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中古車購入時の年式の目安とは?狙うべきなのはどの年式?

中古車を探すときに車の「年式」を気にすることが多いと思いますが、そもそもこの「年式」ってどんなものだか詳しくわかりませんよね。

今回は車選びで重要となる「年式」についてご説明します。

年式とは?

車の年式とは、その車が製造されてからはじめて登録された年と月のことを呼びます。初年度登録が「2016年8月」となっていれば、その車は「2016年式」という呼び方をします。

車の年式を確かめるには、車検証に記載されている「初年度登録」をみます。また中古車情報サイトでは車種ごとの年式の違いなどが詳しく載っています。

車の年式はその車がいつ登録されたという情報だけではなく、車選びにとって重要な次のようなことが関わってきます。

車のモデルチェンジ時期がわかる

車にはモデルチェンジというものがあり、数年に1度のペースで大きな構造変更が行われるのが一般的です。

モデルチェンジには次の2種類ありますが、年式によってその中古車がモデルチェンジの前なのか、後なのかということが判断できます。

種類変更内容一般的なスパン
マイナー
チェンジ
車の構造の一部改良や、色、グレード、
装備などの追加が行われる。車体など車の
重要な部分は変更が入らないことが多い。
2年~3年ごと
フルモデル
チェンジ
いわゆる新型車。
車の全体が刷新され、デザインや主要構造
部分を含めた大幅な変更、新造が行われる。
5年以上に
※車種によっては10年以上
行われないこともある

車のデザインやエンジンスペック、車内の装備などはこれらモデルチェンジ時期に変更されることが多く、中古車の仕様を判断する材料になります。

またモデルチェンジによって車の安全装備の追加や、いままでオプション扱いだった安全装備が標準化されたりするので、安全性にもかかわる重要なことです。

基本的にはモデルチェンジが行われると、それまでのモデルの車は値段が下がる傾向にあり、たった数か月しか年式が違わないのに車の価格に差がある場合、モデルチェンジが関係していることがあります。

またモデルチェンジによって、それまでのモデルで信頼性の低かった部品が改良されたり、故障しにくい対策が取られていたりと、車の信頼性があがる時期でもあります。

よく「この車は何年式以上なら壊れにくい」などと解説されている場合にはモデルチェンジが関係していて、その年式の車の人気にもつながります。

たとえばジムニーなんかは長い間発売されている車で、この年式が非常に重要です。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

初代のジムニー絶対読んでください!ジムニーの中古車を購入時の11の注意点!

年式ごとに税金は変動する

自動車税

車の年式は車の税金にも関係しており、年式がある一定の期間を越えた場合に税額があがります。

対象となるのは「自動車税」と「自動車重量税」で、年式が古い車に対しては環境負荷が厳しいなどの理由で一定割合の増税が行われます。

自動車税の増税

自動車税については次の表のとおり増税となるので、中古車を買う際の目安の一つとなります。

車の種類基準となる経過年数増税額(平成27年以降)
ガソリン車13年普通車:15%
軽自動車:20%
ディーゼル車11年15%

例えば2リッター~2.5リッターの車の標準税額は45,000円ですが、もし13年経過後だと15%アップで51,750円となります。

自動車税は毎年払う税額ですので、年額で6,750円も負担が増えるのです。

自動車重量税の増税

自動車重量税は車検時に支払う税金ですが、13年経過と18年経過の2段階で増税が行われます。

車検は一般的に2年ごとですので増税額は次の表を参照してください。

※スマホでは表を横にスライドできます。

車両重量2年自家用
免税50%減税本則税率エコカー以外
右以外13年経過18年経過
H28.3.31
まで
H28.4.1
以降
0.5t以下免税2,5005,0008,20010,80011,40012,600
~1.0t5,00010,00016,40021,60022,80025,200
~1.5t7,50015,00024,60032,40034,20037,800
~2.0t10,00020,00032,80043,20045,60050,400
~2.5t12,50025,00041,00054,00057,00063,000
~3t15,00030,00049,20064,80068,40075,600

2年ごとに払う税金ですので自動車税より影響は小さいですが、それでも12年目に車検を通すのと13年目に通すのでは5,000円~10,000円も差があり、車両重量があがっていくにしたがって増税額も増えます。

