トヨタ珠玉の上級ミニバンといえば、ご存知「アルファード/ヴェルファイア」の兄弟モデルですよね。
コンセプトどおり高級セダンのようなスタイルとミニバンの快適性が融合した、とてもゴージャスな一台です。
それゆえに「いったいいくら年収があえば乗れるんだ?」なんて思う方が多いんじゃないでしょうか?
というわけで今回は、アルファード/ヴェルファイアの購入について、維持費も算出したうえで「年収いくら必要なのか?」考察してみました!
アルファード/ヴェルファイアのオーナーの年収
オーナーの収入は一体どれくらいなのでしょうか?想定するターゲット層や、Twitterの投稿を参考にして見ていきましょう。
メーカーが想定するターゲット層
トヨタが営業向けに配布する資料によると、アルファード/ヴェルファイアは「30~40代の自車代替層、または上級ミニバン志向層」がメインターゲットに設定されているようです。ようするに、比較的裕福な層を狙っていることになりますね。
コンセプトも「高級セダンの上質感をミニバンに落とし込む」といったもので、高級感・上質感を前面に出していますし、オーナーには相応の年収が求められるでしょう。
なおアルファード/ヴェルファイアが高級車かどうかという話題は以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
アルファード/ヴェルファイアは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!やはり高所得のオーナーが多い?
二十代にして子供3人育てながら家と現行アルファード買うようなやつ、年収800くらいあるんちがうか…
— always (@myplacepromised) 2018年6月8日
一般的な感覚としても、やはり高所得者が多い印象のようです。
こちらのツイッターにあるとおり、結婚しているオーナーさんなら年収800万円クラスと考えられます。
ヴェルファイア アルファードは年収700万円くらいの層向けって言われてるけど、
実際買う人はその半分くらいなのがほとんどそれでも売れてくアルファード兄弟の魔力とも言うべき魅力は半端ないんだな
— AS@KURA (@asakura_monena) 2014年5月20日
いっぽうで、こんな意見も見受けられます。
アルファード/ヴェルファイアに限ったことではありませんが、人気車種には「収入的に厳しいけど、無理しても乗りたい」と思わせる、不思議な魔力があります。
意外に、想定ターゲットより低所得の層からも人気なのです。
ちなみにいわゆるヤンキー・DQNといわれる人たちからも人気だと言われています。このことについては以下の記事でまとめているので、詳細が気になる方はこちらもご参照ください。
ヴェルファイア/アルファードになぜヤンキーは乗るのか?乗れるのか?理由を徹底的に分析してみた!アルファード/ヴェルファイアのオーナーになるのに必要な年収
それでは、実際にはどれくらいの年収があれば、アルファード/ヴェルファイアのオーナーになれるのでしょうか?
まずは車にかかる費用として、以下の5項目について、それぞれ算出してみたいと思います。
- 車体の支払い総額
- 車検費用
- 税金
- 保険費用
- ガソリン費用
車体の支払い総額
まずはじめに見るポイントは車体価格ですよね。公式ページを参照して、現在販売されている価格をグレードごとにまとめてみました。
アルファード | ヴェルファイア | 車体価格 | エンジン形式 |
X | X | 3,376,080円~ | 2.5L |
G | V | 4,206,600円~ | 2.5L |
GF | VL | 4,652,000円~ | 3.5L |
HYBRID X | HYBRID X | 4,384,800円~ | 2.5L ハイブリッド |
HYBRID G | HYBRID V | 4,997,160円~ | 2.5L ハイブリッド |
HYBRID G“F パッケージ” | HYBRID V“L エディション” | 5,551,200円~ | 2.5L ハイブリッド |
Executive Lounge | Executive Lounge | 7,028,640円~ | 3.5L |
HYBRID Executive Lounge | HYBRID Executive Lounge | 7,352,640円~ | 2.5L ハイブリッド |
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば、上記の価格よりも安くアルファード/ヴェルファイアを購入できますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!自動車を購入するときは、車体価格に加えて自賠責保険や各種税金がかかります。この費用についてモデルごとに算出してみます。
項目 | 2.5Lガソリン | 3.5Lガソリン | 2.5Lハイブリッド |
自動車取得税 | 9~11万円 | 12~18万円 | 0円 |
自動車重量税(3年分) | 49,200円 | 61,500円 | 0円 |
自動車税(最大) | 45,000円 | 58,000円 | 45,000円 |
自賠責保険(37か月分) | 36,780円 | ||
リサイクル費用 | 16,550円 | ||
登録諸費用 | 6~7万円 | ||
諸費用の合計額 | 25~28万円 | 30~37万円 | 16~17万円 |
