時代の先端を走る電気自動車リーフ。
ガソリン車では味わえないレスポンスの高い走行性能やメンテナンスフリーな使い心地は、一度使い始めると元の車には戻れないほどです。
現行モデルでは自動運転装置なども豊富に取り揃え、時代を一歩先ゆく車になっています。
そんなリーフですが燃費は良いのでしょうか。
ここではリーフの燃費について解説していきます。
リーフの燃費・電費・実燃費
まずはリーフのカタログ電費と実電費の差をチェックしていきます。
リーフは満充電で航続可能な距離という表示でWLTCモードでは40kWモデルが322km、62kWモデルが458kmです。
同時に表示のある交流電力量消費率より1kWhで走行可能な電費を表していきます。実電費はどのような数値になるのでしょうか。
燃費の種類 | 40kW | 62kW |
カタログ燃費 | 6.45km/kWh | 6.21km/kWh |
実電費 | 5~8km/L | 5~8km/L |
ユーザーの電費を見ていくとこのようになります。平均電費はカタログ電費を上回る数値です。
高速道路での使用と街乗りの使用とでは別れた情報はありませんでしたが、電気自動車は高速域では消費電力が大きくなる傾向にあるので、注意しましょう。
リーフのバッテリー容量の表示は実際に使用できる領域の表示ではないので、実際に使っている量はカタログ表示よりも多少減ります。
ですので単純に電費と容量を掛け合わした距離では表示できませんので注意しましょう。
リーフの燃費・電費の口コミ
リーフの燃費についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッター上からリーフの燃費に関する口コミをご紹介していきます。
リーフに乗っていると言うと「電気自動車って残りの航続距離が心配で落ち着かない」というご意見をいただきます。
しかし、しばらくすると自分の使い方(距離や電費感)も分かってきて、このくらいでも別に何とも思わなくなるのは不思議ですね。#日産リーフ #航続距離 pic.twitter.com/TJBWOzUZxq— 鉄道と自転車とEVと (@mlmlml33947661) 2019年1月26日
こちらの方は6.2km/kWhという数値が出ています。電気自動車は航続可能距離が不安という声がありますが、使っていくうちに自分の使用方法などからだいたい把握できるので大丈夫なようです。
今日のもぐもぐタイムは
リーフくん
アッ🤭1泊レンタルしました。平均電費6.6kw/hって良いのでしょうか。 pic.twitter.com/VZC6HTf9B8— 高田 司(ニックネーム つうちゃん) (@GoTsuuChann) 2019年1月27日
こちらの方は6.6km/kWhという数値です。モニターキャンペーンで使われている方もこれぐらいの数値が出るようなので、平均的に6~7km/kWhを想定しておけば大丈夫かもしれませんね。
40kWhリーフの2019年2月電気料金:789.6円
– 電力使用量合計:64.5kWh
・電力消費量:92.9kWh
・発電量:28.4kWh
– 走行距離:476.4km
– 平均電費:7.4km/kWh
エアコン使っていますが、高速道路を使ったり遠出をしていなかったので、距離もこんな感じです。— ひかり (@hikarihikaruyo) 2019年3月2日
こちらの方はエアコンを使用しても7.4km/kWhという数値を出されています。計算式の出し方からもリーフの常連さんのようです。これぐらいの電費がでるようにがんばりましょう。
なお口コミ・評判については以下の記事でさらに詳しく取り上げているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
リーフの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!リーフの歴代の燃費・実燃費
カタログと実際の使用では大きく違うリーフですが、歴代のリーフの燃費はどうだったのでしょうか。ここでは歴代の燃費を検証していきます。
初代リーフの燃費・実燃費
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初代リーフは2010年に発売されすでに9年が経つモデルです。モデルライフの間に3度ものマイナーチェンジで車体は改良されています。
そんなリーフの航続可能距離はJC08モードのカタログ数値で228km、30kWモデルで280kmという数値で、8.06km/kWhという数値です。実電費は5~8km/Lとまずまずな性能でした。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 8.06km/kWh |
実電費 | 5~8km/L |
リーフはバッテリーの改良やモーターの変更、ついにはエアコンの仕組みまで変更しつつ現行モデルを迎えています。注目していると電気自動車の進化を目のあたりにできる面白い車です。
リーフの燃費・電費の理由
電気自動車リーフは航続距離を最大限に伸ばすためにさまざまな仕組みで頑張っています。これらはどういった技術があるのでしょうか。解説していきます
