ホンダ N-BOXは軽自動車のスーパーハイトワゴンで、軽自動車の販売台数で2年連続1位になるほどのベストセラーカーです。
車両全高が高く軽自動車とは思えない広さがこの車のセールスポイントなのですが、この車で荷物が沢山必要なキャンプには活用できるのでしょうか。
今回はホンダ N-BOXがキャンプに向いているかどうかをご説明します。
N-BOXがキャンプに向いている点
N-BOXは軽自動車のなかではトップクラスの大きさをもつ車で、車に乗り込んでみるともはや軽自動車とは思えないほど広々としています。
しかしいくら広いといっても車のサイズに制限のある軽自動車ですので、どうしても普通車と比較すると荷室の小ささは否めません。
もしN-BOXに最大乗車人数の4人が乗って、さらにキャンプ用品を載せるとなるとかなり無理のある状態になるのは間違いありません。
N-BOXでキャンプをする場合には、後席の格納機構を使って荷室を広げる必要がありますので、N-BOX1台で同行できるのは2人まで、後席を半分倒すとしても3人がぎりぎりでしょう。
その状態であればなんとか人も荷物も載せられますので、今回はこれを前提としてN-BOXがキャンプに向いている点をご説明しましょう。
軽自動車トップクラスの荷室
まずN-BOXの特徴はなんといっても室内の広さで、普通車には及びませんが軽自動車としては荷室がかなり広い車です。
近年軽自動車メーカー各社からアウトドア向けの軽自動車が発売されており、アウトドアにマッチするデザインや、室内の広さが重視されています。
ホンダにはそういった専用車はありませんがN-BOXがその役目を引き受けており、各社の競合車とはライバル関係にあります。
今回はダイハツ ウェイク、スズキ ハスラーと室内寸法、および荷室寸法を比較してみましょう。
部位 | N-BOX | ダイハツ ウェイク | スズキ ハスラー | |
車室幅 | 1,350mm | 1,345mm | 1,295mm | |
車室高さ | 1,400mm | 1,455mm | 1,250mm | |
車室奥行 | 2,240mm | 2,215mm | 2,160mm | |
荷室幅 | 910mm | 860mm | 900mm | |
荷室高さ | 1,165mm | 1,140mm | 1,010mm | |
荷室長さ | 2列目シート最後端 | 345mm | 330mm | 280mm |
2列目シート最前端 | 535mm | 570mm | 430mm | |
2列目シート格納 | 1,470mm | 1,450mm | 1,600mm |
※ちなみにハスラーもウェイクもキャンプに最適な車です。詳細は以下の記事で解説しているので、こちらもご参照ください。
ダイハツ ウェイクがキャンプに最適な理由5つスズキハスラーがキャンプに最適な理由4つこうして比較してみるとN-BOXとウェイクは室内寸法からして非常に広く、ハスラーを凌駕しています。
寸法的には微妙な差ですが、一応容量的にはウェイクのほうがN-BOXより広いようです。(ほぼ変わりませんが)
しかし荷室寸法だけに限定してみると、幅、高さ、長さすべての寸法においてN-BOXのほうが広くなっており、ウェイクやハスラーより荷物が沢山乗る車だということがわかります。
ウェイクと比較してもN-BOXのほうが1割程度容量が大きくなっていますね。
N-BOXはホンダ独自のレイアウト技術である低床・低重心化プラットフォームを採用しており、重量物で場所を取る燃料タンクを前席の下に置くことで荷室の広さを確保しています。
また後席シートは前側に折り畳むように収納するのですが、そのスペースもしっかり確保できている点も荷室確保に一役買っています。
これはダイハツやスズキにはない技術ですので、N-BOXがこれだけの荷室を確保しているのは大きな特徴といえますし、もちろんキャンプにも最高の特徴です。
車中泊を考慮したシート設計
最近のキャンプでは車の中で宿泊する車中泊が大人気で、車の方でも車中泊を意識した設計が広がっています。
N-BOXも車中泊を見据えたシートアレンジが設定してあり、なかなか車中泊がしやすい車となっています。
車中泊をする場合に大事なのはまず荷室の長さですが、大人の男性が快適に寝るためには1.7m程度必要で、それぐらいなければ足を伸ばして寝られません。
しかしN-BOXは前席の背もたれを後ろに完全に倒せば、後席とあわせてフラットな空間が作れます。
長さも1.8m以上確保できるので、しっかり足を伸ばして寝るだけのスペースが誕生します。
しかしそのままではシートの形状で凸凹が多いのであまり快適ではありませんが、そこに厚手のマットを敷くことで完全なフルフラット空間が完成しますので、車中泊にマットは必須です。
