トヨタ ハイラックスは国産車としては珍しいピックアップトラックの大型車で、乗用車ながらトラックの荷台があるのが最大の特徴です。
今回はこのハイラックスの後部座席についてご紹介します。
ハイラックスの後部座席の2列目・セカンドシート
参考:toyota.jp
トヨタ ハイラックスはSUV系の車の中では国産車ではほぼ唯一といえるピックアップトラックで、そこそこのサイズを持つキャビンとその後ろに大きく広がるトラック風の荷台が力強い印象を持つ車です。
ピックアップトラックという車種は日本では珍しいのでトラックの一種かと思う方も多いですが、ハイラックスは乗用車モデルでありキャビンには運転席、助手席とその後ろに後部座席がきちんとあります。
今回はその後部座席について見ていきますが、その前にまずハイラックスの大まかなサイズをご紹介します。
スペック | ハイラックス | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 5,335mm | |
全幅 | 1,855mm | |
全高 | 1,800mm | |
室内長 | 約1,600mm | |
室内幅 | 約1,300mm | |
室内高 | 約1,100mm | |
荷台サイズ | 高さ | 480mm |
幅 | 1,535mm | |
奥行き | 1,520mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
後席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約700mm |
ハイラックスは車の全体的なサイズは国産車としては最大級であり、全長が5,300mm、全幅が1,850mmとかなり大柄なボディになっています。
全高は1,800mmとSUVとしては標準的なサイズですが、なにより後部にある大きな荷台がデザイン的にも特徴になっており積載量は非常に高い車です。
ピックアップトラックには商用トラックのように前席だけで2人〜3人乗りの車も多いのですが、ハイラックスは標準仕様で前席と後席の2列シートのキャビンを持っているダブルキャブというスタイルであり、ピックアップトラックの中では乗用車としての活用もしやすい車となっています。
そんなハイラックスの後部座席を詳しく見ていきましょう。
ハイラックスの広さ・居住性
参考:toyota.jp
ハイラックスの後部座席はピックアップトラックとしてみるとかなり居住性の高いシートになっており、現代の最新のピックアップトラックという感じがします。
ピックアップトラックという車種は乗用車とトラックを組み合わせた車種ですが、スタンダードなスタイルはキャビンは前席だけで後部座席がなく、その分トラックの荷台のスペースを優先したスタイルです。
しかしハイラックスは乗用車としての利便性が優先されており、後部座席は左右に専用の後部ドアがあって乗降性もしっかり確保されています。
ハイラックスの後部座席は左右に繋がったベンチシート式となっており、左右とセンターそれぞれに1人ずつの3人掛けのしーとになります。
このベンチシートは左右のサイズが1,100mm程度と一般的な乗用車よりは多少狭めになっており、2名乗車であれば窮屈さはないもののフル乗車で3人座るとかなり窮屈さを感じるサイズ感でしょう。
ハイラックスの後部座席に座ったときの前席シートとの間のニースペースもピックアップトラックにしてはかなりゆとりがあり、ニースペースが拳1個〜1個半ぐらいは確保されているので窮屈さを感じることなく座ることができるでしょう。
ダブルキャブ式のピックアップトラックでは後部座席はあくまで補助シート的な役割で前後も狭いことが多いのですが、ハイラックスの前後サイズなら中型車やコンパクトカーぐらいのスペースがあるので乗用車として最低限のゆとりはあります。
またシートに座ったときの頭上空間も拳1個分ぐらいはありますので、天井までぶつかることなく普通の車として活用していくことができます。
ハイラックスの後部座席でこれだけのゆとりがあるというのはピックアップトラックという車種からすると驚くべきことで、トヨタのレイアウトが素晴らしいということですね。
ハイラックスのチャイルドシート対応
ハイラックスはファミリーカーとしても使われることのある車ですが、子育て世代で必須であるチャイルドシートに対応しているかどうかを見ていきましょう。