それぞれの費用について、少しだけ補足説明をはさみましょう。
まず、「自動車取得税」ですが、これは文字通り自動車を購入したときに発生する税のこと。新車購入の場合、課税標準額(車体価格の約90%)の3%が自動車取得税となります。オプションを付けた場合は、その金額(付加物の価額)も課税対象です。
次に、「自動車重量税」と「自動車税」ですが、これは重量・排気量によって定められている税金ですね。自動車税は、翌年4月1日までの税を月割りで前払いするため、購入月によって金額が変動します。
ちなみに、ハイブリッドモデルはエコカー減税が効くので、取得税と重量税が全額免除となります。
続いて「自賠責保険」ですが、これは購入時、車検時に支払うものですね。新車購入すると、次回車検までの3年分(37か月分)の保険料を支払います。料金は、自家用普通車なら一律36,780円です。
「リサイクル費用」は、特殊な方法で処分するエアコン(フロンガス)やエアバッグ(火薬)などのために支払います。メーカーが車種によって金額を定めており、アルファードの場合は16,550円です。
「登録諸費用」は営業マンの手間賃とお考え下さい。明確には定められていませんが、おおむね6~7万円程度でしょう。これには全体の消費税も含まれています。
項目がたくさんありますが、合計で16~37万円の費用がかかるようですね。モデルやオプション内容によっても変化しますが、平均すると大体26万円程度。
もちろんやり取りの中で細かい金額が変化することもありますが、正規の価格はこの金額になります。
車検にかかる費用
自動車は買えばずっと乗れるわけではありませんよね?
保安基準に満たしているかチェックするため、一般的な乗用車なら2年ごとに車検を受ける必要があります。維持費を考えるうえで、この費用を知っておくことが重要です。
車検は「基本料金」「自賠責」「重量税」「印紙代」の金額がある程度決まっており、諸費用は以下のような具合になります。
項目 | ディーラー | 整備工場 | ユーザー車検 |
基本料金 | 約5万円 | 約2万円 | なし |
重量税(2年分) | ガソリン:32,800~36,900円 ハイブリッド:20,000~25,000円 | ||
自賠責保険(24か月分) | 25,830円 | ||
印紙代 | 1,200円※多少の誤差あり | ||
合計 | 約9~10万円 | 約6~7万円 | 約4~5万円 |
基本料金は車検を受ける場所によって差がありますが、基本的にディーラーは、個人でやっているような整備工場の倍額は必要と覚えておきましょう。点検項目はどちらも同じですが、ディーラーのほうが安心感が高いため、値が張ります。
また、陸運支局に行って自分で通す場合は、法定費用の金額のみで済みます。車に慣れている人なら、この方法でもいいでしょう。
これら基本費用に消耗品の交換費用が加算されます。このメンテナンス費用は平均的に考えると、車検1回あたり3~4万円といったところでしょうか。というわけで、車検費用は12~14万円程度と予想されます。
ちなみにアルファード/ヴェルファイアはトヨタ車であるため故障はしにくい車で、故障・修理費用という意味での維持費はかなり安く済みます。(詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。)
アルファード/ヴェルファイアは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!税金にかかる費用
車は財産ですから、たとえ乗っていなくても定期的に税金がかかります。これは毎年支払う「自動車税」と、車検ごとに支払う「重量税」の2種類がありますが、後者は車検時に支払うため省きましょう。
「支払い総額」の項で解説したとおり、自動車税は翌年4月1日までの1年分の税を納めます。金額は排気量によって定められており、2.0~2.5Lなら45,000円、3.0~3.5Lなら58,000円です。
任意保険にかかる費用
もしものときに備えて、任意保険に加入するこも忘れてはいけません。自賠責保険とは違って義務はありませんが、万が一の事故に備える必要があります。
ご存知のとおり、任意保険は車種によって金額が異なりますよね。これは「型式別料率クラス制度」と呼ばれ、
- 対人
- 対物
- 傷害
- 車両
の4項目について、それぞれ9つの料率クラスに分類することで定められています。
つまり、事故件数が多い車両は料率が高く設定され、それだけ保険料金も高くなるということ。会社によって細かい金額は異なりますが、料率の設定は大体どこも同じようなものです。
2018年現在のアルファードの料率はこちらを参考にしてください。
モデル | 対人 | 対物 | 傷害 | 車両 |
2.5L ガソリン | 4 | 4 | 4 | 5 |
3.5L ガソリン | 6 | 4 | 4 | 5 |
2.5L ハイブリッド | 6 | 5 | 4 | 5 |
ソニー損保の公式ページによると、「20等級/30歳以上/ゴールド免許」の設定で年間走行距離11,000km以下の場合、車両保険ありで年間55,790円、車両保険なしで年間16,110円という査定になるそうです。
参考 トヨタ アルファードの保険料っていくら?ソニー損保ガソリンにかかる費用
車を維持するためには、ガソリン代も想定する必要がありますね。気にしないでガンガン乗っていると、知らぬ間に家計を圧迫してしまうことも珍しくありません。
