車を見るとオーナーやその家族の人となりも何となく想像できることってありますよね。
そんな中でトヨタのヴェルファイアやアルファードは、明らかにオラオラ系の人が乗っているというイメージがあります。
しかも、まだ20代そこそこの若いヤンキーのオーナーも珍しくありません。
ヴェルファイアやアルファードは立派な高級車ですが、そのような車になぜヤンキーは乗りたがり、実際に乗れているのでしょうか。
徹底的に分析しましょう。
ヤンキーはヴェルファイア/アルファードに乗りがちか評判を検証
冒頭でヴェルファイア/アルファードのイメージについて触れましたが、本当にヤンキーによく乗られている車なのでしょうか。
Twitterを参考に見ていきましょう。
運転マナーがオラオラ系
見るからにオラオラ系な現行アルファードが、
平然とタバコのポイ捨てするという見事にイメージ通りだった事に朝から笑った。こんな奴が子供乗せてるんだもんなー
世も末だよ。
— LOVIN@ストーリー&マルチエンジョイ勢 (@LOVIN_39108) April 10, 2018
先日、くわえタバコにスマホでメールしながら一旦停止を無視して細い道ではあり得ないスピードで左折していったアルファードを運転していたガラ悪いオッサンに天誅が下ってますように。
— 山本武史 (@nice_yamatake) February 7, 2014
まず運転マナーが悪いという声が多く聞かれます。
窓を開けてタバコを片手に道路を灰皿代わりにしているような運転や、無理な追い越し等の交通マナー違反を犯しているオラオラした運転が特徴のヴェルファイア/アルファードを見ると、ドライバーを実際に見ていなくてもヤンキーや柄の悪い人が運転しているような気がしますよね。
ちなみにプリウスなんかもよく運転マナーが悪いとか言われていますね。この話題は以下の記事で詳細をご参照ください。
運転下手のクズ野郎!?プリウス乗りのマナーの悪さの原因を分析!写真から分かるヤンキー御用達のヴェルファイア/アルファード
①昔乗ってた車
アルファード10後期
ALLDIY!! pic.twitter.com/nOWDT6LP6V— D目の毛ᵃⁿᵈDみらくる DIY (@AnddDiy) May 22, 2018
ヴェルファイア/アルファードに関する画像付きツイートを検索すると、かなり派手なカスタムが施されたものが多く見つかります。
濃いスモークが貼られたものや、電装系のドレスアップによる煌びやかな見た目、オーディオを大音量で流しながら走るような大柄な車体のヴェルファイア/アルファードから、爽やかな青年や、物腰の柔らかい年配のオーナーは想像できません。
車のナンバーがそのまま出ているものや、顔が写っているツイートが多く、それらの引用は控えたのでここで紹介できるものは限られてしまいます。
しかし、実際にあったツイートに添付された写真として以下のようなものがあります。
- 派手な総柄のセットアップを着たヤンキーが車の上に乗ってポーズをキメている写
- 一般の駐車場を何台もの車で占拠して、愛車のドレスアップ自慢のために撮った写真
こうした添付写真が多くアップされている事実からも、間違いなくヤンキーに高い支持を得ている車であることが分かります。
噂の煽り運転の現場に遭遇
車はアルファード?ヴェルファイア?
後ろは軽四
しかもこの運転手中から木刀?みたいの持ち出して後ろの軽四の運転手降りてこいって言ってた。
まぁどっちが悪いか分からへんけど、ほんまにこうゆうの怖いな pic.twitter.com/8v8HUtTAar— うたちゃん@盆栽AE86乗り (@2185666) May 25, 2018
また、このような一部始終を目撃した例もあります。
車に木刀を常備し、さらにそれを使って他者を威嚇しているとなれば、どんな理由があったにしても軽蔑の対象として見られ兼ねませんね。
ヤンキーに好かれる理由を冷静に分析
そもそも「ヴェルファイア」って車名が、”オラオラ感”、”EXILE感”満載すぎ。ボディカラー設定、グレード名、テレビCM、すべてがヤンキー的客層にドンズバ。社内ではなく、代理店がリサーチしているんだろうか??南明奈みたいな客に買わせた時点で、トヨタのマーケティングの完全勝利!
— you16fukuda (@hookchang) June 5, 2014
この意見には「なるほど」と共感する人も多いのではないでしょうか?
