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PHEV/PHVの充電設備の設置ガイド!自宅工事費用から補助金まで全て解説!

PHEV(プラグインハイブリッドカー)とは充電機能を持つハイブリッドカーで、駆動用バッテリーに外部から充電することで長距離のEV走行が可能となった車種です。

PHEVには充電設備が欠かせませんので、今回はどんな充電設備が必要なのかをご説明します。

PHEV/PHVの充電設備とは

PHEV 充電

PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)は動力源にエンジンと電気モーターの2種類を持つハイブリッドカーですが、「プラグイン」という名称の通り車に充電用のプラグを差し込むポートが設置してあります。

そこから駆動用バッテリーをあらかじめ充電しておくことでモーターのみで長距離を運転できる、電気自動車のような使い方が可能で、これまでのハイブリッドカー以上に燃料消費量を削減することが可能です。

プラグインハイブリッドプラグインハイブリッド(PHEV)とは?EV,PHV,HVとの違いからメリット/デメリットまで解説!

PHEVへの充電には設備が必要となりますが、一般的なものから特殊なものまで何種類か存在しており、それぞれ充電時間やコストに関して違いがあります。

PHEVの充電方法については主に3種類あり、どれも電気自動車と同じ設備となっています。

100V電源

まず最も基本的な充電設備として使えるのは、家庭用電源として一般的な100V電源です。簡単に言えば家庭のコンセントがあれば、PHEVは最低限充電が可能というわけです。

電気自動車もそうですが、電動車の充電の基本は世間で一般的な電源をそのまま活用できることです。

ポイント

ある程度のワット数は必要ですが、一般家庭の電源なら問題はないでしょう。また街中の店舗や高速道路のSA、PAなど、電気自動車の充電が許可されている場所であればコンセントから充電もできます。

ただ100V電源での充電は他の2つに比べて充電時間が長いというデメリットがあり、PHEVの場合では満充電まで10時間以上必要となります。

このことから100V電源での充電は緊急的な意味合いが強く、どこでも充電できるという点がメリットとなります。

200V電源

200V電源も100Vと同じく一般的な電源のひとつですが、家庭ではなく主に工場などの大型機械を使う場合に使用される電源です。

100Vの倍の電圧があるのでPHEVへの充電も速くなっており、満充電までの時間も2時間程度まで短縮できます。

ポイント

一般家庭用電源は普通は100Vしか引いてありませんが、電力会社と契約して簡単な工事をすればすぐに200V電源は使用可能となります。

100Vのコンセントと200Vのコンセントはプラグの形状も違っており、例えばガレージや駐車場のコンセントのみ200Vにすることも可能です。

そのためPHEVや電気自動車への家庭での充電は200V電源が便利で、車の購入時に一緒に200V電源を設置する家庭も増えてきています。

急速充電器

PHEVの充電を最も短時間で行える方法として「急速充電器」という専用設備があり、これが設置してあるとわずか20分〜30分で80%までの充電が可能となります。

ポイント

急速充電器は100Vや200Vのようなコンセントと違い、それ専用の筐体を持った電気設備です。屋外や店舗などに設置して使うもので、PHEVや電気自動車専用の設備といえます。

この急速充電器があればちょっとした買い物などの間にも充電が完了するため、利便性は一気に向上します。

その反面急速充電器は専用の設備を購入しなくてはならず、ランニングコストが発生するデメリットを持っています。

費用については後ほどまとめますが、数百万円程度かかることもあり一般家庭に導入するのには向きません。

そのため現在導入されているのは各自動車ディーラーやショッピングストア、高速道路のSA、PA、市役所などの公共機関がほとんどです。

急速充電器はその利便性は非常に高いですが、家庭では充電時間がこれほど短い必要もないので、主に車での外出時の充電方法といえるでしょう。

なおPHEVの充電方法については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

充電PHEV/PHVの充電方法!料金は無料?充電時間や場所/スポットの詳細も解説!

PHEV/PHVの充電設備の必要性

ここまでPHEVの充電設備に説明してきましたが、PHEVに乗るうえで本当に必要はあるのでしょうか? 充電設備がなくてもPHEVは役に立つ車なのでしょうか?

