マセラティはイタリアのスポーツカーメーカーです。
モデルによってはフェラーリと同型のエンジンを搭載しており、そのことからもマセラティは間違いなく高級車であることが伺えます。
そんなマセラティに、どれくらいの年収があれば乗ることができるのか? 徹底的に解説していきます。
※そもそもマセラティとはどんな車か、ということから知りたい方は、まずは以下の記事からご参照ください。
マセラティはどこの国の車?国産車との違いはこの3つだ!マセラティオーナーの年収
実際のマセラティオーナーはどれくらいの年収があるのでしょうか。
またオーナーにはどのような職業の人がいるのか、実際にマセラティディーラーの営業スタッフから聞いた話を元に解説します。
年収数千万円がボリュームゾーン
高級外車のマセラティは、一般庶民が手を出すには高嶺の花です。やはりオーナーの多くは年収数千万円というのが当たり前の世界です。
営業スタッフ曰く、「なかには1,000万円以下の年収のオーナーもいらっしゃいます。」…とのことでしたが、新車価格1,000万円オーバーが当たり前のマセラティですから、実際にオーナーが所有するのは中古での購入かつ、モデルも限られてくることがほとんどです。
オーナーの職業や年齢は⁉︎
年収数千万円となれば、会社経営などの自営業や会社役員、医者という職業が挙げられます。
「普通のサラリーマンの方もいらっしゃいますよ!」「30代前半でもマセラティオーナーになられてる方はいます。」
…とのことでしたが、サラリーマンといってもおそらく誰もが知っているメーカーや金融系の大手企業の部長クラス、若いオーナーといっても景気の良い外資系企業、ベンチャー企業、商社マンのような場合でしょう。
ちなみに、マセラティオーナーは40代〜50代の男性が多いです。また、職種のジャンルに偏りはなく多岐に渡るようですね。
マセラティのオーナーになるには年収はいくら必要か
マセラティオーナーの年収や職業が見えてきたところで、実際に自分がマセラティオーナーになるためにはどれくらいの年収が必要なのでしょうか。
年収1,500万円がマセラティ購入のボーダーライン
実際のオーナーの年収からも分かる通り、もしかしたら夢を潰してしまうような年収の額かもしれませんが、これが高級車を所有することの現実です。
もっとも安いモデルの4ドアスポーツセダン「ギブリ」でも、エントリーモデルの車体価格は900万円台で、トータルの支払額では1,000万円をゆうに超えてきます。
年収1,000万円がマセラティを買う最低ラインという声も聞かれますが、車両購入価格より低い年収であった場合、その後、十分に余裕のあるカーライフを送れるとは言えません。
よって、あくまで新車での購入を想定した場合ですが年収1,500万円以上を条件と考えます。
車両購入価格と年収のバランスを簡単に考察
もし、男性サラリーマンの平均年収と言われている500〜550万円で、年収と同等価格の車を難なく買えるかと言われると微妙なラインのはずです。
人によっては問題なしと考える人もいれば、絶対に無理だと言う人もいるでしょう。
頭金をどれだけ入れるのか、何年のローンをいくら組むのか? 生活費にいくらかかっているのか…によっても大きく変わってきますからね。
それでも500万円台の車となれば日本の高級車の代名詞「トヨタ クラウン」にも乗れる価格帯です。
平均的なサラリーマンが皆、クラウンクラスの車に乗れているのであれば、それは高級車ではなく一般大衆車と言うのではないでしょうか。
国産でもレクサスに代表されるように1,000万円オーバーの車が販売されている現在、クラウンは大衆車も同然と言う人もいますが、それは一部の偏見を持った車マニアやお金持ちの話です。(この話題は以下の記事で詳しく取り上げています。)
クラウンは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!年収と同等価格の車を購入することは不可能ではなくても決して簡単なことではありません。
ましてや外車のマセラティともなれば、故障や不具合が起きた時にかかる費用が、国産車よりも多くかかることは明白です。(故障費用等の詳細は以下の記事をご参照ください。)
マセラティは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!マセラティ購入時の支払い方法と条件
外車、とくにマセラティはマニアックな部類の自動車メーカーのため、数年後の車両の残価率・下取り価格は期待できません。(詳細は以下の記事をご参照ください。)
外車の中古車はなぜ安い?5つの意外な理由とは?!月々の支払額を抑えることができる残価設定型のローンはリスクの観点から考えず、ある程度の頭金を入れた上で通常の自動車ローンを組んだ場合に、月々で幾らくらいの支払額になるのかで計算していきます。
