S-エネチャージやヘッドアップディスプレイなど、さまざまな先進装備が魅力的なワゴンR。
車内の広さと使い勝手が両立された十分な空間で、走行性能も良くできています。
そんなワゴンRですが、燃費性能はどうなのでしょうか。
ここではワゴンRの燃費性能について解説していきます。
ワゴンRの燃費・実燃費
ワゴンRにはNA(自然吸気)エンジンとS-エネチャージエンジンの2つのパワートレインがあります。
一般的にカタログ燃費の達成率は6割から7割と言われている中、ワゴンRの実燃費はカタログ燃費をどの程度達成しているのでしょうか。それぞれのカタログ燃費と実燃費を見ていきます。
NAモデルはカタログ燃費が26.8km/L、S-エネチャージが33.4km/Lです。では実燃費はどうでしょうか。
燃費の種類 | NA | S-エネチャージ |
カタログ燃費 | 26.8km/L | 33.4km/L |
街乗り燃費 | 19~21km/L | 20~22km/L |
高速燃費 | 20~22km/L | 20~24km/L |
実燃費は上記のようになっています。実燃費で20km/Lを超えており、非常に優秀な燃費だと言えるでしょう。
燃費達成率はS-エネチャージモデルで約6割、NAモデルでは7割ほどとなっており、ワゴンRの燃費達成率はガソリン車としてもハイブリッド車としても平均的な達成率です。
低燃費が目的で購入しても文句は出ない燃費性能と言えるでしょう。
なおNAエンジン、S-エネチャージについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!Sエネチャージとは?ハイブリッドより評価が高い?搭載車種はこれ!ワゴンRの燃費の口コミ
ワゴンRの燃費性能についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッターからワゴンRユーザーの実際の声を紹介していきます。
ワゴンRハイブリッドターボくんの燃費、今の所こんな感じ。下道で飛ばしすぎなければ25km/Lぐらいまでは行くけど、それ以上はターボだしCVTだしで結構厳しい pic.twitter.com/c4kXAvnTmu
— ばーちゃらいざー (@virtualizer_jp) 2018年11月27日
ハイブリッドターボモデルでも25km/Lの数値を出せるそうです。これ以上の数値は出せていないそうなので、ターボだとこの辺が頭打ちかもしれません。
ターボエンジン車は燃費が悪い?燃費向上は走り方次第で可能?!今日は、背中とお腹が痛かった。話したり、歩いたり動くときつかった。背中にホッカイロ貼って、胃薬飲んだらだいぶましになった。
仕事の代車のワゴンRが、燃費25キロ走るし70キロくらい余裕で出る。
センターメーターじゃなければ、良い車だなぁ。
やたらと、新車になったのって言われた。 pic.twitter.com/TRH0Croj2D— しん@ZC33S (@ZC33sswiftsport) 2018年11月20日
仕事車で25km/Lの燃費数値が出れば会社の経費としても助かりますね。
会津に行きやすい理由、燃費がいい車だとだいぶ安く行けるのが大きいのよね。今回だとリッター15kmの旧型ヴィッツやマーチとリッター27kmのワゴンRで燃料代が2500円位違う。
— C-Wing@芸カ:ユ32 (@DD_wing) 2018年11月21日
普通車とワゴンRでは、走る距離によって燃料代の差額で高速代が出るほどの価格差があります。ワゴンR燃費性能は非常に優秀です。
なおワゴンRの口コミ・評判は以下の記事でもまとめているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ワゴンRの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ワゴンRの歴代の燃費・実燃費
なかなか燃費の評価が高いワゴンRですが、歴代のワゴンRの燃費はどうでしょうか。ここでは歴代モデルの燃費を解説します。
CT/CV型の燃費・実燃費
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初代ワゴンRは10・15モード燃費で15.6km/Lという数値です。この燃費は4WDでターボモデルのものとなります。実燃費は8~11km/Lと、25年前のターボモデルの軽自動車としては良好な燃費性能といえるでしょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 15.6km/L |
実燃費 | 8~11km/L |
なおターボエンジンについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!MC型の燃費・実燃費
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2代目のワゴンRのカタログ燃費は初代と同じく4WD・ターボで、16.4km/Lとなっています。しかし実燃費は8~11km/Lと初代とほとんど変わらない数値です。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 16.4km/L |
