「ISを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「ISの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
レクサス・ISにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、ISの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
なお試乗はレクサスミーツで無料で行いました。レクサスミーツについては以下の記事で紹介しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
レクサス体験型施設/レクサスミーツのレポート!試乗可能車種や予約方法、かかる時間まで解説!レクサスISの魅力・長所
まずは魅力・長所についての解説です。
丸みを帯びていてやわらかみを感じる外装デザイン
ISの外装は、GSやLSにくらべて全体的に丸みを帯びていて、やわらかみを感じます。ボディサイズもそれほど大きくなく、どこか可愛らしいですね。(GSやLSの詳細は以下の記事をご参照ください。)
レクサスGSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!レクサスLSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!網状になったフロントグリルや、するどいヘッドライトは男性向けの印象ですが、レクサス車のなかでは刺々しさが薄く、やや女性寄りのデザインじゃないでしょうか。
ボディーカラーは11色から選択可能で、この写真に写っているのはソニックチタニウム。この色も高級感があってかっこいいですし、個人的には赤系の色も似合うんじゃないかと思いますね。
車内は静かで運転しやすい
ここからはISの運転しやすさ・静粛性についての解説です。
車体がそれほど大きくなく運転しやすい
ISは車体がそれほど大きくありません。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,680mm
- 全幅1,810mm
- 全高1,430mm
数値で見ると全長が長いですが、実際に運転してみるとそこまで長くは感じませんでした。街中で走るのに「大きすぎて運転できない」ということはまずないと思います。
全幅は大きくもなく小さくもなくといった感じで、これも街中で乗るぶんには問題ないサイズです。
全高は1,430mmとかなり低く、上下からの圧迫感があります。天井が低いので乗り降りはややしにくいですね。
エンジン音や振動はまったく気にならない
静粛性は優秀です。ハイブリッドカーでもうるさい車はうるさいですが、ISのハイブリッドモデルはエンジン音や振動がまったく気になりません。
このあたりはさすが高級車ですね。
なお実際に試乗もしており感想は以下の記事でまとめているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
レクサスISの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!シートクーラーがついている
ISにはシートの背もたれと座面から冷風が出てくる、シートヒーターの冷房版のような機能がついています。
「運転席だけ」もしくは「助手席だけ」という使いかたもでき、寒がりの女性を乗せる際にも調節しやすくなっています。
シートヒーターはトヨタ車にも搭載している車種が多いですが、シートクーラーはめずらしいですね。夏の試乗でしたが、涼しくて非常に快適でした。
スポーティだけど乗っていて疲れない内装デザイン
ISの内装は、高級感を損なわない、スポーティなデザインです。実際はそうでもないんですが、見た目からは加速の速い車をイメージさせます。
カーナビの下についているアナログ時計は、大人っぽさを感じさせるおしゃれポイント。
ドアトリムの赤いレザーはスポーティさを感じる部分ですが、さわってみるとやわらかく、ゴツゴツした感じがしません。
乗っていて疲れない内装デザインは、ISの魅力・長所のひとつです。
なお内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像/写真】レクサスISの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!G-Linkの7つのサービスが利用できる
ISを新車もしくは認定中古車で購入した場合は、G-Linkというサービスが利用できます。具体的には以下のサービスです。
- エージェント(音声対話サービス)
- G-Security
- レクサス緊急サポート24
- ヘルプネット
- リモートメンテナンスサービス
- マップオンデマンド
- Gルート探索
それぞれの内容について解説していきます。
エージェント(音声対話サービス)
エージェント(音声対話サービス)とは、音声認識スイッチを押してカーナビに向かって話すことで、希望に合った目的地候補を挙げてくれるシステムです。
たとえば「お腹がすいた」といえば、近場の飲食店を複数、目的地候補として挙げてくれます。
「駐車場がある」や「いま営業時間中」といった細かい条件にも対応でき、挙げられた候補のなかからえらんでカーナビに話すと、自動で目的地設定されます。
このようなキーワード検索以外にも、施設名検索や電話番号検索も可能です。
G-Security
G-Securityとは、ドアロックやハザードランプの消し忘れをメールで通知してくれたり、車上荒らしに遭った場合にメールや電話で知らせてくれる機能です(※事前にメールアドレス登録が必要)。
盗難に遭った車の位置追跡をして、エンジン停止を確認し次第、警備員を現場に派遣することもできます。
レクサス緊急サポート24
レクサス緊急サポート24とは、路上で車が動かなくなってしまった場合に、音声通話で本来の目的地への交通手段を提案したり、近隣ホテルの手配をしてくれるサービスです。
目的地への交通費や近隣ホテルへの宿泊費用は、一定の条件でレクサスが負担してくれます。
