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パサートは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

フォルクスワーゲン パサートは同社の中型セダンで、長年主力ラインナップを勤めてきた車です。

そんなパサートは日本にも導入されていますが、輸入車ということで故障がきになる車種でもあります。

今回はパサートの故障率についてご説明しましょう。

パサートの故障率

フォルクスワーゲン パサート

パサートは非常に歴史の長い車で初代が1973年に登場して以来、現行型で8代目となります。

中型セダンという自動車メーカーの主力車種であり大衆車がメインのフォルクスワーゲンにおいてはそれなりの高級車の部類に入ります。

初代から現行車まで日本にも輸入されてきた車種ですが、日本でのフォルクスワーゲンはゴルフに代表されるコンパクトカーの方が圧倒的に販売台数が多く、パサートはそれに比べればほんのわずかな台数しか日本には入っていません。

しかしフォルクスワーゲンのセダンは日本車にはないデザインや性能を有しており、パサートを好む方も少なくないのです。

しかしやはり輸入車は日本車に比べると故障が怖いものであり、パサートはどれぐらい故障率があるのかを調べてみましょう。

フォルクスワーゲンの故障率

パサートの故障率を実際に把握しているのはフォルクスワーゲンなのですが、そのデータは社外秘の重要データとなっているので決して公開されません。

そのためパサートの故障率は調べられないのですが、その代わりメーカーの故障率の比較は民間調査会社の実施している独自の調査で見ることができます。

米国J.D.パワー社が調査している「自動車耐久品質調査」は新車を購入したオーナーから車の故障率やトラブルについての聞き取り調査を行ってそのデータをメーカーごとに集計しており、メーカーごとの故障率ランキングとして発表しています。

故障といっても新車購入から3年~5年の間の故障をカウントしており、それなりに故障が出始める時期なので実態に則したデータとなっています。

2017年 日本自動車耐久品質調査

ランキングメーカースコア
1トヨタ59
2レクサス63
3ホンダ74
業界平均74
4メルセデス・
ベンツ
75
5スズキ79
6三菱80
6日産80
8ダイハツ82
8スバル82
10MINI88
11マツダ93
12BMW106
13フォルクス
ワーゲン
124

参考:2017年 日本自動車耐久品質調査

この最新ランキングは日本国内の主要メーカー13社で比較されたデータですが、フォルクスワーゲンはこの中で最下位の13位という結果になっていて、故障率が一番高いことになります。

国内にはもっとたくさんの輸入車メーカーもありますがそれらは販売台数が少なくてランキング外ですので、実質台数の多いメーカーではフォルクスワーゲンが最下位というわけです。

故障の件数の多さ少なさを表すスコアも124ポイントと高く、業界平均の1.5倍近いものとなっています。

日本メーカーの中でトップなのはトヨタでスコアは59ポイントとなっていますので、それと比べればフォルクスワーゲンは2倍の故障率の高さとなるでしょう。

またメルセデス・ベンツやMINIなどほかのドイツ車の輸入メーカーはそれなりにランキングの上位にいるのですが、フォルクスワーゲンだけが飛び抜けて高い故障率なのです。

ここまで故障率が悪くなったのにはそれなりの理由があります。

なおメーカーごとの故障率については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。

プリウス エンブレムトヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!漆黒に光り輝くベンツ壊れやすい?ベンツは故障が多いのか故障率の実態とは?!BMW Z4次期型のホイールBMWは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

トラブルの巣窟だったDSG

フォルクスワーゲンの故障率が高かった原因のひとつとして考えられるのは、日本でトラブルの発生がかなり多かったDSGと呼ばれるトランスミッションであることは間違いありません。

パサートにもここ十数年採用が続いており、パサートの故障要因の中では割合が高いものとなります。

詳細はのちほど詳しくご説明しますが、このトランスミッションは欧州ではそれなりの故障率だったものが日本市場や中国市場などにもってくるととたんに故障が増加しました。

この影響でリコールも度々行われているほどで、リコール以外のトラブルもかなりの件数が発生しました。

しかしDSGの採用はリコール以降も続いており、改良は常に行われて故障件数は減っているようですが完璧になっているわけではなく、今回のような数年前の故障件数においてはまだまだ故障率が高いのが現状です。

もちろんフォルクスワーゲンの故障はこれだけではなく、それ以外の部品でも日本車より故障が多い箇所もありますが、件数で言えばDSG関連はかなりの数にのぼるでしょう。

フォルクスワーゲンのメーカーとしての故障については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。

アルテオンのフロントフォルクスワーゲンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

中古のパサートの故障しやすさ

パサートは40年近く日本に輸入され続けてきた車種ですが、台数的には決して多いものではなく中古車市場でも限られた台数しか見受けられません。

そのため現在残っているパサートのほとんどはここ15年ぐらいの車種であり、5代目~7代目となります。

これらの車種のほとんどには前述したDSGが採用されていることもあり、特有のトラブルは中古車でも起こりやすいです。

このトラブルは走行距離の多さに応じて発生するものであり、中古車のほうが頻度が高いと言えるでしょう。(走行距離の寿命の詳細は以下の記事をご参照ください。)

車のメーター中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!

