フォルクスワーゲン(以下VW)にはゴルフというベストセラー車種がありますが、その弟分がVWポロです。
そんなポロが2017年にフルモデルチェンジを行い、デザインも中身も進化しました。
2017年の東京モーターショーで発表されましたので、今回は新型VWポロについてご説明しましょう。
新型VWポロはこんな車
VWポロは小型のゴルフといった位置付けの車で、日本の車のカテゴリーで言えばコンパクトカーにあたります。
ゴルフが次第に大型化していくなかで、それよりコンパクトなモデルとしてポロが誕生しました。
ポロ自体は結構歴史の長い車で、初代は1975年発売と40年近い歴史があり、新型ポロは6代目ということになります。
ポロは小型でかわいらしい外観であったことから日本では女性の人気が高く、VWの国内販売ではゴルフとならんで主力車種となっています。
新型ポロは後述するようにスポーティなフォルムに進化しましたが、これにより新たな客層も望めそうな車です。
新型ポロは先代に比べてサイズ感が変わっているので、新型と先代ポロ、加えてVWゴルフの3車を比較して見ましょう。
項目 | 新型ポロ | 前型ポロ | ゴルフ7 |
乗車定員 | 5名 | ||
エンジン | 1.0TSI直列3気筒エンジン(日本導入予定) ※欧州では以下をラインアップガソリンエンジン1.0MPI 1.0 TSI 1.5 TSI 2.0 TSIディーゼルエンジン 1.6 TDI 天然ガスエンジン | 1,000cc直列3気筒 TSI 1,400cc直列4気筒 1,200cc直列4気筒 TSI 1,400cc直列4気筒 TSI | 1.2L直4ガソリン(TSI) 1.4L直4ガソリン(TSI) 2.0L直4ガソリン(TSI) 1.6L直4ディーゼル(TDI) 2.0L直4ディーゼル(TDI) |
最高出力 | 1.0 MPI:65PS/72PS 1.0 TSI:95PS/115PS 1.5 TSI:150PS 2.0 TSI:200PS 1.6 TDI:80PS/90PS 1.0 TGI:90PS | ガソリン3気筒: 95ps(70kW)/5,000~5,500rpm ガソリン4気筒: 1.2L:90ps(66kW)4,400~5,400rpm 1.4L:150ps(110kW)/5,000~6,000rpm | 77kW(105PS) (1.2L TSI) 103kW(140PS) (1.4L TSI) 162kW(220PS) (2.0L TSI) |
最大トルク | 不明 | ガソリン3気筒: 16.3kg・m(160N・m)/1500~3500rpm ガソリン4気筒: 1.2L:16.3kg・m(160N・m)/1,400~3,500rpm 1.4L:25.5kg・m(250N・m)/1,500~3,500rpm | 175Nm(17.8kgm) (1.2L TSI) 250Nm(25.5kgm) (1.4L TSI) 350Nm(35.7kgm) (2.0L TSI) |
変速機 | 7速DSG 6速/5速MT | 7速DSG 6速/5速MT | 6速/7速DSG 6速/5速MT |
全長 | 4,053mm | 3,972mm | 4,265mm |
全幅 | 1,751mm | 1,682mm | 1,800mm |
全高 | 1,446mm | 1,453mm | 1,480mm |
ホイールベース | 2,564mm | 2,470mm | 2,635mm |
※ガソリン、ディーゼル、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
ガソリンエンジンのメリット3つとデメリット5つ!仕組みと将来性の特徴を解説!クリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!新型ポロの特徴についてはのちほど解説しますが、エンジンについては日本導入仕様は未定で1.0Lの直列3気筒エンジンが導入されることは決まっています。
前型ポロにも搭載されていたエンジンで、3気筒ながら4気筒にも匹敵する出力とトルクを持つエンジンです。日本導入は2018年が予定されています。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!VWポロの特徴
新型ポロはさまざまな箇所が先代から変化しており、キープコンセプトカーではありません。
まず新型ポロの変更点とそれに伴う魅力についてご説明しましょう。
安定感のある車にサイズアップ
まず新型になって大きく変わったのは車のサイズで、前述の表の通り一回り大きな車へとサイズアップを遂げています。
ポロがゴルフの小型版に位置することは変わらないのですが、ゴルフ自体がモデルチェンジを経るごとに大きくなっており、それに伴ってポロも大型化が進みました。
サイズ的には3代前のゴルフ4とほぼ同サイズとなり、時代の変化と共にポロが旧ゴルフのサイズまで拡大されています。
サイズアップの結果車の質感は上がり、今までの幾分簡素なデザインは鳴りを潜めてスポーティでかっこいいエクステリアデザインになりました。
フロントは現行のゴルフに近いシャープなヘッドライトが特徴ですが、ゴルフほどボンネットは長くなくコンパクトな印象もしっかりのこっています。