街乗り燃費 | 8~11km/L |
MH型の燃費・実燃費
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3代目ワゴンRは再び実用性を重視したデザインへと外観も大きく変え、機能的になり非常に売れたモデルです。
カタログ燃費はNAエンジンのFF車で20.0km/Lと大きく伸びています。実燃費は街乗りで11~14km/L、高速で15~17km/Lと実燃費もしっかりと伸びてきています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 13.2km/L |
街乗り燃費 | 11~14km/L |
高速燃費 | 15~17km/L |
MH23型の燃費・実燃費
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4代目のワゴンRは3代目と基本は同じですがCVTの採用など現代の燃費向上技術が見られ始めたモデルです。
カタログ燃費は1割ほど伸びて23.0km/Lとなっています。街乗りでは15~17km/L、高速では17~20km/Lとこちらも大きく伸びています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 23.0km/L |
街乗り燃費 | 15~17km/L |
高速燃費 | 17~20km/L |
MH34型の燃費・実燃費
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5代目ワゴンRはアイドリングストップやエネチャージなど、スズキの低燃費策が多く採用されているモデルです。
カタログ燃費は28.8km/Lとさらに大きく伸びています。実燃費は街乗りで19~21km/L、高速で21~23km/Lと実燃費もしっかりと伸びてきています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 28.8km/L |
街乗り燃費 | 19~21km/L |
高速燃費 | 21~23km/L |
ワゴンRの進化は時代のニーズを的確に捉えて進化しており、燃費の進化もしっかり感じられるモデルです。
ワゴンRの燃費の理由
現在のワゴンRはワゴン軽自動車ながらも30km/Lの大台をついに超えてしまいました。そこまで燃費性能が向上した理由は何なのでしょうか。解説していきます。
パワートレインの進化
ワゴンRのパワートレインは燃費改善のための技術が非常に多く採用されています。
エンジンの効率よい部分で加速・走行するCVTと信号待ちなどでの無駄なアイドリングを抑制するアイドリングストップの制御は、先代まででしっかり作り込まれています。
現行モデルからはこれまでのS-エネチャージをさらに進化させているのです。S-エネチャージは減速時のエネルギーを回収して燃料消費の一番多い走り出しをモーターでアシストするものでした。そのモーターがさらに進化し、走り出しでクリープ走行ができるようになりました。
実際には10秒ほどしか機能しませんが、走り出しの一番効率の悪い部分をモーターで走れるというのは非常に燃費にはききます。
なおS-エネチャージについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
Sエネチャージとは?ハイブリッドより評価が高い?搭載車種はこれ!効率の良いアイドリングストップ
S-エネチャージの他にも効率の良いアイドリングストップができるシステムがあります。それが停車前アイドリングストップやエコクールです。
停車前アイドリングストップは信号待ちなどで停車する際に、車が完全停止する前からアイドリングをストップさせることが可能なシステムです。ちょっとでも無駄を減らせますね。
ただアイドリングストップで問題なのは、夏場の暑い時期などはエンジンを止めてしまうともちろんエアコンも止まってしまうことです。これだとすぐに車内が熱くなり、エンジンを再始動しないとたまったものではありません。
しかしワゴンRには送風口に保冷剤が付いており、冷風で冷やされた保冷剤を通った空気がアイドリングストップ中でも快適な風を作り出してくれるため、時間を長く取れるようになりました。
保冷剤程度かと思いますが、低燃費を意識するときには非常に助かります。
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ワゴンRの燃費改善・向上方法
ワゴンRの燃費の良い理由を解説してきましたが、今度は燃費良く走るための方法を解説していきます。
出だしはモーターで走らせる
ワゴンRの今回一番の燃費改善ポイントがS-エネチャージです。現行モデルからは一番エネルギーを使う走り出しがモーターのみでクリープ走行ができるようになりました。
走り出しはできるだけクリープ走行で前に出てある程度進んでからアクセルで加速しましょう。これを意識するだけでかなりの燃料消費を抑えることができます。
アイドリングストップをうまくつかう
ワゴンRには停車中だけでなく、停車前からエンジンを止める停車前アイドリングストップもついており、燃料の無駄な消費を抑えています。
ただ低燃費に貢献するアイドリングストップですが、場面によっては右左折の妨げになったりエンジンがすぐ再始動するなど逆に燃費に良くなかったりし、じゃまになることもあります。