条件の内容についてはレクサス緊急サポート24利用規約に書いてありますが、交通費は50,000円まで、宿泊費は30,000円までが上限です。
参考 レクサス緊急サポート24利用規約レクサスオーナーズサイトロードサービスもついており、自走不能になった車両は最寄りのレクサス販売店までレッカー移動されます。
ヘルプネット
ヘルプネットとは、事故や急病といった緊急時に車内のスイッチを押すことで、ヘルプネットセンターに電話がつながり、警察や消防に通報してくれるサービスです。
先ほど解説したレクサス緊急サポート24は車のトラブルに対するサービスで、ヘルプネットは身体のトラブルに対するサービスです。
スイッチを押さなくても、車のエアバッグが作動した場合は自動的にヘルプネットに接続されます。
リモートメンテナンスサービス
リモートメンテナンスサービスとは、定期点検の時期が近づいたときに連絡してくれるサービスです。
忙しくて点検の時期を忘れてしまっていても、通知してくれることでいつでもベストコンディションの車に乗れます。
マップオンデマンド
マップオンデマンドとは、エンジンをかけてボタンを押すだけで、カーナビの地図を最新の地図に更新してくれるサービスです。
つねに最新の地図でドライブすることで、目的地まで最短経路で到着できます。
Gルート探索
Gルート探索とは、カーナビで設定した目的地までのルートを、渋滞状況を考慮してえらんでくれるサービスです。
移動中もつねに探索し続けて更新するので、時間の経過によって交通状況が変わった場合、それを考慮して新しいルートに再設定されます。
7つのサービスについて紹介してきましたが、G-Linkは新車なら登録から3年間、認定中古車なら購入から2年間無料で利用可能です。
無料期間を過ぎると、年会費17,000円で加入できます。認定中古車以外の中古車で加入したい場合は、年会費と契約事務手数料8,000円を合わせた計25,000円で1年契約が可能です。
なお認定中古車については以下の記事で詳細を解説しているので、ご存知ない方はこちらもあわせてご参照ください。
実は違いが大きい?レクサスの認定中古車の5つのメリットと1つのデメリット!安全機能としてLexus Safety System +がついている
ISには安全機能として、Lexus Safety System +がついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート
- オートマチックハイビーム
- レーダークルーズコントロール
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。衝突前にブレーキを踏めた場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーンディパーチャーアラートとは、ウィンカーを出さずに車線をはみ出してしまいそうなときに警告を鳴らしてくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能です。ハイビームの切り忘れが防げます。
レーダークルーズコントロールとは、先行車を検知して、適切な車間距離をたもちながら一定の速度で追従する機能です。
とくにプリクラッシュセーフティはあまり世話になりたくない機能ですが、ついていることで安心して運転できますね。
もしレクサスISを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!レクサスISの欠点・短所
つづいて、ISの欠点・短所についての解説です。
頭がついてしまうほど低い後部座席の天井
ISの後部座席は天井が低すぎます。
車体が後ろに行くごとにだんだん低くなっていく形をしているため、身長177cmの私の場合、姿勢を前傾気味にしていないと、頭のてっぺんが天井についてしまうんです。
前傾姿勢をたもったまま乗り続けていると、正直疲れます。これで長時間のドライブはキツい。
ISは5人乗りなので、定員いっぱい乗る場合は後部座席に3人すわることになります。大人3人で乗るには幅的にもやや狭いですね。
ちなみに前部座席にすわっていても上下からの圧迫感はありますが、後部座席ほどではありません。
車中泊する場合は前部座席に大人2人が限界です。後部座席は大人は狭くて寝ていられないでしょう。
子育てに使う場合は幅的には子ども3人乗れます。座高が高い子だとキツいですね。
使いにくい3つの機能
ISには、使いにくい機能が3つついています。それぞれについて解説します。
ウィンカーレバーが2段階式になっている
ISに試乗していてもっとも残念だったのは、ウィンカーレバーです。ふつうの車と以下のような違いがあります。
- ふつうの車…レバーを下げたら下がりっぱなしで、ハンドルを切って曲がり終わると自動的にもどってくる。
- IS…レバーを下げてもその場でもどってくる。二段階式になっていて、軽く操作すると3回点滅したあとに消える。強めに操作するとレバー自体はすぐもどってくるけど、ウィンカーは点滅しつづけて、ハンドルを切って曲がり終わると消える。
操作していて違和感がすごいので、この機能は必要ありません。
せめて強めに操作したときだけでも、レバーが下がりっぱなしになっていて欲しいです。ここは致命的な欠点・短所のひとつですね。
ワイパーもウィンカーレバーと同じ仕様で不便
ワイパーのコントロールスイッチも、ウィンカーレバーと同じようにもどってきます。
ふつうの車と同じ感覚でレバーを動かすと、かなりのハイペース(ふつうの車の第二段階のペース)で動いてしまいます。
かるーくレバーを動かせばふつうの車の第一段階と第二段階の間ぐらいのペースで動きますが、それでも小雨が降っている程度の状況では速すぎです。
それ以上ペースを落とすには、レバーを上に操作して、手動でワイパーを動かすしかありません。不便です。
カーナビの操作スイッチが操作しにくい
ISのカーナビの操作は、画面に直接さわるのではなく、この写真に写っているMENUボタンの下の四角いスイッチでします。
前後左右にスライドさせて操作するんですが、これが性能の悪いマウスを操作しているような感覚で、思ったところになかなかカーソルが移動してくれません。