チャイルドシートは子供用の専用小型シートで、車の普通のシートでは子供には大きすぎて安定したホールド性や安全性確保ができないので、安全性を高めるために専用シートが必要となります。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用などさまざまなサイズがあるのですが、車に搭載する位置としては事故の際にリスクのある助手席ではなく後部座席に搭載されることが多いです。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトをつかうことが一般的ですが、近年では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が制定されており、これに対応した車とチャイルドシートであれば確実に固定が出来ます。
ハイラックスのようなピックアップトラックはチャイルドシートへの対応は基本的に想定されていない車種ですが、ハイラックスは後部座席にチャイルドシートの固定構造であるISOFIXが備え付けられていて後部座席に搭載できます。
ピックアップトラックでISOFIX対応というのは国産車ではかなり珍しく、ハイラックスがファミリーカーとしての需要も想定されているということです。
後部座席にはシートの背もたれにISOFIXのタグなどがあり、その付近のシートの奥に金具がありますのでそこをめがけてチャイルドシートを固定しましょう。
またチャイルドシートの上側を固定する「トップテザーアンカー」も用意されており、チャイルドシートを上下でしっかり固定できます。
最終的にはハイラックスにチャイルドシートが搭載できるかどうかはチャイルドシート自体のサイズにかかっており、購入前に一度ハイラックスに積んで確認してからのほうが安心です。
またISOFIX対応でないチャイルドシートでも、後部座席のシートベルトを利用して固定できます。
ハイラックスの座り心地
ハイラックスの後部座席は乗り心地としては硬めの感触ですが、これはSUVとしては悪いことだけでもありません。
ハイラックスの後部座席はベンチシート式の平面的なシートで、その座面や背もたれにはあまり凹凸はありません。
それでも左右の座席部分はホールド性を高めるようなくぼみがあり、これが走行時には体をしっかり支えてくれるものとなります。
座面や背もたれはそこまでふわふわしたクッション性のある座り心地ではなくしっかりした硬さがあり、普段使いならともかく長距離走行時などは少し疲れやすい場合もあります。
ですがハイラックスは一般道での走行の他にSUVらしくオフロード走行をする場合もあり、ガタガタの不整地を走行するときにシートがやわらかすぎると体が動いて不安定なので、ある程度の硬さのあるシートがよいのです。
それでもハイラックスの後部座席は安全装備はしっかりしており、近年の車では必須ともいえる後部座席のヘッドレストが3席全てに装備されています。
ヘッドレストは走行中には乗員が頭を乗せるところになりますが、事故の際にはヘッドレストでしっかり頭を支えることでむち打ちを防いで被害を最小限に留める効果があります。
ハイラックスのようなピックアップトラックの後部座席は簡易的な用途が多くて安全装備などは微妙な場合が多いのですが、ハイラックスで装備がきちんとしているのはうれしいです。
またピックアップトラックの後部座席は頭のすぐ後ろにキャビンの後側やリアウインドウがありますので、そこにぶつかるのを防ぐためにも大型のヘッドレストが有効です。
加えて左右だけでなくセンターも上下可動式のヘッドレストとなっていますので、乗員の頭の位置に合わせた細かな調整も可能です。
ハイラックスの後部座席の装備
ハイラックスは後部座席周りの装備も結構充実しており使い勝手の良い後部座席となっています。
まず後部座席のシートベルトですが、ハイラックスは後部座席の3席全てに運転席や助手席同様の3点式シートベルトが装備されていて、安全性の面でも運転中のホールド性の面でもありがたい装備です。
ピックアップトラックの後部座席というと簡易的な2点式シートベルトを装備することもあるのですが、最近は小型車なども3点式シートベルトをしっかり装備する時代でありハイラックスもそこが考慮されているのは嬉しいです。
また2点式シートベルトだと腰だけしか支えないので上半身が動いてしまい悪路走行時にはきついのですが、3点式シートベルトであればそういった面も安心です。
その他便利装備もハイラックスには充実しており、まず収納が前席シート裏のシートバックポケットや左右のドアのドアポケットなど結構なサイズのものが入る場所があるので使い勝手が良いです。
グレードによってはリアのドア部分にスピーカーも設けられており音響面でも良い性能があり、ピックアップトラックの後部座席とは思えないほど快適です。
リアのエアコンダクトなどは流石にありませんが、ハイラックスのキャビンの大きさが普通の車より小さいので空調の効き自体は良好です。
さらには後部座席のセンター部分には引き出し式のアームレストまで備え付けられており、左右に2名乗車であればこれを引き出して実に快適に過ごすことができます。