ここでは頭金を500万円、ボーナス払いなし、5年で返済するローンを組んだとします。
また、既婚者の男性で小学生の子どもが2人いる4人家族と仮定します。生活していく上での支出のとして、以下の合計27万円が毎月必要と仮定します。
- 家賃(住宅ローン)…8万円
- 光熱費…1.5万円
- 通信費…2万円
- 食費(外食含む)…5万円
- 保険(学資保険含む)…2万円
- 交際費・レジャー費…5万円
- 日用品・雑費…1万円
- 養育費…2.5万円
これらを踏まえた上で、マセラティを購入するのに必要な年収を試算してみます。
最も人気の4ドアセダン「ギブリ」の購入シミュレーションと必要な年収
近年、マセラティオーナーが増えていることの要因のひとつに、車体価格が1,000万円を切るギブリが登場したことが挙げられます。
実際に年間のマセラティ販売台数の半分以上をギブリが占めており、マセラティ購入を考えている人にとって最も身近なモデルです。
2018年現在、エントリーモデルで税込935万円〜という車両価格に加えて新車登録にかかる諸費用は約60万円、一般的なオプション装備も含めるとトータルで200万円くらいかかります。
※マセラティの車種ごとの車両価格は以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
マセラティの金額はいくら?いくらから買えるのか解説!節約して削れるところといえばオプション装備の部分ですが、オプション装備を全く付けないということはまず無いでしょうから、ここでは約150万円のオプションありきで考えていきます。
そして総合計の支払額は1,135万円です。頭金として500万円を入れるので、635万円を金利3%の5年ローンで組むことになります。※この記事内でローンの計算をする時は全て金利3%で統一しています。
その場合の月々の支払額は「114,101円」となります。
これはあくまで車両購入価格のみの支出額となります。
実際にはこれに加えて
- ガソリン代
- 任意保険料
- 毎年の自動車税(排気量3L以下 : 51,000円)
- オイル交換等の日常のメンテナンス費用
- 2年に1度の車検
以上のような維持費が必要となってきます。
任意保険に関しては、これほどの高級車を新車で購入して車両保険に加入しないのは、もしもの時のリスクが大きいので加入したとします。
保険等級や年齢、保険会社や条件によって保険料は大きく変わってきますが、年間で数十万円は必要となるでしょう。
あえて車検を抜いた維持費を仮で以下の通りの金額とします。
- ガソリン代(1.5万円/月)
- 任意保険料(2.5万円/月)
- 自動車税(4250円/月に換算)
- 日常メンテナンス費用(1万円)
合わせて約5.5万円です。
そしてマセラティ購入後に、ローンの返済額と維持費を含めたトータルの毎月の支出額は「約17万円」となります。
生活費「27万円」 + マセラティ代 「17万円」 = 44万円/月
給料は手取りで44万円必要なので、総支給額で55万円くらいは必要でしょう。
これを年収に換算すると660万円となります。
「あれ?思ったより低い年収でもマセラティオーナーになれるんじゃないの?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この計算は以下のような条件となっています。
- 支払総額の半分近い金額を頭金としている
- 貯蓄を一切していない
- 車検費用を含まない
- 月間走行距離少なめ(サンデードライバー)
- 生活費は節約していること前提で甘めに設定
また、マセラティは4年目以降の延長保証に加入する場合、4年目だけで28万円掛かります。(5年目のみ、4+5年目、6年目のみ、7年目のみ、6+7年目それぞれで金額が異なります。)
特殊な車なだけに、きちんと正規のディーラーやマセラティ専門店で車検をしておきたいですね。
参考までにとあるマセラティ専門店で、法定費用含めた基本点検料金だけで約15万円〜が目安となっています。
貯蓄を一切考えない年収660万円の場合、このままでは初回車検も無事に終えることができる望みはありません。
現実には生活費も車の維持費も、カツカツではなく余裕を見た計画を立てなければいけません。
ギブリの購入例をシミュレーションしてみましたが、生活のほとんどを車に捧げて他の部分で負担を強いるのは高級車オーナーとして、あまり望むべき姿ではないはずです。
やはり、新車のマセラティを購入するには年収1,000万円が最低ラインで年収1,500万円くらいがカーライフを楽しみつつ、満足のできる生活を送れるボーダーラインと考えるのが妥当でしょう。
もしマセラティを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!もし1,000万円以下の年収で購入したらどうなる?
