スバル レヴォーグはスバル最新のステーションワゴンで、あの大人気車レガシィの後継車に位置付けられる車です。
スタイルもよく荷物も人もたくさん乗せられるレヴォーグですが、スバル車には欠かせない走りはどうなのでしょうか?
今回はスバル レヴォーグの走りについてご説明しましょう。
レヴォーグの走り・走行性能はかなりハイスペック
レヴォーグは年々世界戦略車として大型化するレガシィをもう一度日本向けに再設計した車で、基本的なコンセプトはレガシィツーリングワゴンを踏襲している車です。
それはスポーティで背の低いボディと水平対向エンジン+4WDシステムの組み合わせで、ワゴンとしての利便性だけでなく走行性能も重要な要素となっています。
そのためレガシィより一回り小さなボディとなったレヴォーグには、次のような点で最新の走行性能が与えられています。
2種類の水平対向直噴ターボエンジン
レヴォーグには2種類のエンジンがラインナップされていますが、どちらもスバル伝統の水平対向エンジンにターボを組み合わせた高出力のユニットとなっています。
水平対向エンジン/ボクサーエンジンのメリット5つとデメリット5つ!音がいい?!ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!まずそもそも水平対向エンジンはエンジン自体の全高が低く、車のなかで最大の重量物であるエンジンの重心を下げることができます。
ということは車全体の重心を下げることに繋がり、車の揺れの少なさや安定性の高さを産み出します。
またエンジンスペックを次の表にまとめましたが、排気量に比べて出力もトルクも高く、ダウンサイジングターボエンジンの特徴がよくでています。
ダウンサイジングターボとは?デメリット/欠点2つとメリット3つ!搭載車種も紹介グレード | 1.6GT-S EyeSight | 2.0GT-S EyeSight |
エンジン | FB16型:水平対向4気筒 1.6L 直噴ターボ DIT | FA20型:水平対向4気筒 2.0L 直噴ターボ DIT |
最高出力 | 125kW(170PS)/ 4,800-5,600rpm | 221kW(300PS)/ 5,600rpm |
最大 トルク | 250N・m(25.5kgf・m)/ 1,800-4,800rpm | 400N・m(40.8kgf・m)/ 2,000-4,800rpm |
カタログ 燃費 | 16.0km/L | 13.2km/L |
※水平対向4気筒、直噴ターボ、の詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!直噴ターボとは?メリット3つとデメリット4つ!カーボンや耐久性のトラブル・不具合が多発?!2種類のうち1.6Lエンジンの方が売れ筋モデルで、小排気量と燃費のよさで経済性を優先したモデルです。
レヴォーグの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!しかし出力とトルクはなかなか大きく、このエンジンでもレヴォーグには十分な走行性能を与えてくれます。
普段使いがメインならこのエンジンで何ら不満はないでしょう。
しかしそこは走りを追求するスバルのこと、上級モデルとして2.0Lエンジンがラインナップされており、その出力はなんと300馬力に達します。
トルクも40kg台と非常に大きく、レヴォーグクラスの車ではありえないほどの走行性能を与えています。
この出力とトルクはじつは現行のレガシィツーリングワゴンとほぼ同じ動力性能であり、ボディが小さいレヴォーグのほうが走行性能では高いとも言えます。
レヴォーグの走行性能の基本であるエンジンはかなりハイスペックです。
スポーツリニアトロニックの革新性
レヴォーグはトランスミッションにCVTを採用しており、スポーツカーにありがちなマニュアルミッションはありません。
しかしレヴォーグのCVTには「スポーツリニアトロニック」と呼ばれるシステムが搭載されており、マニュアルの感覚をもったCVTになっています。
スポーツリニアトロニックの構造自体は一般的なCVTなので無段変速をするのが基本なのですが、モードを切り替えることによってあえてマニュアルミッションのような段数を感じられるような制御が入ります。
このモードではCVTを8段にわけて段階的に切り替えることで、マニュアルミッションのフィールを与えてスポーティさを得ることができます。
CVTの無段変速のフィールに違和感がある人に向けての装備で、スポーティな走りを忘れないスバル独自の装備です。
なおスポーツリニアトロニックのフィールが気に入らない場合にはモードを切り替えれば普通のCVTにもなります。