PHEVの特徴と充電の必要性

PHEVの特徴は何より充電機能があるということですが、充電するとしないとでは車の使い方は大きく変わってきます。

従来のハイブリッドカーには充電機能がなく、充電はエンジンでの走行時と減速時の反力で行っていました。

このシステムでも従来のエンジン車より燃費は大幅に改善するのですが、モーターだけで走行できるのはせいぜい数kmまでと、ほとんどの走行シーンでエンジンを動かす必要がありました。

ですがPHEVは一回の満充電で50km〜70kmぐらいはモーターのみでの走行が可能で、長距離を走らなければエンジンを一切動かさずに運用することが可能となっています。

この間はエンジンによる燃料消費がありませんので、うまく充電だけを繰り返して運用すると燃料を一切補充しないような使い方もできます。その分電気代は消費しますが、燃料代に比べれば安いのでコストメリットがあるわけです。

充電PHEV/PHVの燃費/実燃費は悪い?電気代も含めて計算して比較!

またプラグインハイブリッドは充電が不足してきた際や高速走行の際には、エンジンを動かしてハイブリッドモードとなりますので、EVのように充電切れで走れなくなると言ったこともありません。

さてプラグインハイブリッドは充電設備がなくてもハイブリッドカーとしての使用ができますので、必ずしも充電設備がなくても運用はできます。

しかしプラグインハイブリッドを最大限活用するためには自宅に充電設備を設けるのがベストで、うまくモーター走行のみで運用するのが最も経済性が高くなります。

プラグインハイブリッドカーはバッテリーが大型な分普通のハイブリッドカーより高額ですので、充電環境のない状態でPHEVを購入するのはあまり得策とはいえないでしょう。

自宅以外に駐車場がある人は要注意

前述した充電設備のうち、一軒家でガレージや駐車場付きの自宅であれば100V電源は必ずあり、利便性を考えるなら少しコストをかけて200V電源を用意すればそれで十分です。

ですが問題は自宅以外に駐車する必要がある場合で、日本ではほとんどの場合これにあたるでしょう。これまで車を駐車する場所はとにかく土地さえ確保してあれば十分であり、いわゆる青空駐車場も数多く活用されています。

ですがPHEVの運用には最低限100V電源のコンセントが必要であり、またそれが車からアクセス可能である必要があります。

例えば駐車場のどこかにコンセントがあったとしても、それが車から遠ければ充電ケーブルが届きませんし、またセキュリティ上使えない状態になっていては仕方ありません。

もし駐車場が自分名義の土地であれば工事すればよいだけですが、賃貸の駐車場の場合には電源があるかないか、または新たに設置できるかどうかは場所によって大きく状況が変わるでしょう。

現状日本の駐車場のほとんどにはPHEVや電気自動車用に使える充電設備はありませんので、PHEVの購入の際には駐車場のことをしっかり考慮してからでなくてはいけません。

PHEV/PHVの充電設備の料金

急速充電

PHEVを自宅で導入する場合、100V電源を使って充電するのであれば特別な設備を設置する必要はありません。

ですが前述した残りの2つに関しては、車の購入とは別に充電設備への初期投資が発生します。

また100V電源であっても、PHEVを充電することは大型の家電製品を追加するようなものなので、ブレーカー容量の見直しは必要です。

100V電源の設備費用

PHEVは家電製品としては15A〜20Aも使用するとても大きな容量を持つ電気製品で、それまでの家のブレーカー容量では不足してしまう場合があります。

一般的な家庭電源のブレーカー容量は20A〜30Aぐらいですが、PHEVの導入前にそれだけの容量で家電製品を運用していたのだとすると、PHEVをそこに入れてしまうとオーバーする可能性は高くなります。

そうなるとブレーカーが落ちてしまう状況が増えますので、ブレーカー容量の契約を見直す必要があるでしょう。

PHEVの運用には30A〜40Aのブレーカー容量が必要と言われており、電気会社との契約をワンランクアップさせなくてはなりません。

費用的には月数百円程度の電気基本料金の代上昇がありますが、他の2つの充電方法でもどのみち電気料金は上昇しますので、PHEVの導入にはほぼ必須の費用といえるでしょう。