ここまでマセラティオーナーになるための厳しい現実を解説してきました。
それでもマセラティに乗りたいと言う人に年収が300万、500万、700万、1,000万円でマセラティを購入した場合にどういう生活を強いられるのかを具体的な例を挙げながら説明していきましょう。
年収300万円でマセラティオーナーになるのは厳しい
年収300万円の場合、手取り額は約240万円ほどになります。自由に使えるお金は月に20万円で、以下の条件としましょう。
- 実家暮らし
- 独身彼女なしで結婚の予定もない
- ギャンブル、酒、タバコ一切しない
そして、先ほどと同じように「ギブリ」を所有した際の支出は以下の通りとなります。
- ガソリン代(1.5万円/月)
- 任意保険料(2.5万円/月)
- 自動車税(4250円/月に換算)
- 日常メンテナンス費用(1万円)
合計5.5万円。
これに以下の生活費を加えます。
- 光熱費、食費、家賃として3万円
- 通信費…1万円
- 生命・医療保険…1万円
- 交際費・レジャー費…5万円
- 日用品・雑費…1万円
- 車検等に備えた車の為だけの貯蓄…2万円
トータルの支出額は18.5万円です。
貯蓄をする余裕が無くギリギリの生活ですね。この支出額に車両購入に際しての支出額は含まれていません。
2018年8月現在、大手中古車取り扱いサービスで検索した中でもっとも安いギブリでも、乗り出しの支払総額は約500万円です。
もしフルローンで購入するとします。
金利3%で10年ローンを組んでも月々の支払い額は48,280円なので、大きな赤字となります。
また、年収制限で必要な額のローンを組めるかどうかも分かりません。
ちなみに350万円を頭金にして150万円を10年ローンで組めば、月々の支払い額は14,484円となり、何とか毎月の手取り額20万円以内に収まる計算となります。
それでも支出額に全く余裕が無く、現実的なシミュレーションでないことは明らかです。
年収500万円は条件によっては中古車狙いでマセラティオーナーに
年収500万円の場合、手取り額は約400万円です。月々の手取り額は33.3万円となります。
年収300万円のときと比べて月々で10万円以上手取りが多くなるので、もし仮に独身で実家住まいのような条件であれば、中古車のマセラティであれば購入して維持することができます。
また、頭金を購入価格の半分ほど入れることが可能であれば新車も夢ではありません。
年収が500万円あって社会人としての年数がある程度経っている人であれば、数百万円単位の貯蓄額があることも珍しくはありません。
しかし、マセラティの新車を購入するための貯金・節約生活は決して楽なものではないでしょう。
さらに、結婚をしていても共働きでお互い正社員で財布が別だとします。
1ヶ月に家計へ入れるお金が「15万円」であれば、自分1人が自由に使えるお金は月に約18万円です。
この場合、車にもしもの時があった場合に備えた貯蓄もしながら、中古車のマセラティであれば購入も可能でしょう。
先ほどのギブリだと、500万円を5年フルローンで組むと月々の返済額は89,843円、頭金を半分の250万円入れた5年ローンだと月々の返済額は44,922円に抑えられます。
フルローンだと支出のほとんどが車関係となり、我慢しなければいけないことも増えてきます。
よって、頭金を少しでも多く入れることで日々の交際費もしっかり確保しておけば、高級車オーナーに相応しい生活レベルを維持することもできるでしょう。
マセラティ購入後も個人で200万円〜くらいの貯蓄額があれば理想ですね。
年収700万円はお子さんがいてもオーナーになれる希望あり
年収700万円の場合、手取り額は535万円です。月々の手取り額は44.6万円で、年収500万円の時より10万円以上増えます。
始めのシミュレーションで、新車の「ギブリ」を購入した場合の解説で年収660万円の話をしましたね。
お子さんを含めた家族がいる場合は、将来に備えた貯蓄を含めて生活に必要な固定費そのものが、お子さんがいない家庭や単身者と比べて多くなる傾向にあります。
