「GSを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「GSの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
レクサス GSにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、GSの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
なお試乗はレクサスミーツで無料で行いました。レクサスミーツについては以下の記事で紹介しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
レクサス体験型施設/レクサスミーツのレポート!試乗可能車種や予約方法、かかる時間まで解説!レクサスGSの魅力・長所
それでは魅力・長所から解説していきます。
やや厳ついけど高級感のある外装デザイン
GSは外装がかっこいいです。網状になったフロントグリルはやや厳ついですが、男性が乗ることを考えるとこれぐらいでちょうどいいのかもしれません。
ボンネットは後ろに向かって流れていくような形をしており、高級セダンのイメージにピッタリです。
ボディーカラーは11色から選べます。この写真に写っているのはグラファイトブラックガラスフレークで、赤や青といった明るい色よりもGSに似合っていると思います。
車内空間がセダンにしては広い
GSの運転席は、センターコンソール(運転席と助手席を隔てる部分)の位置が高いため、前後左右から包み込まれるような形です。
こういう形状だとふつうは狭く感じてしまうものですが、頭から天井までのスペースに余裕があることで、身長177cmの私でも狭さは感じません。
運転席の位置をそのままにして後部座席にすわっても、ヒザが前の席にぶつかることはなく、足元に余裕があります。
後部座席も運転席と同様に天井が高く、上下からの圧迫感がありません。
アームレストが収納可能なので、身長が低い子どもであれば横になって寝ることもできます(※写真は収納した状態)。
車中泊する場合は前部座席に大人2人寝て、後部座席に子ども1人寝るのが限界です。
乗車定員は5人ですが、後部座席の真ん中の足元は高く盛り上がっているため、真ん中にすわるひとはきゅうくつな思いをします。
子育てに使う場合は、後部座席には子ども3人ではなく2人乗せるつもりで購入しましょう。
このような車内空間の広さが、GSの魅力・長所のひとつです。
高級感を損なわない走行性能
つぎは、GSの運転しやすさ・静粛性・走行性能について解説します。
車体は大きいけど運転しやすい
GSは車内空間が広いぶん、車体も大きめです。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,880mm
- 全幅1,840mm
- 全高1,455mm(グレードによっては1,470mm)
全幅がかなり広いですが、走行中はとくに気になることはなく、都内の一般道を走行しても「こすりそうで怖くなるような場面」は一度もありませんでした。
全長も同じく、セダンにしては少し大きく感じるものの、ふつうに走行しているぶんには、巨大すぎて扱いにくいようなことはないです。
全高はやや低めですが、先ほど紹介した写真にもあったように、上下からの圧迫感を感じるようなことはありません。乗り降りもしやすいです。
静粛性が優秀。分厚いドアが騒音をシャットアウトしてくれる
試乗したGSはガソリンエンジンモデルですが、静粛性は優秀です。
ドアに重厚感があり、騒音を分厚い壁でシャットアウトしてくれるような感覚で、車内はとても静かでした。
加速してもエンジン音はそこまで響かず、心地よい振動とかすかなエンジン音で、中途半端に静かなハイブリッドカーに乗るよりも快適です。
乗っていて違和感のない走行性能
加速は、出だしは重い感じがあります。でも、アクセルを踏み込んで数秒たてばしっかり加速していきます。
信号待ちからのスタートでは多少モタついてしまう感覚ですが、気になるほどではありません。
ステアリングは重くもなく、軽くもなく。運転する上でちょうどいい、重さをとくに意識することなくドライブできる自然な重さです。
GSを購入して、走行性能が悪くて後悔することはまずないと思います。違和感のない走行性能がGSの魅力・長所のひとつです。
なお実際に試乗した感想は以下の記事でまとめているので、もっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
レクサスGSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!若いひとが乗っても中年のひとが乗ってもおかしくない内装デザイン
GSの内装は、高級車のイメージを損なわない、おしゃれなデザインです。
この写真でいうと、ダークローズカラーのシートや縞杢(しまもく)といった、オリジナルの柄がうまくマッチしています。
