輸入車で高級車といえばメルセデスベンツで、工業大国ドイツで生産された優秀な車です。
そんなベンツですが、車の故障率についてはあまりよくないと言われることがありますね。
本当のところはどうなんでしょうか? 今回はメルセデスベンツの故障率についてご説明します。
ベンツは故障率は低くもなく、高くもない
ベンツといえば完成度の高い高級車で、日本車ではなかなか追いつけないステータス野高さも兼ね備えた素晴らしい車です。
ベンツの魅力については、詳しくは以下の記事をご覧ください。
絶対的な最高の魅力!ベンツの7つの良さをわかりやすく解説!しかし、こと故障率について見ると、実はレクサスなどの日本車のほうが故障が少ないのです。(レクサスの故障率の詳細は以下の記事をご覧ください。)
ある調査会社の調査で分かっています。まずはその調査会社、J.Dパワー社発表の故障率ランキング「耐久品質調査」についてご説明しましょう。
車のブランド別故障率ランキング
車の故障率はそれぞれの自動車メーカーでは把握しているものの、メーカー同士を比較して客観的に判断する仕組みは法律などにはありません。
しかし民間調査会社である米国J.Dパワー社は、さまざまな事柄についてのランキングを独自に調べて客観的判断ができる会社で、その実績から信頼性の非常に高い結果を期待できます。
そのJ.Dパワー社の調査の中に、「自動車耐久品質調査」というものがあります。これは新車購入3年~5年の自動車ユーザーを対象に実際の故障やトラブルの有無を聞き取り調査したもので、自動車メーカーや政府から独立した調査です。
この調査は世界各国で行われていますので、今回は日本、ドイツ、アメリカの3か国についての最新ランキングを比較してみましょう。
なお日本のみ2017年度の発表が出ていませんので、2016年10月時点のデータです。
日本(2016) | ドイツ(2017) | アメリカ(2017) | |
1位 | レクサス | 起亜 | レクサス |
2位 | ホンダ | ヒュンダイ | ポルシェ |
3位 | トヨタ | トヨタ | トヨタ |
4位 | スズキ | 三菱 | ビュイック |
5位 | ダイハツ | シュコダ | メルセデスベンツ |
6位 | マツダ | プジョー | ヒュンダイ |
7位 | 日産 | 日産 | BMW |
8位 | スバル | オペル | シボレー |
9位 | 三菱 | ホンダ | ホンダ |
10位 | アウディ | フォード | ジャガー |
11位 | メルセデスベンツ | セアト | 起亜 |
12位 | BMW | ルノー | リンカーン |
13位 | MINI | Volkswagen | MINI |
14位 | Volkswagen | ダチア | GMC |
17位 | メルセデスベンツ |
参考:2016年日本自動車耐久品質調査,2017年米国自動車耐久品質調査,2017 Germany Vehicle Dependability Study
さてこうやって一覧表にしてみると、メルセデスベンツの故障率は日本とドイツでは割かし低く、アメリカのみ5位と良い成績を収めています。
しかし特筆すべきはベンツの上には必ずトヨタやレクサスの名前が載っていることであり、故障率だけを見てみるとベンツは日本車よりあまりよくないことが分かります。
トヨタの故障については、詳しくは以下の記事をご覧ください。
トヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!特に本国であるドイツではかなりランキングの下の方になってしまっており、トップ1位、2位は韓国メーカー、その後は日本、フランスなどの各メーカーが並んでいます。
しかし歴史あるメーカーであるベンツが、なぜこんなにも差が生まれてしまっているのでしょうか?
ベンツの故障率の高さの理由
前述のランキングでベンツは結構下位に沈んでいましたが、これはベンツの車が悪いというよりは、そのほかのメーカーの故障率や信頼性が著しく高いと言った方が正しいでしょう。
日本車の故障率が低くすぎて、高く見える
ベンツは数十年前は日本車に比べると故障率がかなり高かったのですが、近年かなり改善されて昔とは比べ物にならないほど信頼度は上がっています。
しかし日本車やそれに競合する韓国車などの信頼性はそれを上回るレベルで向上しており、いまだベンツが追い付けていないのが事実です。
このベンツなどのドイツ車と日本車の違いについては、詳しくは以下の記事でご覧ください。
比較してみた!ドイツ車と日本車の決定的な違い5つ!ベンツは日本でなくドイツのためにつくられている
また車の使われる環境でも故障率は変わってきますが、高温多湿で道路状況がストップアンドゴーの多い日本は車にとってストレスの多い環境と言えます。
そんな環境に耐えられるように日本車はできていますので、もっと高速でロングドライブが得意のベンツには厳しい環境です。
実際アメリカではベンツの故障率の少なさは上位に入っており、他のドイツ勢であるポルシェ、BMWと並んで得意な環境であると言えます。
ドイツもアウトバーンなどで高速走行の場面も多いのですが、ヨーロッパは路面状況の悪い道や狭い道も多く、大型のベンツでは苦手とする環境も多いです。
故障率は国ごとの環境と車が得意とするシーンで変わってきますが、こと日本においてはベンツは日本車より故障が多いのが事実と言えるでしょう。
なお先ほど少し触れたポルシェの故障率は以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
ポルシェは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!ベンツオーナーの故障に対する評判
さて客観的なデータとしてベンツの故障率が国産車より高いことはわかりましたが、実際にベンツに乗っている人たちは故障についてどう思っているのでしょうか?