車の保証時期

車には新車販売時にメーカーの保証がついており、保証期間中であれば無償修理が受けられます。

これは中古車にも適用されますが、一般的に保証は「5年経過または100,000km保証」となっており、この5年を年式から判断できます。

保証期間中であれば、自己責任でない故障についてメーカーが無料で修理してくれるので、保証期間がどのぐらい残っているのかは重要です。

日本のすべてのメーカーはこの保証内容となっており、追加オプションで延長保証もあります。

またハイブリッド系の部品に限り、特別保証がある場合もあります。外車の場合は独自の保証期間となっていますので、個別に確認が必要です。

部品交換の時期を推し量る

年式は車の部品交換の時期を推し量るのにも重要で、消耗品であるバッテリーや、年々劣化していく各種ゴム部品などが対象です。(そのほかの部品は走行距離で判断、詳細は以下の記事をご参照ください。)

車のメーター中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!

中古車を選ぶ際に、これらの部品交換が行われていない場合は購入後に交換する必要が出てきます。

バッテリー

バッテリー

ここでいうバッテリーは12Vの通常のバッテリーのことで、ハイブリッド車や電気自動車に使われる大型バッテリーではありません。

12Vのバッテリーはエンジンの始動や、車の電装品に使われるもので、交換時期は2年~3年ごとと言われています。

これはバッテリーは何もしなくても放電してしまう性質があり、そのたびにバッテリーは劣化していくので交換が必要となるのです。

バッテリーが劣化すると、エンジンの始動ができなくなったり、1日乗らなかっただけでもバッテリー上がりを起こしたりしてしまいます。

ゴム部品

車には多くのゴム部品が使われており、エンジンの各種ゴムホースや、ドアや車体のゴムパッキンなど、見えないけど重要な部分です。

ゴム部品は経年で劣化していきますので、その交換目安となるのが10年です。

車の使い方や土地柄などでも変わってきますが、一般的には10年近く経過したゴム部品は固くなって弾力性が失われていきます。

そうするとゴムホースに亀裂がはいって中身が漏れたり、ゴムパッキンからの雨漏りなどが起こります。

中古車の年式の基準

中古車の年式は新しければ新しいほど車の状態は良い傾向にありますが、同時に中古車価格の相場も高止まりします。

中古車の年式は値段とのバランスを考えて選ぶのですが、一般的に年式で中古車を決める際には次の4つの区切りを基準に考えるとよいでしょう。

MEMO

なお正しいやり方で値引き交渉をすれば、下記の価格よりもう少し安い価格で購入できます。

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0年~3年落ち中古車

この年式の中古車はまだまだ新車同然のクオリティを保っており、目立った悪い箇所や故障はないでしょう。

中古車価格としては新車の40%落ち程度で中古車としては少々高めですが、この先ずっと長い期間乗るには最適の状態です。

3年であればメーカーの保証も2年程度残されているので、万が一の時にも安心して乗ることができます。

また新車の車検は3年ですので、車検期間はギリギリでちょうど更新時期にあたることがあります。

この年式の車については以下の記事でも考察しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

新車新車より1年落ちや2年落ち、3年落ちの中古車はお得?そんなに違いがある?

3年~5年落ち中古車

年式が5年未満の中古車と5年以上の中古車では、価格と保証内容で大きな差があります。

中古車の買い取り価格は、主に5年もしくは走行距離50,000kmを境に大きく変わり、中古者販売価格では5年以上経過すると、新車価格の50%~60%落ちとなります。

5年未満では50%程度の下落率ですので、中古車価格としては少々高いままです。

しかし5年経過してしまうとメーカー保証が無くなってしまうので、5年未満ギリギリでは微妙な残り期間です。(ないより良いですが)

新車の車検は3年ですので、うまくいけば2回目の車検が十分に残った状態の中古車に出会えるかもしれません。

5年~10年落ち中古車

カイエン 旧モデル

5年を越えると中古車価格はどんどん下がっていき、10年時点では新車価格の30%程度にまでなります。

そのため安く買えるのは良いのですが、メーカー保証も切れていますし、次第に故障や部品交換する個所が増えていきます。

ゴム系部品はまだ大丈夫ですが、エンジンのタイミングベルトや補器ベルトなど、定期的に交換が必要名部品も出てきます。(だいたい80,000km~100,000km走行を目安)

