アウディは高級輸入車御三家と呼ばれる自動車メーカーの一つで、ベンツやBMWと肩を並べる高級車です。
そんなアウディですが、車の故障率についてはどうなのでしょうか? 今回はアウディ車の故障率についてご説明しましょう。
アウディは故障率が低くないが、高くもない
車の故障率はメーカーや国などから公表されてはいませんが、客観的な指標の一つとしてJ.Dパワー社の発表する自動車耐久品質調査があります。
この調査は実際に車を買った顧客からの意見を集め、国ごとに車の故障率が低いメーカーをランキングしたものです。自動車メーカーなどとは独立した会社の調査ですので、信頼性の高い調査です。
まずはこの自動車耐久品質調査の結果を見ながら、アウディの故障率を見ていきましょう。
アウディの自動車耐久品質調査の結果
J.Dパワー社発表の自動車耐久品質調査は、1年ごとにそれぞれの国で調査されており、その国の環境や交通状況などでの故障率の大小がわかります。
この結果を見てみると、アウディはベンツやBMWと比べると突出して故障率が高いわけではないことがわかります。
今回は日本、アメリカと、アウディの本国であるドイツでの結果をまとめてみました。なお日本については2017年の最新結果が発表されていないので、前年の結果です。
日本(2016) | ドイツ(2017) | アメリカ(2017) | |
1位 | レクサス | 起亜 | レクサス |
2位 | ホンダ | ヒュンダイ | ポルシェ |
3位 | トヨタ | トヨタ | トヨタ |
4位 | スズキ | 三菱 | ビュイック |
5位 | ダイハツ | シュコダ | メルセデスベンツ |
6位 | マツダ | プジョー | ヒュンダイ |
7位 | 日産 | 日産 | BMW |
8位 | スバル | オペル | シボレー |
9位 | 三菱 | ホンダ | ホンダ |
10位 | アウディ | フォード | ジャガー |
11位 | メルセデスベンツ | セアト | 起亜 |
12位 | BMW | ルノー | リンカーン |
13位 | MINI | Volkswagen | MINI |
14位 | Volkswagen | ダチア | GMC |
16位 | メルセデスベンツ | アウディ | |
21位 | アウディ | ||
23位 | BMW |
それぞれの国でアウディの順位はずいぶん違いますが、私たちの日本市場でいえばなんとベンツやBMWを抑えて10位にランクインしています。
それより上位は日本メーカーが軒並みランクインしており日本車の故障率の低さがわかりますが、アウディはそれに次ぐ故障率の低さを誇っているのです。
ドイツになるととたんに21位まで後退してしまいますが、ベンツやBMWも下位に沈んでいますので、アウディが特別故障率が高いわけではありません。
ベンツやBMWが力を入れているアメリカ市場ではアウディは16位で、アメリカでは後塵を拝しています。
いずれの国でもドイツ車と比較すると日本車、韓国車の故障率の低さが際立っており、アウディを含めたドイツ車はこれらに一歩及ばないという結果です。
ここでは故障について触れていますが、以下の記事ではドイツ車と日本車の違いをあらゆる観点から深く分析しています。興味がある方はあわせてご覧ください。
比較してみた!ドイツ車と日本車の決定的な違い5つ!アウディの故障率が高いと言われる理由
前述の結果を見てみると日本車や韓国車に比べてドイツ車の故障率が多いように思いますね。
ただ実際には日本車や韓国車の故障がとても少ないことが原因で、「故障率が高く見えてる」だけです。もっと詳しく説明しましょう。
日本車は故障率がとにかく低すぎる
ドイツ車をはじめとした輸入車は故障が多いと昔から言われていましたが、現在のドイツ車は当時とは比べ物にならないほど信頼度が増しています。
故障率自体も少なくなってきており、事実米国市場ではベンツやBMWは上位につけていますよね。
しかしそれと比較してみても日本車などの故障率はさらに低く、ドイツ車が進歩するのと同時かそれ以上に日本車の信頼性が増しているのです。
それゆえに、故障率としては日本車に負けてしまい、「故障が多いのではないか」と言われたりするわけです。
日本のメーカーの故障率は以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
トヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!日産車は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!輸入車は日本の環境に慣れていない
日本で輸入車の故障が多い理由にはもう一つあり、日本の高温多湿の気候も関係しています。どうしても輸入車は日本の環境に適応していない部分もあり、それらが故障率の上昇につながります。
現在車の開発をする際には、その車を販売する地域の気候や環境などを考慮にいれて設計しています。しかしその国のことを一番わかっているのはその国のメーカーですので、日本では日本車の故障率が低いのもうなずけます。
