「最近のトヨタ車はつまらない…」
なんだか私の周りでは、こんな意見をよく聞きます。
「おいおい、マークXってなかなかヤンチャな車だよ!」と声を大にして言いたいです。
なにせ「マークⅡ」「チェイサー」たち、「1JZ兄弟」の後継車ですからね。
というわけで今回は、マークXの加速性能について、0-100km/h加速タイムなどを参考にしながら、解説していきたいと思います。
TwitterやYou Tubeからも気になったものを引用してきましたので、ぜひぜひ参考にしてください。
マークXの加速性能
プレミアムセダンのくくりに入るマークXですが、その中でもちょっとトガったキャラクターが印象的です。
そのキャラクターに反さず、一部では加速性能が評価されています。さまざまな角度から紐解いて行きたいと思います。
0-100km/h加速からわかるマークXの加速性能
さて、さっそく加速性能を見ていきたいと思います。冒頭から語っているように、0-100km/h加速のタイムを参考にして、加速性能をイメージしていきましょう。
以下、2種類のラインナップの各タイムです。
- 2.5Lモデル:6.8秒
- 3.5Lモデル:5.9秒
マークXは公称値が発表されていないので、オーナーさんの実測値を引用しました。なにせ、今や一部のスポーツカーしか0-100mk/h加速が公称されませんからね…。あとに動画があるので、詳しい映像はそちらでご覧ください。
実測値ということで、正確なタイムとは言い難いですが、まあ大体このくらいのものでしょう。あくまでも目安ですから。
加速性能についてですが、発進から6~7秒で100km/hに達するので、わりと速いですね。
スポーツカーを惹かう対象にすると遅く感じてしまいますが、乗用車の中では十分速い部類に入りますよ。
参考までに、トヨタ「86」が7.3秒、レクサス「GS 300h」が8秒、「プリウス」が11秒くらいです。
なおプリウスの加速性能については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
プリウスの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?エンジン性能が優れてる
なんとなく加速性能についてイメージできたところで、具体的な部分を見ていきたいと思います。まずはエンジン性能からいきましょう。
項目 | 諸元 | |
エンジン型式 | 4GR-FSE型 | 2GR-FSE型 |
種類 | V型6気筒DOHC | V型6気筒DOHC |
排気量 | 2,499cc | 3,456cc |
最高出力 | 203PS/6,400rpm | 318PS/6,400rpm |
最大トルク | 24.8kgf・m/4,800rpm | 38.7kgf・m/4,800rpm |
※V型6気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
V6エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!数字を見た印象としては、「ミドルクラスセダンとしてはやや高め?」といった感じですね。
ラインナップがV6のNA(自然吸気)だけという、今どきのプレミアムセダンとしては珍しいモデル。
2.5Lモデルは「203PS」に「24.8kgf・m」と、街乗りではまったくストレスを感じないパワーですね。普段、軽自動車に乗っている人が運転したら、違いに驚くことでしょう。
そして、3.5Lモデルですが、こちらは「318PS」に「38.7kgf・m」と、なかなかの数値を誇ります。数字だけみたらスポーツカーに匹敵するレベルのスペック。
これなら0-100km/hが5.9秒なのもうなずけます。
NAモデルのみのマークXには、ハイブリッドやターボとは違い、これといって得手・不得手な領域がありません。(NA、ターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!余計なものが入らず、純粋にエンジンの回転だけで推進力を得るので、「回転フィーリング」「加速感」がとてもスムーズ。
ハイブリッドや電気自動車が増えても、こういったガソリン車が残っていてほしいものです…。
ボディの作りこみもピカイチ
加速性能に重要なのは、なにもエンジン出力だけではありません。
ボディの「軽量性」「剛性」なども非常に大切なのです。パワーがあっても、ボディが重ければロスが大きいですし、ボディが弱ければパワーに負けてしまいますからね。
衝突安全性能を高めたマークXボディ構造は、剛性を得るほか、無駄を減らして軽量化につながりました。車重は、プレミアムセダンとしては軽量な1500kg強。
軽量性を表すものとして「パワーウェイトレシオ(以下、PWR)」「トルクウェイトレシオ(以下、TWR)」というものがあります。
出力・トルクが負担する重量を指しており、数値が低いほど加速性能にプラスになります。
こちらマークXのPWR・TWRの数値です。
- PWR:7.53kg/PS(2.5L)、4.9kg/PS(3.5L)
- TWR:61.7kg/kgf・m(2.5L)、40.31kg/kgf・m(3.5L)
エンジンは高出力で、ボディは軽量の部類…つまりクラスでも上位のPWR・TWRなのです。これについては、のちほど他車と比較してみましょう。
もしマークXを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!マークXの実際の加速感
数字やメカニズムを解説しただけでは、いまいちピンときませんよね?
