ハイブリッド車はエンジンとモーターを組み合わせて低燃費を追求する車種で、ハイブリッドシステムには専用の大型バッテリーが搭載されています。
そんなハイブリッド車ですが、ハイブリッド用のバッテリーとは別に「補機バッテリー」という小型のバッテリーも同時に搭載されているのですが、その役割は何なのでしょうか。
今回はハイブリッド車に搭載されている補機バッテリーについてご説明します。
ハイブリッド車の補機バッテリーとは
「補機バッテリー」とはそもそもこれまでのガソリン車やディーゼル車にも搭載されていたバッテリーのことを指し、いわゆる車のバッテリーと呼ばれている部品です。
ディーゼルエンジンの特徴！メリット5つとデメリット6つ！補機バッテリーとは
補機とはそもそもエンジンに関連する電装品のことを指しますが、その補機へ供給するためのバッテリーが補機バッテリーです。
近年はエンジンの様々な部品が電動化され、加えて他の機器や内装部品も電動化が進んでいるので補機バッテリーの役割は年々必要性が高くなっているといえます。
通常の車ではエンジンの動力で稼動するオルタネーターという発電機があり、エンジンか稼働している間は補機バッテリーへの充電が行われます。
エンジンが停止している間は補機バッテリーから車のすべての電子機器へ給電が行われ、またエンジン始動時のエンジンスターターを作動させる電力にも使われます。
補機バッテリーはDC(直流)12Vの鉛バッテリーが使われており、車の電装品はすべてが12V電源を中心にシステムが構築されます。
補機バッテリーには何種類ものサイズがありますが、車に適合したサイズと容量の補機バッテリーは規格が標準化されており、市販されている補機バッテリーを選んで搭載できます。
従来の車には欠かせない補機バッテリーですが、ハイブリッド車ではどうなのでしょうか。
ハイブリッド車の補機バッテリー
ハイブリッド車は従来のガソリン車やディーゼル車に、「ハイブリッドシステム」と呼ばれる専用の電動モーターシステムが組み合わされた車です。その効果によってエンジンの非効率な点を補い、それにより燃費を改善します。
ハイブリッドカーとは？メリット6つとデメリット/問題点11つ特徴をわかりやすく解説！ハイブリッドシステムはシステム電圧が数百ボルトと非常に強力な電源が必要なシステムで、補機バッテリーでは大幅に不十分です。
そのためハイブリッド車には専用の大型の駆動用バッテリーが搭載されており、電圧も容量も補機バッテリーとは比べ物にならないほど強力です。
そのため電源としてみれば補機バッテリーは不要なようにも思えますが、実際には補機バッテリーは依然必要です。
というのもハイブリッド車はハイブリッドシステム以外は従来の車と全く同じ車であり、エンジンを始めとした電子機器は従来と同じく12V電源を使用した部品です。
そのためハイブリッド車であっても12V電源を確保しなくてはならず、その電源としてハイブリッド車にも補機バッテリーが搭載されます。
ただ補機バッテリーの充電はハイブリッドシステムの駆動用バッテリーから電圧を落として供給されており、発電はハイブリッドシステムのモーターが利用できるのでハイブリッド車にはオルタネーターは不要です。
ただ近年は車の様々な補機がハイブリッドシステムの高い電圧に対応した機器も登場してきており、12Vシステムより効率のよい高電圧補機システムは将来的にも発展する様相を見せています。
なおハイブリッド車の仕組みについては以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車はバッテリーの充電が必要？その方法と仕組みをわかりやすく解説！ハイブリッド車の補機バッテリーの寿命
ハイブリッド車の補機バッテリーは充電と放電を繰り返すと劣化して電圧が低下する特徴があり、一定期間使用すると寿命が来るので交換が必要な時期が来ます。
補機バッテリーに限らず充電池というものは基本的に充電と放電を繰り返すと性能が劣化する特徴があり、これはスマホやパソコンのバッテリーを使っていると体験したことのある人も多いと思います。
補機バッテリーに使われる鉛バッテリーはハイブリッドシステム用のリチウムイオンバッテリーなどに比べて寿命は短く、自動車用の補機バッテリーはおおよそ2年〜3年程度で交換が必要なタイミングがきます。
ハイブリッド車のバッテリーの寿命！交換時期と方法、かかる費用まで全て解説！補機バッテリーの寿命は決められた期間は特に無いのですが、劣化が進むといくら充電しても電圧が上がらない状態になり、最終的には「バッテリー上がり」の状態となります。
こうなると大きな電力を必要とするエンジンのスターターに、始動に必要な電圧を供給できないようになり、結果的にエンジンの始動ができない状態となります。
その状態でもエンジン以外の内装品は一応使用できますが、始動を続けてバッテリーをさらに消費するとそれすらも不可能となります。
バッテリーの寿命は普通に車に乗っていると自然に劣化は進んでいきますが、他にも車の使い方によっても劣化が進行する場合もあります。
それは寿命が十分残っている状態でもバッテリーが完全放電したときなどで、例えば内装のライトやヘッドライトをつけっぱなしにしてしまってバッテリーを消費したときに起こります。