大容量バッテリー
現行モデルのリーフには最大で62kWもの電力を蓄えることができます。これは一般的な家庭での電気使用量の4日分に値するほどの容量です。
車のサイズにも限界がありますので、そのサイズを変えずにこれだけのバッテリーが積載できるというのも技術の賜物です。
電気効率の良い暖房
リーフは電気だけで走るため、普通のガソリン車に比べて空気抵抗やエアコンからの負担が非常に重くのしかかります。そういった負担を少しでも減らすために、冷暖房にはヒートポンプ方式が使われています。
本来自動車はエンジンの排熱で暖められた冷却水を車内に取り入れて、そこに風を当てて暖房としています。
しかしリーフの場合はエンジンがないので排熱がありません。そこで暖房のためにわざわざ冷却水を電気の力で温めることになるのですが、これでは非常に効率が悪く航続距離が大幅に減ってしまいます。
ヒートポンプ方式とは家庭用エアコンと同じ仕組みで、ガスの圧縮や開放によって使用電力の何倍もの能力で冷暖房を聞かせる仕組みです。性能限界はありますが、冬場の電力消費を抑える最大の仕組みです。
その他にもアルミを使った遮熱天井やハンドルヒーター、シートヒーターなどによって消費電力を抑えることで、実質の航続距離を伸ばしています。
空気抵抗を味方につけたボディ
リーフは空気抵抗の影響を受けやすいというお話をしました。内燃機関に比べムダの少ない電気自動車は、ガソリン車にとっては少しの影響でも非常に大きなエネルギー損失になります。
内燃機関の種類と仕組み/構造!外燃機関との違い4つと類似点4つ!将来性あり?!そこで空気抵抗を最大限に減らすためにボディの形状の工夫やシャーシ裏にはアンダーカバーを装着しています。これは先代よりもさらに抵抗を減らすように考慮した形状で、空気抵抗の低減に成功しています。
さらに横風でうける影響をも考慮してスポイラーやバンパーの形状を作り込んでおり、さらなる航続距離の増加に成功しています。
国産スーパーカーであるGT-Rを作り出す、日産ならではの技術がたくさん使われています。
寒い冬はリーフの敵
リーフは気温が一定以上下がるとバッテリーの放電効率が下がり、航続可能距離が下がってしまいます。
おおよそ5度以下、バッテリーの温度計が3メモリ以下ぐらいだと放電効率が悪くなるので走行距離が落ちます。
加えて暖房という消費電力の大きなものを使ったりもするので、航続距離の低下はテキメンです。これはどうしようもないことなので、冬場は航続距離が落ちるものだと覚悟しましょう。
なお航続距離については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【実験】リーフ40kWhのフル充電の走行距離は236km!実際の航続距離が短いか測定してみた【冬編】リーフの燃費・電費の改善・向上方法
航続距離が不安と言われがちなリーフですが、できるだけ長く乗る方法はないでしょうか。ここではリーフの燃費をさらに向上する方法をご紹介します。
ゆっくり発進しよう
リーフはアクセルオンからいきなり最大トルクが発生する非常に気持ちの良い走りが特徴的です。とはいえそんなことばかりしていては電気の消費が多くなるばかりで、走れる距離は減ってしまいます。
なのでリーフも発進時はクリープ走行で徐々に前に出ましょう。やはり重いものを動かすのにはエネルギーがかかります。
そしてスピードが乗ってきたらアクセルを3割ほど踏み込んでしっかり加速しましょう。目安はエネルギーメーター3つぐらいを目安にします。
エンジンブレーキを使おう
リーフはブレーキを踏めば充電される回生ブレーキを搭載しています。
強いブレーキはブレーキパッドを消耗してしまうので、余裕を持った走りで軽いブレーキやアクセルオフによるエンジンブレーキのような感じで運転しましょう。
必要に応じてBレンジに切り替えることで回生ブレーキを強めることもできます。
ワンペダル走行に慣れよう
運転に慣れてきたらリーフのアクセルのオン-オフで加減速ができる、ワンペダルドライブに挑戦しましょう。
アクセルと回生ブレーキがアクセルペダル一つで操作できるので難しい操作がなく、航続距離を伸ばすには最適のモードです。
最初はなかなかアクセルを緩める感覚がつかみにくいので減速時にカックンとなりがちです。しかしなれると非常に便利で効率的な走行が可能です。
もちろん減速の際には減速度に合わせてブレーキランプが点灯するので安心して運転できますよ。
速度は控えめに
リーフなど電気自動車のモーターは高速域が非常に苦手です。これはどうしようもなく、電気自動車の限界です。なので速度は80km/h程度に抑えて航続距離を伸ばしましょう。
モーターの性能の他にも空気抵抗の増加、内部抵抗の増加などさまざまなな負担がかかります。少しの負担が大きな負担になる電気自動車では、こうした負担を減らすことが航続距離を伸ばす最大の手です。
もしリーフを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!リーフの燃費・電費を他の車と比較
国内の電気自動車市場はまだまだ狭く、なかなかライバルと言える車はいません。