というわけで年間の走行距離を1万km、レギュラーを150円、ハイオクを160円と仮定して、1年あたりにかかる費用を計算してみました。「カタログ燃費 – 3km/L=実燃費」とすると、年間の給油量とガソリン代は以下のようになります。
モデル | カタログ燃費 | 給油量 | ガソリン代 |
2.5L ガソリン | 11.6~12.0km/L | 1,163L(レギュラー) | 174,418円 |
3.5L ガソリン | 10.4~10.8km/L | 1,351L(ハイオク) | 216,216円 |
2.5L ハイブリッド | 18.4~19.4km/L | 649L(レギュラー) | 97,402円 |
というわけで、年間のガソリン代はそれぞれ17万円、22万円、10万円となりました。ざっくりとした計算ですが、大きく外れることはないでしょう。
なおアルファード/ヴェルファイアの燃費については、以下の記事で詳しく解説しています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アルファードの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!費用から見えてくる年収ライン
さて、数字がたくさん出てきましたが、一度金額を整理しておきましょう。車体の購入価格(諸費用込み)と1年あたりの維持費(車検、自動車税、任意保険、ガソリン)は以下のようになります。
モデル | 購入費 | 維持費 |
2.5L ガソリン | 362~448万円 | 33万円~ |
3.5L ガソリン | 495~739万円 | 39万円~ |
2.5L ハイブリッド | 454~752万円 | 26万円~ |
それでは年収ラインについて考えてみましょう。統計によると、独身男性が1か月に使う金額は、およそ18万円といわれています。つまり、1年で216万円の支出があるということですね。
車体価格の20~30%を頭金にして、5年(60回)ローンでの支払いを想定すると、3種類のモデルはこれくらいの年収ラインが考えられるでしょう。
モデル | 想定される年収ライン |
2.5L ガソリン | 400万円 |
3.5L ガソリン | 500万円 |
2.5L ハイブリッド | 500万円 |
子供がいたり、物価の高い地域に住んでいたりなど、支出額が多い人はさらに多くの年収が求められそうです。
なおアルファード/ヴェルファイアの必要な年収はかなり高いですが、ユーザーの満足度については以下の記事で詳しくまとめています。詳細が気になる方はこちらもご参照ください。
アルファードの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!もしアルファード/ヴェルファイアを〇〇万円の年収で購入したら?
ということで、細かい項目までチェックしていくと、独身男性の場合の年収ラインは「400~500万円」ということになりそうですね。既婚者で、かつ子供がいる場合は「600~700万円」は欲しいところ。
ということで、オーナーに求められる年収について、解説は以上になります。最後におまけとして、見方を変えて「年収○○万円で購入した場合どうなるか?」をサラッと紹介しましょう。
年収300万円なら?
独身男性なら100万円以上の貯金があれば、ローンを組んで購入することは可能でしょう。その際、維持費の捻出のため、生活を切り詰める必要はありますが…。
既婚男性なら、年収300万円での新車購入はまず無理でしょうね。どうしても購入したい場合は、過去のモデルを中古で購入するといいでしょう。
程度のいい車体を選べば、かなりのコストダウンにつながります。
なお中古車を買ううえでのポイントは以下の記事でまとめているので、中古で買おうと思っている方はこちらも参考にしてみてください。
初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!年収500万円なら?
さきほど解説したとおり、独身男性なら新車購入可能なラインです。
無理に生活を切り詰めることもありません。ただし、他にお金のかかる趣味を持っている場合は、ある程度見直し必要はあります。
既婚男性なら、年収500万円では少し心もとないですね…。どうしても欲しい場合は、「残価設定型クレジット」などを利用するといいかもしれません。
メーカーで下取ってもらうことを前提にするので、その分だけ購入コストを抑えることができます。
長く乗りたくなった場合は、差額を支払えばそのまま所持できますから、安く新車購入するには有効な手段です。
年収700万円なら?
この水準の収入があれば、独身でも既婚でも新車購入が可能かと思われます。メーカーの狙っている収入層でもありますしね。
子供の養育費、自宅のローン、通勤用の車など、一通りの支払いとも両立できるでしょう。
年収1,000万円なら?
高収入の大台ともいえる年収額ですね。この水準の収入をもつ人は、よほど他に出費がなければ、もう1、2台ほど高級車を乗ることができるでしょう。
なおアルファード/ヴェルファイアについては、以下の記事でも詳しく解説しています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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