トヨタ アクアはコンパクトハイブリッドカーの先鞭をつけたモデルで、現在も国内自動車販売台数では常にトップ3に入るほどの大人気車種です。
そんなアクアですが、信頼性に定評のあるトヨタだけあって故障率も低い車なのでしょうか?
今回はトヨタ アクアの故障率についてご説明しましょう。
アクアの故障率
トヨタ アクアは2011年に発売された車ですでに7年経過した車ですが、まだフルモデルチェンジは行われずマイナーチェンジを繰り返しながら常にトップクラスの売り上げを誇る正真正銘の大人気モデルです。
7年経過したモデルがいまでも競争力をキープしていること自体が驚きですが、これにはアクアもしくはトヨタの信頼性の高さも要因のひとつでしょう。
アクアはコンパクトカーの取り回しのよさに加えて燃費もトップクラス、そして信頼性も高いとなれば売れない訳がないでしょう。(燃費の詳細は以下の記事をご参照ください。)
アクアの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!ではアクアの故障率がどの程度なのか、実際のデータを調べてみましょう。
アクアの故障率はわからない?
アクアの故障率がダイレクトにわかるといいのですが、実は車の故障率というのはメーカーの社外秘情報であり、一般には公開されていません。
そのため私たちは車種ごとの故障率がどれぐらいかは正確に把握できないのですが、メーカーごとの故障率については参考にできるデータがあります。
車の故障率の調査はメーカー以外にも実施しているところがあり、民間調査会社や保険会社などが独自に調査を行っています。
これらのデータは一般にも公開されており、今回参考にするのは米国のJ.D.パワー社の自動車耐久品質調査のデータです。
この調査では新車を購入した実際のユーザーから故障件数を聞き取り調査して、それをメーカーごとにランキング化しており、その市場での信頼性の高いメーカーがわかります。対象期間は新車購入から3年~5年の間なので、それなりに故障も出始める時期といえます。
ランキング | メーカー | スコア |
1 | トヨタ | 59 |
2 | レクサス | 63 |
3 | ホンダ | 74 |
業界平均 | 74 | |
4 | メルセデス・ ベンツ | 75 |
5 | スズキ | 79 |
6 | 三菱 | 80 |
6 | 日産 | 80 |
8 | ダイハツ | 82 |
8 | スバル | 82 |
10 | MINI | 88 |
11 | マツダ | 93 |
トヨタはこのランキングで堂々の1位を獲得しており、トヨタ車は故障が少ないという評判はデータでも証明された形です。
トヨタは毎年実施されるこの調査で長らくトップであり、日本市場でもっとも信頼性のあるメーカーはトヨタです。同メーカーブランドのレクサスも信頼性は高いです。(故障率の詳細は以下の記事をご覧ください。)
トヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!レクサスは故障しない?逆に多い?故障率を徹底解明!またこの調査では車のタイプ(セグメント)ごとにそのカテゴリーで故障件数の少ない車種も発表されており、トヨタ アクアは見事コンパクトカーセグメントでトップの故障件数の少なさとなっています。
故障件数の少なさを表すスコアもアクアは49ポイントですが、2位の日産 キューブが61ポイントなので2位より2割近く故障が少ないことになります。
これらのデータを見ても、トヨタ アクアは現在日本のコンパクトカーの中でもっとも故障率の低い車といってよいでしょう。
中古のアクアの故障しやすさ
さきほどの調査では5年までの故障件数のカウントでしたので、たとえ中古車といえども5年落ちのアクアまでは確実に故障はコンパクトカーの中でもっとも少ないと言えるでしょう。
そもそもアクアはもっとも古い車でも7年落ちですので、10年以上経過した車が存在しないのも大きいです。
車の寿命のひとつとして日本で考えられるのは、 10年経過もしくは走行距離100,000km以上です。(詳細は以下の記事でご覧ください。)
中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!アクアではそこまで経過した車はまだまだ珍しく、中古車市場においても走行距離のみに気を付けていれば故障の多い車にはほとんどで会わないでしょう。
アクアがいくら故障が少ない車であるとはいっても部品が劣化してくればトラブルは起こりますので、注意すべきは走行距離の多い中古車です。
のちほど詳しくご説明しますが、アクアの中枢でもあるハイブリッドシステムは走行距離100,000kmで主要なシステム部品にトラブルが出てきますので、そのあたりのアクアを買おうとすると注意が必要です。
それもあって高走行のアクアは中古車価格が大きく下がる傾向にありますが、ヘタにそういう車を買うとのちほど修理などで費用がかなりかかることも考えられます。
それ以外にもエンジン部品などの交換が必要な場合もあるでしょう。
中古でアクアを買う際には、走行距離が70,000km前後までの個体にしておくとまだまだトラブルも少ない状態で乗り続けられるでしょう。
あとは基本的に中古車の選び方の一般的なポイントを抑えておけば、大きな問題はありません。中古車の一般的な選び方が分からない方は、こちらの記事もご覧ください。