バッテリーの特徴として完全放電してから再充電すると全体の容量が低下するので、補機バッテリーの寿命を低下させないためにはライトなどのつけっぱなしの状態を起こさないようにしましょう。
寿命を迎えた補機バッテリーは交換が必要な状態であり、後述する方法で新しいバッテリーと部品交換しなければなりません。
もしハイブリッド車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
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ハイブリッド車の補機バッテリーの交換についてご説明する前に、補機バッテリーが「バッテリー上がり」を起こした時の対処方法をご説明しておきましょう。
一度バッテリー上がりの状態になった補機バッテリーは単独では正常な状態には戻らず、外部からの充電が必要になります。
補機バッテリーがバッテリー上がりになると、いくらハイブリッド用の駆動用バッテリーに十分に充電されていても車のシステム自体がダウンしているので、補機バッテリーへの充電が行われません。
そのためもう一度車を動かすためには補機バッテリーを外部のバッテリーと接続して、外部バッテリーの電力で一度車を再始動する必要があります。
一番簡単なのは同じような補機バッテリーを搭載している別の車と繋ぐ方法で、ブースターケーブルという専用のケーブルで接続することでバッテリー上がりした車を再始動することができます。
相手の車はハイブリッド車ではなく、ガソリン車やディーゼル車などのエンジン車にしなければなりませんが、これはハイブリッド車がバッテリー上がりの救援ができない車なのでしかたないのです。
一度相手車とケーブルをつなげれば車は始動することが出来ますが、その状態でまたエンジンを停止してしまうとまたすぐバッテリー上がりの状態になってしまいます。
ですので車が走行できる状態であるうちに、バッテリー交換ができるディーラーや自動車用品店まで自走するようにしましょう。
なお当然ながら自分がハイブリッド車に乗っていたら、別の車がバッテリー上がりしても救助することはできません。
ハイブリッド車のバッテリー上がりについては以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車のバッテリー上がりの原因と対処法！救援はできないのか真実を解説！ハイブリッド車の補機バッテリーの交換方法
ハイブリッド車の補機バッテリーの交換方法は基本的に普通の車と同じで、比較的簡単な手順で交換が可能です。
補機バッテリーの交換はまず交換用のバッテリーを準備し、それを古いバッテリーと取り替えるだけで作業は完了します。
補機バッテリーにはハーネス(電線)やバッテリー固定用の金具などが付いていますが、それらは非常に取り外しのしやすい構造になっているので、個人でも十分に交換は可能です。
ハーネスの取り外しには順番がありますが、一度わかってしまえば難しいことはありません。
またディーラーや自動車用品点などでもバッテリー交換は可能で、交換用のバッテリーも企画部品なのでほとんどの場合は在庫が揃っています。短い時間で交換できるので手間も少なく、楽にできるのでおすすめです。
なお一般的な車は補機バッテリーはエンジンルームに搭載されているのですが、ハイブリッド車はエンジンルームにハイブリッドシステム部品が搭載されていることが多く、補機バッテリーはトランクルームなどに移設されていることが多いです。
ハイブリッド車の補機バッテリーの交換費用
ハイブリッド車の補機バッテリーは「ハイブリッド車専用」の仕様になっている場合が多く、補機バッテリー自体の値段は少し高い場合が多いです。
補機バッテリーはガソリン車などの場合は数千円程度が一般的で、交換費用を入れても10,000円程度で交換は可能です。
ですがハイブリッド車用の補機バッテリーは価格が10,000円近くなっているものが多く、交換費用を加えると10,000円〜15,000円の間ぐらいでしょう。
個人で交換する場合は値段の安い補機バッテリーを選んで費用を抑えることはできますが、ディーラーや自動車用品店ではだいたい上記の価格ぐらいです。
ですが個人で交換する場合は古いバッテリーの処分費用などが別に発生する場合があるので、それを合わせればほぼ同等の費用となるでしょう。
ハイブリッド車の補機バッテリーの選び方
ハイブリッド車の補機バッテリーはネットショッピングサイトでも販売されており、種類も結構豊富です。
Amazonなどにもハイブリッド車用バッテリーはたくさん発売されており、代表的なものは次のようなものがあります。
いずれも10,000円を越す価格ではありますが、比較的リーズナブルな種類でこのぐらいの価格であり、もう少し価格の高いものも存在します。
また価格がもう少し安いものなどもありますが、できるだけ信頼できるメーカーのものを選ぶほうがよいでしょう。
なおこれらの商品には古いバッテリーの無料回収サービスが付属していることも多く、これを活用すれば多少は費用を抑えることができるでしょう。
なおハイブリッド車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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