というわけで、実際のオーナーさんの投稿をご覧いただきたいと思います。TwitterやYouTubeからいくつかピックアップしてみたので、紹介しましょう。
Twitterで加速感をチェック
マークX GR 初めて運転したけど
スポーツモードにした瞬間 驚くほど加速がヤバかった🤩 pic.twitter.com/GK1u2fmiUZ— 悠 (@U8rH8t8tmqFyyUf) 2018年2月28日
こちらの投稿者さんは、試乗で加速感を体感したようです。それもスポーツグレードの「GR スポーツ」に乗ったんですね。
GR スポーツは「4/2GR-FSE型」エンジンを搭載しており、出力・トルク性能も同じなので、運動性能はベースモデルと同程度。サスペンションやエアロが専用のものを搭載しているモデルです。
加速についてですが、「スポーツモードにしたときの加速がヤバい」とおっしゃっていますね。
スポーツモードに入れると、点火タイミングなどが変わり、より一層加速が増します。初めて運転したら、驚くのも納得。
先生のマークXジオの助席に乗らせてもらったときの感想。凄く乗り心地がよく内装が高級なのですよ。こりゃいい車です!
しかも3.5V6だったから加速もよかった。先生、助席に乗せて本当にありがとうございました— マークX 250GSpkgBOT (@markxBOT) 2018年9月9日
恩師のマークXに横乗りした人の投稿です。3.5Vモデルに乗ったようですね。おそらくものすごい加速だったのでしょう…。
マークXは「ヤンチャな要素」を大事にしたモデルなので、味付けがスポーティではありますが、内装などの質感は高いです。
その点はしっかりとプレミアムセダンなのが、なんともニクいですよね。
情報提供より頂いたマークX +Mスーパーチャージャー覆面。
警視庁 第十方面交通機動隊所属である。
馬力360ps、トルク50.7kgmを叩き出す警視庁のバケモノ交通覆面である。
こいつが加速してくるときはまるで二輪が加速してくるような「ニャーーー」という音がする
今回は飲酒検問を行っていたとのこと pic.twitter.com/fLWIc4s17W— かつき24時 (@katsuki_24h) 2018年6月2日
マークXといえば、「覆面パトカー」という印象を持つ人もいますよね?私も、高速の左車線を走るマークXは「覆面」と認識しています…。
高速の巡回は、それなりに加速性能が高い車でないと務まりません。つまり、逆説的にマークXの加速性能が認められているということ。
基本的にはベースモデルが覆面に採用されていますが、中にスーパーチャージャー付きの「コンプリートモデル」を潜ませている場合もあります。(スーパーチャージャーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
スーパーチャージャーとは?仕組み/構造は?音が最高のメリット?!こちらのツイートのとおり、「360PS」「50.7km/h」で、おまけに「リミッターカット」のバケモノであります…。スポーツカーでも、目をつけられたら逃れられないでしょう…。
YouTubeで加速動画をチェック
こちらはYou Tubeで見つけた2.5Lモデルの加速動画です。メーターを撮影しています。
0-100km/h加速は実測で6.34秒。これは前述した記録よりも速いですが、その時々のコンディションによってタイムは異なりますからね…。
仮に6秒前半で走っても、まったく不自然ではありません。
続きまして、こちらは3.5Lモデルの加速動画です。上のものと同様に、0-100km/hをメーター撮影しています。
少しブレて見え辛いですが、実測値で6秒くらいでしょうか?十分速いですね…。
マークXの加速性能を他の車と比較
最後にライバルと呼ばれる国産車と比較して、その実力を検証してみたいと思います。
今回、比較対象に選んだのは日産「ティアナ」、マツダ「アテンザ ディーゼル」、ホンダ「アコード ハイブリッド」の3車種です。
プレミアムセダンとして、マークXの加速性能はいかがなものでしょうか?