初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!アクアオーナーの評判
アクアの故障の少なさは日常乗っていらっしゃるオーナーさんが一番わかっておられるので、今回はそういったご意見をTwitterから集めてみようと思います。
アクアは大きなトラブルなく90,000km
丸5年乗っている私の車。
もうすぐ90,000㎞。
地球一周はおおよそ40,000㎞だそう。
私がこすったり、ぶつけたりしても、大きな故障もなく。ありがたい。燃費もすばらしい。
あと5年は乗ります。よろしくです。
#トヨタ #アクア— ちあみわ (@Taisyougane) August 28, 2017
この方は年20,000km弱運転されるそうで、かなりアクアを使い尽くしておられますが、その5年の間に大きなトラブルがなかったというのがアクアの信頼性の高さを証明しています。
たぶんですが車のメンテナンスは適切に行っておられるのでしょうから、その甲斐もあってトラブルはないのでしょうね。
ハイブリッドカーといえどもエンジンのオイル交換などのメンテナンスは重要なのです。
必要なメンテナンスの詳細は以下の記事をご覧ください。
アクアにはどんなメンテナンスが必要?費用はこんなにかかります!中古車のエアコン配管故障
愛車アクアXアーバンの冷房が故障!ガス漏れだけでは済まされないようで、カーセンサーアフター保証が使えないらしい。
来週、購入した越谷まで行って入院させることに。
2時間、冷房なしで行けるのか?— ママっぽん (@gatenaqua) May 26, 2017
この方のアクアは中古で購入されたようですが、エアコン配管にトラブルがありエアコンの冷媒漏れの故障がおこったようです。
アクアがハイブリッドカーでいくら故障が少ないとはいっても、エアコン配管のようなこれまでの車と変わらない部分にはそれなりにトラブルが発生します。
アクアは販売台数も多いのでトラブル件数もそれなりに多くなるのですが、絶対的な故障率は少ないことは確かでしょう。
車屋さんも認める故障の少なさ
車の定期点検だったわけだけど、AQUAちゃん悪いところは一つもなし。
MINI時代に比べて維持費安すぎて不安になるレベル。
担当さん曰く
「維持費はオイル・ワイパー交換と、3年でタイヤ交換、4、5年でバッテリーが一回へたる位でAQUAが故障したってのはあんまりないです」マジか
— YOTTA@Leoso (@Yotta_V) October 12, 2016
この方は以前は輸入車のMINIに乗っていらっしゃってアクアのあまりの維持費の安さに驚いていらっしゃるようですね。
アクアのメンテナンスは基本となるオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換などの消耗品交換だけでほぼ済むようで、車屋さんもその故障の少なさは実感されているようです。
アクアオーナーの評判は以下の記事でもまとめているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アクアの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!もしアクアの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
アクアの故障事例
アクアの実際の故障事例はいくつもあるものの、大半は一般的な消耗品交換で済むものです。
しかしアクアの特徴であるハイブリッドシステムにはある時期から故障する箇所が出てきますので注意が必要です。
ハイブリッドシステムの故障
トヨタのハイブリッドカーには独特の故障が発生するのですが、走行距離が100,000kmに近づいた高走行車に起こりがちです。
アクアもトヨタのシステムであり同様のトラブルが起こります。ハイブリッドシステムは大きく分けて3つの部位に別れており、
- 駆動モーター
- インバータ
- 駆動用バッテリー
の3つです。このうち駆動モーターにはほとんどトラブルは起こらず、気にしなければならないのは残りの2つです。
インバータのトラブル
インバータは駆動モーターの制御を行う部品で、ハイブリッドシステムの根幹をなす部品です。
内部は高電圧を扱う電子部品が多数入っており、発熱もかなりのものとなります。
インバータは走行距離が100,000kmあたりで寿命がくることがあり、おもに内部の電子部品の破損によっておこります。
短絡や断線などが起こるとインバータのトラブルとして警告灯が点灯し、車のエンジンがかけられなくなって自走も不可能となります。
もし出先でトラブルが起こると、車の移動が問題となりますね。
修理はインバータ全体交換が基本であり、内部部品のみの修理は基本的に行われません。
そのため修理費用が高額で、インバータ一基で100,000円〜150,000円もするものです。
そのためインバータの故障が起こるとその時点で車を手放す人も多く、アクアの寿命のひとつと考えてもよいでしょう。
新車から乗り続ける人ならよい乗り換えのタイミングとなるのですが、中古車の場合はそうはいきません。
もし中古で安いアクアを購入した場合、走行距離が100,000kmに近づいた車はインバータ故障の可能性が高まっているということなのです。