ブレーカー容量の変更自体は電気会社に連絡すればすぐ対応してもらえますので、工事自体はPHEVの購入を決めた後でも間に合うでしょう。

200V電源の導入

家庭でPHEVを快適に使用するためには200V電源が必須ですが、200V電源の利用には少しの工事と契約の見直しが必要です。

200V電源自体の利用には何も規制などはなく、資格などがなくても誰でも利用できます。家の前の電柱までは200V電源が来ているので、主な工事は変電盤の中だけであり、その工事自体は数万円〜十数万円ほどのものです。

これも電気会社に連絡を行い、工事の依頼と契約の見直しをするだけで、難易度は高くありません。

200V電源の利用によって基本料金は高くなりますが、上昇代は電気会社それぞれによって違いますので個別で確認しましょう。

また200V電源をPHEV用に使うには駐車場の近くにコンセントやケーブルなどの充電設備を設置しなければなりません。

この工事にも数万円〜十数万円ぐらいは必要なので、PHEV用に200V電源を利用するためには初期投資が200,000円程度はかかると考えておいたほうが良いです。

急速充電器の設置費用

急速充電器を設置しようと考えるのなら、費用的には1基3,000,000円〜4,000,000円が必要であり、小型の車なら新車で購入できるほどの初期投資が必要となります。

ポイント

急速充電器の電源は前述した200V電源ですので、まず設置の前提として200V電源の設置費用がかかります。

それに加えて急速充電器本体を設置しなければなりませんが、急速充電器自体の費用が2,000,000円〜3,000,000円もしますので、費用は大幅に上昇することとなります。

加えて設置には工賃も必要なので、全てトータルすると最低でも3,000,000円ぐらいは必要となるでしょう。

ここで設置する急速充電器は、基本的にはPHEVと電気自動車の充電用にしか使えませんので、費用面を考えると家庭に設置するにはかなりハードルが高いといえるでしょう。

ですが店舗などでは、急速充電器の設置によって逆にPHEVや電気自動車の利用車をお客として獲得することができます。

MEMO

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PHEV/PHVの充電設備の補助金は基本は法人のみ

PHEVやEVの急速充電設備は日本全国で普及が望まれているものの、前述した価格の高さから一般への普及が進んでいません。

ポイント

そこでこれらの充電設備は政府から設置費用の補助金制度が設定されており、条件に合致すればある程度費用負担を避けることが出来ます。

この制度を利用できるのは主に法人で、高速道路や道の駅、店舗、マンションなどへの充電設備の設置に限られます。

個人での利用はできませんが、マンションと従業員駐車場などでも使えるため、住民同士で協力して設置を目指したり、会社に掛け合うことはできそうです。

この制度では急速充電設備だけでなく100Vや200Vのコンセント設置に対してもある程度の補助金が受けられます。

補助金を受けられる条件は非常に細かく設定されているので、確実に高額の補助が受けられるわけではありません。

ですが満額で数百万円規模の補助を受けられる制度なので、一部だけでも結構な助けになるはずです。詳しくは一般社団法人 次世代自動車振興センターのHPを参考にしてください。

参考 補助金情報次世代自動車振興センター

PHEV/PHVの充電設備の設置方法

さてPHEV用の充電設備ですが、自動車は注文から実際に納入されるまでの期間が開くため、充電設備の設置時期も少し考えなくてはいけません。

今回は200V電源の導入を考えますが、あまり設置時期が早すぎると電気料金だけが無駄に高くなる時期が長くなってしまうからです。簡単に時系列的に並べてみてみましょう。

1.駐車場の確認

まずPHEVを実際に運用できるかどうかを考えるため、自分の駐車場をしっかり確認しましょう。

注意

自宅に駐車場があってコンセントプラグも近いというなら何の問題もありませんが、契約駐車場の場合にはPHEVやEVに対応できているかを確認しなければなりません。

多くの場合、青空駐車場にはそういった設備はありませんので、必要であれば駐車場も変更しなければならないでしょう。

またマンションやアパートなどの集合住宅の場合には、管理人や大家さんなどに確認を取り利用可能な充電設備があるかどうか確認しましょう。

PHEVはどうしてもその運用に駐車場との連携が不可欠ですので、現時点で運用が難しいようなら引っ越しなども考えなければならないでしょう。

2.PHEVの契約と納期確認

次はPHEVの購入を決める段階で、新車で購入する場合には納期まで1ヶ月程度は必要となるでしょう。

現在PHEVはにわかに人気が出始めているので、車種によっては納期が長くかかる場合もあります。

普通の車なら納入まで待ち遠しいところですが、PHEVの場合にはその間に充電設備の工事を行わなければなりません。

理想としては工事が完了して充電設備が整ったタイミングで車も納車されるのが良いのです。

ですがもし納期が早くなって充電設備が整わなくても、PHEVであればガソリンを入れて普通にハイブリッドカーとして利用できるので、そこまでシビアに納期を考える必要はありません。