縞杢とは、人工的につくられた木目模様のことで、エアコン吹き出し口の下から助手席の方まで伸びている茶色い木目部分のことを指します。
これはレクサスのほかの車種にもついていますが、カーナビの下のアナログ時計は大人っぽさを感じるポイントです。
エアコン操作パネルやシフトレバーを見ても、安っぽさや年寄りくささはいっさい感じません。
若いひとが乗っても中年のひとが乗っても違和感を感じない、そんな内装デザインがGSの魅力・長所のひとつです。
内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像/写真】レクサスGSの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!G-Linkの7つのサービスが利用できる
GSを新車もしくは認定中古車で購入した場合は、G-Linkというサービスが利用できます。具体的には以下のサービスです。
- エージェント(音声対話サービス)
- G-Security
- レクサス緊急サポート24
- ヘルプネット
- リモートメンテナンスサービス
- マップオンデマンド
- Gルート探索
それぞれの内容について解説していきます。
エージェント(音声対話サービス)
エージェント(音声対話サービス)とは、音声認識スイッチを押してカーナビに向かって話すことで、希望に合った目的地候補を挙げてくれるシステムです。
たとえば「お腹がすいた」といえば、近場の飲食店を複数、目的地候補として挙げてくれます。
「駐車場がある」や「いま営業時間中」といった細かい条件にも対応でき、挙げられた候補のなかからえらんでカーナビに話すと、自動で目的地設定されます。
このようなキーワード検索以外にも、施設名検索や電話番号検索も可能です。
G-Security
G-Securityとは、ドアロックやハザードランプの消し忘れをメールで通知してくれたり、車上荒らしに遭った場合にメールや電話で知らせてくれる機能です(※事前にメールアドレス登録が必要)。
盗難に遭った車の位置追跡をして、エンジン停止を確認し次第、警備員を現場に派遣することもできます。
レクサス緊急サポート24
レクサス緊急サポート24とは、路上で車が動かなくなってしまった場合に、音声通話で本来の目的地への交通手段を提案したり、近隣ホテルの手配をしてくれるサービスです。
目的地への交通費や近隣ホテルへの宿泊費用は、一定の条件でレクサスが負担してくれます。
条件の内容についてはレクサス緊急サポート24利用規約に書いてありますが、交通費は50,000円まで、宿泊費は30,000円までが上限です。
参考 レクサス緊急サポート24利用規約レクサスオーナーズサイトロードサービスもついており、自走不能になった車両は最寄りのレクサス販売店までレッカー移動されます。
ヘルプネット
ヘルプネットとは、事故や急病といった緊急時に車内のスイッチを押すことで、ヘルプネットセンターに電話がつながり、警察や消防に通報してくれるサービスです。
先ほど解説したレクサス緊急サポート24は車のトラブルに対するサービスで、ヘルプネットは身体のトラブルに対するサービスです。
スイッチを押さなくても、車のエアバッグが作動した場合は自動的にヘルプネットに接続されます。
リモートメンテナンスサービス
リモートメンテナンスサービスとは、定期点検の時期が近づいたときに連絡してくれるサービスです。
忙しくて点検の時期を忘れてしまっていても、通知してくれることでいつでもベストコンディションの車に乗れます。
マップオンデマンド
マップオンデマンドとは、エンジンをかけてボタンを押すだけで、カーナビの地図を最新の地図に更新してくれるサービスです。
つねに最新の地図でドライブすることで、目的地まで最短経路で到着できます。
Gルート探索
Gルート探索とは、カーナビで設定した目的地までのルートを、渋滞状況を考慮してえらんでくれるサービスです。
移動中もつねに探索し続けて更新するので、時間の経過によって交通状況が変わった場合、それを考慮して新しいルートに再設定されます。
7つのサービスについて紹介してきましたが、G-Linkは新車なら登録から3年間、認定中古車なら購入から2年間無料で利用可能です。
無料期間を過ぎると、年会費17,000円で加入できます。認定中古車以外の中古車で加入したい場合は、年会費と契約事務手数料8,000円を合わせた計25,000円で1年契約が可能です。
なお認定中古車については以下の記事で詳細を解説しているので、ご存知ない方はこちらもあわせてご参照ください。
実は違いが大きい?レクサスの認定中古車の5つのメリットと1つのデメリット!安全機能としてLexus Safety System +がついている
GSには安全機能として、Lexus Safety System +がついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンキーピングアシスト
- オートマチックハイビーム
- アダプティブハイビームシステム(グレードによってはメーカーオプション)
- レーダークルーズコントロール
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。衝突前にブレーキを踏めた場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーンキーピングアシストとは、ウィンカーを出さずに車線をはみ出してしまいそうなときに、警告を鳴らしてくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能です。ハイビームの切り忘れが防げます。
アダプティブハイビームシステムとは、対向車のライトを検知して、対向車に当たる部分だけをロービームにする機能です。相手の視界を妨げずに自分の視界を確保できます。
レーダークルーズコントロールとは、先行車を検知して、適切な車間距離をたもちながら一定の速度で追従する機能です。
これらがついていることで、安心して運転できます。
もしレクサスGSを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!レクサスGSの欠点・短所
つづいて、GSの欠点・短所についての解説です。
使いにくい3つの機能
GSには、使いにくい機能が3つついています。それぞれについて解説します。
カーナビの操作スイッチが操作しにくい
GSのカーナビの操作は、画面に直接さわるのではなく、この写真のシフトレバーの横に写っている黒い四角いスイッチでします。
前後左右にスライドさせて操作するんですが、これが性能の悪いマウスを操作しているような感覚で、思ったところになかなかカーソルが移動してくれません。
ようやくカーソルを合わせると、今度はこのスイッチを押すことで決定ボタンの役割を果たします。
「押したつもりがスライドしてしまって、またカーソルがズレる」という事態になり、何回かやっているうちに、操作しにくい印象を受けました。
アイドリングストップ機能がついている
GSのガソリンエンジンモデルには、アイドリングストップ機能がついています。ブレーキを踏んで停車すると自動的にエンジンが停止し、ブレーキを離すとエンジンが再始動するシステムです。
パワーボム(著者)
この「ブレーキを離してから再始動まで」に一瞬の間があり、これが運転していてものすごい違和感を感じます。
先ほど解説した、出だしの加速の重さと相まって、信号待ちからのスタートのモタついた印象をさらに高めてしまっています。
実験したところ、ドライブモードを「エコモード」にしているときと、「ノーマルモード」にしているときはこの機能がしっかり作動しましたが、「スポーツモード」にしている状態では作動しませんでした。
アイドリングストップ機能がいらなければ、スポーツモードで走行しましょう。
ウィンカーレバーが2段階式になっている
GSのウィンカーレバーは特殊です。ふつうの車とは以下のような違いがあります。
- ふつうの車…レバーを下げたら下がりっぱなしで、ハンドルを切って曲がり終わると自動的に戻ってくる。
- GS…レバーを下げてもその場で戻ってくる。二段階式になっていて、軽く操作すると3回点滅したあとに消える。強めに操作するとレバー自体はすぐ戻ってくるけど、ウィンカーは点滅しつづけて、ハンドルを切って曲がり終わると消える。
私は一般道で試乗したので、交差点を左折する際にウィンカーを出したら、3回点滅しただけで消えてしまい、あせりました。
この機能は本当にいらないと思います。操作していてすごく違和感のあるウィンカーレバーです。
せめて強めに押したときだけでも、レバーが下がりっぱなしになっていて欲しいです。
なお実際に試乗した感想は以下の記事でまとめているので、もっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
レクサスGSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!メーターのスピード表示がデジタル
GSのメーターは液晶画面になっていて、スピードは針で表示されるのではなく、まんなかの数字で表示されます。
「液晶だから針で表示されるようにも切り替えられるのかな?」と期待していろいろとボタンを押してみましたが、どうやらそういった機能はついていないようです。
切り替えられるのは、まわりのタコメーターの色だけでした。個人的にアナログメーターが好きなので、ここは欠点・短所として挙げます。
内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像/写真】レクサスGSの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!燃費が悪い
GSのガソリンエンジンモデルは、燃費がかなり悪いです。
