マセラティはスーパーカーメーカーのフェラーリよりも長い歴史を持つ高級スポーツカーメーカーです。
流線型の躍動的なボディに高級感のある縦格子の大型グリル、そのなかに銛を表したメーカーロゴデザインが埋め込まれており、非常に個性的なデザインで他社にはない魅力があります。
そんなマセラティはどこの国のメーカーなのかご存知ですか。
ここではマセラティの歴史や生まれた国をご紹介していきます。
マセラティはどこの国の車か
マセラティは実はフェラーリやランボルギーニと言った、名だたるスーパーカーが生まれたイタリアで誕生した自動車メーカーです。
そして他メーカーと同じくさまざまな歴史上のでき事によって大きな各編を強いられたメーカーでもあります。
ではマセラティのことをもっと詳しくお話していきます。
モータースポーツが大好きな兄弟によって設立
マセラティは、1914年にイタリアのボローニャで優秀なメカニックであり、モータースポーツが大好きだったアルフィーレ、エットーレ、エルニストのマセラティ3兄弟で設立されたワークショップがはじまりでした。
スポーツカーをチューニングしながらモータースポーツを展開し、さらには自社で高性能なスパークプラグの製造をしており、それは航空機にも搭載されるくらいの高性能なものでした。
その後マセラティはチューニングだけでなく、自社でのオリジナルのレーシングカーの製造も始めます。
マセラティのメーカーロゴはその時に兄弟のマリオマセラティによってデザインされたもので、工場のあったボローニャの特徴的なシンボルである、マッジョーレ広場のネプチューン像が持つトライデントを元にデザインされました。これが今も続いているのです。
しばらくはレースも好調に進みましたが、創設者の一人アルフィエーリが手術中に他界。
その後もメルセデス(ベンツ)などのドイツ勢の勢力に徐々にかなわなくなってきてしまい、レースでの好成績が残せなくなってきたマセラティは経営的にも厳しくなってしまいます。(メルセデスの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ベンツはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!そしてついにイタリア人起業家であるオルシ氏に経営権を譲り渡します。
その後は戦争の影響でしばらく軍事のためレースを休止することもありましたが、潤沢な資金や設備のおかげで再び好成績を上げるようになり、マセラティの復活を知らしめていました。
方向性を決定づける3500GT
しかしそれも長くは続かず、1957年には財政難を理由にレース界から一切足を洗ってしまいます。
モータースポーツは非常にお金がかかるため、それまでのモータースポーツの技術を詰め込んで高級GTカーを開発します。
それがマセラティ3500GTであり、その後のマセラティのブランドイメージを決定づける車だったのです。
レーシングカー並みの運動性能を持ちながら非常に豪華な作りのGTカーを作り上げ、非常に好調なセールスを広げました。
オイルショック
こうして好調に進んでいくかに見えたマセラティですが、再び試練が襲います。さまざまなメーカーが戦々恐々としたオイルショックです。
高級車と言われる車を開発していたマセラティもご多分に漏れず大打撃を受けてしまいます。
その後も自動車を取り巻く環境は変わっていき、環境問題から排ガス規制などの影響をうけ、大排気量の高級GTカーを作っていたマセラティにとって厳しい時代となります。
それでもマセラティはシトロエンやプジョー、デ・トマソなどいろいろなメーカーを転々としながらもなんとかこの厳しい時代を生き抜いていきました。(シトロエン、プジョーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
シトロエンはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!プジョーはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!そして現代
1993年にマセラティは最終的に同じイタリア自動車メーカーのフィアットの傘下となります。
フィアットはイタリアの大衆車メーカーで、現在はランボルギーニやアルファロメオなども傘下に収めるトップクラスの規模を誇る自動車メーカーです。かつてはフェラーリも傘下にありました。(ランボルギーニの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ランボルギーニはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!フィアットグループ内にはいってからはスポーツカー部門を担当しており、アルファロメオと統括され高級スポーツカーを製造販売しています。
最初の頃は同じグループ内にいたフェラーリとエンジンを共有するなどし、非常にコストパフォーマンスに優れた車を開発していましたが、近年はさらにラグジュアリー指向が高くなり現在は高級車の製造販売へに力を入れています。
日本での展開は
日本では長くの間ガレーヂ伊太利屋が輸入販売をしており、97年にはフェラーリを輸入販売していたコーンズアンドカンパニーに輸入販売の権利が移動します。
そして2010年には日本法人のマセラティジャパンが設立され、現在ディーラーなどの販売網の再編成を行っています。
2017年には日本での販売台数は約1,900台にも及び、日本国内でも人気が伸びてきています。
マセラティのイタリアでの扱い
ラグジュアリースポーツカーメーカーへと華麗なる変身を得たマセラティですが、本国イタリアではどのように見られているのでしょうか。
イタリア国内でのマセラティの扱いについて解説していきます。
おじさんが乗る高級車
イタリアでももちろんマセラティは高級車として販売されていますので、なかなかイタリア国内でも見かけることは少ないようです。