そこまでやっても車室高が高いので天井とは距離があり、かなり広々とした寝台となるでしょう。
N-BOXのシートアレンジは非常に考えられたレイアウトとなっており、2人までがギリギリ快適に寝られる人数ですが、そこまでなら快適な車中泊が可能です。
より快適なフルフラット空間を求める方は、フリードなどがおすすめです。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ホンダ フリードがキャンプに最適な理由3つ!収納力が最強!燃費がよく長距離でも経済性
軽自動車の利点のひとつに燃費のよさがありますが、N-BOXの燃費は軽自動車トップとまではいきませんがかなり良く、長距離移動時の燃料代が節約できます。
N-BOXのカタログ燃費は25.6km/L~27.0km/Lとなっていますが、キャンプに良く使われるSUVやミニバンクラスは総じて20km/L程度の燃費ですので、かなり燃料代が減ることがわかります。
キャンプでは長距離移動することが多いですので、燃費の差は顕著に費用に関係してきます。
ただN-BOXはスーパートールワゴンなので軽自動車にしては重量があり、燃費だけを見ればほかの屋根の低い軽に比べると劣っている面もあります。
ほかのメーカーは軽自動車にもハイブリッド技術を積極的に採用しているので、ホンダもハイブリッドを採用して30km/L越えを目指してほしいものです。
ハンズフリースライドドアが便利
N-BOXにはオプション装備としてハンズフリースライドドアというものがあり、荷物を載せる際に手が塞がっていてもスライドドアが開けられる便利装備です。
N-BOXは両側電動スライドドアになっていますが、そのうち左側の電動スライドドアをハンズフリーで開けることができます。
やりかたは非常に簡単で、助手席ドアの下あたりで車の下に足をかざすと、そこにあるセンサーが反応してドアが開きます。
センサーの位置には場所を示すステッカーが貼られるので場所がわからないことはありません。
この装備を使えば両手が荷物で塞がった状態でもスライドドアを開けることができるので、荷物の積み込み時に利用できます。
装着には30,000円ほど費用がかかりますが、使いなれればかなり便利な装備でしょう。
N-BOX+なら荷物の出し入れが楽
現行のN-BOXは2代目で2017年9月にフルモデルチェンジが行われましたが、それまでの前型N-BOXには派生モデルであるN-BOX+というモデルがありました。
キャンプに使えるN-BOX+
このN-BOX+は荷物の積み降ろしがよりやり易くなっており、キャンプにも使い勝手がよい仕様です。
現在も新型N-BOXとともに併売されていますのでまだ手に入れることは可能です。
N-BOX+の最大の特徴はバックドアがリアバンパーをすべておおうほど大きくなったことで、バックドアを開けるとかなり大きな開口部が開きます。
この特徴を活かして荷物の積込の際に持ち上げる高さが低くすむので非常に楽です。
また低いラゲッジルームの床面は外からスロープで簡単にアクセスすることが可能で、マウンテンバイクなどを簡単に載せることもできます。
さらにN-BOX+にはN-BOXにはない純正アクセサリーが多数設定されており、車中泊に活用できるアイテムが多いです。
車室を完全なフルフラットにする車中泊キットを始めとして、車内全体をカバーする遮光カーテン、天井付近に荷物をおいておけるシェルフ等便利な装備がたくさんあります。
またテールゲートを開けた状態でその下を日陰とするカーテンもあり、車をそのままタープのように使えます。
新型N-BOXにはスロープ仕様が登場する
新型N-BOXにはいまのところN-BOX+はありませんが、新型では「N-BOXスロープ仕様」という名前で新たに登場することが発表されています。
介護用途を重視しているようですが、N-BOX+とほぼ同等のレイアウトの車なのできっとキャンプ用のオプション装備を充実させて登場してくれることでしょう。
もしN-BOXの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
N-BOXがキャンプに向いていない点
N-BOXは軽自動車としては荷室が広く、また車中泊にも向いている車ですが、そこは軽自動車なので不向きな点はあります。
そんなN-BOXのキャンプでのデメリットをご説明します。
パワー不足は否めない
N-BOXは軽自動車の排気量制限と馬力制限のためにどうしてもパワーとトルクが低く、人も荷物も沢山のせるキャンプでは重量が重く加速や山道の登坂では不満があります。
N-BOXのエンジンは次のように2種類のエンジンがありますが、どちらもそこまで馬力は大きくなく、トルクも低めです。
項目 | ホンダ N-BOX |
乗車定員 | 4人 |
駆動方式 | FF/4WD |