ようやくカーソルを合わせると、今度はこのスイッチを押すことで決定ボタンの役割を果たします。
「押したつもりがスライドしてしまって、またカーソルがズレる」という事態になり、じれったいです。
メーターのスピード表示がデジタル
ISのメーターは液晶画面になっていて、スピードは針で表示されるアナログ式ではなく、まんなかの数字で表示されます。
これをアナログ表示に切り替える手段はなく、切り替えられるのは、
- まわりにハイブリッドインジケーターを表示する
- まわりにタコメーターを表示する
- それら2つを自動で切り替わるようにする
の3種類のみです。
個人的にアナログメーターが好きなので、ここは欠点・短所のひとつとして挙げます。
なお内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像/写真】レクサスISの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!加速が見た目に反して物足りない
ISは加速がやや物足りない印象です。エコモード・ノーマルモードだと遅く、スポーツ+モードにすると多少速くなりますが、劇的に変わるというほどではありませんでした。
内装デザインはスポーティで速そうに見えるのに、見た目に反して走行性能はイマイチ。これも欠点・短所のひとつですね。
なお実際に試乗もしており感想は以下の記事でまとめているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
レクサスISの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!燃費があんまり良くない
ISは燃費があんまり良くないです。メーカー発表で23.2km/lで、1時間程度の試乗をしたときの実燃費は13.1km/lでした。
そこまで悪い数値ではないですが、もっと燃費の良い車種はいくらでもあります。燃費重視で車を購入するなら、ISは選ばないほうがいいです。
価格が車の質に対して高い
ISは価格が高いです。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
グレード | 価格 |
IS350 “version L” | 6,242,000円 |
IS350 “F SPORT” | 6,338,000円 |
IS350 | 5,634,000円 |
IS300h “version L” | 5,802,000円 |
IS300h “F SPORT” | 5,694,000円 |
IS300h | 5,164,000円 |
IS300h “version L”(AWD) | 6,206,000円 |
IS300h “F SPORT”(AWD) | 6,399,000円 |
IS300h(AWD) | 5,568,000円 |
IS300 “version L” | 5,322,000円 |
IS300 ”F SPORT” | 5,218,000円 |
IS300 | 4,714,000円 |
ぜんぶで12グレード用意されていて、私が試乗したのはIS 300h “F SPORT”です。
機能性の悪さや車内空間の狭さ・イマイチな走行性能を考えると、5,694,000円という価格は高いと思います。
とくにウィンカーレバーやワイパーの使いにくさは、価格以前にふつうにしてくれれば良いだけの話なんですけどね。なんでわざわざあんな仕様にしたのか謎ですね。
車自体の質というよりは、アフターサービスの手厚さやブランド名でこの価格がついているような印象。
中古車市場では2,800,000円~3,600,000円程度で出回っているので、購入検討しているなら中古車がねらい目かもしれません。
車の質に見合っていない価格設定がISの欠点・短所のひとつです。
なおレクサスの中古車の安さについては、以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
なぜこんなに安い?!レクサスの中古が安い6つの理由総評:「レクサス車だから安心」と思って購入すると後悔する車
ISの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「『レクサス車だから安心』と思って購入すると後悔する車」。
パワーボム(著者)
私的にはRXやLSに先に試乗して感動していたので、レクサス車はどれも最高なのかと思っていたんですが、ISに乗ってみてランクの低下を感じました。
価格は充分高いのに、乗り心地はふつうのトヨタ車のほうが良かったりします。
車内が狭いのも致命的ですし、ウィンカーレバーやワイパーは奇をてらってわざわざ使いにくくしている状態。トヨタのタンクなんかにも採用されているところを見ると、あれが好きというユーザーもいるんでしょうか。
結論として、ISをおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- 2段階式のウィンカーレバーが好き
- 静かで快適なドライブがしたい
- レクサス車に乗りたいけど厳ついデザインは苦手
- レクサスのアフターサービスを受けたい
- 2段階式のウィンカーレバーが嫌い
- 車内空間の広い車が欲しい
- 大人3人以上で車中泊したい
- 燃費の良さを最重要視する
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件に1つも当てはまっていないこと」です。
1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、ISを購入する資金があるなら、もう少し頑張ってRXを購入したほうが満足できると思います。
この記事を読んだことで、ISを購入するかどうかの判断材料のひとつになれれば幸いです。
ほかのレクサスについては以下の記事で辛口レビューを書いているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レクサスRXの辛口レビュー/評価!欠点・短所と魅力・長所をすべて暴露!レクサスGSの辛口レビュー/評価!欠点・短所と魅力・長所をすべて暴露!