三菱 パジェロはクロカンSUVの代名詞的な1台で、本格的なオフロード性能が魅力です。
アウトドアにも強いパジェロですが、キャンプでの使い勝手はどうなのでしょうか。
今回はパジェロがキャンプに向いているかどうかについてご説明します。
パジェロはキャンプに向いているのか
パジェロは昔からオフロード性の高い車として有名であり、質実剛健な設計と豪華な内装で三菱の大型車としては最上級の位置付けにあります。
ミニバンほどの荷室の大きさはないものの、キャンプ場のようなフィールドはパジェロにうってつけであり、パジェロはキャンプ向きの車と言ってよいでしょう。
まずはパジェロがキャンプに向いている点をご紹介しましょう。
キャンプに使うならパジェロロング
現行のパジェロには大きく分けて2つのモデルがあり、車体が短く5人乗りの「パジェロショート」と、車体が長く7人乗りの「パジェロロング」があります。
キャンプのような荷物が多い場合には、パジェロロングをおすすめします。
パジェロショートとパジェロロングがどのぐらい違うのかといえば次の通りです。
項目 | パジェロ ショート | パジェロ ロング |
乗車定員 | 5名 | 7人乗り |
ボディタイプ | 3ドア | 5ドアSUV |
全長 | 4,385mm | 4,900mm |
全幅 | 1,875mm | |
全高 | 1,850mm | 1,870mm |
価格 | 2,926,800円~ 4,001,400円 | 3,277,800円〜 4,951,800円 |
ショートとロングでは乗車定員の違いのほかにドアの枚数も違います。ショートでは3ドアタイプなので後席にアクセスするときには前席を倒すのですが、ロングは5ドアなので後席は後ろのドアから乗り降りができます。
また全長で515mmもの違いがあり、その分は3列目シートのスペースなのですがシートを格納すれば広い荷室ができます。
また3列目シートは普段使いには便利ですし、パジェロの場合はシート自体を簡単に外すことが可能なので、必要なときにだけ付ければよいわけです。なお3列目シートを外した状態で走っても法律違反にはなりませんのでご安心を。
値段はパジェロロングのほうが高いのですが、キャンプに使うことを考えるなら”大は小を兼ねる”でパジェロロングが最適でしょう。
キャンプ場にとけこむデザイン
パジェロのデザインはスタンダードなクロカンSUVといった出で立ちで、キャンプ場など大自然の中にとけこむデザインです。
現行のパジェロは直線基調のデザインの中にうまく曲線を取り入れており、ゆるやかな曲線を描くフロントグリルはなかなか優雅です。
車全体は迫力のある大径タイヤと大きなボディのおかげで男らしい力強さにあふれており、近年流行りのクロスオーバーSUVにはない魅力があります。
車でキャンプにいくとなるとどうしても荷物のことを考えがちでミニバンやワンボックスタイプの車にしたいものですが、こういった箱形の車はあまりキャンプ場には似合いません。
しかしパジェロならデザイン的にキャンプ場にはぴったりですし、パジェロロングは国産SUVの中では最大級ですので荷室もそれなりに広いです。
せっかくのキャンプですしカッコイイ車でいきたいものですが、そんな人にはパジェロがおすすめです。
もしパジェロの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
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どんなフィールドでも走れる走破性
パジェロの大きな魅力のひとつは本格的なオフロード走行性能です。
最近はキャンプ場も整備されているところが増えましたが、それでも山や丘、森林など不整地にあるキャンプ場もまだ多いので、車の走破性は重要です。
パジェロはクロスカントリーSUVとして設計されており、ラダーフレームという堅牢なフレーム構造がベースになっています。
この構造は過大な入力のかかるクロカンSUVには必須のもので、これがあるからこそオフロードでも車が壊れることなく走行できるのです。
またパジェロは一般の乗用車と同じようにモノコックボディも持っており、ラダーフレームとモノコックボディを溶接して一体化させたセミモノコックラダーフレームという構造です。
これによりパジェロは一般道路でも良好な乗り心地を実現しており、オフロードとオンロードの性能を両立してあります。
