マークXといえば、「ちょっとヤンチャなFR車」という印象が強いですよね?
そんなわけで冬に弱いイメージが連想されますが、いっぽう北海道では覆面パトカーとして使われる車種でもあります。
実際のところ、雪の上を走っても大丈夫なんでしょうか?
そこで今回は、マークXが雪道において「どれくらい走れる車なのか?」を色々な角度から分析してみました。
ライバル車とも比較をしてみたので、合わせてご覧ください。
マークXは雪道での走行はどうなのか?
「マークⅡ」「チェイサー」の後継モデルということでラインナップはFRがベースですが、2.5Lモデルなら4WDもしっかり用意されています。
これは雪道での走行性能も期待できそうですね。
それでは諸元を参考にしながら、具体的な話にまいりましょう。
項目 | 2.5L | 3.5L |
種類 | V型6気筒DOHC | V型6気筒DOHC |
排気量 | 2,499cc | 3,456cc |
最高出力 | 203PS/6,400rpm | 318PS/6,400rpm |
最大トルク | 24.8kgf・m/4,800rpm | 38.7kgf・m/4,800rpm |
車重 | 4,770×1,795×1,445mm | 4,770×1,795×1,435mm |
全長×全幅×全高 | 1,510-1,570kg | 1,560kg |
最低地上高 | 155/150mm | 155mm |
駆動方式 | FR/4WD | FR |
※V型6気筒、DOHCエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
V6エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!走行性能の評価
路面がツルツルな日は、信号で発進できず、立ち往生してしまうことが多々あります。
交差点はアイスバーンになりやすいため、とくにスリップしやすいポイントですからね。他にも登坂や駐車場など、走りにくい場所は日常のいたる所に潜んでいます。
マークXは安心して走れるのでしょうか?雪道走行には、こんなものが求められます。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効ですね。マークXの4WDモデルなら前後輪がバランスよく駆動力を発揮するので、摩擦の少ない氷上でも安心です。
次に「最低地上高」ですが、これは150mm以上が楽に走れるラインといわれています。マークXはちょうど150mm満たしているので、多少の積雪ならストレスなく走れそう。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。24.8kgf・mという優れたトルクを発揮するので、この点もクリアです。
まとめると、マークXは多少の雪なら問題なく走れるモデルといえるでしょう。
念のため、「牽引ロープ」「スコップ」「スタックラダー」などを準備しておくといいですよ。
なおスピードという意味での走行性能については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらも目を通してみてください。
マークXは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!コーナリング性能の評価
「ただ走れさえすればOK」なんてことはありませんよね?
雪道では、ドライな路面以上にコーナリング性能が重要です。路肩に突っ込んでいる事故現場を、たびたび目にしますよね。こうはなりたくありません…。
コーナーリング性能には、このような条件が求められます。
- 車重の軽さ
- 重心の位置
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、コーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。
しかし、雪道は摩擦が極端に少ないため、軽いボデイのほうが有利とされています。グリップ力よりも、コーナリングフォースを減らしたほうが安全に旋回できるということ。
マークXの車重はおよそ1,500kgということで、このクラスのセダンとしては標準的な重量です。ゆえに、コーナーでの挙動も標準的。
もうひとつ重要なのは「重心」の位置。重心が中心に近いほど、コーナーで安定して曲がります。
前後重量がハーフに近いため、フロント・リアにバランスよくトラクション(荷重)がかかるためですね。
マークXは前後重量バランスに優れているため、コーナーでの動きは信頼できますよ。
ブレーキ性能の評価
最後に分析するのは、「ブレーキ性能」です。雪道性能において、最重要ポイントといえるでしょう。なにせ、スリップによる事故がほとんどですからね。
ブレーキシステムの制動力や、タイヤの性能も重要ではありますが、他にもこんなものが関連しています。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。なんとなく、重い車は止まりにくいイメージがありますよね?
事実、重量が大きいほうが、静止させるのに多くのエネルギーを必要とします。
しかし、荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるのです。それに、重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力に設計されています。ゆえに、車の制動距離に関して、車重は関係ないのです。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。
「では、どうなのか?」というと、イメージのとおり、重い車のほうが止まりにくいのです。
理由を簡単に説明すると、雪によって極端に摩擦力が減り、グリップ力が荷重に対して比例しないから、ということです。
少し、長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。マークXは標準的な重量なので、ブレーキ性能は悪くないといえます。
もしマークXを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!マークXの雪道走行での評価
マークXの雪道走行については、みなさんどう思っているのでしょうか?