しかしパサートにはMTの中古車はないといってもよく、選択肢はDSG以外にはないのでこの故障はパサートには付き物といってよいでしょう。

ほかにも走行距離が増えてくればそれに応じて車の部品の経年劣化は進み、交換が必要な部品も増えてきます。

また10年以上経過した車ではゴム部品や樹脂部品にも劣化が進んでいますので、修理の必要な箇所は確実に増えています。

走行距離や年式に気を付ければそういった故障は比較的少なくなりますが、国産車と比べるとやはり発生頻度は高いといえるでしょう。

パサートの中古車はそういった事情もあり価格は下がりぎみですが、決してよいことばかりではないので注意が必要です。

あとは中古車の選び方の一般的なポイントを抑えて買うようにしましょう。中古車の一般的な選び方が分からない方は、こちらの記事もご覧ください。

中古車選び初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!

パサートオーナーの評判

パサートの故障の実態はやはりオーナーさんこそが一番理解しておられますので、今回はTwitterからいくつかご意見を集めてみました。

やはり発生するDSGトラブル

どうやらこの方は新車購入から16ヶ月でDSGのトラブルが出たようでディーラーに預けたそうです。

どうも修理には至らなかったようですが、再現するかの確認でアクセルを踏まれたことで症状が悪化してしまったようですね。

DSGのトラブルは内部のクラッチの消耗が原因のことが多いので、激しい使い方をされると症状が悪化してしまうのです。

ディーラーを信頼して預けているのに残念なことですね。

パサートに故障続出

この方は何世代か前のパサートに乗っておられたようですが、かなり故障が多発して最後は廃車になってしまったようです。

故障の内容を見てみると補機関係のトラブルばかりであり、パサートの弱点のひとつと言えるでしょう。

ウォーターポンプも故障してすぐに車を停止すればエンジンオーバーヒートにまでは発展しない可能性もありますので、水温計は結構重要な情報です。

残念ながらオイル漏れも多い

この方のパサートは新車から3年でオイル漏れが頻発していたようですが、日本車の感覚になれているとやはり輸入車はこういうトラブルが多く感じます。

しかし実際には日本車があまりに優秀すぎるからであり、海外ではオイル漏れぐらいは故障のうちにはいらず、部品交換で修理できるのだから問題なし、という感覚なのです。

ですので車の設計もそういう考え方で作られており、どうしてもオイル漏れなどの軽度なトラブルは多いのが実態です。

MEMO

もしパサートの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。

このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

パサートの故障事例

それでは実際のパサートの故障事例を詳しくご説明しましょう。

フォルクスワーゲンの泣き所DSG

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DSG(Direct-Shift Gearbox)は自動変速機の一種であるDCT(Dual Clutch Transmission)のフォルクスワーゲンでの商品名で、マニュアルミッションの機構はそのままで変速だけを自動化したような変速機です。

自動変速に2組のクラッチプレートを使用することからデュアルクラッチという名前がついています。

このDSGはマニュアルミッションの効率のよさを利用しながら自動変速ができるということで、それまでのトルコン式ATに比べて燃費がよく欧州を中心に2000年ごろから採用が進みました。

その最大手がフォルクスワーゲンであり、ほぼすべての車種にDSGを採用するほどの力の入れ方で、現在でも多段式ATよりDSGを積極的に採用しています。

パサートも近年日本で発売されたものはDSG仕様だけで、欧州にあるマニュアルミッション車は導入されていません。

フォルクスワーゲンがとにかく力をいれたDSGではありますが、前述したとおりこのミッションは日本市場や中国市場でトラブルが続発しており、最近のフォルクスワーゲンには常にこのDSGが不安要因としてあがります。

Twitterを見ていてもDSGに不安を感じている人は大勢いて、DSGだからパサートの購入をやめたという人もいました。

そんな不安のもとはDSGの中心であるデュアルクラッチ部分にあり、日本や中国など低速走行が多くてストップアンドゴーも多い道路状況では変速の頻度が高く、その結果クラッチプレートの消耗によってジャダーと呼ばれる異音が出るようになります。

ジャダーをそのままにしているとそのうちクラッチプレートの消耗は限界に達し、変速不良や発熱など大きなトラブルに発展します。

修理にはクラッチプレートの交換が必要なのですが、クラッチプレートは部品費が高い上に工賃も結構かかり、一回の修理で100,000円〜200,000円の修理費の高額修理となります。