パジェロはこれらの構造でどんな険しいキャンプ場でも林道でも走行が可能ですので、あらゆるタイプのキャンプに対応できる車といえるでしょう。
ちなみに軽自動車のパジェロミニの方も走破性はすごいです。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はあわせてご参照ください。
パジェロミニの走破性を徹底解剖!オフロード・クロカン性能はいかに?!パワフルなディーゼルエンジン
パジェロのエンジンにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意されていますが、山道の多いキャンプではディーゼルエンジンが便利です。
最新型のクリーンディーゼルエンジンは環境性能とパワーを両立したエンジンで、とくに低速でのトルクが太い特徴があります。
トルクがあると山道の上り坂や悪路の走行時に力強い走りができ、キャンプ向けの車にはもってこいのエンジンなのです。(ディーゼルエンジンの特性の詳細は、以下の記事をご参照ください。)
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!パジェロのディーゼルエンジンは3.2L直列4気筒(※1)のターボディーゼルエンジンで、性能は馬力は190PS/3,500rpm、トルクは45.0kgf・m/2,000rpmとなっており、非常にトルクフルなエンジンとなっています。
これだけのトルクがあればパジェロの重たい車体をしっかりひっぱってくれるでしょう。
※1 直列4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!パジェロに向いていない点
パジェロはキャンプに向いている点が多い車ですが、いくつか不向きな点もあります。
荷室があまり広くない
パジェロは車体が大きく車両全長も車幅もミニバン系の車より長いのですが、荷室の広さとなると少々小さめになります。
パジェロはボンネットが独立しており車室と完全に別れているので、ミニバンよりスペース効率は悪いです。
パジェロロングとミドルサイズのミニバン2種類の荷室を比較したのが次の表になります。
部位 | パジェロロング | デリカD:5 | ノア/ヴォクシー/ エスクァイア | |
荷室幅 | 1,000mm | 1,090mm | 985mm | |
荷室高さ | 1,090mm | 1,130mm | 1,240mm | |
荷室長さ | 3列目シートあり | 250mm | 430mm | 420mm |
2列目シート最後端 | 1,000mm | 1,200mm | 900mm | |
2列目シート最前端 | 1,420mm (2列目シート格納) | 1,680mm | 1,710mm |
※ちなみにデリカD:5とノア/ヴォクシーはキャンプに最適な車です。詳細は以下の記事をご参照ください。
デリカD:5がキャンプに最適な理由8つトヨタ ヴォクシー/ノアがキャンプに最適な理由4つパジェロロングの荷室は幅も高さも1mは辛うじてありますが、ミニバンに比べると少々狭くなります。
とくに高さはSUVの大きなタイヤと最低地上高の高さがあだとなって、ヴォクシーと比べると100mmも差があります。また荷室長も総じて200mmほど狭くなっており、さすがにミニバンほどの収納性はありません。
キャンプ用品自体は必要十分なものは乗るでしょうが、あまりゆとりがないので余計なものを持っていけないのが微妙ですね。
燃費が悪い
パジェロは車体の重さとエンジン設計の古さがあだとなり、かなり燃費の悪い車です。
キャンプで長距離走行すると燃料代が普通の車よりかかってしまうのです。
項目 | パジェロロング | 参考:トヨタアルファード | ||
ディーゼル | ガソリン | 3.5Lガソリン | 2.5Lガソリン | |
エンジン 仕様 | 4M41 3.2L DOHC 16バルブ4気筒 インタークーラー ターボ | 6G72 3.0L DOHC 24バルブV型6気筒 | 3.5L V6 DOHC | 2.5L 直4 DOHC |
カタログ 燃費 | 10.4km/L~ 10.0km/L | 8.0km/L | 9.5km/L~ 9.1km/L | 12.8km/L~ 11.4km/L |
実燃費 | 9.4km/L | 7.2km/L | 7.5km/L~ 6.5km/L | 9.7km/L~ 8.2km/L |
※ちなみにアルファードはキャンプに最適な車です。詳細は以下の記事をご参照ください。