Twitterに意見がいくつも挙がっていますので、その中から3件ご紹介しましょう。
ウインカーが故障
わずか30km走行で、ノーウインカー車6台に遭遇
うち、4台はBMW。
昔、うちにあったベンツのw220系S320はウインカー良く壊れたけどBMWは今の車もウインカー壊れやすいのか?車でなくドライバーの故障ならディーラーには購入時安全運転講習義務化して欲しいな。#BMW
— プレーリー (@mentaikokireko) 2018年8月19日
こちらの方は昔ベンツに乗られていた様ですが、ウインカーが良く壊れたというトラブル…。なかなか危険な状態ですね。
幸いこちらの方は事故を起こす前に気づかれたようですが、国産車ではあまり聞いたことのないトラブルですね。
ベンツは修理費がかなり高い
ベンツも8年乗ると故障が出てきて修理代がバカになりません。挙句に欠陥があって症状が出たら90万円の修理代がかかることを知りました。個性的なフィアット500かフォード・フィエスタで迷いましたがツインエアとデュアロジックが忘れられなくて5ドアのパンダを選びました。 pic.twitter.com/edzDKavz6S
— スズキファン (@megaoya) 2017年7月25日
国産車でも8年も乗れば故障も出てきますが、それよりも修理費の高さが問題です。
どんなトラブルかはわかりませんが、国産車で900,000円レベルの修理となると、エンジンのオーバーホールレベルの故障です。
国産車だと10年未満ではほとんど出ないトラブルだと思うのですが、この方のベンツではかなり重大な欠陥があったようです。
故障率の高さも問題ですが、それよりなにより修理に費用が掛かりすぎると長く乗っていられないのが悲しいですね。
何度も壊れるベンツ
ベンツまた壊れた笑 ベンツお決まりの故障やけん許容範囲というかあれやけど壊れるタイミング素晴らしい。笑 年の瀬に壊れるて。
— k.daito (@knkn0852) 2016年12月26日
この方のベンツはトラブルが何度も再発しているようで、1度修理した様ですが年末という忙しい時期に故障してしまったようですね。
ベンツに多いトラブルというと、エンジンやトランスミッションからのオイル漏れがありますが、普通はパッキンの交換で完治するものです。
しかし何度も起こっているということは、そもそも設計に何か問題があったのかもしれませんね。
もしベンツの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ベンツの修理費と交換工賃
ベンツは故障率が多いことに加えて、修理費が高いこともよく言われます。
車の修理の際に考える費用は主に2つで、交換する部品代と交換工賃ですが、ベンツはこの両方が国産車より高く、費用がかかる車なのです。
ベンツの部品代は高い
まず部品代についてですが、ベンツの交換部品の値段は国産車の同様な部品に比べて5割増し~2倍ぐらいになることもあり、かなり高額の部品になってしまいます。
故障して交換する部品の代名詞にエアコンのコンプレッサーがありますが、国産車の場合コンプレッサーは50,000円ぐらいの部品です。
しかしベンツの場合には部品代で最低100,000円はかかってしまい、物によっては150,000円ぐらい請求されることもあります。
これは交換部品がドイツから供給されることで輸送費や保管費用などが余分にかかるほか、ベンツで使っている部品そのものが国産車より高いことが理由です。
またベンツは基本的に台数は国産車より少ないので、量産効果が少ないことも考えられます。
ベンツの交換工賃は高い
次に交換工賃についても、ベンツのディーラーでは国産車ディーラーより工賃が高い傾向にあります。
前述のコンプレッサー交換では、国産車では30,000円程度の工賃が標準ですが、ベンツの場合50,000円~100,000円請求されることも珍しくありません。
たしかにベンツはメンテナンス性があまりよくないと聞きますが、それ以上に工賃は純粋にディーラーの儲けとなりますので、高級車であることを理由に工賃が高く設定されている可能性もあります。
結局、ベンツはある程度収入がある人が買う前提の車であり、部品交換や修理が多少高くても許容できるとの見込みがあるのでしょう。
しかし故障が多発して頻繁にディーラーに入院するようでは、ベンツの有難みも半減してしまうというものですよね。
特に古めのベンツを買う方は、より注意して購入すべきでしょう。古いベンツの購入については、詳しくは以下の記事をご覧ください。
古いベンツに乗るのはどうなのか?修理とかで大変すぎる?!