10年を越えるとかなり古い車という扱いを受けますので、5年~10年の間であれば値段と年式が釣り合うと考えてよいでしょう。

10年越え中古車

中古車としては古い車という扱いを受けますので、中古車価格は30%以下になり購入しやすい時期です。

しかしやはり部品の劣化は進んでいますので、予期せぬ故障に見舞われて維持費がかさむリスクはあります。

また税金の増額の時期にも近づいているので、今後どんどん維持費がかかるようになっていくでしょう。

どうしても安い車が良かったり、どうしても乗りたい車だった場合には10年落ちでもしかたありません。

佐藤茂道(著者)

実際私が昔乗っていた車は10年落ちぐらいでしたが、日産スカイラインという昔から乗りたかったスポーツカーだったので、年式が古くても気になりませんでした。

5年ほど乗りましたが、その間たしかに消耗品の交換などで維持費はかかりました。

しかし結果的には車が楽しく、とても満足のいく1台だったと思っています。

15年落ち以上の車については以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

クラシックカー中古車で15年〜20年落ちの車は買っても大丈夫?全然乗れる?

買う車の年式の目安

では実際に中古車を買う場合、どのぐらいの年式の車がおすすめなのかをご説明します。

おすすめは5年経過の中古車

実際に中古車を購入する場合、車のクオリティと値段を考えると、5年経過後すぐの中古車がねらい目です。

5年経過で中古車価格はガクッと下がり購入し易くなりますし、車自体の質もまだまだ良い状態です。

メーカー保証は切れてしまいますが、実際に故障が多発するのはもっと後の10年近くなってからですので、実質的に問題は少ないでしょう。

5年経過だと新車から3回目の車検が来る時期です。

うまく3回目の車検が残っている車に出会えれば車検の残りが1年以上ありますので、お買い得です。

逆に車検ギリギリだとすぐに次の車検費用がかかることになりますので注意しましょう。

10年落ちはできれば避ける

逆に、できるのであれば10年以上経過した中古車は避けるのが無難でしょう。

一応車としては十分使える状態ですが、故障がいつ発生するか微妙なラインだからです。

10年経過したから故障が起こるわけではありませんが、もし定期交換部品を交換されていない車だとトラブルの発生確率は高まります。

しかし10年経過の車でも、定期交換部品がしっかり交換されているのであれば、値段も安いことですし購入を検討してもよいでしょう。

あとはどの年式を買うとしても、中古車の選び方の一般的なポイントを抑えて買うようにしましょう。中古車の一般的な選び方が分からない方は、こちらの記事もご覧ください。

中古車選び初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!

車としてはもっと古くても大丈夫

Trip Suttlesさん(@brj93zj)がシェアした投稿

さてここまで10年以上経過した車はあまりおすすめしてきませんでしたが、メンテナンスがきちんと行われているのであれば、10年20年経過しても車は十分に動きます。

例えばアメリカなどでは1960年~1970年代のスポーツカーは「マッスルカー」と呼ばれて絶大な人気があり、50年以上経過していても現役の車がたくさん走っています。

また日本でも、「日産スカイラインR32 GT-R」は今でも大人気で、製造中止が1994年ですから23年以上経った今でも、中古車市場では1,500,000円~2,000,000円が相場です。

なおかつ日産系列の会社で部品の再生産が行われることが決まったので、これからもう何十年も現役の車種になるでしょう。

参考 NISMO、R32 GT-Rの部品を再生産 ヘリテージ・パーツ・プログラム順次拡大へAUTOCAR JAPAN

こういった車は人気もさることながらきちんとした手入れが行われているので、数十年たっても現役で走れる車になっているのです。

もし気に入った車が結構古い車であっても、購入して愛情を持って乗ってあげれば何十年も付き合えるパートナーになるかもしれませんよ。

また中古車でもレクサスのように「認定中古車」というある程度の質が担保された車もあります。こういった車は少し高いですが、年式をあまり気にせず買えるのでおすすめです。(詳細は以下の記事をご参照ください。)

高級車の車売り実は違いが大きい?レクサスの認定中古車の5つのメリットと1つのデメリット!