これがEVの場合には充電設備がなければまともに車を運用できなくなるので、PHEVならではの冗長性といえます。

3.電気工事の調整

PHEVの場合であれば車の購入を決めてから200V電源の工事を依頼しても、大きな問題はないでしょう。

200V電源の工事自体はそんなに期間の必要なものではありませんので、電気会社や工事担当会社の空き次第と言えます。

実際の作業は長くても数日程度ですので、忙しい時期でなければ予定は合わせやすく、工事の難易度も難しくはないでしょう。

基本的には納車より前に工事が終わるようにできますが、車がないのに200V電源だけあっても仕方ないので、車の納期ギリギリに工事が完了するようにすると良いでしょう。

その差が月またぎする場合などには基本料金なども若干増えますので、コストが気になる場合は綿密に日時を管理しましょう。

これが賃貸住宅などの場合ではもっと簡単で、利用できる設備さえあれば面倒なことなくPHEVの運用にもっていけるでしょう。

PHEV/PHVの充電設備の注意点

注意

さてここまでPHEVの充電設備についていろいろご説明してきましたが、もう少し注意点についてご説明します。

急速充電器の仕様確認

PHEVやEVに使われる急速充電設備ですが、実は2つ仕様が別れているという面倒な状況が生まれており、これには日本と欧州の規格争いがあります。

日本の急速充電器の形式は「CHAdeMO(チャデモ)」という規格で統一してあり、国産メーカーのPHEVやEVは全てこの規格に対応した充電ポートを持っています。

急速充電はプラグの形状だけでなく充電時の制御も重要なので、全て同一規格で作られた急速充電器でなければ充電は不可能です。

またCHAdeMOは主に日本が主導して世界規格に押し上げようとしている規格です。

注意

一方欧州車をメインとして採用されている急速充電規格は「コンボ方式」と呼ばれており、CHAdeMOとはプラグ形状が全く違います。

そのため日本に輸入されている海外車のPHEVの多くはコンボ方式を採用しており、実はこれらは日本国内のCHAdeMO式の急速充電器と接続することができません。

現時点では輸入車のPHEVは国内での急速充電が不可能なので、200Vの一般電源での充電のみの対応です。

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家庭ではどちらの規格でも200V電源さえ確保してあれば充電は可能ですが、輸入車で遠出したときに輸入車は急速充電出来ないという点は注意しなければなりません。

ですがPHEVですので、最悪はガソリンエンジンを動かして走行すれば良いので不安はないでしょう。

充電設備の導入できる条件

これは主に自宅に充電設備を導入する場合の注意点ですが、屋外で扱う電源という関係上200Vのコンセントは雨などの環境に気をつけなければなりません。

駐車場はガレージを除いて多くは屋外にあり、大体は風雨が当たる位置にあるでしょう。ですがPHEVの充電はそういった環境であっても行わなければならず、200Vのコンセントは風雨対応のものにしなければなりません。

このあたりの条件は基本的には電気工事を行う業者さんが理解しているので、おまかせすれば大体は大丈夫です。もし個人で設置しようとする人のみ注意しましょう。

アパートやマンションなどで充電設備を導入できるか

これに関しては前述でもご説明したとおり、アパートやマンションごとの状況でPHEVが充電できるかは大きく変わります。

ポイント

日本ではまだまだPHEVやEVなどの電動車は普及が進んでおらず、充電設備が設置されてい
る集合住宅は限定的です。それでも都心などでは年々増加傾向にはあり、状況自体は改善してきています。

ですがこれまで導入されてなかったアパートやマンションに新たに充電設備を導入しなければならない場合、主に費用面から管理人や大家さんに導入をお願いしても難しい場合がほとんどです。

入居者全員が利用するのであればよいのですが、現時点では一部の人にしか利用されないのであればコストに対する効果が少ないからです。

とはいえ相談次第ではありますので、一度とにかく確認して見るところから始めましょう。

なおPHEVについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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