高剛性ボディとしっかりした足回り
スバル車は昔からヨーロッパ車に匹敵するボディの完成度が話題のメーカーで、それはレヴォーグにもしっかり受け継がれています。
レヴォーグのボディは走行性能を発揮するための高剛性ボディとなっており、なんとレガシィツーリングワゴンに比べて40%もの剛性アップを果たしています。
これには主に強度の高い高張力鋼板の採用が増えたことによるものですが、その構造や材料の組み合わせなどでもかなり進化しています。
またレヴォーグのボディはスバル最高のスポーツカー「WRX」と同時設計を行い、高剛性の必要なWRXのノウハウを取り入れたこともしっかりしたボディになった理由です。(WRXの詳細は以下の記事をご参照ください。)
スバルWRXとはどんな車か?読み方から9つの特徴まで解説!ボディ剛性は車の強度だけではなく、サスペンションの安定性やロールの少なさ、曲がるときのスムーズさなど車の走行性能すべてに関わる基本的なスペックですので、レヴォーグの走行性能の高さはボディからしっかり作り込まれています。
雪道でもどこでも走れるAWD
レガシィツーリングワゴンの時代から一貫してスバルのワゴンにはAWD(4輪駆動)が基本となっており、これはレヴォーグにも受け継がれています。
スバルのAWDはラリーなどで培われた高い技術がもととなっており、日本車屈指の完成度を誇る4輪駆動システムです。
レヴォーグには最新のシンメトリカルAWDが搭載され、重量バランスのよい水平対向エンジンを核として4輪のタイヤにかかる荷重をバランスよくコントロールすることができます。
これにより路面状況にあわせて必要な駆動力をしっかりと路面に伝えることができ、一般道のみならず、雪道、砂利道、ぬかるみなどありとあらゆるシーンでの走行性能を得ています。(雪道性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
レヴォーグは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!ステーションワゴンは一見おとなしめな車種に見えますが、スバルのワゴンにはSUV顔負けの走破性があるのです。
D型で高まった走行性能
レヴォーグは2014年の登場以来毎年改良を続けており、2017年モデルのD型となったことで更なる走行性能の高さを手にいれました。
D型で改良された点にサスペンションがあり、次のような改良が加えられました。
- コイルスプリング:バンプストローク量8mm延長
- ダンパー:ストローク量5~8mm延長
- スタビライザー:20mm→18mmへ小径化
これらの改良により足回りが柔らかになったのですが、フワフワというわけではなく路面の追従性をあげるための改良で、より攻めた走りができるようになったのです。
さらに細かい改良点としてドアパネルに補強材をいれることで車体の剛性アップも果たしています。
また走行性能には関係ないのですが、静粛性が大幅にあがったこともよい点ですね。(静粛性の詳細は以下の記事をご参照ください。)
レヴォーグの静粛性はいかに?!エンジン音やロードノイズはうるさい?レヴォーグの進化はまだまだこれからも続くでしょうし、走行性能にもさらに磨きがかかっていくことでしょう。
さらなる走行性能を求めるSTIモデル
レヴォーグにはスバルのハイパフォーマンスであるSTIが設定されており、走行性能にさらに磨きがかかったモデルとなっています。
スバルのレーシングブランドSTIはラリーをはじめとしたさまざまなレースで実績を残してきたブランドで、その名を冠したモデルはスバル最高のスポーツカーです。
インプレッサを初めとしたスバルのSTIはエンジンパワーからしてスペシャルなモデルであることが多いのですが、レヴォーグの場合にはエンジンスペックは標準車とかわりません。(WRX STIの走行性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
WRX STIの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?レヴォーグSTIでは走行性能では足回りとステアリングが進化し、とくに足回りはビルシュタイン製のサスペンションが驕られています。
このサスペンションは「DampMatic(ダンプマチック)II」と呼ばれるダンパーが特徴で、減衰力を路面状況に自動的に可変させるシステムです。
このシステムにより足回りはよりしなやかになり、さまざまな路面でショックを吸収できるので乗り心地も向上し、より安定した走行性能を手にいれました。
