「ヴォクシーを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「ヴォクシーの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
トヨタ・ヴォクシーにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、ヴォクシーの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
なお試乗は「メガウェブ」というトヨタの大型ショールームにて行いました。詳細は以下の記事で解説しているので、トヨタ車を試乗したい方や展示を見たい方はこちらも参考にしてみてください。
メガウェブライドワンの試乗レポート!駐車場や料金を調査してきました!ヴォクシーの魅力・長所
それでは魅力・長所から解説していきます。
男の子がいたら喜びそうな外装デザイン
ヴォクシーの外装は、大きいだけに少し威圧感がありますね。かっこいい系かかわいい系かでいうと、完全にかっこいい系です。
「俺。父。俺。」というキャッチコピーでCMを放送していたこともありますが、ファミリーカーのイメージ通り、男の子がいる家庭でこの車に乗っていたら子どもが喜びそう。
写真のボディーカラーはイナズマスパーキングブラックガラスフレーク。これも男性向けというか男の子好みのカラーですね。このデザインによく似合っていると思います。
ファミリー向けでありながら大人1人で乗っていても充分かっこいい外装デザインは、ヴォクシーの魅力・長所のひとつです。
大きな見た目に反して運転しやすい
ヴォクシーの大きな魅力・長所のひとつは、運転のしやすさ。ここからは私が試乗して感じたことを解説します。
車体は大きいけど運転するとウソのように小さく感じる
ヴォクシーはスペックを見る限り、車体が大きめです。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,695mm(グレードによっては4,710mm)
- 全幅1,695mm(グレードによっては1,735mm)
- 全高1,825mm
実際に運転してみると、体感としては大きい車を運転している感じはまったくせず、コンパクトカーであるパッソと同等かそれ以上に小さい車を運転している感覚でした。
運転席の位置が高いため、高い視点から道路を見下ろす形になり、見渡せる範囲が広いからだと思います。
3列シートなので全長が長めですが、運転する上ではウソのように短く感じますよ。
加速がすごく良く、飛ばしている感覚がないのにスピードが出ている
(※この写真は、私が試乗しているときに同乗者が後部座席から撮影したものです)。
ヴォクシーは運転席からの視点が高いからか、あまりスピードが出ていないような感覚になり、ふとメーターを見るとかなりのスピードが出ていました(といっても40km/h程度)。
軽くアクセルを踏んでいるつもりでも、ぐんぐん加速していきます。大きな車体ですが、重さは少しも感じず、見た目の大きさと運転している感覚とのギャップがすごいです。
ステアリングがものすごく軽い
ステアリングはものすごく軽い。運転していると、クランクも急カーブもスイスイ進んでいけるので、大きな車であることを忘れます。
加速の良さと合わせて、ステアリングがヴォクシーの「運転しやすい印象」をさらに高めていますね。運転しやすいから気持ちよくなって、気づいたらスピードが出ている、といった感覚です。
静粛性は悪路に気づかないほど良い
ヴォクシーは静粛性も優秀。でこぼこ道を走行しても、その道がでこぼこ道であることに気づかないまま試乗を終えたほど、振動も音も静かでした。
これもまたヴォクシーの運転しやすさを助長しているポイントですね。悪路でも不快感がないから、スピードが出たままグーッと通り過ぎてしまうんです。
なおヴォクシーの実際に試乗した感想は以下の記事でさらに詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ヴォクシーの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!ファミリーにピッタリの利便性
ヴォクシーはイメージ通り、ファミリーで乗るのに適しています。ここからは利便性の高さについて解説していきましょう。
スライドドアで乗り降りしやすい
ヴォクシーの後部座席はスライドドアを開けて乗り込みますが、天井が高く、足元が広いため、非常に乗り降りしやすいです。
地面から乗車口までの高さがあまりない(360mm)ので、子供でも楽に乗り降りできます。
セカンドシートへの乗り降りしやすさは、この写真を見れば一目瞭然ですね。ここからサードシートに乗るのもかんたん。
セカンドシートの背もたれを倒してスライドさせたら、歩いて乗り込みます。
天井に頭がつきそうに見えますが、足元が広いので、見た目よりも乗り込むのは楽。
身長177cmの私でも、頭を少しかがめるだけで歩いて乗り込めました。このような乗り降りのしやすさがヴォクシーの魅力・長所のひとつです。
セカンドシートが広くていろいろな目的ごとに使い分けられる
ヴォクシーはセカンドシートがとにかく広い。車内の高さが1,400mmもあるので、頭から天井までのスペースに大きな余裕があり、上下からの圧迫感を感じません。
影になっていて少し見えづらいですが、ヒザが前のシートにぶつかっていないですね。前後からの圧迫感もなく、これなら長距離移動でもあまり疲れずに乗っていられそう。
セカンドシートは前後に800mmまでスライドさせることができ、たとえばサードシートを折りたたんでサードシートがあった位置までセカンドシートを動かし、前部座席と大きく離れた位置で脚を伸ばしてすわることができます。
背もたれを倒し、前部座席やサードシートの座面とつなげてフラットモードにすれば、大人2人が横になって寝ることが可能。
チャイルドシートが必要な小さな子どもがいる場合は、逆にセカンドシートをうんと前まで動かして、前部座席から手を伸ばして世話をすることもできます。
