昨今のSUVブーム以前よりスバルの基幹車種として、多くのスバリストを魅了し続けてきたフォレスターは、2018年に5代目モデルが登場しました。
長きに渡るモデルライフの中で、時代は変化していき「羊の皮を被った狼」的なSTiのハイパワーターボモデルがあった時代もありましたが、エコ志向が高まってきたこともあり5代目ではついにハイブリッドモデルが投入されました。
そして、車を維持していく上で最も身近で気になるのがガソリン代でしょう。
レギュラーかハイオクかの違いは、長く乗れば乗るほど家計にも大きく関係してきます。
ここでは、歴代フォレスター全てのモデルのガソリンはレギュラー、ハイオクどちらなのか…また、ガソリンに関する疑問やガソリン代について徹底的に解説していきます。
フォレスターのガソリンの種類
使用するガソリンの種類は、搭載されているエンジンによって変わってきます。
それぞれのモデル毎に分かりやすく紹介していきます。
初代フォレスター(1997年〜2002年)
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モデル | 使用燃料 |
2L自然吸気エンジン | レギュラー |
2Lターボエンジン | ハイオク |
2.5L自然吸気エンジン | ハイオク |
初代フォレスターのガソリンの種類は上記の通りです。
ターボモデルは「STi version」も含めて全てハイオク仕様です。
1998年の9月に追加された2.5Lの自然吸気エンジンがハイオク仕様である点に注意が必要ですね。
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!このモデルは自然吸気エンジン搭載モデルの最上級グレードという位置付けで、ターボモデルの最上級グレードと遜色ない車両価格です。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!つまり自然吸気エンジンとはいえハイパフォーマンス志向のエンジンなので、ハイオク仕様となっています。
2代目フォレスター(2002年〜2007年)
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モデル | 使用燃料 |
2L自然吸気エンジン | レギュラー |
2Lターボエンジン | ハイオク |
2.5Lターボエンジン | ハイオク |
2代目フォレスターのガソリンの種類は上記の通りです。
2代目は分かりやすく、自然吸気エンジンであればレギュラー仕様、ターボエンジンであればハイオク仕様という風に覚えておけば間違いありません。
初代と違って2.5Lエンジンは、ターボモデルの「STi Version」というハイパフォーマンスモデルにのみ搭載されるエンジンです。
また初代で2Lターボエンジンだった「STi Version」は、2代目では2.5Lターボエンジンに排気量アップされています。
3代目フォレスター(2007年〜2012年)
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モデル | 使用燃料 |
2L自然吸気エンジン | レギュラー |
2Lターボエンジン | ハイオク |
2.5Lターボエンジン | ハイオク |
3代目フォレスターのガソリンの種類は上記の通りです。
また、2010年10月のマイナーチェンジで以下の変更点があります。
- 2.5Lのターボエンジンが追加
- 2L自然吸気エンジンのみ次世代型ボクサーエンジンを採用。前後期でエンジン型式が違う
しかし、基本的なエンジンラインナップは2代目を踏襲しているので、同じように2L自然吸気エンジンのみがレギュラー仕様で、それ以外のターボエンジンモデルはハイオク仕様となります。
4代目フォレスター(2012年〜2018年)
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モデル | 使用燃料 |
2L自然吸気エンジン | レギュラー |
2L直噴ターボエンジン | ハイオク |
4代目フォレスターのガソリンの種類は上記の通りです。
これまで3種類のエンジンが選べていましたが、4代目では2.5Lエンジンはラインナップされませんでした。
また、ターボモデルのエンジンも次世代型ボクサーエンジンに進化し、初の直噴ターボエンジンを搭載しています。
直噴ターボとは?メリット3つとデメリット4つ!カーボンや耐久性のトラブル・不具合が多発?!シンプルに自然吸気エンジンはレギュラー仕様、ターボエンジンはハイオク仕様という違いですね。
現行型(5代目)フォレスター(2018年〜)
モデル | 使用燃料 |
2L自然吸気エンジン+ハイブリッド | レギュラー |
2.5L 自然吸気エンジン | レギュラー |
現行型(5代目)フォレスターのガソリンの種類は上記の通りです。
5代目は、ついにターボモデルが廃止され、その代わりにハイブリッドモデルが追加されました。
これは賛否が分かれるところですが、時代の流れから仕方ないことなのでしょう。
使用するガソリンはどちらもレギュラー仕様なので、現行型の購入を考えているのであればガソリンの種類は特に気にする必要はありません。
ガソリンの種類のまとめ
それぞれのモデル毎に詳しくガソリンの種類を紹介してきましたが、改めて簡単にまとめましょう。
- 5代目の現行型は全てレギュラー仕様
- 4代目までの、2L自然吸気エンジンは全てレギュラー仕様
- 4代目までの、2Lターボエンジンは全てハイオク仕様
- 3代目までの2.5Lエンジンは自然吸気、ターボ問わず全てハイオク仕様
ハイオク車にレギュラーを入れてもいいのか?