アルファード(ヴェルファイア)がキャンプに最適な理由7つパジェロにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンがありますが、カタログ燃費でそれぞれ8.0km/L、10.0km/Lとなっており、最近の大型車でも10km/Lを越えている車が多い中でパジェロの燃費の悪さが際立ちます。
実燃費でいうと7km/Lぐらいまで落ち込んでしまうこともあり、燃料代がかなりかかる車なのです。
また最新の燃費対策であるアイドリングストップやハイブリッドなどもないのが効いています。
キャンプ用の車としてパジェロの直接的なライバルは大型ミニバンですが、大型ミニバンでもっとも人気のあるトヨタ アルファードと比較してもパジェロの燃費は悪いです。
荷室も大きく燃費がパジェロより良いのでは、普段使いも考えるとアルファードを選ぶ人が多いのもわかります。
キャンプに限らず普段使いでもパジェロの燃費の悪さは車の維持費を圧迫してしまい、パジェロに人気がでない要因の大きなものとなっています。
パジェロはかっこよくキャンプにもぴったりですが、それ以外の点では維持が大変な点も見過ごせません。
パジェロの評判
パジェロのキャンプでの評判はネットに多数投稿されており、Twitterにもさまざまなツイートがあります。
今回はその中から何件かご紹介しましょう。
家族をキャンプにハマらせた車
今日でパジェロとお別れに。嫁さんをキャンプにハマらさせ、小さかった娘達といっぱい出かけた車。
今朝ナビの登録地や音楽を消去した。車内でみんな👨👩👧👧で歌った歌が、再生できなくなってなんか淋しい😭😭😭
本当良い思い出。ありがとう、パジェロ君🙇🏻 pic.twitter.com/dzpcqw6RUT— きゃんぷとうちゃん (@no_dy18) December 9, 2017
どうやらこの方はパジェロとお別れされる直前のようですが、パジェロでキャンプにいった思い出がたくさんあるようです。
お嫁さんがキャンプにハマったのもパジェロのおかげのようで、かなり愛されていた1台ですね。
パジェロのような普通車とはちょっと違う車は特別な体験をもたらしてくれることも多く、思い出がより深まるのではないでしょうか。
こんな岩場もなんのその
かなりの積載量(ジャッキだけでかなり重そう。車内キャンプ道具満載)で尚、悪路を攻めるパジェロさん。撮影上上からなので傾斜角が伝わらないのが残念。゚(゚´Д`゚)゚。 pic.twitter.com/Ojzd4Vj9nr
— らくす (@kenzav98w) October 9, 2017
山中でキャンプ用品満載したパジェロが悪路を走破していく様子が動画で撮影されています。
川原の岩場のような場所で、当然普通の車では走れないような場所です。
動画を見ればパジェロの走破性の高さがよくわかりますが、キャンプだけでなくアウトドアスポーツもあわせてやるような人にはパジェロは頼もしい相棒になってくれるでしょう。
パジェロに限界はない
実際、キャンプやスキーにも使える実用的な車、ってところがなお悪いんですよ
クーペとかスポーツカーならお出かけにも限界があるけど、国内で走るぶんには、パジェロには荷物量から乗員人数、速度、悪路まで限界がないから、どこまでも一緒にいけちゃう!愛が冷めない!大好き!ああ大好き— 猫汁 (@irohazakanosaru) April 23, 2017
ツイートには”なお悪い”などと書いてありますが、この発言はパジェロ愛からきているというのがあとの文章からありありとわかります。
パジェロならどこでも走れるしどこでも行けるし、荷物も積める人も運べると、おおよそ車でやりたいことはこの1台でなんでもできるのがこの車の魅力です。
その魅力に比べたら燃費が悪いなどという点は些細なことにすぎませんよね。
パジェロについては他に以下の記事もございますので、こちらもあわせてご参照ください。
パジェロは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!なおパジェロより少し小さいパジェロミニについては、以下の記事もございます。こちらも興味のある方は参考にしてみてください。
買う前にちょっと待って!パジェロミニの中古車を購入時の6つの注意点!パジェロミニは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!