また、セカンドシートの間には、折りたたみ式のサイドテーブルを装備。ドリンクホルダーつきなので、ドライブスルーで購入した食料なんかをここに置いて食事できますね。
シートアレンジで荷室が広く使える
ヴォクシーは乗車する人数によって、荷室が広く使えます。写真は通常状態ですが、サードシートを折りたためば、サードシートのある位置も荷室として使用可能。
この写真はサードシートを折りたたんだ状態です。折りたたむのに力はそれほどいらず、女性でもかんたん。
セカンドシートもいちばん前までスライドさせれば、自転車を2台積めるだけのスペースがこの荷室にはあります。(積載性の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ノア/ヴォクシーがトランポにも使える理由3つ!使い心地まで解説!車内を効率よく利用できる、賢い機能ですね。
メーターがアナログ
ヴォクシーのメーターは、アナログメーター。
個人的にデジタルメーターはあまりかっこいいと思えないので、アナログ式になっていることは大きな魅力・長所のひとつです。黒地に青が入ったカラーもおしゃれで良いですね。
なおヴォクシーの内装については以下の記事でさらに詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【画像/写真】ヴォクシーの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!安全機能としてToyota Safety Senseがついている
ヴォクシーには安全機能として、Toyota Safety Senseがついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート
- オートマチックハイビーム
- 先行車発進告知機能
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。ブレーキを自分で踏んだ場合は強力なブレーキアシストが作動します。
レーンディパーチャーアラートとは、車線をはみ出してしまいそうなときに警告を鳴らしてくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能です。ハイビームの切り忘れが防げます。
先行車発進告知機能とは、信号待ちなどで前の車両が発進したことに気づかないとき、ブザー音とディスプレイ表示で知らせてくれる機能です。
とくにプリクラッシュセーフティはあまり世話になりたくない機能ですが、ついていることで安心して運転できますね。
価格が車の質に見合っている
ヴォクシーの価格は、車自体の質を考えればそれほど高くありません。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
グレード | 価格 |
HYBRID ZS 煌<きらめき> | 3,363,120円 |
HYBRID ZS | 3,269,160円 |
HYBRID V | 3,142,800円 |
HYBRID X | 3,014,280円 |
ZS 煌<きらめき> | 2,839,320円 |
ZS | 2,745,360円 |
V | 2,756,160円 |
X | 2,466,720円 |
ZS”GR SPORT” | 3,257,280円 |
ハイブリッドモデルが4グレード、ガソリンエンジンモデルが5グレード用意されています。
ハイブリッドモデルはすべて7人乗り、ガソリンエンジンモデルはZS”GR SPORT”が7人乗りで、それ以外は8人乗りと7人乗りが選択可能。
私が試乗したのはガソリンエンジンモデルのVですが、乗ってみた感想としてはすごく運転しやすく、車内空間も広くて快適なので、この価格は妥当だと思いますね。
中古車市場では2,100,000円~2,600,000円程度が価格相場になっていて、人気車なので数もたくさん出回っています。新車価格よりだいぶ安いのでねらい目ですね。妥当な価格設定がヴォクシーの魅力・長所のひとつです。
もしヴォクシーを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ヴォクシーの欠点・短所
つづいて、ヴォクシーの欠点・短所について解説していきます。
燃費が悪い
ヴォクシーは、燃費がかなり悪いです。私が試乗したガソリンエンジンモデルの燃費は、メーカー発表で16.0km/lで、15分程度の試乗をしたときの実燃費は3.4km/lでした。
これはお世辞にも低燃費とはいえない数値です。メーカー発表ではそこまで悪くない数値ですが、実燃費になるとガクッと下がってますね。
ハイブリッドモデルの場合はメーカー発表で23.8km/lと、だいぶ良くなります。
しかし、それでもすごい低燃費とはいいがたいので、燃費重視で購入する車ではないですね。
なおヴォクシーの燃費については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ヴォクシーの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!サードシートがせまい
ヴォクシーのサードシートはとてもせまく、大人がすわった場合、写真のようにセカンドシートをうんと前に動かした状態じゃないと、ヒザが前の背もたれにぶつかります。
実際に乗ってみると、「セカンドシートに成人男性がすわった状態でサードシートにも成人男性がすわる」のは、かなり厳しいことがわかりました。
乗車定員である7人で乗る場合はサードシートに3人すわる計算になりますが、大人3人では無理があるせまさです。
席の幅的には大人2人が限界で、私の身長だと1人でもあまりすわりたくないというのが感想ですね。
ただ、先ほど解説したようにシートアレンジのパターンが豊富なので、身長の高いひとと低いひとを前後にするように、席の配置を工夫すれば乗れないことはありません。
ヘッドレストが背中に当たってクッションのような役割をしていて、きゅうくつさを多少軽減してくれています。
背もたれはリクライニング機能つきなので、背中への圧迫感は軽減が可能です。
