軽自動車といえば、コストが低いことが最大のメリット。
加えて、ダイハツ「テリオスキッド」は性能もなかなか高いため、中古市場でもいまだに人気があるモデルです。
とくに、免許取り立ての人におすすめの一台といえますね。
そこで今回は、テリオスキッドは雪道において「どれくらい走れる車なのか?」を様々な角度から分析してみました。
ライバル車とも比較してみたので、合わせてご覧ください。
テリオスキッドは雪道での走行はどうなのか?
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テリオスキッドは2012年に生産が終了し、現在は販売されていないモデル。当時はアクティブなルックスが人気でしたね。
駆動方式には4WDもちゃんと用意されているため、雪道の走行にも期待が持てます。それでは、諸元を参考にしながら、具体的な話にまいりましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC ICターボ |
排気量 | 659cc |
最高出力 | 64PS/6,400rpm |
最大トルク | 10.9kgf・m/3,600rpm |
車重 | 990kg |
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,740mm |
最低地上高 | 175mm |
駆動方式 | FR/4WD |
※水冷、直列3気筒、DOHCエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!走行性能の評価
雪国でよく見る光景といえば、「信号発進でなかなか進めない状況」ではないでしょうか?
交差点はアイスバーンになりやすいため、スリップポイントの一つですよね。他にも登坂や駐車場など、発進しにくい場所は日常のいたる所に潜んでいます。
テリオスキッドは安心して走れるのでしょうか? 雪道走行には、こんなものが求められます。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効ですね。テリオスキッドの4WDモデルならバランスよく駆動力を発揮するので、摩擦の少ない氷上でも安心。
次に見るのは「最低地上高」です。一般的には150mm以上が、雪道でも楽に走れるラインといわれています。
テリオスキッドは175mmの高さが確保されているので、クリアしていますね。多少の積雪ならストレスなく走れるでしょう。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められます。
ターボを備えているテリオスキッドは、軽自動車としては優れたトルクを発揮するため、雪道でもしっかり発進できそうです。(ターボの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!まとめると、テリオスキッドは雪の上でも問題なく走れるモデルといえるでしょう。軽いので横風や轍(わだち)に注意が必要ですが、丁寧に運転すれば安全にドライブできますよ。
コーナリング性能の評価
雪道では、ドライな路面以上にコーナリング性能が重要です。大型のSUVなど、雪に強い車だって路肩に突っ込んでいたりしますが、これにはどんな事情があるんでしょうか?
コーナーリング性能には、このような条件が求められます。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、コーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。
しかし、雪道は摩擦が極端に少ないため、軽いボデイのほうが有利とされています。グリップ力よりも、コーナリングフォースを減らしたほうが安全に旋回できるということ。
また、コーナーにおいては重心が低いほうが安心です。重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが利かず、横転してしまうことがあります。
雪国の方なら、真冬の峠道で軽自動車が横転している光景を、よく目にすることでしょう。
お察しのとおり、テリオスキッドは軽自動車のなかでも重心が高めなので、横転には少し注意が必要です。
ボディ自体は軽量なので、スピードさえ抑えれば峠道なども安心して運転することができますよ。
ブレーキ性能の評価
雪道において、もっとも注意が必要なのが「停車」です。赤信号で止まれなかったら、命に関わりますからね…。
ブレーキシステムの制動力や、タイヤの性能も重要ではありますが、他にもこんなものが関連しています。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
なんとなく、重い車は止まりにくいイメージがありますよね?事実、重量が大きいほうが、静止させるのに多くのエネルギーを必要とします。
しかし、荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるのです。それに、重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力に設計されています。
ゆえに、車の制動距離に関して、車重は関係ないのです。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。
「では、どうなのか?」というと、イメージのとおり、重い車のほうが止まりにくいのです。
理由を簡単に説明すると、雪によって極端に摩擦力が減り、グリップ力が荷重に対して比例しないから、ということです。
少し、長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。
テリオスキッドの軽さなら、ブレーキに関しても有利ということですね。過信せず、早めに減速すれば安心して運転することができます。
もしテリオスキッドを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!テリオスキッドの雪道走行での評価
テリオスキッドの雪道走行については、みなさんどう思っているのでしょうか?
