ダイハツ ウェイクはダイハツの販売する軽自動車のトールワゴンで、そのカテゴリの中でももっとも大きな軽スーパーハイトールワゴンという車種です。
「デッカク使おう!」のうたい文句通り軽自動車最大のサイズをもって使い勝手も高い車として登場しましたが、なぜか売れ行きは芳しくなくライバルに比べてあまり販売台数が延びないのです。
今回はダイハツ ウェイクが売れない理由についてご説明しましょう。
ウェイクは販売台数は伸びず売れてない
ダイハツ ウェイクの登場は2014年11月で、当時軽トールワゴンとして大人気だったホンダN-BOXに対抗する目的で作られました。
さらに同じダイハツの軽トールワゴンであるタントとは競合しないよう、デザインの面で大きく差別化が図られています。(タントの詳細は以下の記事をご参照ください。)
タントの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!このようにダイハツの軽トールワゴンの巻き返し役として登場したウェイクは、期待に反して販売台数は延びず、次の表のようにN-BOXやタントには遠く及ばない車になってしまいました。
年・月 | ウェイク | ホンダ N-BOX | ダイハツタント (タントカスタム含む) |
2014年11月 | 7,256台 | 12,271台 | 17,077台 |
12月 | 9,354台 | 12,045台 | 15,875台 |
2015年 | 50,711台 | 156,857台 | 157,753台 |
2016年 | 32,828台 | 169,944台 | 155,999台 |
2017年(1月~10月) | 24,903台 | 169,913台 | 123,356台 |
※タントとタントカスタムの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご参照ください。
ダイハツ「タント」と「タントカスタム」の6つの違いを比較!N-BOXもタントも軽自動車としても販売台数は毎回1位と2位を争う車であり、販売台数は月間12,000~15,000台とかなりの台数を誇ります。
年間販売台数もほぼ拮抗しており、2016年までは両者とも大きく差はありません。
それに対してウェイクは登場した2014年こそ結構な台数が売れたものの、その後は年を追うごとに販売台数は減り続けています。
現在では月々2,000台程度の低空飛行で、軽自動車全体から見ても上から13番目の販売台数と非常に苦戦しているのがわかります。
軽自動車として最大のボディサイズという大きなメリットを持ちながら販売台数が不振なのにはきちんとした理由がありますので、次はその辺りをご説明します。
ウェイクが売れてない理由
ウェイクはとにかく軽自動車最大の荷室を確保すべく開発された車で、全高をこれまでの軽自動車より高くしています。
これまで軽自動車はスーパーハイトールワゴンとはいっても車高は枠に対して余裕があり、デザインや走行安定性などから1,800mm 前後に抑えられてきました。
そこをウェイクでは1,835mmまで拡大させることでより広い室内空間を実現し、もはや車高だけはミニバンに匹敵するほどです。
室内高は1,445mmとミニバンのステップワゴンよりも50mmも高く、当然軽トールワゴンの中では最大です。
このサイズは以下の記事でも詳しく解説していますが、キャンプにも最適であるくらいに素晴らしいものです。
ダイハツ ウェイクがキャンプに最適な理由5つこの車高の高さこそウェイク最大の特徴であり売りなのですが、その点が逆に売れない理由にも繋がってしまっています。
まずはウェイクと、競合車であるホンダ N-BOX、ダイハツ タントのスペックを比較し、その後にウェイクが売れていない理由をご説明していきましょう。
※上記の表にある直3、DOHC、NA、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!大きく重く、走行性能がいまいち
ウェイクの最大のメリットである車室内の高さは、そのまま車の高さUPに繋がり、結局車が大きく、重くなるので走行性能に悪影響があります。
まず軽自動車は馬力は最大でも64PSに制限されているので重量増加分はそのまま車の加速や坂の登坂性にはねかえります。
ターボエンジンでもトルクも競合車と大差はないのですが、車両重量が50kg〜100kgも違うのではウェイクの走行性能が低くなるのは仕方ありません。(ターボエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!とはいえウェイクも現代の軽自動車の平均レベルの走行性能はありますが、競合車より悪いのは確かなのでウェイクの人気のでない理由のひとつになっているのです。
重心が高く乗り心地が悪い
車高が高く重量も重たいとなると車両の重心位置は必然的に高くなり、車の乗り心地を悪化させることになります。
車高の高さはとくに左右旋回時のロール性能に悪影響をあたえてしまい、旋回時に車が横振れして乗り心地が悪くなります。
また車両重量はサスペンションとダンパーにも影響して、車の上下振動も大きくなります。