対してリアはシンプルで、小型のコンビランプを採用することでトランクの開口部を広げる工夫がしてあります。
このシンプルさはポロらしいデザインで、馴染みやすいものとなっています。
また展示モデルにはサンルーフの設定があり、お望みであれば解放感のある室内空間が楽しめそうです。
小さいながらもハッチ上部にエアロパーツがつけられており、スポーティさを演出しています。
これまでポロはどちらかといえばかわいらしいデザインの車でしたが、それがサイズアップとデザインの上質化によりオールマイティな主力車へとバージョンアップしたのです。
しかしサイズ拡大の影響は一部デメリットもあるので、これはのちほどご説明します。
質感の高いインテリア
ポロの進化はインテリアにも及んでおり、こちらも質感が高くワンランク上の車になりました。
ポロのインテリアはこれまでシンプルなものが多かったのですが、新型ポロではスポーティなラインを持つコクピットにかわっており、安っぽいイメージを払拭しています。
またこの展示車は内装が黒系統なのでわかりにくいのですが、コクピットのあちこちにカラーパネルを選択できるようになっており、ダッシュボードやエアコン吹き出し口、ナビ回りには鮮やかな色のパネルを設定することができます。
ポロはポップなイメージもある車なので、非常にマッチしたデザインといえるでしょう。
先進的なデジタルコクピット
新型ポロのコクピット回りの進化のひとつとしては、各所にデジタルを多用した装備が増えたことです。
運転席の情報などはすべてデジタルスクリーンに表示する「アクティブインフォディスプレイ」という方式になり、これはポロとしてはこの車から採用となります。
アナログでは伝えきれない多くの情報をわかりやすく的確に伝えるシステムで、次世代を担う車にはもってこいです。
またナビ回りもボタン類を極力減らすインテリアデザインとなっており、大型スクリーンを持つナビがその機能を果たします。
余計なボタンがないのでシンプルでクリーンなインテリアに仕上がっています。
控えめに見てもポロのインテリアの質感はコンパクトカーとして高いレベルにあり、国産コンパクトカーより一歩先に進んだ感じを受けます。
ゴルフにもひけをとらないポロGTI
新型ポロにはハイパフォーマンスモデルであるGTIの追加がすでに発表されており、非常にパワフルなエンジンが搭載されるスポーティな車になりそうです。
新型ポロGTIには200馬力を発生させる2.0L TSIエンジンが搭載される予定で、馬力はゴルフを越えるものとなりそうです。
また現行ポロにもGTIは存在しますが、こちらは1.8Lエンジンで192馬力を発生させるエンジンでしたので、新型ポロでスペックアップしていると言えます。
価格は通常のポロが2,000,000円前後になるのに対し、GTIでは600,000円アップとなりそうです。
価格は結構上がりますが、ハイパワーでコンパクトなホットハッチは本当に楽しい車ですので、魅力的な1台であるのは間違いないでしょう。
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば数十万円は安くなるので、GTIも購入しやすくなりますよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!VWポロの欠点
新型ポロは車としての完成度がかなりアップした車ですが、一方でいくつか欠点も見られます。
3ナンバーサイズになったのは残念
新型ポロのサイズアップのデメリットとして、ついに国内の5ナンバーサイズの枠を飛び出してしまい、3ナンバー車になってしまいました。
リッターカーで一番小さい区分の5ナンバーは車の全幅が1.7m以下という制約があるのですが、先代ポロまでは守っていたこの規制を新型ポロでは越えてしまいました。
その結果ポロも3ナンバー車となり、取り回しの面では先代よりも多少悪いイメージがついています。
ポロの主戦上である欧州にはこういった規制がないので、ポロは他社車との競争力確保のためにサイズアップに踏み切りました。
しかしVWのシェアがそこまで大きくない日本ですので、あまりナンバー区分については考慮されなかったようです。
実際には表を見てわかるようにそこまで大幅なサイズアップではないので、実質の運転性には大きな差はありません。
しかし5ナンバーと3ナンバーの持つ車のイメージは結構大きな差があるものです。
インテリアに残るコストダウンの跡
新型ポロのインテリアは質感が非常に高いものに変わってよくなったのですが、それでも一部気になる点がありました。
それは後部座席のドア周りの部分で、ドアトリムの前後には一部車体色が見える部分があります。
ここには内張りがなく鉄板がじかに見える部分なのですが、結構唐突にあらわれるのでインテリアの統一感がちょっとだけ失われます。
ポロはVWのなかでコストダウンが重要な車種なのでこういった部分でコストダウンを図られるのは仕方ありませんが、他の完成度が高いだけに残念な部分ですね。
なおフォルクスワーゲンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォルクスワーゲン新型アルテオンとは?内装や特徴を解説【東京モーターショー2017】フォルクスワーゲンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!