またステアリングは部品の固定方法を工夫してダイレクトな操作感が向上しており、よりクイックな転回と確実な操作性が得られます。
ただレヴォーグはSTI モデルとしてエンジン性能などは据え置きで、走行性能として足回りとステアリングで500,000円程度の価格上昇分の価値があるかは微妙なところです。
それ以外には専用エアロパーツや専用シート、インテリアなどが装備されているので、外観上の変更のほうが大きいかもしれません。
なお正しいやり方で値引き交渉をすれば数十万円は安くなるので、STIモデル分の差額も浮かすことができます。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
レヴォーグの走りの評価
レヴォーグの走りのよさを感じているユーザーさんはたくさんおられ、Twitterにもいくつも意見があがっています。
今回はその中から3件ご紹介しましょう。
レヴォーグは走りが楽しい
SUBARUは運転して楽しい車を作ってます。これは他には代えがたい。OUTBACKからLEVORGに乗り換えても、水平対向+AWDの走りに同じ感性を感じますし、SUBARUの車はそこに理念がある。コンプラとしては問題だし残念だけど、LEVORG STIは愛車です。#SUBARU
— MOTO (@four_strings) 2017年10月27日
この方はスバル車に何台も乗られているようで、レヴォーグにもスバル車特有の走りの楽しさがあるとおっしゃっています。
走りが楽しい車はなにもパワーが大きければよいわけではなく、走りの軽快さや気持ちのよい音などさまざまな要素が必要です。
エコカーだらけで楽しい車が少なくなってきた現代において、レヴォーグのような実用性を兼ね備えた楽しい車は貴重ですね。
1.6Lか2.0はなやみどころ
レヴォーグは2ℓ1.6ℓグレードは違うが両方試乗してみて意外にも1.6のほうが楽しかった。高速利用が多いなら2.0だろうが街中やワインディングだと回せるほうがいい。後席倒せばフラットで車中泊もいけるね。値段がうちの範疇から外れてるんで買えないよ(ヽ´ω`)
— 神威P2 (@kamuiP2) 2017年10月25日
レヴォーグの2種類のエンジンはどちらもよいところがあり、選ぶのに悩むひとが結構多いのですよね。
大抵は走行性能なら2.0Lを選ぶ意見が多いのですが、このかたはあえて1.6Lを選んでおられ、よりエンジンを回せるからというのは面白い理由ですね。
街乗りがメインであれば1.6Lで十分ですし、そこでの楽しさを優先するのもアリですよね。
D型の足回りは素晴らしい
スバルでお得意様大商談会やってたから無料点検とレヴォーグ試乗してきた。D型レヴォーグSTIヤバいっ。超快適。足回りもしなやか。大好きな乗り心地✨ああ、お金さえあれば。ごひゃ
— ケツター☆公式♪ (@pin_ko2525) 2017年10月8日
最新型のレヴォーグD型の足回りはかなり評価が高く、Twitterにその素晴らしさはたくさん投稿されています。
この方も短時間の試乗だけのなのに、かなりお気に入りのようで、テンションの高さがツイートからも見てとれますね。
足回りだけでここまで車が進化するというのも走りを追求するスバル車ならではです。
レヴォーグの口コミ・評判は以下の記事でもまとめています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レヴォーグの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!レヴォーグは走行性能が高く利便性も高い買いの車
レヴォーグはステーションワゴンとしての利便性をしっかりもった車ですが、それ以上に走行性能の高さは目を見張るものがあり、ドライビングカーとしても高いレベルにあります。
エンジン性能はそこらのスポーツカー以上ですし、足回りの完成度もワゴンとは思えないほどの素晴らしさで、走りと利便性という2大要素を高いレベルでバランスよく持ち合わせた車と言えるでしょう。
ハイブリッドなどのエコ性能はなく燃費もあまりよくありませんが、走行性能を重視する人なら一度はのって見ることをおすすめします。
なおレヴォーグについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
レヴォーグは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!レヴォーグは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!