランダー、パジェロなど何台もの三菱車とすれ違いました。どの車もタフさが滲み出てて、雪道を走っている姿が最高に似合ってました!三菱ユーザーの贔屓目はあるでしょうけど、やっぱりいいなあ…って(笑)😁
— キャンプがしたいGasランダー (@OUT3115) 2018年1月8日
その土地その土地で、普及率の高いメーカーというのがあります。例えば、愛知はトヨタ車の割合が多いといった感じですね。
雪国ではどうかというと、スバルや三菱の割合が高いんですよ。私自身も、北海道に住んでいたころ本州よりも多く見かけた印象があります。
これが意味するのは「スバルや三菱が雪に強い」ということに他なりません。なかでも、とくによく走っているのがアウトランダーやデリカなんですよね。
なおデリカについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デリカD:5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!アウトランダーの雪道走行性能の理由
雪道での走行性能を評価するには、いくつかのパートについて考えるとわかりやすいです。そこで今回は、公称性能を参考にして「走行性能」「コーナリング性能」「ブレーキ性能」の3項目について解説したいと思います。
まずは、アウトランダーの諸元をご覧ください。
項目 | 2.0L ガソリン | 2.4L ガソリン | PHEV |
種類 | 4気筒SOHC16バルブ | 4気筒SOHC16バルブ | 4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,998cc | 2,395cc | 2,359cc |
最高出力 | 150PS/6,000rpm | 169PS/6,000rpm | エンジン:128PS/4,500rpm Fモーター:82PS Rモーター:95PS |
最大トルク | 19.4kgf・m/4,200rpm | 22.4kgf・m/4,200rpm | エンジン:20.3kgf・m/4,500rpm Fモーター:14.0kgf・m Rモーター:19.9kgf・m |
車重 | 1,500kg | 1,570kg | 1,890kg |
全長×全幅×全高 | 4,695×1,810×1,710mm | 4,695×1,810×1,710mm | 4,695×1,810×1,710mm |
最低地上高 | 190mm | 190mm | 190mm |
駆動方式 | FF | 4WD | 4WD |
※直列4気筒、DOHC、SOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!SOHCエンジンとは?仕組み/構造は?メリット3つデメリット3つ!雪道における走行性能
まず第一に、「雪の上を進むことができるのか?」について評価してみましょう。
雪上・氷上でのスリップや、氷塊や轍(わだち)といった障害物など、雪道は通常の路面よりも走りにくい環境になっています。ただ「走る」といっても、これらに対応するには、ある程度の能力が求められるのです。
この3項目について、諸元表から読み取ってみましょう。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効です。アウトランダーは2.0LモデルにはFFが設定されていませんが、2.4Lモデルにはしっかり4WDが備わっているので、雪道対策もバッチリです。
次に見るのは「最低地上高」ですね。一般的には150mm以上が、雪道でも楽に走れる目安だといわれていますが、アウトランダーは悠々と超える190mmという地上高です。これなら轍も氷塊も問題ありません。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。モデルPHEVは、前後に搭載されたモーターが強力なトルクを発揮するので、スムーズに発進することが可能です。
ということで、アウトランダーは雪道でも安心して走れるモデルといえるでしょう。
発進も登坂も、雪を意に介さず進むことが可能です。念のため、「牽引ロープ」「スコップ」などを準備しておくと、対策バッチリですね。
雪道におけるコーナリング性能
次に重要なのは、「安定しながら旋回できるか?」という点です。本来なら、大雪の日はコーナーの多い道を避けるのがベストです。しかし、現実にはそうも言ってられませんよね?
むしろウィンタースポーツや旅行といった目的で、冬だからこそ峠道を走ることも多いでしょう。雪道で使うからこそ、コーナーでしっかり踏ん張れる車を選びたいところ。
この2項目について、諸元表から読み取ってみましょう。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、車体がコーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。コンパクトカーと大型SUVとでは、重量がぜんぜん違いますよね?