実際は故障が多いわけではなく、故障のことを気にして購入をためらう必要は全くありません。
もしアウディの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!アウディオーナーの故障に対する評判
アウディの故障についてはTwitterにもいろいろな体験談が上がっており、今回はその中から3件ご紹介しましょう。
VW傘下だから品質は高い
フォルクスワーゲンの品質は悪くないから、というか、アウディもポルシェもブガッティも、フォルクスワーゲンの傘下だから故障比較的少ないよ。
麺ちゃんが買うといい!— シャるん (@Scharn_bis) 2017年8月17日
アウディは長らくフォルクスワーゲンの傘下となっており、品質管理などはフォルクスワーゲンからのフィードバックを受けられる体制です。
フォルクスワーゲンはドイツ車の中では信頼性が高く、世界販売をトヨタと競うほどの大規模自動車メーカーです。
そのフォルクスワーゲン流の品質管理を採り入れているのだとすれば、信頼性が高いといえるでしょう。
フォルクスワーゲン自体の故障率については、詳しくは以下の記事をご参考にしてください。
フォルクスワーゲンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!アウディの維持は大変
新車で買ったアウディに乗ってた友人は、よく故障するしパーツが取り寄せだとかで、買うなら国産が一番って言ってましたね…
— 紗綾 (@saya363) 2017年4月30日
この方の友人がアウディに乗られていたようですが、実際には故障が多く大変だったようです。
どの年代のアウディかは判然としませんが、日本車に慣れている私たちからしたらアウディは故障が多いように感じるのも自然です。
また交換パーツなどはドイツからの取り寄せの物もあり、修理金額や期間が長くなってしまうことがよくあります。
それでもドイツ車には魅力があるので、ある程度故障を覚悟しなれけばならないのは、仕方ないのかもしれませんね。
故障も点検もある程度は仕方ない
これまで長年輸入車を扱って来ましたが、意外にもフィアット、アルファロメオは故障が少ないという事です。
VW,アウディ、BMWは壊れまくりますね(汗)
それとアメ車の古いのも意外と壊れません。
2000年モデルの某大型SUVが一台居りますが、
スキーにキャンプにガンガン使ってますが壊れないです— アウディ80000 (@audi80000) 2018年5月9日
こちらの方は輸入車にかなり慣れてられるようで、アウディなどの外車は日本車のように行かないことを知っておられます。
日本車であれば故障すること自体がありえないことと捉えられるのですが、外車はどうしても故障が起こりがちなので、故障修理があるのを前提にして所有しなければなりません。
佐藤茂道(著者)
アウディの故障事例と修理費用
アウディの故障率は日本車に比べると高いため、故障が起こったらすぐに修理しなければなりません。
特にアウディは次のような部位が弱いと言われており注意が必要です。
エアコンの効きが悪くなる
輸入車全般に言えることですが、突然エアコンの効きが悪くなることがあります。とくにアウディはヒーターが効かなくなることが多いとの意見があります。
エアコンのコンプレッサーやコンデンサーに問題がある場合もありますが、多くの場合はエアコンの温度センサーの故障です。
エアコンの温度センサーはデリケートな部品で日本の環境では壊れやすい部品です。
修理自体はセンサーの交換で済みますが、センサーを取り外すまでにいろいろな部品を外さなければならず、工賃が結構かかります。
一般的な修理費用は、部品代で5,000円~10,000円、工賃で20,000円です。
トランスミッションの不具合
アウディはトランスミッションの不具合が割合多いようで、部品交換で済めば費用も安くなりますが、最悪の場合にはトランスミッション交換となり高額修理の可能性があります。
自動変速機のトラブルが多く、特に最近主流になってきているDSGにトラブルが増加しています。
DSGとは簡単に言えばマニュアルトランスミッション(MT)の変速を自動化したもので、構造自体はMTと同じです。
しかしこの変速機構の部分にトラブルが多く、新しい機構であるだけに不具合が発生するのはある程度はしかたないでしょう。
DSGの部品交換で修理が完了すれば部品代と工賃込みで150,000円~2,000,000円で済みます。
故障が深刻でDSG自体を交換しなければならない場合には、中古のDSGを使って500,000円~1,000,000円、状態のよいものだと1,000,000円以上です。
こうなると国産の中古車1台を買うのと大差ない値段になってしまいます。修理するかどうかは状況次第ですが、特に走行距離の多いアウディにトラブルが多いので中古で買う場合には注意しましょう。
アウディの中古車購入を考えている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
アウディの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!