Twitterから感想をいくつかピックアップしてみました。
テリオスキッドは実用的かつ運転が楽しい
特に雪道では本来の能力を発揮させる
— がんくと (@Gunkt_Vorf) 2018年5月28日
テリオスキッドは軽自動車のなかでも走行性能に定評があるので、運転がとても楽しいです。見た目はよくある軽自動車のフォルムですが、侮れませんよ。
とくに4WDの性能は、雪が降ると真価を発揮するのです。
そして実感する、テリオスキッドの雪道突破能力
ズルズルと埋まりそうになっても獣みたいに荒々しく乗り越えて行くんだもの
デフロックすごい— 目薬と54000匹の妖精 (@ryou_imp) 2016年2月10日
「雪道突破能力」とは上手く言ったものですね。デフロックによってダイレクトに駆動するので、雪を突き進む動きはまさに獣のようです。
ジムニーなどの本格オフロード車に比べると劣りますが、テリオスキッドも十分な走破性を備えていますよ。(ジムニーの性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ジムニーの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!雪道と言えば
1シーズンに2、3回あるかのレベルの豪雪の夜、金津の峠を全面凍結でノロノロ走ってる時に後ろからテリキが爆走してきて流石に道を譲った時は四駆やべえってなった— ぱいぐー (@PaiGu_) 2013年12月6日
こちらの投稿者さんは、大雪の日にテリオスキッドの走りを目撃したようです。
通常、こんな日はゆっくりしか走れませんが、テリオスキッドなら大雪でもガンガン突き進めます。
スピードを出し過ぎてはいけないですが、これだけ走れるのは「さすが四駆車!」の一言です。
テリオスキッドの雪道性能をほかの車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較すると、どうなのか?」ということ。というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。
テリオスキッドは現在販売されていないため、同世代のスズキ「アルト(HA25)」、三菱「パジェロミニ(H58型)」、スズキ「ジムニー(JB型)」と比較してみたいと思います。
スズキ アルト
スズキから販売されるアルトはスポーツモデルも展開されており、活発な一面も持っています。
テリオスキッドと同世代にあたる、2012年年式「HA25型」と雪道性能について比較してみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC12バルブ |
排気量 | 658cc |
最高出力 | 54PS/6,500rpm |
最大トルク | 6.4kgf・m/3,500rpm |
車重 | 790-810kg |
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,545mm |
最低地上高 | 155mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※水冷、直列3気筒、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!まず、駆動方式ですが、アルトもFFと4WDの2種類が用意されていますね。よって駆動力に関しては大きな差はないでしょう。
他の部分を比べると、最低地上高はテリオスキッドのほうが2cm高く、車重は100kgほどあるとのほうが軽いですね。
よって雪道性能については、走りやすさならテリオスキッド、曲がりやすく止まりやすいのはアルトということになりそう。トルクが大きい分、トータル的な使い勝手のよさはテリオスキッドのほうが有利でしょうか?
三菱 パジェロミニ
三菱から販売されていた「パジェロミニ」は、硬派なキャラクターが人気のモデルでした。
テリオスキッドと同じく製造中止になってしまいましたが、現在でも街でよく見かけますね。雪道性能について比較すると、どうなるのでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒SOHC16バルブICターボ |
排気量 | 659cc |
最高出力 | 64PS/6,000rpm |
最大トルク | 9.0kgf・m/4,000rpm |
車重 | 900-980kg |
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,635mm |
最低地上高 | 195mm |
駆動方式 | FR/4WD |
※直列4気筒、SOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!SOHCエンジンとは?仕組み/構造は?メリット3つデメリット3つ!軽SUVということで、駆動方式にはもちろん4WDが用意されています。
サスペンションの構造も似ているので、駆動力に関してはテリオスキッドと同程度でしょう。車重もほとんど同じくらいの重量です。
ただし、最低地上高はパジェロミニのほうが2cm高いですね。
荒れた路面を走るとき、パジェロミニのほうがガンガン走れそうです。したがって、テリオスキッドも十分雪道に強いモデルなのですが、強いて優劣をつけるならパジェロミニに軍配が上がるでしょう。
パジェロミニの性能の詳細は以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
パジェロミニの走破性を徹底解剖!オフロード・クロカン性能はいかに?!スズキ ジムニー
2018年にフルモデルチェンジを迎えた「ジムニー」ですが、同世代にあたる先代のJB型も人気の高でした。
本格オフロードカーと同じ「ラダーフレーム構造」により、悪路走破性に特化したヤンチャなモデルです。
雪道における走行性能は、テリオスキッドと比較してどうでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ |
排気量 | 658cc |
最高出力 | 64PS/6,500rpm |
最大トルク | 10.5kgf・m/3,500rpm |
車重 | 980-1,000kg |
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,715mm |
最低地上高 | 200mm |
駆動方式 | 4WD |
もちろん駆動方式はパートタイム4WD。それもサスペンション構造が、悪路に強い「リジットアクスル式」が前後に搭載されているので、駆動力は圧倒的にジムニーが優れています。
加えて、最低地上高で3cm近いアドバンテージがありますから、パジェロミニ以上に雪道をガンガン走れるでしょう。
重量は100kgほど重いものの、ジムニーは一般的に軽量な部類ですから、雪道では有利に働きます。したがって、テリオスキッドの雪道性能はジムニーには及びませんね。
ジムニーの雪道性能は以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
ジムニーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!テリオスキッドは雪道走行する車としては買いか?
というわけで、テリオスキッドの雪道走行についての解説は以上になります。
まとめると、『軽量ボディと4WDで、雪道でも臆すことなく走れる車』といった感じですね。
ジムニーなど本格オフロードには一歩及びませんが、日常レベルの雪道なら問題なく走行できるでしょう。
したがって、冬に乗る車としておすすめできる一台といえますね。
雪道走行については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
ハスラーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!スイフトは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!