実はこのアイドリングストップは、闇雲に停車するだけでなくペダル操作によってアイドリングストップを動作をコントロールすることができます。
ただこれといった決め手はなく、減速中にブレーキを多少緩めるとアイドリングストップがかからなかったりなど、感覚に近い部分が多いです。アイドリングストップをうまくコントロールして燃費良く走りましょう。
ちなみにアイドリングストップが採用されている車は、3秒以上エンジンが停止することで燃費が改善されます。
エンジンブレーキを活用する
先述のワゴンRのS-エネチャージの機能を十分に発揮するには十分な充電が必要です。そこでさらなる燃費向上のために減速時にはエンジンブレーキで減速しましょう。
車はだいたい1,500回転以上でアクセルが離された状態であればエンジンブレーキがかかります。さらにメーター内にバッテリーの充電マークが出ている間は回生充電で車両のバッテリーに充電されています。
エンジンブレーキは回生ブレーキによってバッテリーの充電だけでなく、燃料供給をカットしエンジンの負荷で減速するため燃料の消費も減らせます。周囲の状況を把握し、早めのアクセルオフをすることで効率の良い減速ができるのです。
ただ燃費をよくしたいからと言って闇雲にアイドリングストップやアクセルオフなどをするのではなく、道路状況をしっかり把握し、周りの車の流れを妨害したりあおり運転にならないように周りへの配慮が非常に大事です。車の特性をしっかり掴み低燃費な運転をしましょう。
ワゴンRの燃費を他の車と比較
さまざまな技術で進化を続けるワゴンRですが、ライバルの車たちはどうでしょうか。ここでは日産のデイズ、ホンダのN-WGN、ダイハツのムーヴと比較していきます。
日産 デイズ
ワンランク上の軽自動車というふれこみで人気のある日産のデイズ。以前燃費不正などで残念ながら燃費にケチが付いてしまっています。
とはいうもののアイドリングストップやバッテリーアシストシステムなど燃費改善技術もしっかり取り入れられています。
カタログ燃費はNAモデルで25.8km/Lという数値です。では燃費を見ていきます。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 25.8km/L |
街乗り燃費 | 17~19km/L |
高速燃費 | 19~21km/L |
燃費の数値を見ていくと、ワゴンRにはやはり届かない数値です。ただ車内の質感や安全装備に関してはデイズのほうが優れている部分もあるのでなかなか甲乙つけ難い2車種です。
ホンダ N-WGN
サイドカーテンエアバッグの採用やJNCAPの高評価など、日本一安全な軽自動車として登場したN-WGN。センタータンクレイアウトなどもあり使い勝手と走りの良さは、非常に好評な車です。
カタログ燃費はNAモデルで29.4km/L、ターボモデルで26.0km/Lとなかなか良い数値を出しています。基準者にもターボモデルの採用があるなど走りに関しても強気です。では実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | NA | ターボ |
カタログ燃費 | 30.0km/L | 25.6km/L |
街乗り燃費 | 16~18km/L | 15~17km/L |
高速燃費 | 19~22km/L | 17~21km/L |
燃費性能はワゴンRの勝利です。車内の使い勝手の良さなどはN-WGNも非常に便利ですが、ワゴンRも十分に使いやすいですし、予防安全装備なども現在はワゴンRの方が優れているためN-WGNを選ぶ理由はないでしょう。
ダイハツ ムーヴ
ムーヴはワゴンRの登場に対抗して発売されたこちらもまた歴史の長い軽自動車です。最近はタントなどの影に隠れてしまいあまり目立ちませんが、十分に魅力のある車です。
カタログ燃費はNAモデルで31.0km/L、ターボモデルで27.4km/LとワゴンRにせまる数値です。では実燃費を見てみましょう。
燃費の種類 | NA | ターボ |
カタログ燃費 | 31.0km/L | 27.4km/L |
街乗り燃費 | 18~20km/L | 14~16km/L |
高速燃費 | 20~23km/L | 17~21km/L |
燃費性能はやはりワゴンRのほうが勝っています。ただ安全装備に関しては若干ムーヴのほうが優れていますので、燃費優先ならばワゴンR、安全性優先ならムーヴのほうがおすすめです。
ワゴンRはとても扱いやすい軽自動車
ワゴンRは現在の市場では、とても中途半端なカテゴリにいます。
広さではハイトワゴンにはかないませんし、燃費などはコンパクトタイプにかないません。しかし実は広い車内でありながらも低燃費で走行安定性も高い、両モデルの良いところを非常に良い状態で組み合わされた、とてもバランスの良い車です。
とても扱いやすい軽自動車となったワゴンR。今一度軽自動車のスタンダードのワゴンRを見直すいい機会かもしれません。
なおワゴンRについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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