しかし、雪道のコーナーでは単純に「重ければ有利」とはいえません。摩擦が極端に少ないため、コーナリングフォースがグリップを超えやすいんです。簡単にいえば、重いほどスリップしやすいということ。
「重心の高さ」もポイントで、コーナーにおいては低いほど有利です。重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが効かず、横転しやすくなりますからね。背が高くて足が弱いスペース系の軽自動車は、峠のコーナーは要注意ですよ。
ほとんどのSUVにいえることですが、乗用車に比べると背が高くボディも重いので、コーナーではちょっと気を付けたほうがいいでしょう。
ボディ剛性が高く、足も強いので、スピードさえ出さなければ問題はありませんが、過信しないようにしてください。
雪道におけるブレーキ性能
最後にチェックすべきなのは、ブレーキ性能です。これは雪道において、いうまでもなく最重要ポイントといえるでしょう。
雪が降り始めると必然的に事故が増えますが、その要因のほとんどが「ブレーキ時のスリップ」です。とくに交差点などの停車ポイントは、圧雪になっていることが多く、衝突事故が起きやすい環境になっています。
車両に搭載されるブレーキシステムや、タイヤの性能も重要ではありますが、ブレーキ性能は諸元からもある程度読み取ることができます。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
イメージとしては重い車のほうが止まりにくい気がしますよね?たしかに重い物を静止させるには、大きなエネルギーを必要とします。
しかし、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるんです。重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力だったりしますしね。つまり、車重はブレーキの制動距離に対して、大きく影響していないということ。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。コーナリングの話と同じ理屈で、雪の上では推進力がグリップを超えやすいんです。
少し長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。車格が異なるケースでは一概にいえませんが、少なくとも、似たようなモデルなら「軽量性=ブレーキ性能」と考えて間違いないでしょう。
四輪駆動というものブレーキ性能には影響しています。4WDのほうが、アクセルオフやエンジンブレーキの減速力がFFよりも強く、そして安定して働くのです。フットブレーキと違って、二輪駆動なら前後のどちらかしか働きませんからね。
アウトランダーはボディが重いので、ブレーキ時も注意したほうがいいでしょう。前もってエンジンブレーキを効かせて、丁寧に減速することを心がける必要があります。
もしアウトランダーを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!アウトランダーの雪道走行性能を他の車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較するとどうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのはトヨタ「ハリアー」、マツダ「CX-5」、日産「エクストレイル」の3台です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみに、アウトランダーに設定されています。
トヨタ ハリアー
トヨタ「ハリアー」は高級SUVの代表的モデルでお馴染みですね。
アクティブというよりも、ゴージャスなイメージのあるモデルですが、SUVの選択肢として悩む方もいると思います。価格帯も339~460万円と近いですしね。
雪道性能はどちらが優れているのでしょうか? さっそく諸元を参考に比べてみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 2,493cc |
最高出力 | エンジン:152PS/5,700rpm Fモーター:143PS Rモーター:58PS |
最大トルク | エンジン:21.0kgf・m/4,400-4,800rpm Fモーター:27.5kgf・m Rモーター:14.2kgf・m |
車重 | 1,770-1,810kg |
全長×全幅×全高 | 4,725×1,835×1,690mm |
最低地上高 | 175mm |
駆動方式 | 4WD |
アウトランダーは2.4Lモデルが人気なので、ハリアーも2.5Lハイブリッドを比較対象としましょう。排気量が大きい分、出力はハリアーのほうが高いですが、トルク性能はアウトランダーのほうが冬向きですね。
車重は両車同じくらいですが、最低地上高はアウトランダーの方が2cm高いですね。これらを考慮すると、アウトランダーのほうが雪道に強いといえるでしょう。
なおハリアーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハリアーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!ハリアーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!マツダ CX-5
「CX-5」といえば、マツダのフラッグシップSUVですよね。アクティブなイメージのアウトランダーとは反対に、スタイリッシュさがウリの一台。
ラインナップは2.0Lガソリン、2.0Lディーゼル、2.5Lガソリンの3種類、それぞれFFと4WDが用意されています。ちなみに価格は257~387万円ということで、アウトランダーと同じラインに設定されています。
雪道性能についてはどちらが上でしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ |
排気量 | 2,188cc |
最高出力 | 190PS/4,500rpm |
最大トルク | 45.9kgf・m/2,000rpm |
車重 | 1,520-1,670kg |
全長×全幅×全高 | 4,545×1,840×1,690mm |
最低地上高 | 210mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※水冷、ディーゼルターボの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介ディーゼルモデルらしく、トルク特性が最大の魅力であるCX-5。さすがのアウトランダーも、CX-5のトルクには一歩及びませんね。それも、低回転からグッと効いてくるので、かなり雪向きな性質です。
他の部分を見てみましょう。CX-5は最低地上高が2cm高く、さらにボディが200kgほど軽いですね。これらを考慮すると、CX-5のほうが雪に強いといます。
なおCX-5については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マツダCX-5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!CX-5の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産 エクストレイル
最後に比較するのは、キャラクターイメージが似ている日産「エクストレイル」です。SUVのなかでは名の知れたモデルゆえ信頼度はかなり高く、走行性能を比較するならいい目安になるでしょう。
価格は197~293万円に設定されているので、ライバル車ではありますが、アウトランダーよりも廉価なモデルとなっています。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:132PS/6,600rpm モーター:41PS |
最大トルク | エンジン:15.9kgf・m/4,600rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,180-1,270kg |
全長×全幅×全高 | 4,330×1,770×1,605mm |
最低地上高 | 200mm |
駆動方式 | FF/4WD |
排気量が小さいですが、エンジン性能そのものはさほど変わりませんね。しかし、アウトランダーは前後に強力なモーターを備えるので、ここのアドバンテージは大きいです。
ただし、クロスオーバーSUVでも軽量級のエクストレイルは、500~700kgも軽いですよ。軽量性ではすべては測れませんが、摩擦の少ない雪上において、この差はかなり大きいです。加えて、最低地上高も少し高いんですよね。
ここまで極端に性能が違うと優劣つけ難いですが、ハードな路面ではアウトランダー、街中ではエクストレイルが適していると考えて遜色ないでしょう。
なおエクストレイルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
エクストレイルは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!エクストレイルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!アウトランダーは雪道走行する車としては買い
というわけで、アウトランダーの雪道走行についての解説は以上になります。
SUVだけあり、基本スペックは非常に高いですね。これなら雪道でも問題なく走行できるでしょう。したがって、冬に乗る車として、アウトランダーはおすすめできる一台といえますね。
なおアウトランダーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
三菱アウトランダーがキャンプに最適な理由4つ