なのでここでは比較されやすいトヨタのプリウスPHV、三菱のアウトランダーPHV、BMWのi3と比較していきます。
トヨタ プリウスPHV
プリウスPHVは超高効率なパワートレインに大容量バッテリーを搭載した充電可能なハイブリッドカーです。リーフ購入の際によく比較される車です。
カタログ数値はJC08モードで68.2km、電費が10.54km/kWh となっています。実際には60kmほど走れるという人もいますが、実電費は7~10km/kWhという数値が多いです。
そこにシステム燃費が37.2km/Lとハイブリッドらしい非常に高い数値をしています。実燃費も街乗りでは24~28km/L、高速燃費でも25~30km/Lと驚異的な燃費性能です。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 10.54km/kWh |
実電費 | 7~10km/L |
航続可能距離はハイブリッドシステムを搭載しているプリウスPHVのほうが圧倒的に長いですが、単純にバッテリー容量だけで比較するとリーフのほうが容量が大きいのでリーフの勝ちです。
しかし電費はカタログ数値も実電費もプリウスPHVのほうが優れています。残念ながら電気自動車としての性能はリーフよりもプリウスPHVのほうが優れています。
なおプリウスPHVについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
プリウスPHVの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!プリウスPHVの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!三菱 i-MiEv
i-MiEvはリーフよりも先に発売された軽自動車ベースの電気自動車です。
現在ではボディの改良によってサイズが大きくなり、普通車区分になっています。とはいえ小さいボディながら電気で走れる気軽な車です。
カタログ値はJC08モードで航続距離が164km、平均電費が8.74km/kWhと航続距離が不安な数値です。実際には航続距離は100kmほど、電費は7~9km/Lとなっています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 8.74km/kWh |
実電費 | 7~9km/L |
航続可能距離はバッテリー容量の多いリーフのほうが圧倒的に多いです。
電費はi-MiVeのほうが車両重量が軽いためか良いです。電費ではi-MiEvのほうが優れていますが、実用性を考えるとリーフのほうが勝っています。
BMW i3
i3はドイツ車メーカーのBMWが販売する電気自動車です。リーフとほぼ似たような時期に発売され、電池切れの際に作動する補助エンジンを搭載するなどリーフの一歩先ゆく使い勝手を提供しています。
現行モデルは42kWhのバッテリーを搭載しカタログ数値はWLTCモードで航続距離が360km、電費が7.87km/kWhとなっています。
ただこちらのバッテリー容量は発表されたばかりで実績があまりないので、今回は33kWhモデルの方で比較していきます。
33kWhモデルはJC08モードで航続距離が390kmとなっていますが、実際の走行距離は150~180kmほどで、電費は5~7km/kWhです。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 7.87km/kWh |
実電費 | 5~7km/L |
直接のライバルのような形で競い合う2台の電費性能は大きく変わらずバッテリー容量の多さでリーフのほうが若干距離は多いです。
ただ補助エンジンの存在によって航続可能距離や電欠の際に取れる策が多いi3のほうが利便性は高いです。
しかしその分メンテナンスも必要になってくることを考えると、リーフのほうが電気自動車らしくて使いやすいでしょう。
なおBMWについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
BMWは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!BMWで安いモデルは?いくらから買えるか安い順に紹介!リーフは季節による航続距離の違いに注意
リーフはガソリンのいらない電気だけで走ることのできる車です。
手間は少ないですがガソリン車に比べて負荷に非常に弱くいのでエアコンの使用や空気抵抗、気温の変化によっても走れる距離は大きく変わります。
バッテリーだけで走るリーフは寒いと放電効率が悪くなりバッテリーの特性上、冬場の航続距離は極端に落ちます。暖房の消費電力が大きいことも加担し、非常に大変です。
燃料代がかからず維持費が非常に安いのが魅力のリーフですが、ご自身のライフスタイルに合うのか今一度しっかり確認してから購入することが重要です。
なおリーフについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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