ハイオクはレギュラーに比べて1Lあたりで、およそ10円も高いガソリンです。
できれば維持費を安く済ませたいし、ハイオク仕様のフォレスターにレギュラーを入れても良いのか気になりますよね。
スバルの公式サイトでは、ハイオク仕様車にレギュラーを使うのは基本的にNGとしている
実はスバルの公式サイト内のQ&Aで、「ハイオク仕様の車にレギュラーを入れても良いのか?」…という定番の質問に対する答えが掲載されています。
以下がメーカーの答えを抜粋したものです。
エンジン性能を十分発揮できなかったり、始動性が悪くなる場合があるので緊急以外の使用は避けてください。
使用を続け万一エンジン不調などの不良を生じた場合は保証の対象外となるケースがあります。
他のメーカーの車の中にはレギュラーも使用可能なハイオク仕様車も存在します。
しかしスバルの車の場合はハイオク仕様の車にレギュラーを使うことは基本的にNGです。
とくにそれに起因するエンジンの不具合が発生した場合は、保証範囲内であっても対象外となるケースもあるようで、もしもの時のことを考えるとハイオク車にレギュラーを使い続けることは好ましくありません。
ハイオク車にレギュラーを使わない方が良い理由
そもそもハイオクガソリンはレギュラーガソリンと何が違うのでしょうか?
ハイオクはオクタン価が高く耐ノック性に優れている
ハイオクがレギュラーと何が違うのか説明される時によく耳にするのが、「ハイオクはオクタン価が高い」ということです。
このオクタン価は数値化され、レギュラーは89以上、ハイオクは96以上でなければいけないとJIS規格で定められています。
市場のガソリンのオクタン価は概ね以下の通りです。
- レギュラー…89〜92
- ハイオク…98〜100
オクタン価が高いことは、耐ノッキング性に優れているとも言えます。
オクタン価が高いガソリンは、低いものと比べて燃えにくいという性質を持ちます。
「え?ガソリンが燃えにくかったら駄目なんじゃないの?」
…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、エンジンのシリンダー内部でガソリンが燃焼するのは、ガソリンと空気が混じった混合気が圧縮されて、適切なタイミングで点火が行われる時が理想です。
オクタン価の低い燃えやすいガソリンの場合、この適切なタイミングに至る前にカーボン(燃えかす)等の別の熱源によって燃焼が起きてしまう場合があるのです。
これを「異常燃焼=ノッキング」と言います。
オクタン価が高いことが、耐ノッキング性能が高いことと言われるのはこれが理由です。
ハイオク車に耐ノッキング性能が高いガソリンを使う必要性(ターボモデルの場合)
まず、フォレスターでハイオクを使う場合で多く挙げられるのが、ターボモデルのフォレスターに乗る時です。ターボは過給機と呼ばれる部品がついています。(過給機の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボチャージャーとスーパーチャージャーの違い2つを比較!両方搭載も可能?!排気ガスの力でタービンの羽根を回して同軸上にある吸気側の通路内にある羽根も回すことで、自然吸気と比べてより多くの空気をエンジンのシリンダ内に送ることで、パワーアップを図っています。
この空気は通常の自然吸気エンジンと比べ、空気の量が多い分圧縮されてシリンダへと導かれます。
空気は圧縮されると温度が上がるという性質を持っています。空気の温度が高くなるということは…燃えやすくなるということですね。
つまり自然吸気エンジンよりターボの方が、シリンダ内に入る空気が燃えやすくなってるので、ノッキングを起きにくくするために燃えにくいガソリンのハイオクを使う必要があるということです。
ハイオク車に耐ノッキング性能が高いガソリンを使う必要性(2.5L自然吸気モデルの場合)
一方で自然吸気エンジンの2.5Lエンジンでもハイオク指定となっている理由は何なのでしょうか。
エンジンには圧縮比と言うものがエンジン性能を語る上で出てきます。
一般的にパワーのあるハイスペックな自然吸気エンジンが高圧縮であることが多く、フォレスターの場合も2Lの自然吸気エンジンと比較して2.5Lは圧縮比が高いです。