メーカー発表で13.0km/lで、1時間程度の試乗をしたときの実燃費は3.5km/lでした。これはお世辞にも低燃費とはいえない数値です。
ハイブリッドモデルだとメーカー発表で23.2km/lのグレードがあるので、燃費重視ならそちらをえらびましょう。
価格が高い
レクサスのアフターサービスを受けたい
GSは価格が高いです。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
グレード | 価格 |
GS450h ”version L” | 8,446,000円 |
GS450h ”F SPORT” | 8,474,000円 |
GS450h ”I package” | 7,835,000円 |
GS450h | 7,439,000円 |
GS350 ”version L” | 7,448,000円 |
GS350 ”F SPORT” | 7,476,000円 |
GS350 ”I package” | 6,837,000円 |
GS350 | 6,441,000円 |
GS350 “version L”(AWD) | 7,659,000円 |
GS350 “F SPORT”(AWD) | 7,497,000円 |
GS350 “I package”(AWD) | 7,064,000円 |
GS350(AWD) | 6,668,000円 |
GS300h “version L” | 7,171,000円 |
GS300h “F SPORT” | 6,993,000円 |
GS300h “I package” | 6,560,000円 |
GS300h | 6,164,000円 |
GS300 “version L” | 6,788,000円 |
GS300 “F SPORT” | 6,610,000円 |
GS300 “I package” | 6,177,000円 |
GS300 | 5,781,000円 |
ぜんぶで20グレード用意されていて、数字のあとに「h」と書いてあるのがハイブリッドモデル、それ以外はガソリンエンジンモデルです。
私が試乗したのはGS200t ”F SPORTというグレードですが、現在はGS300 “F SPORT”に名前が変更されています。
燃費の圧倒的な悪さやウィンカーレバーの使いにくさを考えると、6,610,000円を出す価値はないと思います。
車自体の質というよりは、アフターサービスの手厚さやブランド名でこの価格がついているような印象です。
中古車市場では1,600,000円~3,600,000円程度で出回っているので、新車価格が手を出しにくければ、中古で購入するのもアリです。
レクサスの中古車の安さについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
なぜこんなに安い?!レクサスの中古が安い6つの理由総評:レクサス車を購入するならコレじゃなくていい車
GSの長所・短所を見てきた総評としては、「レクサス車を購入するならコレじゃなくていい車」だと思います。
魅力・長所のひとつとして挙げたG-Linkは、レクサスのほかの車種でも利用できます。6,000,000円~9,000,000円で新車を購入する用意があるなら、RXのほうがおすすめです。
2段階式のウィンカーレバーやアイドリングストップ機能はつかってみるとわかりますが、非常に違和感があって、せっかくの高級車を台無しにしているような気がします。
結論として、GSをおすすめ出来るひとと出来ないひとは、以下のようなひとです。
- 2段階式のウィンカーレバーが苦にならない
- 静かで快適なドライブがしたい
- 車内空間の広いセダンに乗りた
- レクサスのアフターサービスを受けたい
- 2段階式のウィンカーレバーが嫌い
- 燃費の良い車が欲しい
- 大人3人以上で車中泊したい
- レクサスのアフターサービスには興味がない
4つずつ条件を挙げましたが、おすすめ出来るひとの条件4つすべてに当てはまり、なおかつおすすめ出来ないひとの条件に1つも当てはまらない場合に購入しましょう。
とくにおすすめ出来ない条件に1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、ウィンカーレバーやアイドリングストップ機能の不便さは写真を見ただけではつたわらないので、体験したことがなければぜひ購入前に試乗して確認してみてください。
この記事を読んだことで、GSを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
ほかのレクサスについては以下の記事で辛口レビューを書いているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レクサスLSの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!レクサスISの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!