「圧倒するか、圧倒されるか」というキャッチコピーがヴェルファイアに与えられていることからも、ヤンキーの好む威圧感を車に与えてマーケティングしていることは明らかです。
メディアでもヴェルファイア/アルファードのターゲットのひとつがヤンキー層ということは度々取り上げられています。
客観的に見てもヴェルファイア/アルファードにヤンキーが乗りがちなことは、間違いない事実でしょう。
ちなみにプリウスもヤンキーが乗りがちだと言われています。こちらの記事でこの話題は取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
プリウスになぜヤンキー・DQNは乗るのか?理由を徹底分析してみた!ヤンキーがよくヴェルファイア/アルファードに乗っている理由
多くのツイートから、ヴェルファイア/アルファードがヤンキーから高い支持を得ていることは分かりました。
ではなぜ、ヤンキーがよく乗る車になってしまったのか?その理由を解説しましょう。
市場消費を支えるマイルドヤンキーに支持される車づくり
今、日本の経済界において消費者層の主役とも言われているのが、マイルドヤンキーと呼ばれる人たちです。
彼らにはいくつかの特徴がありますので、一部を紹介しましょう。
- ファッションの見本となるのがLDH(EXILE)系
- 地方都市や郊外在住
- 比較的学歴が低いことが多く、高校を卒業してそのまま地元で就職
- 休日に家族や昔からの友人とイオンやカラオケ、ボーリングに行くような生活を好む
このような人たちにとって、仕事に行くのにも遊びに行くのにも自動車は欠かせません。
自動車業界で車離れが叫ばれる中、生活に車が必要不可欠なマイルドヤンキー層を取り込むことこそ、自動車メーカーが業界内で勝ち抜くための大きなポイントです。
そしてマイルドという前置きがついたとは言え、ヤンキー層が車に求めるものは昔から変わりません。
それは、仲間と楽しむために多人数が乗れることに加えて、他者に対して「厳つさ」や「威圧感」を与えることができる自己主張の強いデザインと高級感です。(デザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)
【画像】アルファードはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!トヨタはそうしたマーケティングの動向を見逃さず、ヴェルファイア/アルファードが彼らにとっての憧れの車となるよう進化させてきました。
その結果、マイルドヤンキー層のハートを掴んで離さない絶対的な存在として、ヴェルファイア/アルファードは今も新たなファンを増やし続けています。
もしヴェルファイア/アルファードの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!世界のトヨタに対する心酔
同じ高級ミニバンというジャンルに置いては、例えば日産 エルグランドもターゲットとしている層はヴェルファイア/アルファードと大きく変わらないはずです。
それでもヴェルファイア/アルファードが圧倒的にヤンキーに支持される理由は、トヨタの車というブランド力です。
ヤンキーは、ルイ・ヴィトンやグッチといった高級ブランドの長財布をズボンの後ろのポケットに入れて歩いていたり、カップルでモンクレールのダウンをペアルックで着ていたりする印象はありませんか?
ヤンキーたちは仲間意識が強い分、憧れるブランドも周りの仲間に影響を受けやすく、また誰もが一目でそれが何か理解できる、分かりやすいブランドを好む傾向にあります。
それが、車の場合はトヨタというブランドなのです。
ひと昔前、VIPセダンと呼ばれるジャンルが同じくヤンキーたちの中で流行した時も、その中心にあった車はトヨタのクラウンやセルシオでした。(クラウンについては以下の記事で解説しています。)
クラウンはヤン車?なぜヤンキーは乗るのか理由を徹底的に分析!時代が変わりセダン人気が下火となりミニバンが台頭してきた今も、ルイ・ヴィトンの財布を持つことやトヨタの高級車に乗ることは、ヤンキーにとって自身の価値観を高める為の、一種の分かりやすいステータスのようなものなのです。
ヤンキーがヴェルファイア/アルファードに乗っている理由を簡単にまとめてみました。
- 厳つい見た目
- 多人数が快適に乗れる
- トヨタの高級車というステータス
ヴェルファイア/アルファードは、これらヤンキーに好まれる要素を抑えた車だと言えます。
なおヴェルファイア/アルファードの性能については以下の記事で取り上げています。興味のある方はこちらもご覧ください。
アルファードの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ヤンキーがヴェルファイア/アルファードに乗れる理由
最後に気になるのが、なぜヤンキーがヴェルファイア/アルファードのような高級車に乗れるのか?…ということです。
(そもそも高級車かどうかについては、以下の記事で考察しています。)
アルファード/ヴェルファイアは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!そんなにお金持ちでもなさそうなのに、若くして現行型のヴェルファイアやアルファードに乗っている姿を見ると不思議に思いますよね。
実際にトヨタで営業スタッフをしている私の友人から聞いた話も踏まえつつ、解説していきましょう。
実は高給取りが多い
先ほどマイルドヤンキーの特徴でも説明しましたが、ヤンキーは高校卒業後に地元で就職するという流れがメジャーです。
職業は、現場職や工場勤務が多い傾向にあります。働いたら働いたら分だけ給料も増え、夜勤があれば夜勤手当が相当な額になります。
そして若いうちは、身体が資本の職業は大卒で就職した人よりも高い給料を貰えている傾向にあります。