圧縮比が高いエンジンはシリンダ内に入った空気を、より圧縮することができます。先ほども触れましたが、空気は圧縮することで温度が上昇します。
このことからターボエンジンと同じ理屈で、2.5Lの自然吸気エンジンでも耐ノッキング性能に優れたハイオクを使う必要が出てきます。
ハイオク車にレギュラーを使うことのデメリット
年式の新しい車は、ハイオク仕様でもレギュラーが使われることを想定して、コンピューターの制御によりある程度ノッキングを防ぐことはできます。
それでも、メーカーHPにあるようにレギュラーの使用はあくまで緊急時に限るということで、レギュラーを使うことで以下のようなデメリットの可能性があります。
- 燃費性能の悪化
- エンジンのパワーダウン
- エンジン内部が早期に傷む
これらのデメリットは、人によっては体感できないレベルのものかもしれません。
しかし、あくまでハイオク仕様の車にレギュラーを使うことは、車にとって「百害あって一利なし」ということを頭に入れておきましょう。
なおハイオクかレギュラーで迷うよりも、車購入時の値引き交渉のやり方をこだわった方が経済的ですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!フォレスターのガソリン代
ここで、気になるガソリン代の違いについて触れておきましょう。
フォレスターのガソリンタンクは、歴代モデルを通してそのほとんどが容量60Lです。
ただし、以下のモデルは違います。
- 2代目の2L自然吸気エンジンモデル…50L
- 現行型(5代目)の2.5Lガソリンモデル…63L
- 現行型(5代目)の2Lハイブリッドモデル…48L
また、一般的にディーラーのメンテナンスパック等は年間およそ1万kmの走行距離を推定しています。
ここでは、それを元に分かりやすく月間走行距離をキリの良い1,000km、レギュラーガソリンを140円・ハイオクガソリンを150円と仮定した時の1ヶ月でかかるガソリン代について、実燃費を元に計算して比較してみましょう。
2〜4代目までのガソリン代比較
初代モデルは約20年前の古いモデルで実燃費のデータがほとんど見つかりませんでした。
よって、2代目以降のモデルでガソリン代を比較しています。
燃費は走行条件やドライバーによって大きく変化します。あくまで参考程度にご理解下さいね。
モデル | エンジン | 平均実燃費 (km/L) | ガソリン代/月 | ガソリン種類 |
2代目 | 2L自然吸気エンジン | 8.7 | 16,092円 | レギュラー |
2Lターボエンジン | 9.9 | 15,152円 | ハイオク | |
2.5Lターボエンジン | 9.8 | 15,306円 | ハイオク | |
3代目 | 2L自然吸気エンジン(前期) | 8.8 | 15,909円 | レギュラー |
2L自然吸気エンジン(後期) | 11.5 | 12,174円 | レギュラー | |
2Lターボエンジン | 8.6 | 17,442円 | ハイオク | |
2.5Lターボエンジン | 9.7 | 15,464円 | ハイオク | |
4代目 | 2L自然吸気エンジン | 11.3 | 12,389円 | レギュラー |
2Lターボエンジン | 9.8 | 15,306円 | ハイオク |
同じ走行距離で最大でおよそ5,000円、ガソリン代が変わってきます。
1番ガソリン代が安いのが、次世代型ボクサーエンジンに切り替わった3代目の後期以降の2L自然吸気エンジンモデルです。
また、同じ排気量であればターボの方が燃費が悪くなるイメージですが、意外にもターボエンジンモデルと自然吸気エンジンモデルの実燃費の差がそこまで大きくないのも注目すべき点です。
ターボエンジン車は燃費が悪い?燃費向上は走り方次第で可能?!さらに場合によっては、ターボモデルの方が実燃費が良いこともあります。
もちろん、走らせ方や使用環境によって左右されるとは言え、フォレスターの車重に対して旧型の2Lの自然吸気エンジンは非力で、その分加速時や登り坂の走行時にアクセルの踏み込み量が増えてしまい燃費が悪くなってると推測できます。