日産 ティアナ
まずは、日産のミドルクラスセダンである「ティアナ」です。
ティアナのラインナップは「2.5L NA」モデルだけなので、マークXの2.5Lモデルと比較しましょう。
ティアナの諸元はこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC |
排気量 | 2,488cc |
最高出力 | 173PS/6,000rpm |
最大トルク | 23.9kgf・m/4,000rpm |
車両重量 | 1,470~1,480kg |
PWR | 8.50~8.55kg/PS |
TWR | 61.51~61.92kg/kgf・m |
0-100km/h | 9.3秒 |
※直列4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!出力・トルク共は低いですが、その分車重が軽いので、PWRは「8.5kg/PS」、TWRは「61.51kg/kgf・m」と優れた数値を誇ります。
しかし、マークXと比較するとやや物足りませんね。0-100km/hタイムからも読み取れるように、加速性能に関していえばマークXの方が優れています。
マツダ アテンザ ディーゼル
続いて比較対象となるのは、マツダのフラッグシップセダンである「アテンザ」のディーゼルモデルです。
排気量は2Lなので、こちらもマークXの2.5Lモデルと比較しましょう。
諸元はこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ |
排気量 | 2,188cc |
最高出力 | 190PS/4,500rpm |
最大トルク | 45.9kgf・m/2,000rpm |
車両重量 | 1,610~1,670kg |
PWR | 8.47~8.7kg/PS |
TWR | 35.07~36.38kg/kgf・m |
0-100km/h | 8.6秒 |
※水冷、ディーゼルターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介ディーゼルエンジンらしく、最大で「45.9kgf・m」というスポーツカー顔負けのトルクを発揮します。それも2000rpmから効いてくるので、発進直後はかなりパワフルです。
PWRは「8.47kg/PS」、TWRは「35.07kg/kgf・m」ということでマークXと、かなりいい勝負の数値ですね。トルクを見る限りでは分が悪いように見えますが…。
ただし、0-100km/hの加速タイムはマークXに軍配が圧倒的に勝っていますね。これはディーゼルゆえに中~高速域が弱点なので、中間加速でもたつくことが原因。
発進直後はアテンザのほうが速いですが、その後の加速についてはマークXのほうが上手といえるでしょう。NAならではのオールマイティーさが勝敗を分けました。
アテンザの詳細は以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
アテンザの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ホンダ アコードハイブリッド
最後に比較するのが、ホンダのプレミアムセダン「アコード」です。
ハイブリッドはとくに評価が高く、「SPORT HYBRID i-MMD」というパワーユニットにより、加速性能を大きく向上させました。こちらも2.5Lモデルと比較しましょう。
こちらが諸元です。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,993cc |
最高出力 | エンジン:145PS/6,200rpm システム:215PS |
最大トルク | エンジン:17.8kgf・m/4,000rpm モーター:32.1kgf・m |
車両重量 | 1,580~1,610kg |
PWR | 7.4~7.5kg/PS |
TWR | 49.8~50.1kg/kgf・m |
0-100km/h | 7秒前半 |
評判のとおり、ものすごい数値です。一見すると、すべての数値においてマークXより上をいっているように見えます…。
しかし、0-100km/hタイムで見ると、マークXの方が上なんですよね。これは「ハイブリッド」と「ガソリンNA」という違い、そして排気量の差が原因でしょう。
アテンザと同様、どうしても苦手な領域が出てしまいます。たとえ数値で勝っていても、排気量クラスが異なれば加速性能とはわからないものなのです。
ともあれ、低速域はアコード、中・高速域ではマークXに分がありますが、トータルな加速性能は互角といったところでしょうか?
アコードハイブリッドの加速性能については、以下の記事でも詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
アコードハイブリッドの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?マークXはプレミアムセダンで上位の加速性能を誇る
というわけで、マークXの加速性能について、あれやこれや語ってきました。
スポーツカーを比較対象にすると厳しいですが、乗用車としてはかなり優れた加速性能であることが、よくわかってもらえたかと思います。
今回の教訓は、「覆面パトカーのマークXには気を付けてください」ということです。
マークXについては以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
マークXは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!【画像】マークXはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!