ヤンキーファッションの見た目からそれほどお金持ちに見えなくても、実際にはお金を持っているということです。
さらに、大学に進学していない場合は奨学金返済のために月々数万円もの返済に苦しまずに済み、地元で就職して実家を離れなければ生活費も大幅に削減できます。
特に奨学金を借りて大学に進学した場合、社会人になってからの返済が生活費を圧迫し、返済困難に陥る人が増えていることは、社会問題にもなっていますね。
このように、給料も多く貰えて固定費としての出費も少ない生活スタイルから、車にお金をかける余裕が生まれるのです。
親族からの援助がある
これは実際によく聞く話です。特に田舎の家だと祖父母が孫の為ならとお金の援助をすることは少なくありません。
それ以外であれば、「親ローン」と呼ばれる方法で車を買う人も多くいます。親が「ローン金利が勿体無い!」と、現金で全額支払ってくれ、その後毎月親にお金を返済していくというスタイルです。
ヴェルファイア/アルファード程の価格の車になるとローンを組んだ場合の数十万円にもなる金利は馬鹿になりませんし、親に返済する分融通が利く点は気持ち的にもずいぶんと楽なようです。
無理なローンでも組んでしまう
憧れの車に目がくらみ、無謀なローン返済を受け入れ車の購入に至る例もあります。実際に営業スタッフが「本当にこの子大丈夫か?」と心配になることもあるようです。
酷い場合だと車のローン、自動車保険、ガソリン代等の維持費で月々給料の手取りの半分近くが無くなってしまう人もいます。(維持費については以下の記事でも解説しています。)
車の維持費は月、年間で平均相場いくら?内訳一覧をもとに解説!またこうしたユーザーが経済的な事情で早期に車を手放すことで、程度の良い中古車が市場に多く出回ることにも繋がります。
それ以外だと、月々の返済額をある程度抑えることができることから、一部金融機関で取り扱いのある10年もの長期間の自動車ローンを組んで車両購入に至ることもあります。
目先のものを手に入れるために冷静な判断を欠いてしまうようなことは避けたいところですね。
残価設定型プランでの購入
気軽に新車に乗りたい人にとって便利なのが、残価設定型のローンです。
残価設定型のローンは、3年後または5年後の予想下取り価格(残価)を据え置くことで、残りの金額をローンで返済するというものなので、月々の返済額そのものを抑えることができます。
3年後または5年後には車を購入した販売店にて
- 車両を返却(売却)
- 車両を下取りに出して車を買い替え
- 残金を一括返済
- 残金を改めてローン返済
…という4つの選択肢から選ぶことができます。
このローンの仕組みは販売店にとっても有利なところが多いので、ユーザーにはメリットデメリットが存在しますが、単純に目先の月々の返済額が減るので、毎月の高額なローンの支払いに躊躇していた人にはぴったりなプランでしょう。
3年後5年後に設定された走行距離を超えず、車両も綺麗な状態で保つことができて当初の残価額を下回ることがなければ、追加での支払いも発生しないので、その見込みがある人にはおすすめのプランです。
「月々の支払い金額を抑えながらワンランク上のクルマに乗りたい方におすすめのプラン」と自動車メーカーの公式HPでも紹介されていますが、残価設定型ローンにしなければ月々の返済が不可能なのであれば、そもそもが身の丈に合わない「無理なローンを組んでしまう」ことと同じことです。
販売店も営利企業なので、あの手この手で車両を購入してもらうための方法を出してきます。
そうした提案に対して、自分に適切なものかどうか冷静に判断できず、「月々の返済額が少なく済むならヴェルファイア/アルファードでも買えてしまう!」と、勘違いをして購入に至る人がいるようです。
残価設定型ローンについては以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
車を残価設定ローン(クレジット)で購入とリースの決定的な4つの違い!まとめ
ここで紹介してきた、身の丈に合わない高級車を買えてしまう理由は私の身の回りの友人・知人の実例や、自動車販売店の営業スタッフの体験談を元にしているので信憑性が高いものです。
これらはヤンキー以外のユーザーにも当てはまることなので、特にローンの話は皆さんにも注意して頂きたい内容です。
最後に、ここまでのヤンキーとヴェルファイア/アルファードとの関わりについて以下に簡単にまとめました。
- 車を作るメーカー側が、車の売れない時代でも安定した消費を見込めるヤンキー層にウケの良い車を作る
- 車を販売する自動車販売店側が、車をより多く買ってもらう為の販売方法(ローン等)を提案
- 車を購入するユーザー(ヤンキー)は、パッケージングと見た目とブランド力を妥協することなく求める
それぞれの需要がうまく重なり合うことで、ヤンキーとヴェルファイア/アルファードは密接な関係を持っています。
結果、ヴェルファイア/アルファードに乗っているヤンキーは多いのです。
これだけを聞くとあまり印象の良くない車ですが、会社役員やVIPも満足する素晴らしい高級車であることは間違いありません。
最も大切なのは公道を走る以上、車種を問わず他人に迷惑をかけずに思いやりのある運転をすることです。
自分がそうした思いやりを持つことで、愛車(ヴェルファイア/アルファード)のイメージが少しでも良くなれば…くらいの余裕を持った運転を心がけましょう。
これからヴェルファイア/アルファードを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
ヴェルファイアの試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!【画像/写真】ヴェルファイアの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!