ちなみにいずれのモデルも、1,000km走るのに必要な給油回数は2回〜3回です。
なおフォレスターの燃費については、以下の記事で詳しくまとめています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォレスターの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!現行型(5代目)のガソリン代
現行型のハイブリッドモデルは、記事執筆時の2018年9月中旬に発売されるため、実際のユーザーによる実燃費がまだ分かりません。
よって先行して発売された2.5Lガソリンモデルの実燃費と1,000km/月 走行時のガソリン代のみの紹介となります。
それぞれの数字は以下の通りです。
- 実燃費…11.0km/L
- ガソリン代…12,727円
4代目までの2.5Lエンジンはターボ・自然吸気問わずハイオク仕様だったのが、現行型ではレギュラー仕様になったことと燃費性能の向上により、3代目の後期と4代目の2L自然吸気エンジンモデルとほとんど変わらないガソリン代となります。
一方でハイブリッドモデルは、フォレスターという車の性格上あくまで走破性を重視したセッティングにより、そこまで大きく燃費性能が向上している訳ではないと言われています。(走破性の詳細は以下の記事をご参照ください。)
フォレスターの走破性を徹底解剖!オフロード性能が高く悪路も走行可能?!!それでも2.5Lガソリンモデルより燃費が良いことは間違いないでしょう。そうなると、歴代モデルで最も燃費が良くてガソリン代が安いのは現行型フォレスターのハイブリッドモデルです。
ちなみに、2.5Lガソリンモデルが1,000km走るのに必要な給油回数は2回です。
フォレスターでガソリンはどうするべきか?
ここまでフォレスターのガソリン事情について掘り下げて解説してきました。よく走るターボモデル、大人しく乗りたいし値段も安い2L自然吸気エンジンモデル…etc
人それぞれ好みのモデル、エンジンがあるかと思いますが、フォレスターの場合は給油するガソリンはレギュラー、とハイオクどっちが良いのか最後にまとめます。
レギュラー仕様にはレギュラーガソリンでok
結論はひとつ、レギュラー仕様にわざわざ高いハイオクを入れる必要は全くありません。
確かに性能の良いハイオクを入れる方が良いことに間違いはないですが、かといってそれをペイできるほどに燃費が良くなる訳でもありません。
レギュラーを使用することを前提とした車両セッティングが施されているので、エンジンのノッキングや不具合も心配する必要はありません。
ランニングコストを考えても、レギュラーを使うことが最良です。
ハイオク仕様には、ケチらずにハイオクガソリンを使おう
一方でハイオク仕様のフォレスターに乗るのであれば、ハイオクを使うことは必須です。
ガンガン走り回らず、街中をゆっくり走る分にはレギュラーでも十分という意見もありますが、あくまでもともとの車のセッティングはハイオクを使うことを前提としています。
また、もし仮にレギュラーを使い続けたことでエンジンが早期に劣化したり不具合が発生したら、それはもう後の祭りです。
そのことはメーカーとしても公式にメッセージを発信していますね。
エンジンはもちろんのこと車の部品は、一度傷ついたものを簡単かつ安くで本来の姿に戻すことは基本的に不可能です。
大切な愛車を守り、本来のパフォーマンスを発揮させるためにも、ハイオク仕様の車にはきちんとハイオクガソリンを使うようにしましょう。
レギュラーガソリンを使うと燃費も悪くなりますよ。
なおフォレスターについては以下の記事でも取り上げているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォレスターの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!フォレスターは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!