このアームレストにはドリンクホルダーも2箇所装備されていて手元に飲み物を置いておけますので、これだけ揃っていれば想像以上に快適でしょう。
ハイラックスのリクライニング・シートアレンジ
参考:toyota.jp
ハイラックスの後部座席はリクライニングなどの機能はありませんが、ピックアップトラックとしては珍しくシートアレンジが可能です。
ピックアップトラックのダブルキャブ車では後部座席というのは基本的に固定式となっており、前後へのスライドや後部へのリクライニングは構造上できません。
ハイラックスもこの2つの機能は運転席や助手席だけで後部座席にはないのですが、後部座席のすぐ後ろにキャビンのボディが来てしまうので後ろに倒すスペースはないのです。
また背もたれが基本的に後ろのボディに固定されていますので前後スライドもできませんが、ハイラックスの場合には前席シートとの間のクリアランスが比較的確保されているため、固定式でもそこまでの窮屈さを感じなくても済んでいます。
ですがハイラックスで特徴的なのは後部座席の座面を跳ね上げるシートアレンジが可能なことで、座面を跳ね上げることで後部座席のスペースを簡易的なラゲッジスペースにすることが出来ます。
ハイラックスには後部に広々とした荷台はあるのですが、近くに置いて保護しておきたいものや鍵を掛けて保管したい貴重品、または雨に濡れたら困るものなどを運ぶのに後部座席のラゲッジスペースというのが便利なのです。
この機能はピックアップトラックとしても結構珍しく、跳ね上げの操作も片手で簡単に操作することができるので、後部座席に人が乗らない時のはどんどん活用しましょう。
さらに後部座席は右部分とセンター及び左部分の6:4分割式シートとなっており、左右どちらかだけを跳ね上げることが出来るのでラゲッジスペースの広さと乗員の人数でフレキシブルに使い分けることが出来て便利です。
ピックアップトラックという車種においてシートアレンジでこれだけの利便性が確保されている車と言うのは珍しく、ピックアップトラック自体が少なくなった今でもハイラックスは乗用車としても十分実用的な車です。
ハイラックスの後部座席の評価・口コミ
ハイラックスの後部座席についてはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中から2つご紹介しましょう。
ハイラックス納車して初日で思ったことですが、
①まず連れの家族を乗せてドライブに行き、100キロほど走行しました!
後部座席の乗り心地わサスの改良があったからでしょうか、そんなに悪くないとのこと。
②後部座席からの前方の眺めが良いらしい。
③子供ウケが半端じゃない。これわガチです!— しょへー (@shoppeeeeeeeee) September 26, 2020
こちらの方はハイラックスを手に入れられた直後でいろいと試していらっしゃいますが、後部座席はかなり評判が良いようですね。
乗り心地が意外と悪くないと言うのは嬉しい点ですし、ハイラックスのキャビンは全体的にウインドウが広くなっているので後部座席にいても楽しめるというのは良いですね。
180cm男性がハイラックスの後部座席に座るとこんな感じ
運転席のシートポジションも割とゆったり設定で足元は余裕だけど座席が立ってて長距離は多分しんどい。
夫婦2人だけならいいけど色々考えていくと買わせてくれないかもな😭
アテンザもまだ6年は乗るし、買うのは全然先なんだけどね(笑) pic.twitter.com/eAKoUt9m6J— Yushi kuroiwa (@kuroiwa_yushi) January 24, 2021
こちらの方は結構背の高い男性ですが、後部座席に座ったときの足下空間や頭上空間は実用上十分なゆったりさがあるようです。
ですがピックアップトラックなので後部座席の背もたれがどうしても真っ直ぐであり、長距離走行時には疲れやすいのはこの車の構造上仕方ない面でもあるでしょう。
総評
トヨタ ハイラックスは国産の乗用車としては唯一現在でも新車がラインナップされている車種で、デザインや各所のコンポーネントもフルモデルチェンジで最新のアップデートが施されているので、かなりクオリティの高いピックアップトラックに仕上がっています。
後部座席についてもピックアップトラックなので第一印象では補助シートのような感じがするものの、実際に座ってみればそのゆとりのあるサイズ感や座り心地の良さ、充実した装備やシートアレンジの使いやすさで不満は殆ど無いものに仕上がっているでしょう。
ピックアップトラックで荷物をたくさん積み込んでアウトドアやキャンプ、レジャーなどに便利につかうには、普段使いの利便性も合わせてハイラックスは素晴らしい選択肢の一つです。
一方で一般的なミニバンなどに比べるとファミリーカーとしての利便性には大きな差がありますので、家庭の事情によってはなかなか手の出せない車でもあります。