新車購入はリスクがありますが、頭金を入れたうえでの中古車購入であればお子さんがいる家庭でも何とかなるレベルです。
しかし、お子さんが大きくなるにつれて養育費は増えていきます。
可能であれば、月々の支出に大きく占めることになるローンの返済はなるべく短い期間で組んで、その後は生活に備えた貯蓄に重きを置いた方が良いでしょう。
また、もしマイホームの購入を考えているのであれば、自動車ローンがあると住宅ローンの借入額が大きく減額されるので注意してください。
車を買ってしまったがために、理想のマイホームを諦めなければいけなくなる可能性もあります。家庭があるとお金の問題は自分だけの問題ではありません。
まずは、家族間でしっかり話し合いの場を持ってご自身の家計において無理のない計画が組めるのか確認する必要があります。
恐らく、奥さんが専業主婦のままというのは厳しいはずです。
一方で、単身者で実家住まいなどで固定費の支出を極力抑えることができる人であれば、新車購入はかなり現実味を帯びてきそうです。
年収1,000万円は庶民派の生活を維持できるかが肝
年収1,000万円の場合、手取り額は700万円を超えます。
年収1,000万円は1つの壁として目標になり、また話題になることも多く、年収1,000万円は富裕層かそうでないかの議論がよく交わされていたりします。
年収1,000万円でマセラティオーナーとしてどのような生活が送れるかは、1,000万円という数字のマジックにどこまで惑わされないかが肝になってきます。
恐らく、1,000万円も年収があれば暮らしの質にはかなり余裕があります。よって、家賃が高いところにも住めるし、贅沢もしたくなります。
自分自身で気付かないうちに、ブランド品を買うことに対する抵抗は、間違いなく人より少なくなっています。
年収が500万円や700万円の人より間違いなく支出が多いのにも関わらず、自分自身が贅沢しているという認識もないままに、日々の生活を送っていませんか?
不思議なもので自由に使えるお金が増えても、手元に案外お金が残らないという人が多くいます。
冒頭で、新車のマセラティを購入して維持するためのボーダーラインは1,500万円以上の年収が必要だと解説しましたが、こうした車以外の目に見えない部分もこの金額を示した理由に含まれます。
年収1,000万円の月々の手取り額は約58.3万円です。年収500万円と比べると月々で25万円以上も自由に使えるお金が多いです。
1,000万円を金利3%・5年ローン組んだとしても月々の返済額は約18万円です。
もし、あなたが1,000万円の年収があっても500万円の年収の人と同等の生活レベルを維持できるのであれば、フェラーリエンジンを積んだマセラティのスポーツクーペのパーソナルカー「グラントゥーリズモ」やフラッグシップセダン「クワトロポルテ」にも乗ることができます。
年収1,000万円の場合、その人自身の生き方や生活レベルによって、マセラティオーナーになることが背伸びをした厳しい生活の入口になることもあれば、自分自身の成功を表したステータスとして人生の幸せのキッカケにもなります。
決して無駄な贅沢をしない自信があるのなら、マセラティオーナーとして申し分ない生活ができるでしょう。
マセラティオーナーになるための年収まとめ
同じ年収でも、それぞれの家庭によって生活レベルは人それぞれです。とくに単身者か家庭を持った一家の主かでは、マセラティオーナーになれる可能性は大きく変わってきます。
具体的な年収例と生活を挙げて、マセラティオーナーになれるか解説してきましたが、あくまで1つの参考として捉えて頂きたいです。
イタリア車はよく壊れることでも有名ですし、国産車と同じ不具合でも修理にかかる部品代や工賃は割高になることは間違いありません。(故障率の詳細は以下の記事をご参照ください。)
マセラティは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!最終的には、数十万円や場合によっては100万円もの修理・整備費用が必要となっても惜しみなく払うことができるかできないかが、マセラティオーナーになるための覚悟であり、ご自身の金銭面でのボーダーラインとなるでしょう。