また消耗が激しいDSGの場合はトランスミッション交換が必要な場合もあり、こうなると500,000円以上の超高額修理となるでしょう。

なおDSGの消耗を少しでも減らすにはミッションオイルの頻繁な交換も効果的で、数万キロごとに交換すれば少しはトラブルを減らせるようです。

一回あたり10,000円ぐらいのオイル交換ですが、専用のオイルなどもありますので基本はディーラーにおまかせしたほうがよいですね。

パサートでは選択肢のないDSGで常にトラブルの可能性をかかえながらの運転となりますので、あまり激しい走り方をパサートでしないほうが懸命でしょう。

前述のツイートでもあったようにジャダーが起こるとその後はちょっとしたことでも症状が悪化するので、割と神経質な車になってしまっているのです。

補機のトラブル

Matthias Jägerpihlさん(@matthe.97)がシェアした投稿

こちらもツイートにあったトラブルでオルタネータやウォーターポンプなどの補機にトラブルがよく起こります。

補機とはエンジンの動力を利用して稼働する機械類で、オルタネータ、ウォーターポンプのほかにエアコンコンプレッサーがあります。

これらはエンジンの回転をベルトで伝達して稼働しているので常に高速回転をしており、そこが経年劣化で消耗してくると回転が不安定になって異音や異常振動の原因となります。

またそれが進行すると補機自体の故障に繋がり、オルタネータの場合は発電できなくなったり、ウォーターポンプの場合は冷却水の循環が止まってしまいます。

補機類はフォルクスワーゲンでは走行距離50,000kmを越えたあたりからトラブルが増えてくる傾向にあり、国産車より短い期間でトラブルが出始めます。

オルタネータの場合は故障して発電ができないと車のエンジンがかかりませんので、車が自走できなくなってしまい、修理工場に持ち込むのが大変になります。

それよりもっと致命的なのがウォーターポンプであり、冷却水がエンジンからラジエーターにいかなくなるのでエンジンの冷却ができなくなってしまいます。

そうなるとエンジンはオーバーヒートの状態に陥り、ピストンの焼き付きやエンジン本体の破損など致命的な故障がおこってしまいます。

状態がひどいとエンジンは修理不能となり、エンジン交換かそれこそ廃車にするかの選択になってしまうのです。

ですので補機の不具合が見つかったらすぐに修理する必要があり、補機の部品交換で対処します。

しかし補機は部品費用が高く、修理費用としては200,000円近い費用が必要となります。

それでも補機のトラブルは放置できないものなので出費はどうしようもなく、輸入車の維持費が高いといわれている理由でもあるでしょう。

エンジンからのオイル漏れ

РТС АВТОさん(@rtsautostr)がシェアした投稿

エンジンからのエンジンオイルの漏れは前述の二つのトラブルに比べれば軽微なものと言えますが、その分発生頻度は高いです。

エンジンオイルはエンジン各部のシール部品で封入されており、基本的にはエンジンの外には漏れないはずです。

しかしシール部品の劣化が原因でオイルが少しずつ染みだしてくる場合があり、それが進行していくとオイルが漏れる量がどんどん増えていきます。

原因の一端は日本の高温多湿な環境にもあり、欧州よりシール部品の劣化が比較的早めことが考えられます。

またそもそも海外ではオイル漏れぐらいだと故障と認識されず軽微なトラブルと見なされていますので、日本車ほど長期間オイル漏れが起こらないようには設計されていません。

修理にはシール部品の交換が必要となりますが、エンジンの分解が必要な場合だと工賃も高くなります。

一度の修理で100,000円ぐらいは考えておかなくてはならないでしょう。

パサートはフォルクスワーゲンでは高額な車になりますが、こういった細かいトラブルは相変わらず多いようです。

パサートは買っても大丈夫か?

パサートはフォルクスワーゲンのラインナップの中では結構スタイリッシュなセダンで人気がありますが、こと故障のことを考えるとほかのフォルクスワーゲンと同じく不安が付きまとう車になってしまっています。

新車でも個体差や乗り方で早い時期にトラブルが起こる車もあり、信頼性の面では日本車には遠く及ばないのが現実です。

またトランスミッションがDSGしか選べないというのも不利な点であり、欧州仕様にはあるMTも導入して選択肢を広げてほしいものですね。

フォルクスワーゲン車については他にも以下の記事もございます。こちらも参考にしてみてください。

VWポロのフロントフォルクスワーゲンは高級車じゃない?大衆車?ドイツでの位置づけまで解説!VWポロのフロントフォルクスワーゲンはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!