マセラティに乗っているのは50代以上の男性が多く、若い人では富裕層の人が乗っているようです。
一般的にはフィアット
イタリアにはフェラーリやランボルギーニなどといった超高額な車メーカーのイメージが強くありますが、一般的にはどのような車が選ばれているのでしょうか。
その答えはなんとフィアットです。
フィアットはイタリアの自動車メーカーの中でも大衆車を多くリリースしているメーカーで、さらにはフェラーリやマセラティなどを傘下に収めているイタリア最大の大衆車メーカーグループです。
その他にも日本車なども多く走っており、マセラティのような高級車はなかなか手に入れることが難しい高嶺の花のようです。
もしマセラティを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!マセラティと国産車との違い
さて、世界的に高級GTカーとして展開されているマセラティですが、日本車とはどんなところが違うのでしょうか。
ここでは同価格帯の日本車、そして日本車との違いを解説していきます。
マセラティと同価格帯の国産車は
マセラティは基本高額な車ばかりです。エントリーモデルのギブリが935万円からはじまり、フラッグシップモデルのグランツーリズモが1890万円、ガブリオレは2,000万円まで幅があります。
国産車で言えば日産のGT-RやGT-Rのニスモバージョンがそこに当てはまります。両車ともレーシングカー譲りの車で走行性能が抜群なのが共通点ですね。
なお価格については以下の記事でもまとめているので、詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マセラティの金額はいくら?いくらから買えるのか解説!日産GT-Rのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!デザインが官能的
さて比較するのは若干お門違いだとは思いますが、イタリアのマセラティにあって日本のGT-Rにないものといえば、まずはデザインじゃないでしょうか。
GT-Rのデザインはわりとズングリムックリになっており、せっかくの2ドアクーペだというのに全くスタイリッシュではありません。
マセラティは乗用車らしい中の広いセダンボディであっても、プレスラインや流線型のデザインをきれいに使っており、非常に躍動的なデザインになっています。
そしてただ躍動的なだけでなく、高級感のある縦格子のグリルが品位の高さを表現しており、文句のない高級車らしいデザインになっています。
国産車に多くあるようなラミネートされたパネルで豪華さを演出したり、異端なデザインで注目させたりメッキを多用して威圧感を出すような小手先のテクニックとは違いしっかりと本物の風格が漂っています。
伝統が違う
マセラティは創設時からずっとモータースポーツのために車を作ってきました。そしてその技術を元に、世界中を走る美しいGTカーを作り上げました。
それは低価格でかつコストパフォーマンス優先した大衆車開発の考えとは違い、つねに良いものを作るという考えのもと車を作っています。
紆余曲折がありましたが現在でも変わらず、イタリア最大のグループであるフィアットのもつ技術を使いながら最高のGTカーを製造しています。
日本の場合は島国で国土が狭いため、車にはそこまでの性能が必要ありません。ですから大衆車としてコストパフォーマンスの高い車を作り続けているので、国産車には真似のできないことでしょう。
設計が違う
これは他の自動車先進国の車と比較したときにも言えることですが、国産車と比べると大きく違うポイントの一つが道路に合わせた設計です。
国産車は日本国内のような道路で走るには最適な性能を持っていますが、マセラティが走るのは全世界のさまざまな道路です。
そこには国内の高速道路のような時速100kmの道路だけでなく、速度無制限道路のアウトバーンもあります。
そこでは勢いのある加速が必要であったり、時速200kmで走っていたと思っていたら障害物などで一気に減速しなくてはならない場合もあります。
GTカーと言われるからにはそんな条件下でも安全に走行できる車で、なおかつ運転手が運転していて楽しいと感じられるような車でないといけません。
そのためにはいつでも加速できる余裕のあるエンジンパワーや、踏み込んだらしっかり効くブレーキなど制動性能を含む安全性が重要です。
もちろんこれが日本の道路でも完璧に通用するわけではありません。
もともと速度域の低い日本の日常道路では、高速道路のような場所を走り続けることを想定されている足回りでは、硬く感じる場面が多いため乗り心地が悪く感じることが多いでしょう。
ちなみにマセラティは設計はしっかりしているのですが、故障率はかなり高いです。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マセラティは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!マセラティはモータースポーツ上がりのGTカー
マセラティはスポーツカーとしての歴史を持つ高級車です。
ただ現在は長距離移動が快適なラグジュアリーGTカーメーカーとして活動しながらも、フェラーリのエンジンを積んだり、アルファロメオと設計をともにしたりとスポーツカーらしい部分を忘れないしっかり芯のあるメーカーです。
デザインもイタリア車らしい情熱的で躍動的なデザインが施されているため、つねに人目を引くことでしょう。
オシャレなGTカーに乗りたいのなら、マセラティ一択ではないでしょうか。
なおマセラティについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マセラティのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!マセラティの金額はいくら?いくらから買えるのか解説!