エンジン | S07B型 ・NA:658cc 直3 DOHC ・ターボ:658cc 直3 DOHC ターボ付き |
最高出力 | ・NA:43kw[58ps]/7,300rpm ・ターボ:47kw[64ps]/6,000rpm |
最大トルク | ・NA:65N・m[6.6kg・m]/4,800rpm ・ターボ:104N・m[10.6kg・m]/2,600rpm |
変速機 | CVT |
車両重量 | 890-1,020kg |
NAエンジンもターボエンジンも軽自動車としては高性能の部類に入るのですが、フル積載ではちょっと心もとないスペックです。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!山道では特に最大トルクが重要なのですが、ターボエンジンでも10kg前後なのでそこまでグイグイと登ってくれるわけではなさそうです。
昔の軽自動車に比べるとかなりパワフルになった現代の軽自動車ですが、660ccのエンジンではキャンプにはちょっと力不足です。
悪路走行は苦手
N-BOXがもうひとつ苦手としているのは悪路走行で、キャンプ場などがぬかるんでいたり雪道だったりするとゆっくりしか走れません。
N-BOXには一応4WDもありますが、あまり本格的な4WDシステムではないので、平地ならともかく山や林道などの悪路ではあまりスムーズには走れません。
また岩場や森林の中などは無理な場合が多く、N-BOXがSUVなどに及ばない点ですね。
軽自動車は制限も多くコストもあまりかけられないのでどうしてもキャンプに向かない点は出てきます。
それでもN-BOXは軽自動車としてはキャンプに最高の車のひとつなのは間違いありません。
キャンプで岩場や森林を行くなら、デリカD:5などがおすすめです。詳細は以下の記事で紹介しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
デリカD:5がキャンプに最適な理由8つN-BOXをキャンプで使用した評判
N-BOXのキャンプでの評判はTwitterにいくつも投稿されていますので、今回はその中からいくつかご紹介したいと思います。
N-BOXの広さは予想外
N-BOX、アウトドアしようと荷物詰め込んで気づいたけど、冗談みたいに車内広い・・・
— tashiromi (@tashiromi) September 26, 2015
この方はどうやらN-BOXにキャンプ用品を詰め込むのは初めてのようですが、その広さに驚かれたようです。
軽自動車と聞くとどうしても狭くて小さいというイメージが先行しますが、スーパーハイトワゴン系は結構ゆとりがあり信じられないほど広い車です。
その中でもN-BOXは最大級の広さを持っているので、最高の軽自動車のひとつでしょう。
自分の車ではじめてのキャンプ
*
そーいえば
くるまを買ったのだけど!
(N-BOX+)
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先週末(8/6-7)にはじめて
自分のくるまでキャンプに
行ってきた!!!
*
くるまもかわいいし←
やっぱりキャンプはさいこーだ… https://t.co/VrMEFwrI0k— りさにゃん* (@risaaanyaaan) August 14, 2016
車をあたらしく買ったときにはどこかに行きたくてたまらないものですが、この方はキャンプに行かれたようです。
かなり良いキャンプだったようで、テンションの高さがツイートから見てとれますね。
軽自動車でのキャンプはネガティブなイメージもあるのですが、その取り回しのよさはキャンプ場では使い勝手がよいものです。
初めて車でキャンプにいくときには、軽自動車は素晴らしい相棒になってくれます。
N-BOXは車中泊したくなる車
N-BOXで車中泊もエエな
もう住所不定でもいいや(笑) pic.twitter.com/2UC3sBO77Y— あど (@ByebyeDependenc) August 28, 2017
キャンプ好きの方はN-BOXの広さを見てしまうと、どうしても車中泊がしたくなってしまいます。こちらの方もそのようで、冗談混じりに住みたいとまでおっしゃってますね。
写真を見てもわかるようにN-BOXを車中泊仕様にすると予想以上に広々としています。
運転席、助手席まで使ってフルフラットにできているのが素晴らしく、車で寝ていることをあまり感じさせませんよね。
車中泊はN-BOXを購入する際の楽しみのひとつになるのです。
ほかにもキャンプに最適な車は以下の記事で紹介しています。興味のある方はこちらもぜひ参考にしてみてください。
ダイハツ タントがキャンプに最適な理由3つ!ルーフキャリアが便利!スバルレヴォーグがキャンプに最適な理由5つ