アクアは中古でも故障の少ない車なのですが、ハイブリッド車特有のトラブルには要注意です。
駆動用バッテリーの寿命
ハイブリッドカーの駆動バッテリーはかなり大容量のバッテリーが搭載されていますが、基本的には携帯電話のバッテリーの大型版ですので長い間使っていると劣化が進みます。
そして携帯電話でもそうですが劣化が進めばバッテリーは電圧が下がって使えなくなり、交換が必要となります。
アクアのようなハイブリッドカーのバッテリー寿命はだいたい走行距離100,000kmに設定されていますが、実際のバッテリーの寿命は運転の仕方や環境などでもずいぶんかわってきます。
モーターの使用頻度が高い場合にはバッテリー劣化が進む傾向にありますので、ストップアンドゴーが多い運転などが影響します。
とはいっても走行距離が80,000kmぐらいまではまず大丈夫ですし、中古車でもそこまで走っている車はあまりないはずです。
しかしバッテリーの劣化によって限界が来ると、ハイブリッドシステムの警告灯が点灯して車が動かせなくなってしまいます。
エンジンだけでの自走もできないので修理工場まで輸送してもらう必要がでてくるのです。
またいざバッテリーの交換となると費用は結構高く、一昔前は500,000円ほどしていたものの現在は少し落ち着いて300,000円程度になっています。
アクアの修理費としてはもっとも高い部類の部品となるでしょう。
結局このバッテリー交換も100,000kmという乗り換えタイミングの前後に起こりますので、そうなると修理するよりは新しい車に乗り換えする人も少なくありません。
ハイブリッドカーはおおよそ100,000kmを目処に乗り換えしていく車として作られていそうですね。
アクアの走行距離の寿命については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
アクアの航続距離は?走行距離の寿命(限界)はどれくらいか解説!電動エアコンの故障
車の故障部位の中で多いものにエアコン関係がありますが、アクアのエアコンも比較的故障があるものです。(他の部位が圧倒的に故障が少ないこともありますが)
アクアのエアコンは普通の車と違ってエンジンの動力で動くものではなく、ハイブリッド用の駆動バッテリーの電力を使って稼働する電動エアコンです。
エンジンの回転数に左右されない安定した稼働ができるのですが、電動で動くこと以外は普通のエアコンとかわらず、とくにコンプレッサーの高回転部分にトラブルが起こることもかわりません。
高回転部に使われているベアリングが消耗すると、異音や異常振動が起こります。
こうなると電動エアコンコンプレッサーの交換が必要となりますが、電動コンプレッサーは通常のコンプレッサーより高額で、費用は100,000円〜150,000円近くかかります。
この部品は80,000km以降で次第にトラブルが出てきますので、高走行のアクアでは注意が必要な部位です。
中古車を買う際にエアコンなどから大きな音がしていたら注意するべき点ですね。
通常バッテリーは見落としがち
アクアには大容量のハイブリッド用バッテリーが搭載されていますが、実はそれ以外に普通の車に搭載されている12Vのバッテリーも搭載されています。
しかしその事を知らないオーナーさんも多く、アクアはハイブリッドカーなのだからバッテリー交換など必要ない、と思われていることも珍しくありません。
12Vバッテリーが劣化して電圧が低下すると、普通の車と同じくエンジンがかからなくなります。
いくらハイブリッド用のバッテリーがあるとはいっても車の主要システムは12Vバッテリーで駆動しているものも多く、そのバッテリーがきれてしまえば動かない部品は多いです。
バッテリーを定期的に交換していれば特別トラブルにはならないのですが、通常バッテリーの存在を知らずに交換を怠っていると、ある日突然車が動かなくなります。
そうなると故障と思われてしまうのですが、じつはただのバッテリー切れということもよくあります。
交換部品は数万円と普通の車より多少高めですが、定期交換は必要な部品です。
定期点検の際などにバッテリーのチェックをしてあれば気づけますので、電圧が下がっていたら交換しましょう。
アクアは故障が少なく信頼性の高い車
アクアは前述したデータでも示されているように、現在日本で発売されているコンパクトカーの中では故障が少なく信頼性の高い車です。
アクアであれば新車はもとより中古車でも故障の可能性は低く、定期的なメンテナンスをしっかりしておけば長い期間ノートラブルで乗ることができるでしょう。
ただ100,000kmを越えたアクアにはハイブリッド系部品の寿命によって修理が必要な場合が出てきます。
そのぐらいの走行距離だと中古車両価格はかなり安くなっているものの、購入後に修理費がガッツリかかってしまうこともありますので、あまり手は出さない方がよいでしょう。
これからアクアを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひご覧ください。購入の参考になりますよ。
トヨタ アクアの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!【画像/写真】アクアの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!