Twitterから感想をいくつかピックアップしてみたのでご覧ください。
雪道でもマークX割と行けるんやな
— びせき (@momizi_prpr) 2018年2月8日
マークXで初めての冬を迎えた人は、みなさんこんな感想を持っています。たしかにFRのイメージ強いですから、思っているよりも安定性を感じることでしょう。
24年前は父親が乗っていたクラウン3.0ロイヤルサルーンでは登れない雪道でも自分のRX-7は何とか登れていました。タイヤは両車ともブリザック。現在では318馬力のFR車のマークXが楽々と同じ雪道を登れてしまいます。タイヤと電子制御技術の進化に感動しました。
— misaki@ゲンキトリッパー (@misakibarubaru) 2016年11月24日
※上記の表にあるクラウンの雪道性能の詳細は以下の記事をご参照ください。
クラウンは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!4WDならともかく、FRモデルもけっこう雪道を走れるようです。もちろん、べストなのは4WDですが、高性能なスタッドレスを履けばFRでもそこそこ対応できます。
ツイートにもあるように、20年前のFRならこうはいきません。これは電子制御技術やタイヤ、パワーの向上なども大きいですが、他にもこんな要因があります。
雪道を走行すれば自動車の車輪への前後重量比率の重要性が良く理解できます。3.5リッターFR車なのに前輪・後輪への重量配分が50・50に近いマークXは雪道でも後輪にトラクションがきちんとかかっているのを感じる事ができます。
— misaki@ゲンキトリッパー (@misakibarubaru) 2017年1月16日
そう、マークXは重量配分がかなり優れているのです。
重量配分の重要性に関しては、コーナリング性能として語られることが多いですね。しかし、実は雪道では直進安定性にも大きく影響しています。
雪上では、フロントに重量がある車ほどスリップしやすい傾向にあります。これは重心が前にあるため。マークXは重心が中心に近いので、FR車のなかではスリップしにくい部類なのです。
マークXの雪道性能をほかの車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較すると、どうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのは日産「ティアナ」、スバル「レガシィB4」の2台です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみに、マークXの販売価格はベースモデルで265~385万円、GRスポーツで380-428万円となっています。
日産 ティアナ
日産から販売されるミドルクラスセダンといえば「ティアナ」ですね。
セダンとしては手ごろな価格ながら、高い質感が魅力的な一台。販売価格は256~351万円に設定されており、ちょうどマークXと同じくらいです。
雪道性能はどちらが優れているのでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC |
排気量 | 2,488cc |
最高出力 | 173PS/6,000rpm |
最大トルク | 23.9kgf・m/4,000rpm |
車重 | 1,460-1,480kg |
全長×全幅×全高 | 4,880×1,830×1,470mm |
最低地上高 | 135mm |
駆動方式 | FF |
※直列4気筒、DOHCエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!以前は4WDもラインナップされていたティアナですが、2014年のフルモデルチェンジによって、どういうわけか外されてしまいました。現在はFFモデルのみの販売となっております。
VDC(ヴィークルダイナミクスコントロール)により、ある程度スリップ対策はしてあるようですが駆動方式で考えるとマークXのほうが適していますね。
次に最低地上高を見比べてみると、意外なことにティアナのほうが2cm低いんです。このクラスのセダンとしてはかなり低く、悪路の走行にはちょっと気を使います。
車重に関してはマークXよりも100kg近く軽いため、コーナーやブレーキ時の制動力はマークXよりも高そう。
前後重量配分が優れているので、車重の差はほとんどイーブンでしょう。というわけで、FRモデルならともかく、2.5L 4WDモデルならマークXのほうが有利な要素が多いため、雪道に強いといえます。
スバル レガシィB4
4WD技術に定評のあるスバルからえらんだモデルは、フラッグシップセダンの「レガシィB4」です。
現行モデルの販売価格は302~324万円に設定されており、マークXよりもやや高めですが、以前からライバル関係にあります。
雪道に対してはどちらが強いのでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水平対向4気筒DOHC16バルブ |
排気量 | 2,498cc |
最高出力 | 175PS/5,800rpm |
最大トルク | 24.0kgf・m/4,000rpm |
車重 | 1,540kg |
全長×全幅×全高 | 4,800×1,840×1,500mm |
最低地上高 | 150mm |
駆動方式 | 4WD |
※水平対向4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!駆動方式はスバルお馴染みのフルタイム4WDの「シンメトリカルAWD(常時全輪駆動)」です。
優れた機構によってバランスよく4輪が設置するので、無駄なくトルクを発揮します。
雪道においては、マークXに搭載されたFRベースの4WDよりも上位の存在。
最低地上高と車重は同じくらいの数値ですが、低重心であるレガシィのほうがコーナーやブレーキ時にかかるモーメントが低く、安定して走れます。
よって、雪道ではレガシィB4のほうが優れたモデルであるといえます。
レガシィB4の雪道性能の詳細は以下の記事で解説しています。詳しいところまで知りたい方はこちらもご参照ください。
レガシィB4は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!マークXは雪道走行する車としては買いか?
というわけで、マークXの雪道走行についての解説は以上になります。
まとめると、『上には上がいるが、雪道でも十分走れるミドルセダン』といった感じですね。
4WDに特化したレガシィのようなモデルには一歩及びませんが、このクラスのセダンとしては雪道性能は上々です。
北海道では覆面パトカーとして走っているくらいですし、冬に乗る車としてはアリな一台といえるでしょう。
マークXについては以下の記事でも解説しているので、これから購入を考えている方は参考にしてみてください。
【画像】マークXはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!マークXは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!