後部座席に標準装備されているのがエアコンではなくリヤクーラー(冷風しか出ない)
ヴォクシーの天井には、標準装備で2列目・3列目ともにリヤクーラーの吹き出し口がついています。
リヤクーラーはその名の通り冷房機能しかついておらず、冬のドライブでも温風が出てくることはありません。前部座席のエアコンだけで広い車内を暖め切るのは、困難でしょう。
HYBRID V以外のグレードなら、メーカーオプションでリヤオートエアコンに変更することが可能です。
が、メーカーオプションは新車注文時にしかつけられないので、中古車を購入する場合は最初からついているものをえらびましょう。
なおヴォクシーの内装については以下の記事でさらに詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【画像/写真】ヴォクシーの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!シフトレバーが操作しにくい(ハイブリッドモデルのみ)
ヴォクシーのハイブリッドモデルのシフトレバーは、にぎり込んでガコガコと動かすタイプではなく、指先で持ってちょこちょこっと動かすタイプ。
プリウスPHVやミライに採用されている、エレクトロシフトマチックというやつです。
【画像/写真】プリウスPHVの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!【画像/写真】MIRAI(ミライ)の内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!操作感は正直イマイチで、PからDに切り替えてもあまり手ごたえがなく、本当に切り替わったのかどうか不安になります。
ふつうの車はレバーを動かしてDに入れたらそのまま動きませんが、ヴォクシーのハイブリッドモデルのシフトレバーは手を離すともとの位置に戻ってしまうので、違和感大。
アイドリングストップ機能を避けてハイブリッドモデルをえらぶと、もれなくこのシフトレバーがついてくるので注意しましょう。
なおヴォクシーの実際に試乗した感想は以下の記事でさらに詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ヴォクシーの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!アイドリングストップ機能がついている(ガソリンエンジンモデルのみ)
ヴォクシーには、アイドリングストップ機能がついています。アイドリングストップ機能とは、ブレーキを踏んで停車した際にエンジンが自動的に停止し、ブレーキを離すと再始動する機能です。
運転していて違和感が強く、この機能がついていることは大きなマイナスポイント。ただ、ヴォクシーの場合はブレーキを軽く踏んでいればこの機能が作動しません。
軽く踏んで停車していると、カーナビの画面に「ブレーキをもっと踏み込んでください」という内容のメッセージが表示され、そのとおりに深く踏み込むと作動しました。
この指示を無視して自分で作動しないように調整することもできますが、キャンセルスイッチを押せばオフにすることもできます。
A OFFと書いてあるのがキャンセルスイッチ(写真はシエンタのものですが、おなじマークです)。
キャンセルスイッチを押すとアイドリングストップ機能は作動しなくなりますが、エンジンスイッチを一旦切るとまた自動的にオンになってしまうので、毎回押さなければいけません。
この機能がいらなければ、最初からついていないハイブリッドモデルをえらびましょう。
総評:ファミリー向けとしては非常にコストパフォーマンスの高い車
ヴォクシーの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「ファミリー向けとしては非常にコストパフォーマンスの高い車」。
実際に乗ってみるとわかりますが、車体の大きさを感じさせないぐらい運転もしやすくて、女性でもかんたんに乗り回せる車です。
もともと車内空間が広い上にシートアレンジのパターンが豊富で、大人数で乗る場合でも少人数で乗る場合でも使い勝手が良さそう。
サードシートのせまさは前後にすわるひとの身長を見て席順を工夫し、その上でシートアレンジを駆使すればカバーできるでしょう。
後部座席のリヤオートエアコンも新車ならメーカーオプションでつけられますし、アイドリングストップ機能はハイブリッドモデルをえらぶことで無くせます。
ただ、ハイブリッドモデルをえらぶと操作しにくいシフトレバーがついてくるので、どちらを避けるか好みが分かれるところですね。
結論として、ヴォクシーをおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- 子どもが1人以上いる
- 大人2人できちんと横になって車中泊したい
- 大きい車が欲しいけど運転にそこまで自信がない
- 3,000,000円前後の予算でミニバンが欲しい
- 燃費の良さを重視する
- アイドリングストップ機能が嫌いだけどエレクトロシフトマチックも嫌い
- 大人5人以上で乗るつもり
- リヤオートエアコンのついていない中古車を購入予定
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件に1つも当てはまっていないこと」です。1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、運転のしやすさについては解説だけ読んでも伝わりきらない部分もあ
るので、購入検討しているならぜひ実際に試乗してみてくださいね。
この記事を読んだことで、ヴォクシーを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
なおヴォクシーについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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