一応ウェイクの設計上で可能な限り改善はしてあるようですが、そもそもの基本性能がよくないので競合車より劣ってしまうのはしかたありません。
ウェイクの使い勝手のよさの代償は走りの部分に顕著にあらわれてしまい、競合車に及ばない部分になってしまっています。
ゴツゴツしたデザイン
ウェイクのデザインは同じダイハツのタントがどちらかというと女性向けなので、そこと競合しないよう男性向けのデザインになっています。
しかし男性向けで力強いデザインにしようとした結果、ゴツゴツした塊感の高い車となりました。
ダイハツのもくろみではウェイクはタントがカバーしきれないアウトドア層へのアピールを目指していたようですが、それにしても必要以上にゴツい見た目となってしまっているのが人気がいまいちな理由になってしまいました。
男性層はウェイクよりもスタイリッシュでミニバン風のタントカスタムに流れ、アウトドア派はダイハツ キャストや後述するスズキ ハスラーに流れ、ウェイクの万人受けしないデザインはそこまで受け入れられていません。
競合車のN-BOXがオーソドックスなデザインで台数を伸ばす中、コンセプトを絞ったウェイクが不利になるのは当然と言えば当然です。
N-BOXと比べて大きな違いはデザインなので、デザインがあまり気にならなければ、不人気で値引きしやすいウェイクの方がコスパはいいです。
なお正しいやり方で値引き交渉をすればもう少し安い価格で購入できます。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!荷物の積み下ろしはN-BOXが有利
ウェイクの室内の広さは軽乗用車一でありこの広さに匹敵する軽自動車はありませんが、実は地上から荷室までの高さはホンダ N-BOXのほうが低く積み降ろしが楽なのです。
ホンダにはセンタータンクレイアウトによる低床・低重心技術があり、ホンダ車のほとんどは車内の床面高さが他社より低い特徴があります。
N-BOXも例に漏れず床面位置が低く、荷室の高さが低いので荷物が積み降ろししやすいのです。(以下の記事でも解説していますが、キャンプにも最適です。)
ホンダN-BOXがキャンプに最適な理由5つウェイクとN-BOXの荷室の床面位置は高さは、ウェイクは595mmに対しN-BOXでは470mmと低く、100mm以上ウェイクのほうが高いのです。荷物を載せ下ろしするときに10cmも持ち上げる高さが変われば、かなり負担は減りますよね。
それでも室内の高さ自体はウェイクが上回っているので大きな荷物はウェイクのほうが得意なのですが、日常的な使い勝手のよさという点ではN-BOXのほうが勝っており、ウェイクのイマイチな点が浮き彫りになってしまっています。
スズキ ハスラーに対抗しきれていない
ウェイクはCMを見ていてもアウトドアにも焦点を当てていることがわかります。そのカテゴリーには現在スズキ ハスラーという強力なライバルがおり、ウェイクではなかなか対抗できていません。
実際に以下の記事でも解説していますが、ハスラーはキャンプにも最適と言えくらいの性能を持った車です。
スズキハスラーがキャンプに最適な理由4つウェイクのアウトドア性は、その室内の広さから来る積載性と利便性に焦点を当ててあり、室内で着替えができるなどのアピールをCMで見かけます。
アンダーラゲッジなどもしっかりした長さがあって、確かにアウトドアには使いやすい車です。
しかし今人気があるスズキ ハスラーはデザインでアウトドア性を特にアピールしている車であり、クロスオーバーSUV風の外観がかなり受けています。ハスラーのデザインの詳細は以下の記事をご覧ください。
ハスラーに男が乗るのはダサくない3つの理由!ダサいわけがない!!ウェイクがこのハスラーに対抗するならデザイン性も高いものが必要ですが、いかにもトールワゴンといった出で立ちのウェイクではちょっと厳しいものがあります。
一言で言えばウェイクはある意味中途半端な車であり、トールワゴンとアウトドア性という2つの要素がうまく融合できていないのが不人気となった理由でもあるでしょう。
ウェイクは実用性を求めるなら買いの車
ウェイクは室内の広いトールワゴンとしてなら便利な車で、大きな荷物を載せるならN-BOXやタント以上の価値がある車です。
しかしその反面、走行性能やデザインがイマイチで実用性一辺倒という商用車のような車になってしまっているのも事実です。
結局軽自動車になにを求めるかでウェイクの価値は決まるのですが、実用性こそ第一でなければウェイクで満足する人は少ないでしょう。
ウェイクの最大積載量を活用するのは本当に限られた場面でしょうから、日常使いやデザイン、走行性能も気になるなら、素直に競合車にすることをおすすめします。
なおウェイクには商用車モデルの「ハイゼットキャディ」という派生モデルがあり、こちらはデザインがおとなしめになっています。
後席がなくなり2名乗車になってしまいますが、その分積載性はウェイクよりもかなりアップしており、実用性でウェイクを選ぶ人には選択肢のひとつとして考えられるでしょう。
ウェイクについては以下の記事でも解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
ダイハツ ウェイクがキャンプに最適な理由5つウェイクがサーフィンする人に最適な理由5つ